目次
- 法学部卒の就職先は法曹界から民間企業までと幅広くある!
- そもそも法学部とは?
- 法学部の就職先で人気の業界6選! 業界の特徴も詳しく解説
- ①法曹界
- ②公務員
- ③金融業界
- ④商社
- ⑤情報通信業界
- ⑥サービス業界
- 進路選択の参考にしよう! 法学部出身者が法曹界を就職先に選ぶ2つのメリット
- 法に関するエキスパートとして専門知識を活かせる
- 知識を活かして人の役に立てる
- 法曹界だけじゃない! 法学部出身者が法曹界以外で働く2つのメリット
- 法律の知識を活かすことで存在感を発揮できる
- 論理的思考力を発揮してさまざな場面で活躍できる
- 知識を活かせる! 法学部出身者が公務員を目指す2つのメリット
- 公務員試験に受かりやすい
- ワークライフバランスを保ちやすい
- 法学部の就職に役立つ資格6選! 取得までの道のりもチェックしよう
- 弁護士
- 行政書士
- 司法書士
- 宅地建物取引士
- 社会保険労務士
- 税理士
- 一般企業への就活でアピールしたい法学部出身ならではの強み
- リーガルマインド
- 文章作成力
- 法学部生の面接でよく聞かれる質問例と回答例を解説!
- 「法学部を選んだ理由は? 」へのOK回答
- 「法学部を選んだ理由は? 」へのNG回答
- 「大学で学んだことは? 」へのOK回答
- 「大学で学んだことは? 」へのNG回答
- 法学部の強みを生かして就職を成功に導こう
法学部卒の就職先は法曹界から民間企業までと幅広くある!
こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。
「法学部に通っているけれど、就職先をどうするか迷っています。」
「法学部が狙いやすい就職先はありますか? 」
と学生から質問をされることがよくあります。
一般的に文系の中でも法学部は就職に強いという声もありますが、本当なのか気になる学生もいるでしょう。この記事ではキャリアアドバイザーの解説を交えつつ、実際に法学部の学生に人気の就職先や、それぞれのメリット、就職に有利になる資格などを詳しく解説しています。
法学部から就職を目指す人にとっては必見の内容ばかりなので、ぜひ最後までチェックしてくださいね。
そもそも法学部とは?
主に憲法、刑法、刑事訴訟法、民事訴訟法、民法、商法の六法を基本に、法律について学ぶ学問を扱うのが、法学部です。
法学部では、過去の事例を参考に学生同士で議論をしながら、法律の知識、解釈の仕方を学んでいきます。またそれだけでなく、社会で起きているさまざまな事象を知り、ディベートの方法や、多角的なものの見方なども身に着けることができます。
キャリアアドバイザー
キャリアアドバイザーコメント上村 京久プロフィールをみる
法学部の学生は就活で有利になるケースもありますが、その理由として法律関係の学びを通して社会問題や課題に触れる機会が多くあり、社会人意識が早くから培われる点が挙げられるでしょう。世の中で起きている事象に対して自分事として捉える習慣が身につき、それを就活でも活かしている学生も多いですよ。
加えて、法学部の授業では法律関係のケーススタディーを扱うことも多く、グループワークやディスカッションなどで考える力や発信力が鍛えられることも強みの1つです。就活では書類や面接を通して自分の考えを伝える場面が多くありますが、法学部の学生は普段から自身の考えを述べる習慣がついていることも、選考で有利になりやすい理由といえますね。
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法学部の就職先で人気の業界6選! 業界の特徴も詳しく解説
就活生
具体的に法学部の就職先にはどんなところがあるのでしょうか?
キャリアアドバイザー
法学部の学生の就職先はとても幅広いですよ! 法曹界に進む人もいれば、公務員や金融系の仕事などさまざまです。どんな就職先が人気なのか、詳しく解説しますね。
法学部の就職先は弁護士や検察官といった専門性の高い仕事ばかりではありません。先ほど解説した通り、法学部で学ぶことで得られる知識はさまざまな場面で役に立ちます。
だからこそ、幅広い業界で法学部出身者が活躍しており、選べる選択肢は無数にあるのです。ここからはその中でも就職先として人気の業界を6つ解説するので、一緒にチェックしていきましょう。
①法曹界
法学部の就職先としてまず考えられるのは、法律に関する専門知識を活かせる裁判官や弁護士といった仕事ですよね。法律にかかわる専門職としては具体的にこのようなものが挙げられます。
- 裁判官
- 弁護士
- 検察官
- 裁判事務官
- 弁理士
- 家庭裁判所調査官
- 検事事務官
- 労働基準監督官
- 社会労務士
- 行政書士
- 公認会計士
- 司法書士
この中でいわゆる「法曹三者」と言われる裁判官、弁護士、検察官になるには、法学部から法科大学院に進んだ後、司法試験を受けるのが一般的です。
ただ実際に就職先として選ぶ人の割合としてはそこまで高くはなく、法務省・文部科学省が2017年に法学部の学生を対象に調査した「法学部に在籍する学生に対する法曹志望に関するアンケート調査結果」でも、法曹界に進みたいと考える人は法学部の学生のうちの13%程度となっています。
法曹三者は専門知識と国家資格が必要な職種で、試験も非常に難しいものとなり法学部の学生でも合格できるのは一握りという点も1つの理由として挙げられますね。
キャリアアドバイザー
とはいえ、法律の専門家として知識を活かし、社会的意義のある仕事に就けるのは魅力的ですよね。
②公務員
法学部の就職先としては公務員も非常に人気です。公務員試験は法律の知識が問われることが多く、法学部で学んでいることを活かしやすいというのも理由として挙げられます。
また、働き始めてからも公務員の仕事は日本国憲法をはじめ、さまざまな法律と関係し、さらには難しい条文を読みこなさなければならないため、法学部で訓練した条文を読み解くための思考力が役に立ちます。
キャリアアドバイザー
公務員になるために法学部を選択した、という人も実際には多くいます。
③金融業界
公務員と並んで法学部の就職先として多いのが金融業界です。金融とは「お金を融通する」という意味があり、メガバンクや地方銀行、信用金庫、クレジット会社、保険会社、リース会社などがあります。
お金を動かしていくなかでは法律の知識が重要となるため、法学部出身者が活躍しやすい業界だと言えます。たとえば投資先企業を調べたり、新しい金融商品について理解したりするためにも、法律の知識や、法律をすぐに理解できる法的センスが必要となります。
キャリアアドバイザー
平均年収が1,000万円を超える企業もあるなど、一般的に給与水準が高いというのも就職先として人気の理由かもしれません。
保険会社についてはこちらの記事で詳しく解説しています。保険会社での適職を見極められる診断方法についても紹介していますので、あわせて参考にしてみてくださいね。
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④商社
商社は商材を仕入れ、欲しい企業に売ると言う、売り手と買い手を結びつける企業です。商社においてはトレーディングや事業投資などの取引において、法律の知識が強みとなります。
法学部の学生は契約書などを読むのにも強く、取引相手が安全な会社かどうかを調べるのにも知識を活かしやすい点で、就職先として選ぶ人も多いですよ。また、法務に配属され、契約関連の法律知識をもって活躍する働き方も選択肢としてあります。
商社には医療や鉄鋼、食品など特定の分野に強い専門商社と、幅広い商材を扱う総合商社があります。大きな金額を動かすことも珍しくはなく、グローバルに活躍できる可能性が高い点も、法学部の学生に人気のポイントかもしれません。
⑤情報通信業界
情報通信業界も法学部出身者に人気があります。一見法学部と情報通信業界は無関係に見えますが、論理的に物事を考えられる人が向いている業界という点では、相性の良い業界ともいえるのです。
情報通信業界には、電話会社やケーブルテレビ会社、プロバイダー、ポータル企業、Webメディア、情報サービス業などの製作会社などさまざまな会社があります。ITや、IoT、AIの技術は今や私たちの生活には不可欠なもので、今後も発展していく業界の1つと考えられています。
キャリアアドバイザー
情報通信業界でも法律にかかわる案件はたくさんあり、法学部の知識が役立つ場面は多くありますよ。
⑥サービス業界
サービス業界で活躍する法学部出身者は多くいます。サービス業界というと幅広く、運輸・郵便業、宿泊業、飲食サービス業、娯楽業、不動産業、医療・福祉などさまざまです。共通点は人が「何かをしてほしい」「こういうサービスがあったらいいな」に対応する業界だということになります。
コミュニケーション力のほか、顧客のニーズを知るマーケティングスキルや、サービスに関するアイデアを形にする行動力も大切です。人の話を聞き困りごとを解決する際などには、法学部で培った調整力などが役に立つ場合もあります。
また、顧客との間でトラブルが起きたときに、物事を理論的かつ効率良く解決に導くのが得意な人であれば、顧客にとっても会社にとってもよい答えが導き出せ、顧客に説明するのにも向いているでしょう。
キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
上述したとおり、法学部の学生が活躍している業界は多岐にわたります。その理由の1つとして法学部の学生は「どの業界でも活躍できそうだから」という点があげられるでしょう。
法律は社会のルールや規制でもあるため、それを学ぶ法学部の学生は「真面目そう」や「誠実そう」といったイメージを持たれることが多くあります。また法律を学ぶ中で正義感が強まっていくこともあるので、不正や不祥事を起こすことなく真面目に働いてくれる期待から企業や組織から重宝されやすいでしょう。
また、膨大な量の法律の知識を習得するためには、単純な丸暗記ではなく、背景や歴史、事例などを忍耐強く学ぶ必要があります。そのため法学部の学生に対してコツコツと努力できる姿が想像でき、企業からすると「安心して仕事を任せることができそう」といったイメージも持たれることも、さまざまな業界で法学部の学生が活躍している理由といえますね。
法学部に限らず、文系というくくりで学生から人気の職種について知りたい人はこちらも参考にしてください。
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進路選択の参考にしよう! 法学部出身者が法曹界を就職先に選ぶ2つのメリット
就活生
法学部出身者の進路は大きく分けて、法曹界、民間企業、公務員があるんですね。そのなかでも難易度が高い法曹界を選ぶ学生はどのようなメリットを感じて就職をしているのでしょうか?
キャリアアドバイザー
良い視点ですね! では法曹界を目指すメリットから説明しますね。
就職先について悩んだときは、他の人がどのような理由で選んだのかを知ることも大切です。自分の中にはなかった視点やその仕事が持つ魅力に気づくことができ、視野を広げることに役立ちます。
ここからは法学部の学生がどのようなメリットや魅力を感じて、法曹界を選んでいるのかを解説します。選択肢の幅を広げるためにも、ぜひ参考にしてみてくださいね。
法に関するエキスパートとして専門知識を活かせる
法曹界を就職先として選ぶと、法律の専門職として学んだことを活かしながら働けるのが大きなメリットです。
法務省と文部科学省が法学部に在籍する学生を対象に令和元年に調査した「法学部に在籍する学生に対する法曹志望に関するアンケート調査結果」によると、法曹界志望の学生のうち65.7%が「法律に興味があり、法律に関する専門的知識を使った仕事をしたいと思ったから」を、志望理由として選択しています。
法学部のカリキュラムは複雑だと言われ、司法試験合格を目指すには膨大な時間を費やすことになりますが、大学の講義や受験勉強で得た難しい専門知識と論理的思考、考え抜く力を、法曹界では存分に発揮できます。
知識を活かして人の役に立てる
法曹界の仕事は個人や企業にかかわることで、人の役に立つことができます。もちろん理想だけを追うわけにもいかず、感謝されることばかりではありませんが、人の役に立っているという自負は仕事を続けるうえでのモチベーションになります。
裁判官や検事官であれば正義を守ると言う自負が持て、弁護士であれば依頼主に寄り添って業務を進める点に魅力を感じるかもしれません。
とくに弁護士は、業務を通じて、さまざまな人とかかわれるということにもメリットを感じる人もいるでしょう。離婚やご近所トラブルを抱えている個人、小さな商店の主、企業の経営者など、さまざまな人に出会い、人生に大きくかかわっていくことができます。
法曹界だけじゃない! 法学部出身者が法曹界以外で働く2つのメリット
就活生
法曹界に進む人の理由はわかったのですが、一方で一般企業を目指そうと考えた人は何を理由としているのでしょうか。
キャリアアドバイザー
一般企業というと幅広く、選ぶに至った理由はさまざまです。ただ1つ言えるのは、法曹界でなくとも法学部の学生が強みを発揮できるシーンは確かにあり、やりがいを感じられる仕事は無数にあるということです。
法学部で得た知識や経験は法曹界以外の業界でも活かすことができます。ではどのような理由で、就職先を決めているのでしょうか。詳しく解説していくので、自身の進路選択に役立てるためにもぜひチェックしておきましょう。
法律の知識を活かすことで存在感を発揮できる
法律の知識や法的センスは法曹界以外の企業でも必要になる業務が多くあります。
営業であれば取引に際して法律がかかわることが多く、条例などを読み取る力がなければ、大きなトラブルになる可能性があります。広報や宣伝関連の仕事も、広告に関連した法律や、広告媒体を作成する時に知的財産権などの知識が必要です。
その他にも、労務、人事の部署に配属されれば、より法律の知識が必要になってきます。こういった点からも法学部で学んだことを強みとして発揮できる場面は一般企業でも多くあり、そこにやりがいを感じて選ぶという人はたくさんいるのです。
論理的思考力を発揮してさまざな場面で活躍できる
法律の知識が直接関係ないシーンでも、法学部で培った素養が役立つことが非常に多くあります。たとえば、法学部の学生が持つ素養の1つに論理的思考がありますが、社会の中で働くには論理的思考がとても重要となり、多くの企業が採用基準として設けるほどです。
法学部出身者は業務について論理的に考えることができ、さらにはディベートなどで伝える力も養われ、社内に企画を説得する場合も、取引先を説得する際にも強みを発揮します。
キャリアアドバイザー
また、仮説を裏打ちするためのデータ作成も得意な人が多い傾向にあることから、業務の提案に必要なエビデンスを集め、正確かつ効率良く情報を伝えることができるという点でも活躍しやすいといえますね。
知識を活かせる! 法学部出身者が公務員を目指す2つのメリット
就活生
友人の1人に公務員を目指して法学部に入ったという人がいます。実際のところ、法学部から公務員は目指しやすいのでしょうか?
キャリアアドバイザー
必ずしも法学部に入ったからといって公務員になれるわけではありませんが、法学部出身で公務員として活躍している人が多いのは事実ですよ。
公務員を目指すうえでは法律の知識が必須となるため、法学部で学んだことが活かしやすいというのは事実です。ただ、就職先として公務員が選ばれる理由というのは、もちろんそれだけではありません。
法学部出身の学生がどのような点を魅力に感じ、公務員を目指しているのかを詳しく解説していくにで、こちらもしっかりとチェックしておきましょう。
公務員試験に受かりやすい
公務員試験では法律系の問題が多数出題されるため、公務員になるために法学部に進む人も多くいます。
憲法、民法、行政法を3本柱に、専門科目では職種によって労働法や商法、刑法、刑事訴訟法、民事訴訟法などが出題されます。他のジャンルの問題と比べても出題数が多く、基本を知っていると、受験勉強もスムーズに進むでしょう。
必ずしも法学部というだけでは採用に影響があるわけではありませんが、勉強を進めやすいという点から、比較的就職に有利だといわれています。
ワークライフバランスを保ちやすい
公務員はワークライフバランスがとりやすいとされています。ただし、公務員と言っても、国家公務員や地方公務員があり、さらには教員、警察官、自衛官など職種はさまざまで、働き方も異なるため必ず事前に確認はしてくださいね。
また、各省庁や地方行政でも、有給休暇や産休・育休を取りやすくするなど職員のワークライフバランスに関する施策は幅広くおこなわれている点も魅力の1つといえるでしょう。
法学部の就職に役立つ資格6選! 取得までの道のりもチェックしよう
- 弁護士
- 行政書士
- 司法書士
- 宅地建物取引士
- 社会保険労務士
- 税理士
大学時代に資格を取得しておくことで就職を有利に進めることができます。ただ弁護士や行政書士のような士業の国家資格は非常に難易度が高いため、取得を目指すうえでは対策にとても多くの時間をかける必要があります。
ただ法学部の就職にどんな資格が役立てられるのかを知っておくことは、目先の就活だけでなく今後のキャリアプランを考えるうえでも役に立ちます。ここからは6つの資格とそれにまつわる職種について解説していくので、1つずつ確認していきましょう。
弁護士
法律の専門知識を生かして民事事件や刑事事件で、依頼者の利益を守るために、弁護活動をおこないます。
弁護士になるためには、法学部から法科大学院に進み、司法試験に合格するのが一般的です。司法試験に合格した後は、司法修習生として研修を受け、日本弁護士連合会の弁護士名簿に登録することで活躍できるようになります。
キャリアアドバイザー
中には法科大学院に通わなくても、予備試験に合格して司法試験を受験する人もいますが、それでも入念な対策が必要であることに変わりはありません。
行政書士
県庁などの役所や警察署など官公署に提出する電磁的記録を含む書類を、クライアントからの要望に合わせて作成する業務を担うのが行政書士です。作成した書類を提出するところまでも業務に入り、扱う書類の種類は簡単な届出から許認可手続きに至るまでさまざまです。
行政書士になるには、行政書士の資格を取得した後に行政書士会に登録しなければいけません。資格を取得するには試験がありますが、弁護士や弁理士などの資格を持っていれば取得ができます。そのため弁護士の資格と一緒に行政書士も取得している人が多くいます。
キャリアアドバイザー
行政書士試験は年齢、学歴、国籍問わず受験できますが、登録ができるのは成人してからです。今後の選択肢として覚えておきましょう。
司法書士
不動産や会社の登記を代理して、裁判所などに提出する書類を作成するのが司法書士の仕事です。簡易裁判所で民事訴訟や調停などの代理業務や、成年後見制度によって高齢者や障がい者の財産保護の支援などもおこないます。
行政書士と似ていますが、作成できる書類の範囲が異なり、会社設立の登記申請(商業登記)をするのは司法書士の独占業務です。
司法書士試験に合格した後、日本司法書士会連合会の司法書士名簿に登録する必要があります。受験資格にとくに規定はなく誰でも受けられますが、法的な知識が必要になるため事前準備はもちろん必要ですよ。
宅地建物取引士
宅地建物取引士とは、宅地の取引をする際に必要になる資格です。宅地建物取引業第35条にある重要事項の説明をし、重要事項説明書の記名や同第37条にある書面への記名をおこなうことができます。
資格を取得するには宅地建物取引業法に基づき、宅地建物取引士資格試験に合格し、国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受ける必要があります。「民法」や「宅建業法」の出題があるため、法律特有の表現に慣れている法学部の学生は受験勉強に有利だと言えるでしょう。
社会保険労務士
社会保険労務士は、企業の労働や保険、年金の相談に乗るなどの業務をおこなう際に必要となる国家資格です。労働社会保険の手続きなどもおこないます。
社会保険労務士試験では労働基準法、雇用保険法、労働安全衛生法など、労務や社会保険に関する法律が出題されます。一般的な法学部で学ぶ知識だけでは不十分ではありますが、他の学部の学生よりは勉強を進めやすいといえますね。
税理士
税務のスペシャリストが税理士です。業務内容には「税務相談」「税務署類の作成」「税務代理」があります。それぞれの違いを解説します。
- 個人や法人問わず、税金に関する相談に乗る
- 確定申告書や相続税申告書など、税務署に提出する書類をクライアントに代わって作成する
- 確定申告、青色申告の承認申請や、税務署への不服申し立て、税務調査の立ち合いなどをおこなう
税理士になるには税理士試験に合格しなければなりません。ただし、弁護士や公認会計士であれば試験の免除が受けられます。試験には簿記論や財務諸表論があるので、経営学部や商学部の学生のほうが有利ですが、税法については法学部出身者は比較的有利だといえますね。
キャリアアドバイザーコメント酒井 栞里プロフィールをみる
上述した資格のほかにも、自分が就きたい業界や職種が決まっている人は、それに合わせた資格の取得をすると良いでしょう。
たとえば、金融業界を目指している人であれば、簿記検定やファイナンシャルプランナーなどの資格を取得しておけば、書類選考や面接でも意欲をアピールでき高評価を得られるのではないでしょうか。長い目で見ても入社後、直接仕事に活かせるとなるとメリットは大きいですよ。
また、現代社会では公務員でも民間企業でもビッグデータが重要な情報源となっていることもあり、幅広い業界からデータアナリスト分析関連の資格を取得している学生は重宝されています。 大学内で対策講座が開催されていることもありますので、自身が通う大学でどのような資格試験が受けられるのか調べてみるのもおすすめですね。
一般企業への就活でアピールしたい法学部出身ならではの強み
- リーガルマインド
- 文章作成力
就活生
法学部の学生として、面接で自分をアピールするとしたら、どのような点を強みにしたらいいのでしょうか。
キャリアアドバイザー
では、法学部の学生が学業を通じて身に付けやすく、面接でもアピールしやすいとされる「リーガルマインド」と「論理的思考」について説明ので、ぜひ参考にしてみてください。
たとえば法学部の学生ならば、法律を解釈したり、判例についてディベートしたりするなかで身に着けていったことがあるはずです。
これらから紹介する「リーガルマインド」と「論理的思考力」は、法学部生としての活動をアピールできるだけでなく、社会人になった後も必要となる力のアピールにもつながるため、選考では積極的に伝えていけるように意識すると良いでしょう。
リーガルマインド
リーガルマインドとは柔軟かつ的確な法的判断をするための思考力を指します。リーガルマインドでは下記のようなスキルが必要となるため、リーガルマインドをアピールするということは、複数のスキルを備えているというアピールにもつながるのです。
- 問題発見力
- 問題分析力
- 論理的思考
- 折衝力
- 解決力
- バランス感覚
- 論理的に説得する力
リーガルマインドをすでに身に着けていることは、法学部の学生にとっての強みとなります。たとえば自分の強みを聞かれた時に、リーガルマインドとは答えなくても「私は問題分析力があると思います」と伝え、実際に分析力を発揮したエピソードを話すとよいでしょう。
ここで解説したリーガルマインドの構成要素としては、問題解決能力もその1つとして挙げられます。問題解決能力についてはこちらの記事で詳しく解説していますよ。
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問題解決能力が備わっている人は選考でも高評価を得やすいです。 この記事では、問題解決能力が必要とされる理由、向上させる方法などをキャリアアドバイザーが解説します。 解説動画、自己PR例文、おすすめ本も参考に能力を鍛えおきましょう!
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問題を解決するためには、問題を発見する力を必要です。上記の記事に合わせて、こちらの課題発見力の記事もぜひチェックしておきましょう。
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課題発見力は仕事をするうえで重宝される力です。この記事ではキャリアアドバイザーが、課題発見力とは何かをさまざまな角度から分析し解説します。課題発見力を高める方法や自己PRの作り方なども例文付きで解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
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文章作成力
法学部で学ぶなかでは論述の進め方についても触れることがあり、その知識や経験は、ビジネスでも重要な論理的思考(ロジカルシンキング)につながり、筋の通った文章を作成できるようになります。
論理的な文章は、ビジネスのあらゆるシーンで役に立ちます。社内外でのプレゼンでも相手によく伝わる書類が作成できるでしょう。
論理的思考があれば、文章を書くだけではなく、日ごろのコミュニケーションにも役立てられます。周囲への説明も簡潔かつ分かりやすく話すことができ、営業のセールストークでも相手に刺さる話し方が可能です。
履歴書やエントリーシートなどでもしっかりと、論理的な文章で、アピールするようにしましょう。
論理的思考の一部として、自己PRで分析力をアピールしたい人はこちらをご覧ください。
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法学部生の面接でよく聞かれる質問例と回答例を解説!
キャリアアドバイザー
ここからは、面接で法学部の学生がよく聞かれる「法学部を選んだ理由」と「大学で学んだこと」に対する回答例を紹介します。流れや全体の構成に注目しながらぜひチェックしていきましょう!
就活生
そういった質問をされたらどうしようと思っていたところでした! 回答作成の参考にさせていただきます。
「法学部を選んだ理由」と「大学で学んだこと」の質問への回答から企業は、就活生が何を大切にしているのかや、どんな努力をしてきたのかを見極めようとしており、これらは合否にも影響するほどの大切な質問です。
ここで的確に回答するためには、あらかじめ回答対策をしておくことが大切になるので、これから解説する例文を参考に自分なりの回答を考えていきましょう。
「法学部を選んだ理由は? 」へのOK回答
社会のあらゆるシーンで、法律の知識は重要だと考えたからです。また、法律を学ぶことで社会の規範を守る精神が培われると考えました。
ゼミでは、ビジネスの世界でも必ず役に立つと思われる知的財産法について学びましたが、私たちが普段の生活のなかで気付かぬうちにやってしまいがちな違反が意外に多いことを知りました。
御社の業務の中で知的財産権などの知識を生かしつつ、私自身もコンプライアンスをしっかりと遵守しながら活躍できる人材になりたいと考えています。
キャリアアドバイザー
法律をよく知ることで、社会のルールを守れる人になりたかったという理由が明確に分かります。また、大学で学んだことを、社会で役立てていきたいという気持ちも伝わってきます。
「法学部を選んだ理由は? 」へのNG回答
私が法学部を選んだ理由は、文系では経済学部と並んで就職に役立つというものでした。
将来を考えると理系のほうが役立つような気はしましたが、残念ながら数学が苦手でした。そこで、文系の中で将来に役立つ勉強ができるところと考えた時に法学部を思いつき、大学では国際関係に関する法律を学びました。
御社は商社として海外との取引も多いので、学んだ知識が活かせると思います。
キャリアアドバイザー
法学部を選んだ理由を聞かれた時の回答ですが、学んだことを仕事に役立てたいという結びは良いと思います。ただし、どのような質問に対してでも言えることですが、他がだめだから仕方なく選んだというような表現は避けたほうがよいですね。
「大学で学んだことは? 」へのOK回答
大学の講義を通じて、物事を冷静に考えることが身に付いたと思います。
判例を見て自分なりの考察をレポートにまとめたり、民法のゼミで発表と議論を重ねたりするうちに、相手を説得するには、まずは、自分が冷静になり、相手の意見をきちんと聞くことが大切だということがよくわかりました。
仕事においても、常に人の意見を聞き、冷静に考えることを大切にしていきたいと考えています。
キャリアアドバイザー
『法学部を選んだ理由は?』と同様に、法学部の特性も入れつつ、学んだことがこれからの人生でどう役立つかを考えながら回答するとよいでしょう。ここでアピールしている冷静さは、正確さが必要な部署では魅力的な長所と捉えてもらえるでしょう。
「大学で学んだことは? 」へのNG回答
私は法学部の中でも政治学科で学びました。
政治論や政治史、公共政策などについて深く学ぶとともに、グローバル時代に対応すべく、ゼミでは国際政治について学びました。
子供の頃から海外で活躍したいという夢があり、ぜひ実現したいと思っています。
キャリアアドバイザー
一見、国際政治を学んだことと、海外で活躍したいということが結びついているように見えますが、具体的に何を学んだのかが書かれていないため、理論が飛躍しているようになってしまい、共感を得ることが難しい文章になってしまっています。
例文を確認したうえで、面接での受け答えについてもっと詳しく学んでおきたいと感じたならこちらの記事がおすすめですよ。
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キャリアアドバイザーコメント加藤 大智プロフィールをみる
面接の時間は限られているので、端的にわかりやすく回答することが重要です。質問に対して何も考えずに回答してしまうと、話が長くなってしまったり、まとまらないなど、わかりづらい回答になってしまうでしょう。限られた時間で好印象を得るためにも、ある程度予想される質問と回答は準備しておく必要があります。
よくある例として、状況説明を事細かに話し過ぎてしまい、肝心の自分なりの視点や創意工夫した点などが、抜け落ちてしまっている人がいます。面接官は学生の人間性や入社後どのように働いてくれそうなのかをイメージしながら面接を進めているので、状況説明は簡潔に話し、自分の考えや努力したことなどを伝えると良いでしょう。
また応募者が法学部の学生の場合、その年に新しく施行される法律や改正される法律などについての見解を問う場合もあります。本番で焦ったり戸惑わないためにも、事前に自身で想定質問を考えて、回答を用意しておくことをおすすめします。
法学部の強みを生かして就職を成功に導こう
法学部では法律の内容をただ暗記するのではなく、文章の解釈の仕方や、物事を公平にバランスよく見る力、論理的思考などが身に着いていきます。それらは社会で役立つことが多く、就活でも自分の強みとしてアピールが可能です。
法学部の学生の就職先としては公務員や金融関係などが人気ですが、ほかにも法学部で培った素養を強みに、さまざまな業界で活躍しています。法学部で学んだことを活かして、理想のキャリアを叶えていきましょう。
法学部の学科としては法律を専門に学ぶ法学科のほか、国際法を学ぶ学科や、政治を学ぶ学科などもありますよ。