社長面接の質問では入社意欲アピールが重要|回答例や注意点も紹介

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目次

  1. 内定への最後の難関、社長面接を突破しよう
  2. まずは一次・二次面接との違いを知ろう
  3. 一次・二次面接:学生の人柄や能力などポテンシャルを見ている
  4. 社長面接:入社意欲と自社に合うかを重点的に見ている
  5. 社長面接の質問は3分類して対策すると分かりやすい
  6. ①入社意欲を見るための質問
  7. 志望動機を教えてください
  8. うちが第一希望ですか?
  9. ほかに内定を貰ってもうちですか?
  10. 同業他社の中でもなぜうちを希望するのですか?
  11. 何か質問はありますか?
  12. 入社意欲についてされる可能性のある質問
  13. ②価値観や人柄を知るための質問
  14. 自己PRをお願いします
  15. 価値観や人柄についてされる可能性のある質問
  16. ③方向性や将来のビジョンを把握するための質問
  17. 入社したらやりたいことはありますか?
  18. 今後のキャリアプランを教えてください
  19. 方向性や将来のビジョンについてされる可能性のある質問
  20. 前日までに必ずやっておきたい4つの準備
  21. 社長の経験や価値観を知っておく
  22. 企業の情報を見返す
  23. これまでの面接を振り返る
  24. 選考に進んでいる同業他社と見比べる
  25. 回答する際に気を付けたい3つの注意点
  26. はきはきと自信を持って回答する
  27. アピール内容に一貫性を持たせる
  28. 社長に寄りすぎない
  29. されがちな質問がたずねられない場合もある
  30. 社長の求める回答を意識して面接に臨もう

内定への最後の難関、社長面接を突破しよう

こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。

「最終面接が社長と面接なのですが、どんな質問をされるのでしょうか」
「社長面接でされる質問の対策をしたいです」

社長面接を控えている学生から、このような相談を受けることがあります。社長面接は内定獲得の前の最後の難関です。それまでの選考とは「合格」の意味合いが大きく変わりますよね。企業にとっても、学生にとっても非常に大事な選考です。面接の雰囲気もこれまでとはグッと変わりますし、それに伴って、社長面接でたずねられる質問の傾向も大きく変わります。同じ面接だからと考えて、これまでの面接と同じ対策をしていると、ここでつまずいてしまい悔しい思いをする人も少なくありません。社長面接には、社長面接だからこその対策があるのです。

この記事では、社長面接とほかの面接の違いから、されがちな質問ややっておきたい対策まで、徹底的に解説します。初めて社長面接に進む人はもちろん、一度つまずいてしまった人もぜひ、この記事を読んで、最後の難関を突破しましょう。

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まずは一次・二次面接との違いを知ろう

まずはこれまでの面接と社長面接との違いをしっかりと知っておきましょう。同じ「面接」だからと、これまでの面接と社長面接で、回答を同じままにしてはいけません。一次・二次面接と社長面接では重視する評価基準が違ってきます。それぞれの面接で、面接官が何を見ているかを把握していきましょう。

一次・二次面接:学生の人柄や能力などポテンシャルを見ている

一次面接では、おもに学生の人柄や、ビジネスマナー、コミュニケーション能力があるかという社会人として基本的に必要な能力を見ている傾向にあります。そして面接官も、さまざまな学生を見てきている人事担当者の場合が多いです。

二次面接では、企業やその部署が求める能力やスキルをその学生が持っているかを見ている傾向があります。そのため面接官も、そうした判断が的確にできる配属予定の部署の上司など、現場の人がおこなう場合が多いです。

基本的に新卒はポテンシャル採用と言われています。今できることだけで判断するのではなく、人柄や現時点で持つスキルなどから入社後に活躍してくれそうかを見ています

社長面接:入社意欲と自社に合うかを重点的に見ている

社長面接では、おもに入社意欲と自社と学生の方向性が合っているかを確認しています。社長面接とそれまでの面接で大きく違うのは、それまでの面接が「次の面接に進むかを決める場」だったのに対し「内定を出すか決める場」であるということです。

企業は、「学生には長く働いてもらいたい」「自社に貢献してもらいたい」という気持ちで、費用をかけて採用活動をおこなっています。ですから、せっかく内定を出した学生に内定辞退をされたり、入社してもすぐに辞めてしまうというのは防ぎたいところ。

そのため、この学生に内定を出したら本当に入社してくれるのか、企業に貢献してくれるのかを測るために、入社意欲と方向性の確認をおこなっているのです

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高橋 宙

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人柄が見られるのが一次・二次面接、志望動機が見られるのが社長面接

社長がその会社の創業者であればなおさら、どの社員よりも愛社精神が強いことが多いです。誰だって、自分が時間をかけて創り上げたものには愛着が湧きますよね。そのため、これまでの一次・二次面接では人となりや適性を評価されることが多いですが、やはり社長面接では志望動機に重点が置かれる傾向にあります。

「同業他社ではなく、なぜこの企業なのか」といった観点からの質問に、社長が納得できるほどの回答をもって臨むことが求められます。社長が心を動かされるような、企業への熱意を示すために、業界研究や企業研究を徹底して準備しましょう。

他にも「仕事に対する価値観が社長と一致しているか」という点でも評価されます。仕事に対する価値観は、具体的には「将来のビジョン」「仕事を通じてどのようなスキルや経験を得たいか」「企業をどのように成長させていきたいか」などといったものです。

ポイントは、自分の思いを強く反映させること。一次・二次面接では将来のビジョンに対する合理性が見られる傾向にありますが、社長面接では入社意欲がより重要視されます。「自分の夢を叶えるにはこの企業でなくてはいけない」と熱意が伝わるようにアピールすることが大切です。

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社長面接全般に関する内容は、こちらの記事で詳しく解説しています。併せて読んで、さらに社長面接対策を進めましょう。

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社長面接の質問は3分類して対策すると分かりやすい

社長面接でされる質問の3分類

社長面接でされる質問は、「入社意欲」「価値観や人柄」「方向性や将来のビジョン」の3分類で見てみるとわかりやすいですよ。基本的に、社長面接で社長が知りたいことは、この3つに集約されているからです。

この傾向を頭に入れて、さっそく社長面接でされがちな質問例を見ていきましょう。回答例も一緒に記載してありますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

①入社意欲を見るための質問

社長面接では、これまでの面接よりも入社意欲が求められます。その理由の一つは、同じ面接を受けるライバルたちは志望度がこれまでの面接よりも高い傾向にあり、非常に高いレベルの回答になっているからです。つまり内容で合否を左右することは難しいので、「入社意欲」が選考基準になっています。

また、学生自身のレベルそのものが高く、「求める人物像」の基準を満たしているといえます。そんな学生で最後に比べるのは、「うちで働きたいか」ということです。

ダイレクトに「うちが第一希望なのか」と聞かれることもありますが、さまざな切り口で入社意欲をたずねてくる場合もあります。以下の質問例を見て「入社意欲を聞かれているんだな」と判断して、入社への熱意をアピールしましょう。

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上原 正嵩

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どんな質問でも入社意欲が問われていることを前提に考えよう

社長面接においては、あらゆる質問が「入社意欲」に紐づいていると考えましょう。中でも逆質問は、社長面接において重要な比率を占めることも多く、面接全ての時間が逆質問だったという話も聞きます。なぜ社長面接で逆質問が重要視されるのでしょうか。

そもそも評価される逆質問は、ある程度業界や企業のことを下調べする必要があります。この前提のもと、多くの時間を逆質問に回すことで、就活生がどれほど企業に関心をもっているか、また企業研究にどれほど準備を重ねたのか見当がつきます。

評価されやすい逆質問は多くありますが、特に経営方針に関する内容は社長面接ではぴったりですね。たとえば、競合他社の分析を交えて自社の方向性を質問すると、受けている企業だけでなく業界全体を研究している点で入社意欲をアピールすることができます。他にも、新規事業を今後積極的に展開していく予定のある企業であれば、企業の弱点を分析した上で打開策を提案して社長の意見を聞いてみれば、入社意欲だけでなく今後の企業の成長に必要な人材だと思われる可能性もあります。このように、入社意欲を伝えられることは大前提に、社長に適切な質問をすることが重要になります。

志望動機を教えてください

これまでの面接でも必ずといっていいほどよく聞かれた質問ですが、これまで以上にブラッシュアップしなければならないのがこの質問です。カギとなるのはやはり入社意欲の部分。入社したいという熱意をより伝えられるように、理由の部分をブラッシュアップして説得力のある回答にすることが必要です。

入社意欲を伝えるために意識したいのは、「なぜその会社でなければならないのか」ということ。同業他社との違いを明確にして、そのうえでなぜそこに惹かれたのかを明確に言葉にしておくようにしましょう。その企業ならではの魅力をアピールできると、社長にも「うちだから就職したいんだな」と思ってもらえますね。

例文

スポーツ用品を提供することでより多くの人にスポーツの楽しさに触れてほしいと考えたために御社を志望しました。御社は、あまり広く知られてはいないようなスポーツ用品も数多く作っているところが非常に魅力的だと感じております。

大学時代はジムのトレーナーのアルバイトをしていました。スポーツの知識に加えて、コミュニケーション能力を身につけられたと感じております。このコミュニケーション能力を活かし、御社の営業職として仕事に励みたいと考えております。クライアントの考えを丁寧に聞き取り、直接そのスポーツの魅力を伝えることで、一つでも多くの商品を流通させたいです。スポーツ用品の提供を通して、メジャーなものからマイナーなものまで幅広くスポーツの魅力を伝えるお手伝いをすることで、多くの人にスポーツの素晴らしさを伝えたいと考えています。

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他社ではなくうちが良いという理由がわかりやすいですね。過去の経験と、やりたい仕事とをしっかり結び付けられているので、やりたい理由に説得力もついています。また、始めから終わりまで軸がぶれることなく一貫しているのも、志望動機に納得感を与えられていますね。

志望動機については、ぜひこちらの記事も読んでみてください。例文もたくさんそろえてあるので、参考にしながら社長に刺さる志望動機を作りましょう。

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うちが第一希望ですか?

この質問に対しては、「第一希望です」と即答することをおすすめしています。まずは第一希望であることを伝え、そのあとにその理由などを加えて説得力を高める必要があります。
 
答えるうえで絶対に押さえておきたいのは「即答すること」。答えるまでに少しでも間があったり、「えー」などと言いよどんでしまわないようにしましょう。「第一志望です」と答えても、それが本当ではない人がいることも社長は理解しています。

むしろ求められているのは、そのあとに続く理由の説得力でしょう。自分の考えや企業選びの軸と、その企業が合っているということを伝えるようにしましょう。第一志望だということとその理由がしっかりと結びつき、説得力を与えることができます。

例文

はい、第一希望です。アルバイトの経験を御社の販売の事業に活かせると思っております。また、アルバイトのときから心がけていた「お客様に必ず笑顔で帰ってもらう」という気持ちと、御社の「お客様に200%の満足を」という理念とが一致していると強く感じております。そのため、御社で働きたいという思いが強く、御社を第一希望として考えております。

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企業理念と、自分の軸が合致していることを伝えています。説得力もあり、本当に第一希望なんだと思ってもらえる回答になっていますね。

ほかに内定を貰ってもうちですか?

この質問に対しては、「うちが第一希望か?」と同じく「はい」と明確に答えるのがベストです。さらに、その理由を論理だてて説明できるとグッと説得力が増しますね。

すでに別の企業から内定をもらっている場合は、それを伝えるのも良いですね。「この企業の選考があるから待ってもらっている」などと伝えると、企業も学生の熱意を感じることができます。

例文

はい、私はほかの企業から内定を頂いても御社に入社したいと考えています。私は、幼いころから慣れ親しんできた本に携わる仕事がしたいと考えております。スマートフォンの普及など電子化が進み、紙離れが起こっている世の中で、社長の「幼いうちから本に触れてもらいたい」という思いに非常に共感したため御社を志望いたしました。

実際に御社では、どこの店舗でも入り口を入ってすぐ、もっとも目立つところに児童書のコーナーが設けられており、お客様がご家族で来店されることの多い御社において、実際に理念が実行されていることがわかり、非常に魅力的に感じています。

私も、自身の経験から、幼いころから本に触れるのは、思考力や発想力を身につけるのに役立つと考えているので、もっと多くの子供がより本に触れる機会を増やしたいと考えております。そのため、業界の数ある企業の中でも、御社で仕事がしたいので、他社から内定を頂けたとしても、私は御社が第一志望です。

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その企業が良いという理由も、かなり企業研究ができていることが読み取れます。さらっと、社長の考えに共感できるということもアピールできているので、社長の目には非常に印象良く映るでしょう。

同業他社の中でもなぜうちを希望するのですか?

企業と同業他社との違いを理解しているか確認することで、入社意欲を見ている質問です。その企業の独自性や、ビジネスモデルを絡めて志望理由を話すなど、その企業でなくてはいけない理由を伝えるようにしましょう。

この質問への回答でも、同業他社との比較をするのがポイントになります。このときに気を付けたいのは他社を下げた発言をしないこと。ほかの会社と比べたうえで、「この会社のここが優れているからここに入社したい」ということを伝えられると、説得力も上がるうえに印象も良く映りますね。

一口で比較と言ってもイメージがつきにくい人もいるかもしれません。比較のためには、企業をさまざまな切り口から見ることがカギになります。実際にどんな切り口があるのかは、この下で詳しく説明しているので、読み進める中で確認してみてくださいね。

例文

私は、御社の都心部の開発をおこなうだけでなく日本の伝統である寺社の建設や文化財の復元などもおこなっている点に魅力を感じております。まちの利便性を高め新しくしていくことに加え、日本の伝統も大切に残し続けていく点に大きな魅力を感じています。

学生時代から日本の伝統文化に触れることが多く、現代のまちを新しく便利なものにしつつも古くから在る建物は後世まで保存していくべきという考えを持っていました。そのため、同業他社よりもそのような事業を展開している御社で働きたいと考えたために志望いたしました。

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企業独自の取り組みに触れているので、まずは企業研究がしっかりできていると高評価を与えられます。加えて、その取り組みと自分の考えが合致しており、うちでなければならないという理由が明確に表現できていますね。

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何か質問はありますか?

いわゆる逆質問ですね。社長は、逆質問の内容でも意欲を判断しているといえます。まずは「特にありません」で終わらせるのではなく、社長に対する質問を複数個用意しておくようにしましょう。逆質問の時間はおおよそ10~20分程で時間が設けられている場合が多いので、時間内でしっかり回答をもらうためにも、3~5個程度がおすすめです。

経営者ならではの回答が得られるよう、企業そのものについて触れた質問をすると良いですね。社長はその会社の経営責任者ですから、経営戦略やその企業でおこなっている事業について、また企業の今後のビジョンについては誰よりも詳しいと言えます。

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また、数年後の業界がどうなっているかなど、業界についてたずねたり、長期的な視点に立った質問をしてみたりするのもおすすめです。

高評価を獲得するポイントは「自分なりの仮説を持つ」こと。この経営理念はこういった意味だろう、今後この業界はこのように変わっていくだろう、などと、自分の意見も交えて質問するようにしましょう。入社意欲のアピールにつながるだけでなく、自分が想像する企業と実際の企業との認識のずれをなくすこともできます。

逆質問についてはこちらの記事でさらに詳しく解説しています。併せて読んで、逆質問の時間を有効に使いましょう。

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入社意欲についてされる可能性のある質問

入社意欲を見るためにされる可能性のある質問を、今紹介したものにさらにもう何個か加えてまとめました。回答例がないものは、上の例を参考にして、ぜひ自分で回答を考えてみてくださいね。

入社意欲を見る質問
  • 志望動機を教えてください
  • うちが第一希望ですか?
  • ほかに内定を貰ってもうちですか?
  • 同業他社の中でもなぜうちを希望するのですか?
  • 何か質問はありますか?
  • 就職活動の状況を教えてください
  • 今この業界で話題の○○についてどう思いますか?
  • 弊社の事業内容について、知っていることを教えてください
  • うちに落ちたらどうしますか?
  • どうしてこの業界に興味を持ったんですか?

②価値観や人柄を知るための質問

企業が内定を出すうえではずせないのが学生の価値観や人柄を知ること。どんなにやりたい仕事をしていたとしても、社風や一緒に働く人との相性が合わなければ、どんなに優秀でも活躍はなかなかできませんよね。

しかしこれまでの面接でも学生の価値観や人柄は充分見られてきています。社長面接では、本当にこの自社と学生が合っているかの最終確認をおこなっています。

とはいえ、長所・短所や周りからどんな人と言われることが多いかなど、ダイレクトに人柄を確認する質問はあまりされません。いくつか質問をおこなうなかで、学生の雰囲気や返答、言葉の使い方などから人柄を判断していることも多いので、「どの質問が」ではなく「どの質問でも」価値観や人柄を判断されていると考えると良いですね。

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塩田 健斗

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社長面接だからこそ、具体的なエピソードで自分語りをしよう

社長面接ほど、質問の回答には「エピソード」を交えて話すことを心掛けましょう。中でも自己PRのような、あなたの価値観が見えやすいような質問で「具体的に頑張ったこと」や「なぜそれを頑張ろうと思ったのか」を具体的に伝えることが大切です。

社長面接では、性格と社風が合致していることはもちろん、仕事観まで一歩踏み込んで「会社で活躍できる思考やパッションを持ち合わせているかどうか」といった観点から評価をされます。自己PRで話すようなエピソードは、就活生が学生時代に最も力を入れて取り組んだことの一つであることが多いです。その背景のもと、目の前のことに対してどのような心持ちで挑んだのか知ることで、その就活生の入社後の仕事に対する取り組み方をイメージしようとしています。

ですので、自己PRのエピソードの内容が薄くなってしまうと「入社後も意欲的に業務に取り組まないかもしれない」などと勘違いされてしまい、評価が低くなってしまう可能性もあります。社長面接ほど、何をしたかという事実だけでなく「どのような価値観のもと頑張ったのか」を具体的に述べ、社長の心を掴みましょう。

自己PRをお願いします

志望動機と同じく、これまでの面接でもよくたずねられた質問ですね。これも、一次・二次面接と同じように回答してはいけません。企業に求められるスキルをしっかりと理解して、そのスキルをよりアピールできるように内容をブラッシュアップさせましょう。

今までの面接では「自分ができることや持っているスキル」そのものをアピールしてきたと思います。社長面接では、「そのスキルがどう役立つのか」「スキルを活かして企業にどう貢献できるのか」というところまでアピールすることが求められます。企業側の視点を持ったり、実際に働く姿をイメージしながら、自分がその企業に利益を生み出せることをアピールしましょう。

自己PRをうまく伝えるために、ぜひこちらの記事も参考にしてみましょう。

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価値観や人柄についてされる可能性のある質問

こちらも、入社意欲を見るためにされる可能性のある質問を、今紹介したものにさらにもう何個か加えてまとめました。ぜひ確認しておきましょう。

価値観や人柄を見る質問
  • 自己PRをお願いします
  • あなたの長所と短所を教えてください
  • どんなときにやりがいを感じますか?
  • 大学ではどのようなことを研究してきましたか?
  • 学生時代にもっとも力を入れたことを教えてください
  • 挫折した経験について教えてください

③方向性や将来のビジョンを把握するための質問

この質問では、「会社と同じビジョンを持っているか」「そのビジョンに向けて努力を重ねられるか」を見ています。内定を獲得して入社しても、自分のやりたいことと企業の方向性がずれていたら、働きづらさを感じてしまうかもしれません。さらには、早期離職につながることも考えられます。それを防ぐために、企業と学生が同じ方向を向いて進んでいけるかを確認しているのです。

高評価を獲得するポイントとしては、企業の事業内容や業務内容、募集職種について触れること。具体的な話ができると、社長も学生の入社後の姿を想像しやすくなります。

キャリアアドバイザーコメント

吉川 智也

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自己成長から一歩踏み込んで、会社の成長を見据えよう

社長面接では「社長と同じ将来のビジョンが見えているか」「そのビジョンを叶えるために適切な人材か」「ビジョンを叶える努力ができるか」といった点をよく見ています。つまり、会社に利益をもたらしてくれるかどうかといった視点ですね。

就活生によくありがちなのが「自己成長したい」といったアピールばかりで、方向性が会社の成長ではなく、個人の成長に向いているパターンです。持っているスキルを活かして誠心誠意尽くしてくれるかどうかを見極めるために、社長が面接をおこないます。もちろん成長意欲は評価されますが「自己成長の結果、会社に貢献する」と一歩先まで見据えている就活生の方が、共に働きたいと評価してもらえますよ。

会社で活躍するイメージをもってもらうために、一次面接や二次面接よりもビジョンや将来の方向性をより明確に回答しましょう。「何年後に何ができるようになっていたいのか」「いつまでにどんな仕事に携わっていたいのか」を具体的に語れるよう、事前にイメージを膨らませておくと良いですね。

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自己PRのネタを決めても、それを裏付けるエピソードに悩む学生は多いです。しかし、特別なエピソードがなくても受かる自己PRを作ることはできます。

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入社したらやりたいことはありますか?

ここで注意したいポイントは2つ。まずは自分の強みとやりたいことの内容に整合性を持たせることです。ただやりたいことを述べるだけでは、実現性がなく説得力があまり感じられません。自己PRの内容と重ね合わせて、やりたいことと自分のスキルを結び付けて話しましょう。

もう一つが、やりたいことに固執しすぎないことです。事前に入社後の配属部署が決まっていない場合は、自分のやりたいことができない部署に配属される可能性があります。これしかやりたくない、という態度を見せてしまうと、希望がかなえられなかった場合にモチベーションが下がってしまうのではないかと心配されて、内定を出すのを躊躇されてしまうこともあります。あくまで「やりたいこと」は話しつつ、さまざまなことへの興味関心を伝えられると良いですね

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入社後に配属される部署が決まっていれば、その部署の情報を回答に盛り込んでおきましょう。配属先が決まっていない場合は、あくまで「やりたいこと」なので、自分の興味がある仕事を話してかまいません。

例文

御社に入社できた際には、事業の中でも特に中小企業のコンサル事業がやりたいと考えております。学生時代にはサークルの運営に携わり、円滑に運営をおこなうために多くの人とコミュニケーションを取り課題の解決に勤しんできました。実際に課題を解決したことで、自分の提案で相手の悩みが解決できる、ということに非常にやりがいを感じています。

また御社は、戦略、IT、人事などさまざまな種類のコンサルティングをおこなっておりますが、さまざまな分野の企業とかかわれることや自分自身もさまざまな知識を付けられることが魅力だと感じています。経験を通じて培われた傾聴力を活かして顧客の課題解決をおこない、中小企業の役に立ち、かつ御社の利益にも貢献していきたいです。

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これまでの経験から得た自分のスキルと企業でやりたいことがしっかりと紐づいているので、能力を活かして活躍してくれる姿がイメージできますね。また、この企業ならではの仕事内容に触れられているのに加えて、今後の成長意欲がアピールできているのも高評価につながります。

今後のキャリアプランを教えてください

1年だけ働く人と5~10年働く人とでは企業に与える利益がまったく違いますよね。まずは学生がその企業でしっかり長く働くイメージが持てているかを確認しています。「具体的な役職に就きたい」「自分のスキルを増やしたい」などといった具体的な話を盛り込むようにしましょう。

こんな役職に就きたいと話す際に知っておきたいのは、実際に働いている人の具体的なキャリアパスです。そもそもどんな役職があって、どのような仕事内容で、一般的には入社後どれくらいで就けるものなのかを事前に知っておく必要があります。たとえば少し大げさですが、10年後には社長に就任しているというようなあまりにも非現実的なプランだと、いくら本気で考えていても不真面目に感じられてしまうかもしれませんよね。

そのためには実際にその企業で働く人にどのようなキャリアパスがあるのかを知っていることが不可欠です。これまでの面接で、面接官から得られた情報を参考にすると良いでしょう。もし社長面接まで時間があるなら、OB・OG訪問をしてみるのも良いですね。

ちなみにOB・OG訪問に関してはこちらの記事で詳しくやり方を説明しています。この機会にぜひ、OB・OG訪問についても知っておくと良いですよ。

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キャリアプランの作成に必要な情報がそろったら、こちらの記事を参考にしながら実際にキャリアプランを作ってみましょう。

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面接でキャリアプランを聞かれたときは、最終的な目標と、目標を叶えるための計画、達成に向けてすべき努力について述べましょう。今回はキャリアプランを考えるメリットやキャリアプランの評価基準を解説していきます。またキャリアアドバイザー監修のもと、キャリアプランの考え方や面接での伝え方も例文付きで紹介しますよ。

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面接でキャリアプランはこう答える! 将来を予感させる魅力的な答え方
例文

私は御社に入社後は、まずは販売の仕事に携わりお客様や社会のニーズを把握し、ゆくゆくは商品企画に携わりたいと考えています。大学一年の頃から続けているデパートでのアルバイトでお菓子の販売をしていたところ、以前お客様におすすめの商品をたずねられることがあり、私が好きな商品を提案して大変喜んでいただけたことがありました。その経験から、私はお客様の笑顔を見ることと、お客様のニーズをかなえられるような商品を提供することに魅力を感じております。

御社に入社しましたら、まずは直接お客様と接することでニーズをしっかりと把握し、その後はそのニーズをかなえられるような商品を企画して、さらにお客様に喜んでいただけるような商品を生み出していきたいです。

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やるべきこととやりたいことでフェーズを分けてキャリアプランを説明しており、将来をしっかり想像できているのが良いですね。また、内容も非常に具体的なので、社長もこの学生の将来像を想像しやすいです。過去の経験にもとづいたエピソードにもなっているので、入社後も活躍が期待できる良いキャリアプランになっていますね。

方向性や将来のビジョンについてされる可能性のある質問

ほかに方向性や将来のビジョンを見るためにされる可能性のある質問を、今紹介したものにさらにもう何個か加えてまとめました。回答例がないものは、上の例を参考にして、ぜひ自分で回答を考えてみてくださいね。

方向性や将来のビジョンを把握するための質問
  • 入社したらやりたいことはありますか?
  • 今後のキャリアプランを教えてください
  • あなたの能力をどのように仕事に活かせると考えていますか?
  • 将来はどんな活躍がしたいですか?
  • 5年後はどんな仕事がしたいですか?
  • 弊社の事業を将来はどのように成長させたいですか?

このほかにも、「将来の自分像」について聞かれることも考えられます。こちらの記事で対策をしておくと良いでしょう。

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前日までに必ずやっておきたい4つの準備

前日までに必ずやっておきたい4つの準備

それでは次に、社長面接を突破するために、事前にやっておきたい準備について紹介します。どれも、入社意欲をアピールしたり、回答の具体性を上げるために欠かせないことなので、ぜひ実践してみてください。

社長の経験や価値観を知っておく

事前に社長の人柄や経歴を調べておきましょう。質問の回答で、社長の考え方に共感できる点をアピールできるといいですよね。多くの企業のホームページ(HP)には企業理念が書いてありますが、会社の企業理念はその会社を経営している社長の理念だと考えても良いでしょう。ほかにも、会社のパンフレットからも社長の情報を得ることができます。

大手企業の場合は企業名や名前を調べると、インタビュー記事が見つかることもあります。また、本を出版している場合はぜひ読んでおきたいところ。社長の思いや信念が詰まったものなので、面接前に一度読み込んでおきたいですね。

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社長について知っておくと、どのような答えが求められているかといった部分もそうですが、「どのような質問をされやすい」かもある程度推測することができるかもしれませんね。

企業の情報を見返す

これまでの面接のために、すでにしっかり対策はできているという人もいると思いますが、もう一度企業の理念や経営方針、事業内容などを事前におさらいしておきましょう。二次面接から社長面接までの期間が少し空いてしまうと、「以前把握していたつもりでも意外と忘れてしまっていた」ということもよくあります。また、あいまいな記憶は答えるときに言いよどんでしまう原因にもなります。

主に確認しておきたい項目
  • 企業理念
  • 経営方針
  • 事業内容

企業理念や経営方針は会社の経営に大きくかかわるので、ここに触れた逆質問ができると、経営者である社長ならではの回答が得られます。事業内容を知っておけば、入社後にやりたいことやキャリアプランの具体性が上がります。具体的であればあるほど自分の入社後の姿をイメージしてもらいやすくなるので、さらに踏み込んで業務内容や実際の職務内容についても調べておくとなお良いでしょう。

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採用サイトを確認する就活生は多いですが、中期経営計画やIR情報などを読み込んでいる人は少ないので読み込んでおくといいですよ。

これまでの面接を振り返る

企業情報だけでなく、これまでの面接も振り返っておきましょう。主にどんな質問をされたかを重点的に振り返ると良いですね

うまく答えられなかった質問があれば、もしまた同じ質問がされたときにはしっかり答えられるよう、事前に回答を組み立てておきましょう。どの面接でもされた質問があれば、それは企業が重視していることなのかもしれません。社長面接でもされる可能性は高いので、特に内容をブラッシュアップしておく必要がありますね。

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自分の回答に対して、面接官が良い反応を見せていたなら、その回答に魅力を感じていたり納得しているということ。その部分は社長にも刺さると考えられるので、より重点的にブラッシュアップしておきましょう。

選考に進んでいる同業他社と見比べる

選考に進んでいるほかの企業や、同業他社をその企業と比べて、その企業のどこに魅力を感じたかを言葉にしておきましょう。他社との違いを伝えられると、「この会社でなければならない」という理由が明確になるので、入社したいという熱意に説得力が付きます。

先ほども説明しましたが、比較をするうえで注意したいのは他社を下げた発言をしないことです。自社ではないにしても、ライバル企業を下げた発言を聞くのはあまり気分が良いものではありませんし、マナー的にも避けたいところです。

他社を下げるのではなく、その企業の優れているところを探すようにしましょう。ほかの会社と比べたうえで、「この会社のここが優れているからここに入社したい」ということを伝えられると、入社意欲に説得力も付く上に印象も良く映りますよ。

では実際にどこを比較するといいのでしょうか。比較の切り口はいくつもあるので、具体例と一緒に説明しますね。

①社風

社風は企業によってさまざまなものになります。企業の雰囲気や働き方、評価制度などで社風は変わってくるので、その会社における自分のキャリアプランを明確に描きたい人は見ておくべきところです。

ただし、金融業界や商社などでは、業界の中で企業ごとの社風が大きく変わらない場合もあります。社風を比較の切り口に使うのは、自分の志望する業界に応じて使い分けることが必要です

企業の社風については以下の記事で詳しく説明してあります。ぜひ参考にしてみてください。

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②企業が掲げる経営理念

企業が掲げている経営理念やミッションは企業によって大きく変わってくるので、比較しやすいのではないでしょうか。理念を切り口にその企業でなくてはならない理由を伝える場合は、理念に賛同できると話すのもひとつです。さらに、理念や方向性は、イコールその企業の進む方向ともいえるので、自分の進みたい方向やキャリアプランと合わせて説明するのでも良いですね

以下に、自動車メーカーの大手3社の理念を載せました。一緒に見てみましょう。

経営理念の例
  • トヨタ:クリーンで安全な商品の提供を通じて、豊かな社会づくりに貢献し、国際社会から信頼される良き企業市民を目指す。
  • ホンダ:人間尊重(自立・平等・信頼)と三つの喜び(買う・売る・創る)
  • スズキ:① 消費者の立場になって価値ある製品を作ろう ②協力一致清新な会社を建設しよう ③自己の向上につとめ常に意欲的に前進しよう

トヨタは、豊かな社会づくりに貢献し、国際社会から信頼を得ようとしていることが、ホンダは従業員・消費者含めたすべての人を大切にしていることが想像できます。そしてスズキはより良い会社づくりのために社員に行動を促すような理念になっているのが特徴的ですね。このように、大手自動車メーカー3社の理念を挙げただけでも企業の違いがあるのがわかるのではないでしょうか。

③企業の特色

世の中にはたくさんの企業がありますから、企業ごとの特色は必ずあります。たとえば、その企業独自の技術を売りにしている企業もあれば、地域密着型という特徴を持った企業もあります。働き方のスタイルも企業ごとでちがってくるので、特徴を見比べてみるのも比較になりますよ

以下に、お菓子メーカーの企業をいくつか並べ、特徴を挙げています。4社だけではありますが、それぞれ違った特徴があるのがわかるのではないでしょうか。

お菓子メーカー4社の特徴
  • 明治ホールディングス:乳製品が柱だが医薬品にも力を入れる
  • ロッテ:ファストフード、洋菓子、プロ野球チームなど事業内容が幅広い
  • 森永製菓:冷菓を得意とする
  • ブルボン:「プチシリーズ」で独自のブランドを展開、飲料も強い

また面接では選考状況を質問される場合もあります。他社の選考状況を質問された際の答え方についてはこちらの記事で詳しく解説していますよ。

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回答する際に気を付けたい3つの注意点

回答する際に気を付けたい3つの注意点

実際に社長からの質問に回答するときに、気を付けてほしいことが3つあります。注意点を知っておかなければ、どんなにいい内容の回答をしても、社長にはその入社意欲が伝わらないことも。細かいことにはなりますが、こういったところでライバルに差をつけるために知っておきましょう。

はきはきと自信を持って回答する

特に、ライバルが多くいる倍率の高い企業の社長面接では要注意です。人柄や求められる能力は全員ほぼ同じレベルですから、社長面接の回答も似たものになることも考えられますよね。そのときに、回答をよどまずにきっぱりと即答する学生と、応えるまでに少し間がある学生とがいたとすれば、どちらに入社熱意を感じるでしょうか。おそらく社長がより入社意欲が高いと感じるのは前の学生ですよね。大切なのは「即答すること」と「言いよどまないこと」。自信をもってはきはきと答えるようにしましょう。

「えー」や「あのー、」などの言葉は極力使わないようにするべきです。想定外の質問が来たりして、回答に詰まってしまいそうなときは、まずは「はい」「そうですね」などと答えることで一瞬落ち着く時間を作っても良いでしょう。または、「考えを整理したいので、少し待ってもらえますか」と正直に言ってしまうのでもかまいません。

アピール内容に一貫性を持たせる

社長にアピールしようとしすぎるがあまり、これまでの面接で話した内容を誇張しないよう注意しましょう。社長面接まで進めているということは、「これまでの面接でその学生の人柄やスキルは企業の求める人物像と合っている」ということです。それまでの自分が評価されているわけですから、ここで内容を変える必要はありません。

むしろ、回答内容にこれまでの面接との一貫性が見られなければ、企業からの信用が下がってしまったり嘘をつく傾向があるとマイナスに捉えられてしまうかもしれません。内容そのものをブラッシュアップするのではなく、「どのように伝えればさらに説得力が上がるか」ということを意識しましょう

大切なのは内容を誇張するのではなく、内容の具体性を上げること。こんな例文を用意しました。

例文
  • アルバイトのとき、自分の提案で店舗の売上を上げることができた

この例文を使って、ブラッシュアップのNG例とOK例を見てみましょう。

NGブラッシュアップ例

ほかの店舗にも広く提案をし、会社全体の売り上げを上げることができた

自分のできたことを大幅に増やしており、事実が変わってしまっています。もし「どうやって?」など深掘りをされると、答えられなくなってしまいますよね。内容を誇張するのは避けましょう。

OKブラッシュアップ例

以前は▽▽円だった売上が自分の○○という提案で20%上がり、▲▲円にすることができた

ここでは「どのように」「どれだけ上げたか」の部分をより詳細に伝えられています。このように、内容そのものはそのままでいいので、自分の工夫や結果についてより細かく触れることを心がけましょう。

また、これまでの面接の内容と一貫性を持たせることも大切ですが、ひとつの面接の中での内容に一貫性を持たせることも同じくらい大切です。たとえば、自己PRで自分の強みを「慎重さ」と伝えていたのに、「強みである好奇心旺盛さを生かして企業に貢献する」と答えるのは違いますよね。同じ内容を繰り返すのだけではもったいないように感じてしまうかもしれませんが、アピール内容に食い違いがないよう意識することも必要です。

社長に寄りすぎない

質問の対策として「社長の人柄を知ろう」とお伝えしましたが、社長の人柄や経歴を盛り込もうとしすぎるがあまり、社長を過度に持ち上げるなど、社長に寄りすぎた回答はしないように心がけましょう。あくまで回答のベースになるのは自分の経験や感情です。その中に、社長の情報を盛り込むということは忘れてはいけません。

社長の経験や価値感などを肯定するばかりでなく、話の節々に盛り込むと良いですね。「私は○○を就活の軸にしておりましたが、社長が以前受けていたインタビュー記事で○○という考えを持っていることを知り、価値観が似通っていると感じております」など、自分の思いや考えの中に社長の価値観などに触れるようにしましょう。

キャリアアドバイザーコメント

上原 正嵩

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気合が入りすぎると意図せず誇張してしまうことも!? アピールのコツを押さえよう

社長面接で気を付けたいポイントとして「見栄を張りすぎない」ことも注意しましょう。社長相手だと気合が入り、思わず「誰よりもできます」などという誇張表現を使ってしまう就活生もいます。自信を持ってアピールすることは大切ですが、実力以上のアピールをすると、入社後に難易度の高い仕事を突然任されキャパオーバーになることもあり得ます。

面接では「絶対できます」のように根拠なく断言するのではなく「〇〇な経験があり得意なため、その経験を活かして仕事をこなせるように努力します」など、経験に基づいた意欲をアピールしましょう。

他にも、得意なことを「どの程度できるか」言語化しておくことをおすすめします。例えば「コツコツ取り組むことが得意」であれば「一つのことに対して毎日何時間取り組むことができる」など具体的な数字で述べましょう。社長面接まで進んでいる就活生は採用基準をある程度クリアしており、加点方式で採用されます。そのためスキルレベルが評価基準になることもあり、あなたのアピールポイントが客観的に見ても得意だと思ってもらえるよう伝えることを意識しましょう。

されがちな質問がたずねられない場合もある

ここまで、社長面接でされがちな質問とその対策についてお話してきましたが、企業によってはそういった質問がまったくされない場合もあることは押さえておきましょう。学生人一人一人に合わせて質問を変え、人柄を知ろうとする企業もあります。

しかし基本的に社長面接で知りたいことはあまり変わりません。社長が質問でどんなことを知りたいのかを頭に入れておけば、どんな質問が来ても「この質問で社長はこんなことを知りたいのかな」と考えながら回答することができますね。

キャリアアドバイザーコメント

塩田 健斗

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どんな質問にも意図がある! 社長の視点に立った回答を心掛けよう

社長面接は比較的自由度が高いため、想定外な質問が来ることもよくあります。それに対して動揺してしまうと、そのあとの質問の答えにも影響を及ぼすことも。しかし想定外な質問に思えても、意図があって聞いていることがほとんどなので、まずは落ち着いて柔軟に対応することが内定のカギとなります。

しかし一部の就活生からは、想定外な質問に対し焦って上手く回答できなかった、と後悔する声も聞きます。回答がすぐに思い浮かばない場合は、「なぜこの質問をされたのか」と質問の背景や意図を考えてみましょう。

例えば「自分よりも若い後輩が上司になった場合、問題なく業務を遂行できますか」と質問されたとします。まず背景としては、その企業には実力主義の社風があり、成果を残せば年次関係なく昇格できる社風がある、などが想定できますね。ここでは「業務を遂行できる」の答えが理想ですが、それだけでなく、業務を遂行できる「理由」も求められています。入社してイレギュラーな場面に立たされたときに、どのように対応するかを知りたくて質問しているからです。想定外な質問が来ても、落ち着いて質問の意図を読み取り、社長の視点に立って回答をするように心掛けましょう。

社長の求める回答を意識して面接に臨もう

社長面接は内定獲得の最後の関門です。まずは過度に緊張せず、社長面接まで進んだことに自信を持ちましょう。そこでされる質問の傾向を押さえて、社長の求める回答ができれば合格は一気に近づきます。

一番重要になるのは「入社意欲」。最後は入社意欲の有無で決められることもあるので、能力が高くても不合格になってしまうケースもあります。その企業に入社したいという熱意を強くアピールして内定を掴みましょう!

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