目次
- お菓子メーカーへの就職は企業ごとの特徴を知ることが大切!
- そもそもお菓子メーカーとは?
- お菓子業界の全体像
- お菓子メーカーには2種類の企業がある
- 全国展開しているお菓子メーカー
- 地方のお土産などを扱うお菓子メーカー
- お菓子メーカーに就職した場合の主な仕事内容
- ①営業・販売
- ②企画・マーケティング
- ③研究・開発
- ④製造
- お菓子メーカーへの就職難易度が高いといわれている2つの理由
- 誰もが知っている有名企業が多いため
- 募集条件に制限がある職種があるため
- お菓子メーカーの3つの課題
- プライベートブランドの台頭による競争の激化
- 少子高齢化と健康志向の広がり
- 原材料費の高騰
- お菓子メーカーの今後の展望
- 海外市場への進出
- 時代のニーズに合わせた商品の開発
- お菓子メーカーの主要企業10社
- 明治
- 江崎グリコ
- カルビー
- ロッテ
- 森永製菓
- ブルボン
- 不二家
- 亀田製菓
- 井村屋グループ
- 湖池屋
- 地方に根付くお菓子メーカーも合わせて紹介!
- 石屋製菓
- 豊島屋
- お菓子メーカーに向いている人の3つの特徴
- ①自社商品に愛着がある人
- ②流行に敏感な人
- ③責任感がある人
- お菓子メーカーへの就職は文系理系どちらが有利?
- 営業職や企画職は文理関係ない
- 研究・開発職は比較的理系が多い
- お菓子メーカーへの就職に資格は必須ではない!
- 営業、企画職に特別な資格はいらない
- 研究・開発職も資格は必須ではないが有利にはなる
- お菓子メーカーへの就職のために必要な選考対策
- 自己PRのポイント
- 志望動機のポイント
- お菓子メーカーを志望する学生からよくある質問に回答!
- お菓子メーカーへの就職を目指すなら、まずは企業を深く理解しよう!
お菓子メーカーへの就職は企業ごとの特徴を知ることが大切!
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生から、
「お菓子メーカーとはどのような企業なのでしょうか? 」
「お菓子メーカーにはどのような人が向いているのですか? 」
という声をよく聞きます。お菓子メーカーは就職先として人気が高く、憧れる学生も多いでしょう。しかし一方で、「倍率が高いから、内定を獲得するのは難しそう」と諦めてしまう学生も多数います。
就職難易度の高いお菓子メーカーの選考を突破するには、業界の特徴や企業ごとの強みを深く理解することが大切です。企業研究を深めて、自己PRや志望動機を作成することが鍵になるのです。
この記事では、企業研究に役立つお菓子メーカーの業界での立ち位置や課題、主要企業ごとの強みなどを紹介します。また、向いている人や選考対策も紹介しているので、お菓子メーカーに少しでも興味がある人はぜひ参考にしてみてくださいね。
そもそもお菓子メーカーとは?
就活生
キャリアアドバイザー
企業の名前は知っていても、お菓子業界のことを詳しく知らない人も多いですよね。ビジネスモデルや企業の役割を紹介します。
- お菓子業界のなかで、商品の企画・開発から製造、販売をおこなう企業
お菓子メーカーそれぞれの特徴を調べる前に、お菓子メーカーが属する「お菓子業界」の全体像を把握しましょう。
お菓子業界の全体像
このようにお菓子業界は、お菓子の原料を生産する「第一次産業」から、原料を調達する「商社」、商品の企画・開発をする「お菓子メーカー」、商品を販売する「小売業界」までを含めた業界です。お菓子メーカーの多くは商品の製造までですが、なかには企画から店舗での販売までを担う企業もあります。
お菓子メーカーの主な役割としては、お菓子の企画・開発や製造、商品の研究などです。お菓子メーカーの企画は、パッケージのデザインから商品のコンセプト、味の展開まで、幅広い範囲を担当します。味に関しては研究・開発の分野と協力しながら、コンセプトにできるだけ近付けるために試行錯誤します。
お菓子業界のなかで商品開発に携われる企業は、基本的にお菓子メーカーに属する企業になります。そのため、「お菓子が好きで、商品の開発にかかわってみたい」という学生は、お菓子メーカーへの就職がおすすめです。
お菓子メーカーには2種類の企業がある
お菓子メーカーの役割についての理解が深まったところで、お菓子メーカーの主な種類についても理解しておきましょう。それぞれどのような特徴があるのか紹介します。
全国展開しているお菓子メーカー
まずは、誰もが知っているような全国展開をしているお菓子メーカーです。たとえば、板チョコレートで有名な「明治」やコアラのマーチが人気な「ロッテ」などが挙げられますね。
これらの企業は基本的に大手のメーカーになります。そのため学生からの人気も高く、難易度も高いというデメリットがあります。
一方で大手メーカーのメリットとしては、お菓子の種類の幅広さです。チョコレート菓子・スナック菓子・和菓子・冷菓(アイスクリーム)など、さまざまな種類のお菓子にかかわれるのは、大手メーカーならではといえますね。
また、アニメや芸能人とのコラボや、大型のキャンペーンイベントができるという点も大手メーカーの魅力です。最近では、SNSを活用したプレゼントキャンペーンをおこなう企業もあるなど、会社外の人を巻き込んだ販売戦略を考えてみたい人には魅力的といえるでしょう。
社員数が多く、規模の大きな仕事に携わることができるという点は全国展開をしている大手メーカーならではの強みと言えますね。
地方のお土産などを扱うお菓子メーカー
大手メーカー以外にも、地方に根付くお菓子メーカーも存在します。たとえば、北海道のお土産で有名な『白い恋人』を製造している「石屋製菓」や、『鳩サブレ』で有名な「豊島屋」などが挙げられます。
これらの企業の特徴としては、お菓子を通じてそれぞれの地域の知名度や観光に貢献できるというところです。先ほど例に挙げた2社も、「その地域のお土産といったらこれ」という商品を扱っていますよね。
例に挙げた以外にも、全国にこのようなお菓子メーカーが存在しています。地方のお菓子メーカーは、長年愛されているような主軸となる商品を中心に販売しているケースが多く、培われてきた伝統や技術に携わることができるという点は魅力と言えますね。
しかし一方で、製造するお菓子の種類や規模が限られているケースが多く、大手メーカーのように全く異なる商品の企画・製造に携わる機会は少ないといえるでしょう。
それぞれメリットデメリットがあるので、もし「地方創生に携わりたい」「地方の観光を盛り上げたい」という人は、地方のお菓子メーカーを目指してみるのも良いかもしれませんね。自分自身のやりたいことをもう一度考えて、どちらのメーカーを志望するか考えてみましょう。
お菓子メーカーに就職した場合の主な仕事内容
ここまで、業界全体を見る広い視点でお菓子メーカーへの理解を深めてきました。
そしてここからは、実際に就活で選考に応募するならという視点で、お菓子メーカーのことを知っていきましょう。まずはお菓子メーカーの主な4つの仕事内容を紹介します。
①営業・販売
お菓子メーカーの営業職は、自社の商品を小売店などで扱ってもらうために営業をする仕事で、基本的に法人営業になります。扱う商品がお菓子というだけで、ほかの業界の営業と仕事自体は大きく変わりません。
しかし、海外進出が活発なお菓子メーカーだと語学力がもとめられる場合もあるので、応募条件も注意して確認しましょう。
また、販売職は、小売店などで自社の商品を直接顧客に販売する仕事です。これはたとえば、「不二家」の店舗で働いて、顧客に直接お菓子を販売している人などをイメージするとわかりやすいですね。すべてのお菓子メーカーが販売までを担うわけではないので、選考を受ける前に確かめるようにしてくださいね。
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②企画・マーケティング
企画・マーケティング職は、お菓子市場のニーズを分析して、新しい商品を企画したり既存の商品をリニューアルしたりする仕事です。
また、商品を企画するだけでなく、その商品の販売戦略を考えるのも仕事の一環です。
どちらも市場のニーズや動向を的確に捉える能力が必要なため、市場のトレンドや顧客の声などに常に耳を傾ける必要がある仕事になります。
企画職について詳しく知りたい人はこちらを読んでおきましょう。
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③研究・開発
研究・開発職は、企画・マーケティング職と連携をして、新しい商品を実際に開発する仕事です。これは専門知識を有する仕事なので、理系学生のみ募集している企業が多いです。
開発の際には、原料の選定や調合をしながら、試作と試食を繰り返して、企画の商品に近づけていきます。そのため、何度も微調整をしながらコンセプトに近付けていくという、地道な努力が必要な仕事です。
企画・マーケティング職が出したアイデアを形にするうえで、なくてはならない仕事ですね。
④製造
製造職は、研究・開発職が完成させた商品を大量生産して、市場に届けられる状態にする仕事です。
お菓子メーカーの商品は、ほとんどが機械で製造されています。そのため、人の手で作業をする部分は少ないですが、製造する機械のメンテナンスなど、商品を安全に生産するための管理は必要になります。
そのほかにも、商品の梱包や検品などをおこなう場合もあります。企業によって異なりますが、経験を積めば、生産ラインの管理から原材料の発注などまで、幅広い仕事を任されるようにもなりますよ。
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お菓子メーカーへの就職難易度が高いといわれている2つの理由
就活生
お菓子メーカーにもっと興味が出てきました! でも なぜ毎年こんなにも人気なのでしょうか?
キャリアアドバイザー
お菓子メーカーが人気なのには、主に2つの理由があるんです。確認してみましょう。
お菓子メーカーは就職難易度が高いとされていますが、なぜなのでしょうか。ここでは、お菓子メーカーの倍率の高さの原因を解説します。
誰もが知っている有名企業が多いため
就活を始めたての学生の多くは、自己分析や業界研究をする前に、まずは名前を知っている企業になんとなくエントリーする傾向があります。そして、特にお菓子や食品メーカーの企業は、生活に身近な商品を扱っているので他の業界に比べても認知度が高く、募集が集まりやすいのです。
また、上記に加えて、お菓子の開発や企画はテレビでも取り上げられやすいコンテンツですよね。そのため、お菓子メーカーの仕事に興味を持つ人数も、必然的に増えてしまいます。
このように、そもそも興味を持つ人が多い業界であることと、有名な企業が多いという点から、倍率が高くなってしまう傾向にあるのです。
募集条件に制限がある職種があるため
もう一つの理由は、募集条件が制限されている職種があるためです。これは、研究・開発系の職種に限られますが、理系の学生に絞って募集をかけている場合があります。そのせいで、逆に募集が集中してしまい、理系学生にとっても難易度が高くなっているのです。
研究・開発職は、新商品の味を開発したり、既存商品をより美味しくするために試行錯誤する仕事です。「お菓子の新商品開発」というイメージで、この仕事が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
そのため、小さい頃からこの仕事を志望していて、高校・大学の学部も理系を選択したという学生も一定数いるのです。
このように、将来の就職先のために学部を決めたという学生も集まるので、必然的にレベルも高く、志望度も高くなります。その結果、就職難易度も高くなっているのです。
キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
お菓子メーカーは就職難易度が高い傾向にあるとお伝えしました。そのため、事前にしっかり準備する必要があります。多数の応募者のなかに埋もれないように、自分を存分にアピールしましょう。
応募者数が多い場合は目立つことも大切です。目立つには、ほかの学生が持っていないような強い志望動機が重要となります。志望動機をアピールするために、自分の大切にしたい軸が応募企業とマッチしていることを伝えましょう。そのため、自分の軸について突き詰めて考えたり、応募企業について研究を重ねたりすることが必須です。企業研究は、企業公式サイトやOB訪問以外に、IR情報を参考にしてもいいですね。
また、実際に経験したお菓子に関するエピソードを話せるようにしておくことも大切です。志望動機のポイントはこの後にも詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。数ある応募者のなかの一人にならないように、面接官の印象に残る志望動機を準備しましょう。
お菓子メーカーの3つの課題
お菓子メーカーの業界研究を進めるうえで、現状の課題分析は欠かせません。
常に売れているようなイメージのあるお菓子メーカーですが、市場規模としては頭打ち状態にあります。なぜこのような状況なのか、今のお菓子メーカーの3つの課題について解説します。
プライベートブランドの台頭による競争の激化
まずは、プライベートブランドの拡大によって、お菓子メーカーの商品との競争が激化しているという課題です。
- 小売店や流通業者、卸売業者など、自分たちでは商品を企画・生産しない業態の企業が独自に展開している商品のこと
- お菓子メーカーが製造・販売し、そのお菓子メーカーの名前で販売されている商品のこと
プライベートブランドとして近年有名になってきたのは、「セブンイレブン」の『セブンプレミアム』や「イオン」の『TOPVALU(トップバリュ)』などです。特にコンビニのプライベートブランドは、コンビニスイーツで人気を集めているので、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
プライベートブランドの特徴は、小売店独自で開発をするので、自社の強みを持った商品を低価格で独占的に販売できるという点です。そのため、ナショナルブランドの商品よりコストパフォーマンスが良い商品も多いのです。
そのため、プライベートブランドが拡大していく中で、どのようにナショナルブランドとしての価値を提供するかというのが課題の1つとなっています。
少子高齢化と健康志向の広がり
お菓子メーカーは子どもや学生などをターゲットとしているので、少子化の影響を大きく受ける企業といえます。総務省のデータによると、平成23年(2008年)の総人口に対する0歳から14歳の年少人口の割合は13.1%なのに対して、平成30年(2018年)には12.2%まで下がっています。
このように国内の少子化は徐々に進んでいるので、同じターゲット層で売れていたとしても母数が減ってしまい、国内の売上は横ばい状態になってしまっているのです。
また、これに加えて健康志向が広がっていることもあり、今までと同じような戦略では商品の売上が伸ばせない状況になっています。
そのため、健康志向のニーズをくみ取りながらも、売上を伸ばすための販売戦略を考えなければいけないのです。
原材料費の高騰
最後はお菓子業界全体にかかわる問題で、原材料費の高騰です。
じゃがいもや小麦などのお菓子の原材料費の高騰や海外からの輸送費の高騰などで、お菓子メーカーは商品の値上げを余儀なくされています。
原材料費の高騰は利益をじかに圧迫しており、大手メーカーの「明治」では2022年の3月、4月と約3%~11%程度の値上げを発表しています。
値上げの影響は顧客のサービスへの不満にもつながるので、今後のお菓子業界の大きな課題といえるでしょう。
お菓子メーカーの今後の展望
課題があるということは、その課題の解決のための施策もあります。ここでは、それぞれのお菓子メーカーが、課題解決のためにおこなっている施策と今後の展望を解説します。
海外市場への進出
少子化による国内市場の縮小や海外での日本のお菓子の人気によって、海外市場へ活発に進出しているお菓子メーカーもあります。
たとえば、「江崎グリコ」の人気商品である『ポッキー』は、現在世界30ヵ国で発売されており、海外でも大人気なお菓子です。その人気もあってか、江崎グリコは世界12ヵ国、18社で海外事業を展開しています。
このように、海外市場の成長可能性から、海外に向けた商品の開発に力を入れている企業も増えています。海外向けに既存商品をどのようにアレンジするのかも、企業ごとの施策の工夫があわられるポイントですね。
時代のニーズに合わせた商品の開発
お菓子に対するニーズは時代によって少しずつ変化しています。たとえば、新型コロナウイルス感染拡大による自粛の影響で、食への健康意識が上がりお菓子も健康志向になったり、支出が減った分少し高級なお菓子を買うというプレミアム志向が広がったりなど、徐々にニーズが移り変わっています。
健康志向のニーズを叶える商品としては、2016年に「ロッテ」から発売された、乳酸菌を生きたまま腸に届ける『乳酸菌ショコラ』が挙げられますね。これ以外にも、ストレスの軽減や糖質コントロールなど、さまざまなチョコレートが売り出されています。
また、健康志向のほかにも、プレミアム志向も広がってきています。たとえば、「明治」の『ザ・チョコレート』は、通常の板チョコの2倍の値段にもかかわらず一大ヒット商品となりました。パッケージの高級感とクラフトチョコレートという特別感を強みとして、プレミアム志向のニーズをばっちり捉えた商品といえます。
このように、変化し続ける顧客のニーズを捉えて商品を企画・開発することで、売上を伸ばすための施策を常にアップデートし続けているのです。
お菓子メーカーの主要企業10社
選考企業を絞るうえで、企業の主要商品や特徴を理解しておく必要がありますよね。
ここでは、お菓子メーカーの主要企業といわれる10社の主要商品や特徴を紹介します。これらの情報を比較して、あなたの目指す企業を絞ってみてくださいね。
明治
明治は、明治ホールディングスの子会社で、明治グループの中で食品領域に位置する会社です。
明治を代表するお菓子といえば、「meiji」と書かれた板チョコレートですよね。そのほかにも、チョコレート菓子のロングセラー商品がたくさんあります。
- 会社名:株式会社明治
- 本社所在地:東京都
- 設立年:1917年
- コーポレートメッセージ:「健康にアイデアを」
- 明治ミルクチョコレート
- アーモンドチョコレート
- きのこの山、たけのこの里
- ガルボ
- 果汁グミ
明治の強みは事業の幅広さです。紹介したお菓子のほかにも、『アポロ』や『マーブルチョコレート』のようなキッズ向けのお菓子の人気も高いです。また、お菓子以外でも乳製品や飲料など、さまざまな食品にかかわることができます。
海外進出もしていますが国内のシェア率が高いので、国内に向けたさらなる販売戦略や商品の開発がしたい人にはおすすめですね。
江崎グリコ
江崎グリコは、大阪に本社をかまえるお菓子メーカーです。道頓堀にある大きなグリコ像の看板を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
江崎グリコは、チョコレートやスナック菓子など、各ジャンルでロングセラー商品があります。特に『ポッキー』は日本だけでなく世界でもヒットしており、江崎グリコの一大商品といえるでしょう。
- 会社名:江崎グリコ株式会社
- 本社所在地:大阪府
- 創業年:1922年
- コーポレートメッセージ:「おいしさと健康」
- ポッキー
- プリッツ
- ビスコ
- GABA
- カプリコ
主要商品でも紹介している『GABA(ギャバ)』や、脂肪や糖の吸収を抑える『LIBERA(リベラ)』など、健康志向のお菓子の開発に力を入れているのも、江崎グリコの特徴の1つです。
コーポレートメッセージにも「健康」という言葉が入っているように、健康志向の商品に携わってみたい人には魅力的な企業といえます。
カルビー
カルビーといえば『ポテトチップス』というイメージの通り、スナック菓子の領域では、国内でもトップシェアを誇る企業です。
また海外進出にも力を入れていて、2019年に定めた中期経営計画では、北米、中華圏、英国、インドネシアを重点4地域と設定することを発表しました。それにともない、海外向けのポテトチップスの開発を進めているようです。
- 会社名:カルビー株式会社
- 本社所在地:東京都
- 創業年:1949年
- コーポレートメッセージ:「掘りだそう、自然の力。」
- ポテトチップス
- 堅あげポテト
- じゃがりこ
- かっぱえびせん
- サッポロポテ
会社の特徴としては、1つの商品に対する味のバリエーションの多さが挙げられます。たとえば『じゃがりこ』だと、地域限定も含めて20以上のバリエーションがあります。そのため、既存の商品から新しい可能性を発見することに興味がある人にはおすすめです。
ロッテ
ロッテは、「お口の恋人」というコーポレートメッセージが印象的な企業ですよね。ロッテも板チョコレートの『Ghana』で有名で、バレンタインの時期になると、ロッテのチョコレートがたくさん並んでいるのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。
- 会社名:株式会社ロッテ
- 本社所在地:東京都
- 創業年:1948年
- コーポレートメッセージ:「お口の恋人」
- Ghana
- コアラのマーチ
- パイの実
- トッポ
- チョコパイ
また、ロッテの特徴はキャンペーン力が挙げられます。先ほど少し触れたバレンタインのキャンペーンのほかにも、アニメや芸能人とのコラボも活発におこなわれています。
商品の開発そのものだけでなく、その後のキャンペーンや広報にも興味がある人には、魅力的な企業ですね。
森永製菓
森永製菓は、創業から100年以上続いている、お菓子メーカーの中でも特に老舗企業です。主要なお菓子の多くは、駄菓子のような懐かしさを感じさせるもので、『森永ミルクキャラメル』にいたっては発売から100周年も経っているロングセラー商品になります。
- 会社名:森永製菓株式会社
- 本社所在地:東京都
- 創業年:1899年
- コーポレートメッセージ:「おいしく たのしく すこやかに」
- ハイチュウ
- チョコボール
- DARS
- おっとっと
- 森永ミルクキャラメル
ロングセラー商品が多い森永製菓ですが、海外での人気も負けていません。特に『ハイチュウ』の人気は著しく、商品サイトに海外用のサイトが国ごとに12種類用意されているほど、海外でもスタンダードな商品となっています。
歴史の長いお菓子をより広めていきたい人はもちろん、仕事で国外の人と関わりたいという人は目指してみても良いかもしれませんね。
ブルボン
ブルボンは、『アルフォート』などのビスケット系の人気商品が多い企業です。また、『ルマンド』や『バームロール』のような発売から40年以上経っても愛されるロングセラー商品もあります。
- 会社名:株式会社ブルボン
- 本社所在地:新潟県
- 創業年:1924年
- コーポレートメッセージ:「おいしさ、思いやり、いつもいっしょに。」
- アルフォート
- ルマンド
- バームロール
- プチシリーズ
- フェットチーネグミ
ブルボンの特徴は新商品のアイデア力です。2018年に発売された『ルマンドアイス』は、ロングセラー商品とアイスクリームのコラボで大きな話題になりましたよね。このように、既存の商品の魅力を引き立てるアイデア力が強みなので、人気商品の新たな切り口を考えてみたい人にはおすすめです。
不二家
不二家は、「ペコちゃん」という代表的なキャラクターが有名な企業で、ケーキなどの洋菓子の店舗販売とお菓子の卸売の2事業を軸としています。「ミルキーはママの味」というキャッチコピーで人気な『ミルキー』はもちろん、『カントリーマアム』なども企業を代表する商品といえますね。
- 会社名:株式会社不二家
- 本社所在地:東京都
- 創業年:1910年
- コーポレートメッセージ:「すべてを『おかあさんのきもち』で」
- ミルキー
- カントリーマアム
- LOOK
- ホームパイ
- ペコちゃんのほっぺ
洋菓子メーカーとして有名な不二家ですが、店舗販売ではプライベートブランドなどに圧倒され、赤字が続いているようです。そのため、洋菓子販売の展開をどうするかが会社全体の課題と言えますね。
亀田製菓
亀田製菓は、米菓(あられ・おせんべいなど)が商品のほとんどを占める会社です。本社が新潟にあるようにお米と米菓へのこだわりは、お菓子メーカーの中でトップといっても過言ではありません。
- 会社名:亀田製菓株式会社
- 本社所在地:新潟県
- 創業年:1946年
- コーポレートメッセージ:「いつも“しあわせ”のそばに。」
- 柿の種
- ハッピーターン
- ぽたぽた焼き
- 薄焼き
- ソフトサラダ
亀田製菓にはお米総合研究所というものがあり、米菓のおいしさ・かたさ・口どけなど、お米と米菓に関する研究を日々進めています。また、赤ちゃん用のおやつの開発も活発で、赤ちゃんから高齢者まで楽しめるお菓子を提供しているのも特徴です。
他の企業にはない、お米に特化した戦略に興味がある人はぜひ目指してみてくださいね。
井村屋グループ
井村屋は、『あずきバー』や『水ようかん』など、小豆を使用した冷菓や和菓子を展開している企業です。最近SNSでも「『あずきバー』が硬すぎる」と話題になっており、発売から約50年ほど経ってもいまだに愛される商品といえます。
- 会社名:井村屋グループ株式会社
- 本社所在地:三重県
- 創業年:1896年
- コーポレートメッセージ:「おいしい!の笑顔をつくる」
- あずきバー
- やわもち
- あずき最中
- 水ようかん
- ギフト用最中
また、井村屋はギフト用の和菓子も広く取り扱っており、ほかのメーカーとは異なる販路も持っています。基本的には小豆を使用した商品展開をしているので、和菓子の開発や販売に関わりたい人は、ぜひ目指してみてくださいね。
湖池屋
湖池屋はスナック菓子が有名な企業ですね。2016年に会社名をカタカナの「コイケヤ」から漢字の「湖池屋」に変更したり、2020年に日清食品ホールディングスの子会社になったりと、ここ数年での変化が大きい企業になります。
また、名前を変更するタイミングで、『KOIKEYA PRIDE POTATO』という高級ポテトチップを発売するなど、新しい試みが注目されています。
- 会社名:株式会社湖池屋
- 本社所在地:東京都
- 設立年:1953年
- コーポレートメッセージ:「イケイケGOGO! 新しいほうへ、イケイケ! 難しいほうへ、イケイケ! 面白いほうへ、イケイケ!」
- ポテトチップス
- カラムーチョ
- すっぱムーチョ
- スコーン
- KOIKEYA PRIDE POTATO
先ほど紹介した商品のほかにも、近年のプレミアム志向のニーズを捉えた高級ポテトチップスをいくつか発売しており、商品のポジショニングの分析スピードもとても早いといえます。市場のニーズをつかんで、新たな商品を生み出すことに興味がある人には、魅力的な企業といえますね。
地方に根付くお菓子メーカーも合わせて紹介!
お菓子メーカーの主要10企業を紹介しましたが、大手メーカーだけでなく、地方に根付くお菓子メーカーの特徴も知っておきましょう。
それぞれの特徴を知ることで、本当に興味のある分野が見つかる可能性もあります。ここでは、地方のお菓子メーカーを2社紹介します。
石屋製菓
石屋製菓は、北海道のお土産では定番の『白い恋人』を販売するお菓子メーカーです。この商品のほかにも、白い恋人にちなんだロールケーキやバームクーヘン、ソフトクリームなど、さまざまな商品を展開しています。
- 会社名:石屋製菓株式会社
- 本社所在地:北海道
- 設立年:1947年
- コーポレートメッセージ:「しあわせをつくるお菓子」
今では東京にも5店舗の直営店がオープンし、その1つにはカフェも併設しています。カフェスペースでは白い恋人を使用したパフェやパンケーキなどを楽しむことができます。
このように、1つの商品だったものが1つのブランドのように展開していくのは、地方のお菓子メーカーならではといえますね。
豊島屋
豊島屋は、鎌倉のお土産として有名な『鳩サブレー』を取り扱う企業です。鳩サブレーの歴史はとても長く、誕生から120年以上経っている超ロングセラー商品になります。
- 会社名:株式会社豊島屋
- 本社所在地:神奈川県
- 設立年:1894年
- コーポレートメッセージ:「すべての人が笑顔になるために」
豊島屋のサイトにも誕生秘話が載っていますが、誕生初期は今までのお菓子との違いが大きく、あまり売れなかったそうです。しかし、そこから鎌倉を象徴するお菓子にまでなるというストーリー性も、この商品の特徴といえます。
このように、地方を代表する商品にしかないストーリー性も含め、多くの人に愛されているお菓子を扱えるのは、大手メーカーにはない魅力ですね。
お菓子メーカーに向いている人の3つの特徴
大手お菓子メーカーの特徴や強みについて理解したことで、よりお菓子メーカーに興味が湧いた人も多いのではないでしょうか。しかしその一方で、自分がお菓子メーカーに向いているのかと不安に感じている人もいるでしょう。
ここでは、お菓子メーカーに向いている人の3つの特徴を紹介します。
①自社商品に愛着がある人
お菓子メーカーは、扱うお菓子のジャンルが幅広いため、常にメーカー同士の競争が繰り広げられています。
その激しい競争のなかで勝ち残っていくためには、自社の商品の魅力を理解し、他社より優れている点を効果的にアピールすることがポイントになります。
そのため、選考企業の商品にしかない魅力を言語化できるような、商品に愛着がある人は向いているでしょう。
②流行に敏感な人
お菓子へのニーズは、時代とともに目まぐるしく変化しています。今は健康志向やプレミアム志向のニーズが高まっていると紹介しましたが、このニーズもいつまであるかはわかりません。
このようにお菓子メーカーは、顧客のニーズを捉えて商品の企画・開発をする必要があるので、世の中の動向に常にアンテナを貼れるような人が向いているといえます。
お菓子の流行の変化だけでなく、ファッションの流行など、別の分野にもアンテナを貼れるとさらに良いでしょう。流行は影響しあっているので、世の中全体の流行り廃りを敏感に捉えられると良いですね。
③責任感がある人
お菓子は食品なので、安全性が守られていないと企業全体の信頼にかかわります。そのため、商品に対する安全性に対する意識の高さや責任感の強さはとても大切です。
これは製造や研究・開発にかかわる職種だけではなく、すべての職種に共通するポイントになります。
近年、ニュースで食品偽装や異物混入などが騒がれることもありますよね。そのような事件を起こさないためにも、責任感を持って仕事に誠実に向き合える人が向いていますよ。
責任感をアピールしたい人はこちらを読んでおきましょう。
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エピソード別例文8選! 自己PRで責任感を上手にアピールするには
責任感の自己PRは、責任感の具体的内容、根拠、企業に与えるメリットを伝えることで高評価を獲得できます。 この記事では、自己PRで責任感をアピールする際のポイント、PR例文などをキャリアアドバイザーが解説します。 解説動画もあるのでぜひ参考にしてください!
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キャリアアドバイザーコメント清水 沙也香プロフィールをみる
企業は学生のこれまでの生き方から、学生が自社商品に愛着を持っているかどうかを判断することがあります。そのため、学生時代の生活の棚卸しをしましょう。
たとえば、お菓子のおいしさや心と身体の健康を考えるお菓子メーカーに対しては、健康の大切さを実感した学生時代のエピソードが商品への愛情の説得力につながる場合もあります。そのようなエピソードを使って志望動機を作り「そのため御社のお菓子に魅力を感じている」と締めくくりましょう。
また、そのお菓子の今後の展望や願望も語れると、さらに商品への愛着を伝えられるでしょう。商品がどのような人の手に渡り、お菓子を通してどのような影響を与えられるのかなど、面接官があなたの入社後の姿を想像しやすいような話ができると良いですね。
お菓子メーカーは人気が高いため、職種にもよりますが「人生観が御社の商品にマッチしています」というくらい熱意のある人材もいる印象です。あなたの人生経験をもとに商品への愛情を語ってみてくださいね。
お菓子メーカーへの就職は文系理系どちらが有利?
就活生
お菓子メーカーへの就職は文系だと難しいという話を聞いたのですが、本当なのでしょうか?
キャリアアドバイザー
そんなことはありません! 職種によっては理系が多いところもありますが、文系でもお菓子メーカーに就職することはできますよ。
お菓子メーカーの開発職のイメージが先行してしまうと、「文系だと不利なのかな」と不安になる人もいるでしょう。しかし、実は文系でも理系でも、難易度は特に変わりません。その理由を解説します。
営業職や企画職は文理関係ない
お菓子メーカーの営業職は、ほかの業界の営業職と本質は変わらないので、文理関係なく就職することができます。また、商品の企画にかかわれる企画・マーケティング職も、文理は関係なく、どちらが有利というわけでもありません。
また、「商品の開発をしたいけど、文系だから無理だ」と諦めている人もいるかもしれませんが、諦める必要はありません。
商品を実際に開発することは難しくても、その新商品のコンセプトなどを考案するのは企画・マーケティング職です。そのため、新しい商品のコンセプトや売り出し方を考えるという点では、文系でも存分にかかわることができますよ。
研究・開発職は比較的理系が多い
商品の原材料の研究や成分の研究などの職種は、たしかに比較的理系が多い職種になります。そのため、この職種のみで言うならば、文系での就職は不利になってしまいます。
しかし、先ほどもお伝えしましたが、お菓子メーカーの募集職種は研究・開発職だけではありません。営業でも企画でも、お菓子にかかわることはできます。
また、募集人数の関係などを考えると、研究・開発職は理系であっても難しい職種です。そのため、理系のほうがお菓子メーカーの就職に有利ということはないといえるでしょう。
理系就職ならではの対策についてはこちらを読んでおきましょう。
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お菓子メーカーへの就職に資格は必須ではない!
お菓子メーカーの選考について、資格の質問もよく聞かれます。結論からいうと、資格は必須条件ではありませんが、有利に働く場合もあります。
ここでは、職種別でお菓子メーカーに就職するための資格について解説します。
営業、企画職に特別な資格はいらない
他の業界と同じように、営業・販売職、企画・マーケティング職、製造職に特別な資格は必要ありません。
アルバイトで営業経験があったり企画をした経験があったりなど、経験ベースで有利になる可能性はありますが、資格で合否が左右されることはないので安心してくださいね。
しかし、営業職の場合は、営業先を回るために運転免許は必須という場合もあるので、事前に募集条件はしっかり確認しておきましょう。
研究・開発職も資格は必須ではないが有利にはなる
研究・開発職は、専門的な知識こそ必要になりますが、資格として必須なものはありません。特に新卒で入社する場合は、研修もしっかりしているので、基本的な知識があれば問題ないといえるでしょう。
しかし持っていると有利になる資格もあります。それは管理栄養士の資格です。
- 厚生労働大臣の免許を受けた国家資格で、病気で苦しむ人から高齢者、健康な人まで、一人ひとりに合わせて専門的な知識と技術を持って栄養指導や給食管理、栄養管理をおこなえることを示す資格
管理栄養士の資格は、専門学校に通って取得するのが一般的なほど難しい資格です。「お菓子メーカーの就職に有利になるから」と簡単に取れるような資格ではないので、持っていないのが前提になります。そのため、理系でも資格で合否が決まることはほとんどないといえます。
お菓子メーカーへの就職のために必要な選考対策
就活生
お菓子メーカーの選考を進んでいくためには、どんな工夫が必要になりますか?
キャリアアドバイザー
お菓子メーカーならではのポイントがあるので、一緒に考えていきましょう!
最後に、お菓子メーカーの先行を突破するための準備をしましょう。選考でよくある質問の中から自己PRと志望動機のポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
自己PRのポイント
お菓子メーカーの選考への自己PRを作るには、企業研究を深めることがとても大切です。
企業研究を進めると、その企業だけの強みや求める人物像が見えてきますよね。その人物像と、あなたの過去の経験や強みと合致するポイントを見つけて、自己PRに組み込みましょう。
また、「向いている人の特徴」で紹介した3つは、どのお菓子メーカーにも共通するので、それだけで自己PRをしてしまうと少し印象が弱くなってしまいます。それに加えて、「そのメーカーだから自分の強みを活かせる」ということを強調するように意識しましょうね。
私の強みは分析力です。さまざまなデータから、情報の共通点や切り口を分析することができます。
私は大学時代、飲食店でアルバイトをしており、その店舗のSNS運用を担当していました。お店の料理や内観、アルバイトの写真などを投稿していたのですが、あまり伸びず成果は出せていませんでした。
そこでほかの飲食店やグルメ系のアカウントの投稿を30アカウント程度まとめて、投稿内容やコンセプトなどを比較しました。その結果、最近のアカウントは写真のきれいさと雰囲気が大切だとわかりました。そこから投稿の写真やアカウントのコンセプトを刷新したところ、1ヵ月でフォロワーを2倍まで増やすことができました。
御社は他社よりも新商品の企画に力を入れており、顧客のニーズを捉えながら新しい切り口の商品を発売している点では業界トップであると感じています。新商品の企画・開発には、市場のニーズを捉えて分析することが必須だと思うので、この分析力で御社に貢献できると考えています。
キャリアアドバイザー
商品開発に必要な分析力を持っているというアピールができていますね。また、SNSアカウントの最近の流行りをうまく分析しているという点も、流行をキャッチできるというアピールになりますよ!
志望動機のポイント
お菓子メーカーの志望動機では、あなた自身の「お菓子に関するエピソード」を必ず入れるようにしましょう。しかし、ただ「お菓子が好き」というだけではほかの学生と差別化できないので、エピソードの深掘りが大切です。
お菓子メーカーは、それぞれ扱う商品が異なっていたとしても、すべて「お菓子」を扱っていますよね。そのため、「なぜその会社、その商品に思い入れがあるのか」というポイントは、ぜひ自分に問いかけてみましょう。
そのエピソードが具体的で、かつ独自性があると、より良い志望動機になります。独自性を出すことが難しい場合は、エピソードの中にあなたの「当時の考えや感じたこと」を加えてみてください。そうすれば、あなただけの志望動機になるはずですよ。
私は、御社の商品キャンペーンにとても興味を持っているため、御社を志望します。
小学生の頃、バレンタインデーの「友チョコ」が流行りだして、私も友人と交換する約束をした時がありました。お菓子作りをしたことがなかったので、買って交換しようと思っていたのですが、御社の「手作りバレンタイン」のCMを見て、私も友達と一緒に楽しくお菓子作りをしてみたいと考えました。
そして友人に提案し、自宅で一緒に手作りチョコを作って交換しました。一緒にサイトのレシピを見て騒ぎながらチョコレートを作ったのは、今でも覚えているほど楽しい思い出です。
このように、その商品の宣伝だけでなく、その先の商品と人とのつながりまでを想像させるキャンペーンに感銘を受けました。私も御社に入社した際は、お菓子を好きになってもらうのはもちろん、その商品を買った顧客の体験まで想像できるようなマーケティングができるよう尽力したいと思います。
キャリアアドバイザー
お菓子に対する独自のエピソードをもとに志望動機が書けていますね。さらに、お菓子を通してどのような影響を与えていきたいのかというビジョンが語れると、もっと良くなりますよ!
キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
面接のポイントは、学生時代に頑張った経験をアピールすることです。前述したとおり、数ある応募者のなかから目を惹く自分の魅力を伝えなくてはいけません。面接官の記憶に残るようなエピソードを用意しておきましょう。
応募するお菓子メーカーが業界のなかでも規模の大きい企業の場合は、何かの分野で日本1位になった経験や史上初の取り組み、ほかの学生はしていないであろう体験が理想です。日本一は「インターハイで1位をとった」という輝かしいものでなくても構いません。「日本で1番メンバー数の多い○○サークルの代表」という特定分野での1位でも十分目を惹きます。
「特別な変わった活動はしていない」という人は「毎朝5時に起きてウォーキングする生活を4年間続けた」といった、活動は特別ではなくても人より努力したという経験も良いですね。自分では当たり前のことでも、周りから見たら特別なことという場合もあるので、友人やキャリアアドバイザーに聞いてみるのもおすすめです。
お菓子メーカーの面接は、受ける学生数が多いため面接官の記憶に残ることも大切です。ほかの学生は持っていない、あなただけの魅力をアピールしましょうね。
お菓子メーカーを志望する学生からよくある質問に回答!
お菓子メーカーに就職するためのコツや、入社後のキャリアについて気になる学生もいますよね。そのような学生の疑問にキャリアアドバイザーが回答します。
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お菓子メーカーに就職するためのコツを教えてください。
お菓子メーカーに就職するためのコツは、単に「商品が好きだから志望した」にとどまるのではなく、商品の歴史や背景など幅広く企業について知ることです。充分な企業研究をしたうえで商品への愛情を語れる人は、将来の活躍が期待されたり、企業とのマッチングの高さを感じてもらうことができますよ。
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お菓子メーカーに就職した場合はどのような職種に就けますか?
お菓子メーカーに就職した場合の職種としては、おもに4つが挙げられます。1つは営業や販売職です。2つ目に企画やマーケティングの仕事で、市場調査や販売戦略などを担当します。3つ目に研究や開発の仕事になりますが、こちらはおもに理系の専門分野を学んだ学生が多いですね。4つ目に製造で、この職種では体力をもとめられることもあります。
ただし、入社前に職種を選ぶことができる企業もあれば、入社後に適性を考慮して各部署に配属される場合もあることは覚えておきましょう。
お菓子メーカーへの就職を目指すなら、まずは企業を深く理解しよう!
お菓子メーカーはお菓子の企画から製造までを担当する企業のことで、大手メーカーから地方に根付くメーカーまでさまざまな特徴があります。また仕事内容にも種類があり、力を入れている施策も企業によって異なります。
そのため、企業の強みや商品の特徴などを研究し、他社と差別化をすることがとても大切です。しっかり企業研究を深めて自己PRや志望動機を作成し、選考を突破しましょう。
お菓子メーカーって、そもそもどのような企業なのか詳しく知らないです。