目次
- そもそも証券会社とは? 就職を目指すならまず理解しておくべき5つの基礎知識
- ①定義:金融商品の売買や仲介をおこなう金融機関
- ②役割:投資家と企業や政府の間をつなぐ
- ③ビジネスモデル:アドバイスや仲介で手数料をもらう
- ④キャリアパス:専門的なスキルを活かして展開可能
- ⑤業界の動き:投資人口は増加するも店舗型証券は苦戦
- 証券会社にはいろいろな種類がある! 証券会社の5分類と代表的な企業
- ①国内独立系証券
- ②銀行系証券
- ③地方密着系証券
- ④ネット証券
- ⑤外資系証券
- 証券会社にはどんな職種がある? おもな採用職種5つと仕事内容
- ①営業職:株式・債権の購入提案や資産運用のアドバイスをする
- ②リサーチ職:市場の調査・分析をして今後の動向を予測する
- ③投資銀行部門職:株式・社債の発行やM&Aの際にアドバイスや交渉をおこなう
- ④ディーラー:証券会社の自己資金で株式や債券を売買して利益を上げる
- ⑤ブローカー:投資家からの有価証券の売買注文を証券取引所などに取り次ぐ
- 証券会社に就職して後悔!? メリットとデメリットを理解して自分に合うか確認しよう
- 証券会社に就職するメリット
- 証券会社に就職するデメリット
- 自分は証券会社に合っている? 向いている人の5つの特徴
- ①数字に強い人
- ②向上心や挑戦心がある人
- ③コミュニケーション能力が高い人
- ④ストレス耐性が高い人
- ⑤変化に対応できる柔軟性がある人
- 自分に合った証券会社を探そう!就職先を選ぶ3つのポイント
- ①興味のある仕事に取り組めるか
- ②社風や企業文化が自分の性格・価値観とマッチしているか
- ③キャリアパスや教育制度が充実しているか
- 証券会社への就職を目指して事前準備を進めよう! 必須知識と資格の取得が成功のカギ
- 今日から実践! 証券会社の就職に向けて取り組むべき事前準備4STEP
- STEP①業界研究をする
- STEP②金融や経済に関する知識や資格を得る
- STEP③インターンシップに参加する
- STEP④選考対策をする
- 証券会社に就職するうえでこれだけは押さえておくべき4つの必須知識
- ①金融商品と市場の基礎知識
- ②経済の基本的な知識
- ③財務諸表の読み方
- ④証券市場の基本ルール
- ほかの就活生と差がつく! 就活開始までに取得を目指したい資格
- ①証券外務員資格:金融商品を取り扱うための必須資格
- ②ファイナンシャル・プランナー:資産運用に関する相談に応じるプロフェッショナル
- ③証券アナリスト:証券への投資判断の情報を提供する専門家
- ④TOEIC:英語で聞く・読む能力を測定するテスト
- 証券会社への就職に必要な事前準備をしっかりして、希望の会社から内定をもらおう!
こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。証券会社への就職を考えている学生からよく、
「どうしたら証券会社に就職できますか?」
「証券会社に就職するために必要なものや対策は?」
といった質問を受けます。証券会社に就職するには十分な就活対策が必要になるので、早めに準備することが大切です。
この記事では、そもそも証券会社の特徴や職種、就職に必要な知識や資格などを解説します。証券会社へ就職するための知識を網羅的に手に入れられるので、これから何をすれば良いか明確になりますよ。
そもそも証券会社とは? 就職を目指すならまず理解しておくべき5つの基礎知識

証券会社は、経済や金融に興味がある人にとって魅力的なキャリアの選択肢の一つですよね。しかし漠然としたイメージだけで目指してしまうと、入社後に「思っていたのと違う」と感じて辞めたくなるリスクもあります。
証券会社への就職を考えるなら、まずこれから解説する業務内容や役割、ビジネスモデル、キャリアパス、業界の最新動向について理解を深めましょう。これらを理解すれば証券会社が自分の適性や興味と一致しているかどうかを判断しやすくなりますよ。
①定義:金融商品の売買や仲介をおこなう金融機関
証券会社とは、株式や債券、投資信託などの金融商品の売買や仲介をする金融機関です。たとえば個人が株式を購入したり、企業が資金を調達したりする際に、そのプロセスをスムーズに進めるためのサポートをします。
ただし、証券会社は単なる仲介役ではなく、取引を成功させるために専門的な知識を活用したアドバイスもおこないます。個人や法人の資産形成を支援するだけではなく、金融市場の活性化や経済全体の成長に寄与する重要な存在と言えます。

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②役割:投資家と企業や政府の間をつなぐ
証券会社の役割は、投資家と資金を必要とする企業や政府をつなぎ、円滑な資金の流れを支えることです。
たとえば企業が新規事業の資金調達を目指す際に、市場の分析をもとに最適なタイミングで株式や債券を発行する支援をおこないます。投資家には、企業の財務状況や市場トレンドを分析したうえで、最適な投資プランを提案して資産運用をサポートします。
このように証券会社は、市場の信頼性を高めるとともに、経済全体の成長を促進する重要な役割を果たしています。

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証券会社の業務は、資産形成や企業の成長を支える社会的意義の高い仕事と言えますよ。
③ビジネスモデル:アドバイスや仲介で手数料をもらう
証券会社は、おもにアドバイスや仲介での手数料収入が中心のビジネスモデルです。具体的には、以下の料金がおもな収入源となっています。
- 投資家が株式や債券を売買する際の取引手数料
- 資産運用に関するコンサルティング料
- 企業が資金を調達する際の株式や債券の引受手数料 など
近年ではインターネット証券の台頭により手数料の引き下げ競争が激化していますが、伝統的な証券会社のなかには、資産運用の長期計画を提案したり、マーケットの動向をわかりやすく説明したりと、顧客への高付加価値サービスを提供して差別化を図っているところもあります。
以下の記事では、証券会社を含んだ金融業界全体のビジネスモデルについて解説しています。他の業界との違いを知るためにも、ぜひ目を通してくださいね。
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証券会社では、顧客の多様なニーズに応じた具体的なソリューションを提案できる人材が求められています。
④キャリアパス:専門的なスキルを活かして展開可能
証券会社に就職して得られるスキルや経験は他の業界や職種でも活かせることが多く、キャリアの選択肢が広がるのが魅力の一つです。
- 資産運用や投資分析の知識を活かしてファンドマネージャーやアナリストとなる
- 営業職として顧客対応やプレゼンテーション能力を磨いた後、企画部門やマネジメント職へステップアップする
- 海外市場や金融工学に関する知識を深めて、グローバルに活躍するチャンスを得る
上記のほか、証券会社での経験を活かして金融業界だけでなく、コンサルティング業界への転職や起業といった新しいキャリアパスを切り開くことも可能ですよ。

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入社後にどんな専門性を磨き、どんなキャリアを歩みたいか長い目で考えることが大切です。
⑤業界の動き:投資人口は増加するも店舗型証券は苦戦
日本では近年、少額から投資が始められるNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)の普及が大きく影響し、投資家人口は増加傾向にあります。NISAやiDeCoは投資初心者でもハードルを感じにくいため、多くの人が資産形成を始めるきっかけとなっています。
その一方でネット証券の台頭により、店舗型証券会社は厳しい状況に直面しています。オンライン取引の利便性が高まり、手数料の安さや手軽さから、若年層を中心にネット証券を利用する動きが加速しているのです。
それを受けて店舗型証券は、個人投資家への対面サポートや、資産運用に関する提案力で差別化を図る動きを取り始めていますよ。

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証券業界全体では、国際市場の拡大も予測されています。特にアジアを中心に成長著しい新興国市場への関心が高まっており、グローバルな視点を持つ人材が求められています。
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証券会社にはいろいろな種類がある! 証券会社の5分類と代表的な企業

証券会社と一言でいっても、業態やビジネスモデルによってさまざまな種類があります。それぞれの特徴を理解すれば、自分に合った企業や働き方を見つける手助けになりますよ。
たとえば国内市場をメインにした企業から、グローバルに活躍する外資系企業まで幅広い選択肢があり、それぞれ異なる強みを持っています。
ここからは、証券会社を5つの種類に分類し、代表的な企業を挙げながら解説するので自分のキャリア志向に合った証券会社を選ぶ際の参考にしてくださいね。
①国内独立系証券
国内独立系証券会社は、日本国内に拠点を構え、他のグループ企業に属さない独立した運営が特徴の証券会社です。個人投資家に向けた金融商品やサービスの提供に特化し、特にコンサルティング業務に強みを持っています。
国内独立系証券会社は顧客との対面営業を重視しており、丁寧なコミュニケーションを通じて顧客との信頼関係を築いています。地域経済に根ざした支援をする企業も多く、地方都市でも存在感を発揮しているのも国内独立系証券会社の特徴と言えます。
さらに大手企業では、営業職として顧客対応のスキルを磨いた後にキャリアチェンジをおこない、資産運用や投資銀行業務といった専門性の高いキャリアに進む選択肢もありますよ。

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国内独立系証券で働けば、金融の基礎をしっかり学びつつ、顧客との信頼関係を築くスキルも磨けますよ。
②銀行系証券
銀行系証券は、メガバンクや地方銀行のグループ企業として運営され、銀行との連携による総合的な金融サービスの提供が強みの証券会社です。
たとえば個人投資家向けの商品提案だけでなく、法人向けのM&A支援や資金調達業務も手掛けるなど、多岐にわたる業務内容は、幅広い金融知識を身に付けるのに最適な環境と言えます。
- SMBC日興証券(三井住友フィナンシャルグループ)
- みずほ証券(みずほフィナンシャルグループ)
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャル・グループ) など
銀行系証券は銀行の顧客基盤を活用した営業活動ができるため、安定した経営基盤のもとで働きたい人に適しています。事業範囲が広いため、法人営業や企画部門などキャリアの選択肢が多い点も魅力の一つです。

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銀行系証券は銀行サービスとの強固な連携を活かし、個人から法人まで幅広い顧客層に対応していると理解しておきましょう。
③地方密着系証券
地方密着型証券は特定の地域に根ざした事業展開が特徴で、地域経済の発展に力を入れている証券会社です。営業エリアの地域に住む個人投資家や中小企業との対面営業を重視し、その地域ならではのニーズに応えるきめ細やかなサービスを提供しています。
地方密着系証券は、地元企業の資金調達支援や投資相談をするなど、地域社会との結びつきを大切にしています。地域貢献に興味がある人や、地元の役に立つ仕事がしたい人にとって魅力的な会社ですよ。

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地方密着系証券はそれぞれの地域で高い信頼があり、顧客との長期的で安定した関係構築を重視していますよ。
④ネット証券
ネット証券は、インターネットを活用して金融商品を提供する証券会社です。店舗を持たずにオンラインのみで運営されている点が特徴で、取引手数料が低く設定されており、24時間いつでも取引ができます。その利便性の高さが顧客から評価を受けています。
ネット証券での仕事はオンラインプラットフォームを活用した顧客対応が中心です。
たとえば、顧客の資産運用をサポートするデジタルツールの開発や運用などをおこなっています。またデータを活用した投資情報の提供や顧客分析などにも力を入れていますよ。
ネット証券に就職した場合は、ITスキルを兼ね備えた金融テクノロジー(フィンテック)分野の専門性を高められます。営業からキャリアをスタートして、マーケティングやデータ分析の経験を積み、企画職や戦略部門へキャリアアップすることも可能ですよ。

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ネット証券での経験は金融業界のデジタルスキルを身に付けるチャンスとなり、将来的に幅広い分野で活躍するための土台を作れますよ。
⑤外資系証券
外資系証券はグローバル市場を舞台に活躍する企業で、特に高度な専門知識と英語力が求められる職場です。法人向けのM&A支援や資本市場での資金調達業務など、専門性の高い業務をおこなうため、挑戦的な環境で働きたいという人に適していますよ。
外資系証券は、成果主義の給与体系が採用されていたり小口取引を扱うリテール部門がなかったりと、労働環境という観点からも日系の証券会社と異なる点があります。
また、海外拠点での勤務やプロジェクトへの参加を通じて、さまざまなバックグラウンドを持つ海外人材とチームを組んで働き、グローバルな視点を養うことができます。

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外資系証券には、グローバルな環境で実力を発揮して幅広い視野を持つ人材として成長するチャンスが広がっています。
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証券会社にはどんな職種がある? おもな採用職種5つと仕事内容

証券会社にはさまざまな職種があり、それぞれが専門性を発揮しながら業務を遂行しています。どの職種に就くかによって必要なスキルやキャリアパスが異なるため、証券会社で働きたいと考えるなら、自分に適した職種を理解しなければなりません。
ここからは証券会社の5つの職種と、その仕事内容を詳しく解説します。自分自身がどのような業務に興味があるのかを考えながら、確認してみてくださいね。
①営業職:株式・債権の購入提案や資産運用のアドバイスをする
営業職は、証券会社のなかで最も顧客と接する機会が多い職種です。おもな業務には、以下のものがあります。
- 株式や債券の購入提案
- 資産運用に関するアドバイス など
営業活動では顧客のニーズを正確に理解し、最適な投資商品を提案する能力が求められます。顧客との信頼関係を築くことが成功のカギとなるため、丁寧なコミュニケーションが重要です。
また新規開拓や既存顧客のフォローアップを通じ、資産形成をサポートする役割も担っています。営業職は金融知識と人間関係を構築するスキルの両方が求められる仕事と言えますよ。

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営業職は初心者からベテラン投資家まで幅広い層に対応する力が求められ、柔軟な対応力も必要と言えます。
②リサーチ職:市場の調査・分析をして今後の動向を予測する
リサーチ職は証券会社内でデータに基づく市場分析をおこない、投資戦略の基盤を提供する専門職です。おもな業務には、以下のものがあります。
- 株式市場や債券市場、経済全体の動向調査
- 投資家や社内の営業部門へ有益情報の提供
リサーチ職は特定の企業の財務状況や業界トレンドを分析し、投資のリスクや潜在的な収益性を評価するため、データ分析能力や経済に関する幅広い知識が欠かせません。また正確で信頼性の高いリサーチの提供をするため、細部にまで目を配る注意力と論理的な思考も求められます。

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リサーチ職は証券会社の意思決定をサポートする役割を果たすため、強い責任感と専門性が必要な職種と言えます。
③投資銀行部門職:株式・社債の発行やM&Aの際にアドバイスや交渉をおこなう
投資銀行部門職とは、企業や政府機関をクライアントとし、資金調達や事業戦略に関するアドバイスをする職種です。
営業職と異なり、大規模な資金調達やM&Aといった専門的な案件を取り扱うことが多いですよ。クライアントも個人投資家ではなく、企業や政府などの法人が中心となります。具体的には、以下の業務を担当します。
- 株式や社債の発行を通じた資金調達のサポート
- M&A(企業の買収・合併)プロジェクトの実行支援 など
投資銀行部門職は、顧客のニーズに応じた最適なソリューションの提案だけでなく、各種交渉や契約締結にも深くかかわります。グローバル市場での活動が多いため、高い英語力や異文化理解も重要です。

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大規模なプロジェクトを通じ、経済や産業全体に影響を与える機会を得られるのが魅力の一つと言えますよ。
④ディーラー:証券会社の自己資金で株式や債券を売買して利益を上げる
ディーラーは、証券会社の自己資金を用いて株式や債券を売買し、短期間で効率良く利益を上げることを目的とする職種です。
市場の動向を瞬時に読み取り、売買のタイミングを正確に判断するスピード感と判断力が求められますよ。リアルタイムでのデータ分析や高い集中力も欠かせません。
- 株式や債券市場のリアルタイム監視
- 売買タイミングの判断と実行
- リスク管理やポートフォリオ調整
- マーケット情報の分析と戦略立案
ディーラーが生み出す利益は、証券会社の全体的な業績を左右することが多いため、その責任の重さと達成感は大きいと言えます。

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ディーラーは、金融事情は世界の経済状況の動向に大きく左右されるため、常に最新のニュースをチェックしておく必要があります。
⑤ブローカー:投資家からの有価証券の売買注文を証券取引所などに取り次ぐ
ブローカーは、投資家から受けた有価証券の売買注文を証券取引所などに取り次ぐ職種です。具体的には、顧客の指示に基づいて取引を実行し、その結果を報告することで、スムーズな取引を実現します。
- 投資家からの売買注文の受理と確認
- 証券取引所や市場への注文の取り次ぎ
- 取引結果の報告と顧客へのフィードバック
- 顧客からの問い合わせ対応や投資に関するアドバイス など
顧客は信頼できるブローカーがいることで、安心して投資活動ができます。ブローカーはマーケットの動きを的確に把握し、迅速かつ正確な対応をする能力が求められるほか、顧客の信頼を得るためのコミュニケーションスキルや、取引における細かな手続きへの注意力も重要です。

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ブローカーは証券会社と投資家をつなぐ重要な存在で、顧客との長期的な関係を築けば、より大きな成果を生むことが期待されます。

キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
証券会社というと営業職の仕事内容をイメージするかもしれませんが、実際にはもっと多様な業務・職種が存在しています。それぞれの分野のプロフェッショナルが協力して業績向上に取り組んでいると考えると良いですね。
そのため就職を目指すうえでも、専門性の高さや適性が特に求められる仕事と言えます。まずは、それぞれの職種がどのような流れで仕事をしているのか押さえることが大切ですよ。
また、目まぐるしく動く業界についていくスピード感も重要視されることから、正確で素早い行動力と判断力を養う努力が必要と理解しておきましょう。
証券会社に就職して後悔!? メリットとデメリットを理解して自分に合うか確認しよう

証券会社への就職は多くの挑戦と成長の機会がある一方で、厳しい面も少なくありません。華やかなイメージだけで判断してしまうと、入社後にギャップを感じて辞めたくなる可能性もありますよ。
ここからは証券会社に就職するメリットとデメリットを具体的に解説します。メリットとデメリットをしっかり把握し、自分に合ったキャリア選択で後悔を防ぎましょう。
証券会社に就職するメリット
証券会社への就職は以下のとおり、他の業界では得られないメリットが多くあります。
- 高収入を得るチャンスが多い
- 経済や投資知識を深め、成長できる環境がある
- 専門分野でのキャリアパスが豊富
証券会社へ就職するメリットとしてまず挙げられるのは、高収入を得られる可能性が高いことです。特に営業職では成果主義が徹底されており、契約や取引を成功させればインセンティブやボーナスに反映されやすい仕組みになっています。
また証券会社は急速に変化する金融市場で働くため、成長機会が多いのも特徴です。経済や投資についての深い知識を身に付けられるだけでなく、日々の業務を通じてプレゼンテーション能力や問題解決能力も磨かれます。
専門的なキャリア展開ができ、リサーチ職や投資銀行部門など、高度な専門分野で活躍する道も広がっています。

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証券会社への就職は、自分のスキルや努力を評価されたい人や、金融市場で活躍したいという明確な目標を持つ人にとって魅力的な選択肢と言えます。
証券会社に就職するデメリット
証券会社は就職先として魅力的なメリットがある一方で、以下のように証券会社に就職するデメリットもあります。
- 営業ノルマが厳しく、プレッシャーを感じやすい
- 経済情勢に大きく影響を受ける
- 市場の変化に対応し続けるため、気が休まらないと感じる人もいる
証券会社に就職するデメリットとして挙げられるのは、証券会社の営業職では、厳しいノルマが課される傾向がある点です。特に個人投資家向けの営業では、目標達成に向けたプレッシャーが大きく、ストレスを感じる場面も少なくありません。
また金融業界特有の特徴として、経済情勢に左右されやすい点もデメリットです。市場が不安定な時期には厳しい業績になることもあります。
さらに、常に最新の情報を把握して迅速に対応することが求められるため、「気が休まらない」と心身に負担を感じる人も一定数います。

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証券会社への就職はデメリットも考慮し、自分のストレス耐性やライフスタイルとのバランスを慎重に検討することが大切ですよ。
自分は証券会社に合っている? 向いている人の5つの特徴
証券会社は金融業界のなかでも高い専門性や成果が求められる職場です。その分やりがいも大きいですが、適性がなければモチベーションの維持が難しくなるため、自分に向いているかを理解しておくことがとても重要です。
ここからは、証券会社で活躍しやすい人の特徴を5つ解説します。当てはまる要素が多いほど証券会社でのキャリアを充実させやすいと言えるので、自分の性格やスキルがどうかをチェックしながら、向き不向きを考えてみてくださいね。
①数字に強い人
証券会社での業務は、日々大量のデータを扱うため、数字に強いことは大きな武器となりますよ。
たとえば営業職では顧客に投資商品を提案する際、データ分析をもとにしたわかりやすい説明が求められます。ディーラー職やリサーチ職では、膨大な市場データを瞬時に分析し、的確な判断を下す能力も必要なので、その基礎として数字に対する理解力や興味がある人は向いていると言えます。
学生の段階では、株価や為替レート、利回りといった専門知識がなくても大丈夫ですが、日常的に経済ニュースや金融情報を追いながら、数値データを意識して理解する習慣を付けると良い就活準備になりますよ。

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数学への関心や分析を楽しむ姿勢を持っているなら、証券会社での活躍が期待できます。
②向上心や挑戦心がある人
証券会社では成果主義が基本であり、向上心や挑戦心が強い人ほど成功しやすい傾向があります。たとえば営業職では契約数や売上目標の達成が評価に直結しますが、それを達成するためには常に自分を高め続ける姿勢が必要です。
また、金融市場は絶えず変化しており、新しいトレンドや規制に対応するための学習も欠かせません。近年はフィンテックの普及によって金融業界全体のビジネスモデルも変化しつつあるため、常に知識をブラッシュアップして社会の流れを捉えられる人は証券会社でも大きな活躍ができる可能性が高いですよ。
向上心や挑戦心はどの業界でも仕事に対する基本的な姿勢として求められますが、証券会社は特にこれらの姿勢が成果に直結しやすい仕事であると言えます。

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向上心や挑戦心を持つには、根底に仕事への興味関心がなければなりません。そのためにも証券や金融という世界が自分の興味関心に合っているのかは慎重に考える必要がありますよ。
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③コミュニケーション能力が高い人
証券会社の業務では、変化が速い金融の世界で成果を残すために関係者とのスムーズな連携が必要不可欠であり、コミュニケーション能力が高い人が向いています。
- 営業職:顧客のニーズを的確に把握し、要望に応じた提案をする能力
- リサーチ職や投資銀行部門職:分析結果や提案内容をわかりやすく伝える能力
顧客との信頼関係を築くためには、誠実な態度と相手に寄り添う姿勢が不可欠です。ただ単に説明するだけでなく、相手が理解しやすい言葉を選び、納得感を持ってもらうことがポイントになります。
証券会社での勤務は社内でも他部署やチームとの連携が多く発生するため、柔軟なコミュニケーションができる人ほど重宝されますよ。

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自分の意見を論理的に伝える力と相手を尊重する姿勢を兼ね備えている人に向いている仕事と言えます。
④ストレス耐性が高い人
証券会社の業務は以下のようにプレッシャーが大きい場面が多いため、ストレス耐性が高い人が向いています。
- 営業職:会社から与えられた成果目標を達成できていないとき
- ディーラー職:市場の急な変動にも冷静に対処しなければならないとき
さらに金融市場は不確実性が高いため、突発的な変化にも柔軟に対応しつつ、ポジティブに物事を捉える力も必要になります。ストレスを成長のチャンスと捉えられる人や、精神的に疲れていても適度にリフレッシュして気持ちを切り替えられる人であれば、証券会社で力を発揮しやすいですよ。

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これまでの学生生活を振り返って、自分はプレッシャーやストレスに強い方だと感じる人は適性が高いと言えますよ。
⑤変化に対応できる柔軟性がある人
金融市場は経済動向に応じて日々変化し、顧客のニーズにもトレンドがあるため、証券会社で働く場合は新しい状況に適応する柔軟性も求められます。
- 金融や経済の分野に関連する新しい法律や規制が適用されたとき
- 金融市場が大きく変動したとき
変化を楽しむ姿勢や新しい挑戦への前向きな姿勢を持つ人は、この業界で充実したキャリアを築きやすいと言えますよ。柔軟性を持つ人は予想外の状況でも落ち着いて対応し、自分のスキルや知識を活かして結果を出せることが多いです。

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市場や職場の変化をチャンスと捉えられる視点が、証券会社においてはとても重要ですよ。
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キャリアアドバイザーコメント堀内 康太郎プロフィールをみる
どの仕事でも向き不向きはありますが、証券会社であれば、金融知識を継続的にアップデートすることに対して興味が持てなかったり、情報収集が苦手だったりする人は仕事が苦痛に感じることがあります。
また、営業職に配属となった場合は顧客開拓やアフターフォローなどで人とコミュニケーションを取る機会が多くあるため、人のつながりを作ることに苦手意識が強い人も抵抗を感じてしまう可能性はありますよ。
ただし、コミュニケーションが苦手でも営業力のある人も多くいるため、向き不向きはあくまでも目安としつつ、自分の能力や理想とする未来にマッチする就職先を探しましょう。
自分に合った証券会社を探そう!就職先を選ぶ3つのポイント
証券会社への就職を考える際は、自分の希望や価値観に合った企業を選ぶことが重要ですよ。業務内容や社風、キャリアパスの違いによって働きやすさや満足度は大きく変わります。
ここからは、証券会社を選ぶときの3つのポイントを解説します。ポイントをしっかり理解して、自分に合った就職先を見つけるヒントにしてくださいね。
①興味のある仕事に取り組めるか
証券会社を選ぶ際に最も重要なのは、自分が興味を持てる仕事に取り組めるかどうかです。証券会社の職種は営業やリサーチ、ディーラーなど多岐にわたり、それぞれ必要とされるスキルや業務内容に違いがあります。
たとえば営業職は人と接することが多く、リサーチ職はデータ分析や市場動向の調査が中心です。自分がどの業務に興味があるのか、どのような仕事を通じて成長したいのかを明確にし、それに合った証券会社を選ぶように意識してくださいね。
- 各証券会社の採用ページや公式サイトを確認して業務内容を詳しく調べる
- インターンシップやOB・OG訪問を通じて実際の仕事内容を聞く

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実際に働いている人の話を聞けば、自分の希望するキャリアとマッチしているかがより具体的にわかりますよ。
OB・OG訪問の前にはぜひこちらの記事も読んでみてください。先輩たちから効果的に情報収集するコツを解説します。
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②社風や企業文化が自分の性格・価値観とマッチしているか
次に重要なのは、社風や企業文化が自分の性格や価値観と合っているかどうかです。証券会社といっても、会社ごとに文化や雰囲気は大きく異なります。
たとえば実力主義で個人の成果を重視する企業もあれば、チームワークや協調性を大切にする企業もあります。自分がどのような環境で働きやすいのかを考え、それに合った企業を選ぶことが重要ですよ。
- 企業説明会に参加して会社の雰囲気や事業方針を理解する
- OB・OG訪問をして実際に働いている社員から社内の雰囲気を聞く
- 口コミサイトや就活情報サイトにある企業評価の内容を参考にする
- 公式サイトやSNSで企業の考え方や特徴を理解する

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社風や企業文化は日々の業務の進め方や評価制度にも大きく影響するため、自分に合った文化の会社を選べばイキイキと働けますよ。
③キャリアパスや教育制度が充実しているか
最後に、キャリアパスや教育制度が充実しているかどうかも重要なポイントです。証券会社は専門性が求められる業界であり、成長し続けるためには継続的な学習やスキルアップが欠かせません。
そのため入社後の教育制度や研修プログラムが充実している企業を選ぶことが望ましいです。たとえば以下の点に考慮して会社を選ぶのも良いですよ。
- リサーチ職から始めてアナリストやファンドマネージャーを目指せるか
- 営業職からマネジメントや企画部門に異動できるか
- 新入社員研修で金融商品の基礎知識から実務スキルまで体系的に学べるか
- 社内外の資格取得支援や定期的なスキルアップ研修があるか など
キャリアパスや教育制度が整っていれば自分の成長を実感しながら働け、モチベーションも保ちやすくなりますよ。

キャリアアドバイザー
企業の人事制度や先輩社員のキャリア例を調べて、自分に合った企業を見つけましょう。
この記事では、キャリア形成について考えるときのポイントを解説しています。どのようなキャリアパスを歩むか考える際、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
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証券会社への就職を目指して事前準備を進めよう! 必須知識と資格の取得が成功のカギ

証券会社のなかには、多くの就活生のなかから優秀な人材を採用するために、基本的な金融知識や経済の仕組みを理解していることを前提としている企業もあります。
また「証券外務員資格」や「ファイナンシャル・プランナー」などの資格を取得しておくと自分の意欲や適性を示す材料になります。
このように知識の習得や資格取得に早い段階から取り組んでいれば、他の就活生に差をつけ、選考を有利に進めることができますよ。
今日から実践! 証券会社の就職に向けて取り組むべき事前準備4STEP

証券会社での就職を成功させるためには、計画的な準備が必要です。単に応募書類を整えるだけでなく、業界研究や資格取得、インターンの活用など幅広い取り組みをすれば、選考を突破する可能性が高まりますよ。
ここからは、就職活動の際に取り組むべき4つの事前準備を具体的に解説します。今日から取り組める内容も多いので、ぜひ実践してみてくださいね。
STEP①業界研究をする
証券会社への就職を目指す第一歩は、業界研究です。証券会社は金融業界のなかでも業務内容や社風が多様なので、それぞれの特徴の理解が求められます。
また証券会社の役割や仕事内容を深く知れば、自分がどの職種に向いているのかを判断しやすくなりますよ。業界研究を通じて最新の市場動向や業界の課題について把握すれば、面接やエントリーシート(ES)でのアピール材料になりますよ。
業界研究をするために今日から取り組めることとして3つ挙げるので、参考にしてくださいね。
- 証券会社の公式Webサイトをチェックして、会社概要やニュースリリースを読む
- 金融関連の記事やニュースを日常的に読む習慣を付ける
- 業界研究のための本を図書館や書店で探して読む

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ほかにもOB・OG訪問や企業説明会で得た情報も活用し、幅広い視点での業界理解が重要です。
STEP②金融や経済に関する知識や資格を得る
証券会社では金融や経済に関する基本的な知識が必須なので、学生のうちに基礎知識を学ぶことが重要です。
- 証券外務員資格やFPの参考書を購入して学習を始める
- SNSで経済ニュースや投資情報をフォローし、興味のあるトピックを掘り下げる
- 無料のオンライン講座やセミナーに登録して基礎知識を習得する
また資格の取得は知識を深めるだけでなく、自分の努力や意欲を採用担当者に示す大きなアピールポイントになります。
- 証券外務員資格:証券取引のルールや金融商品の基本知識を証明する資格
- FP(ファイナンシャル・プランナー):資産運用や税金、保険など、ライフプランに必要な幅広い金融知識を学べる資格
- 証券アナリスト:高度な金融・経済分析力を証明する資格
- TOEIC:グローバルな取引や外資系企業で求められる英語力を客観的に示せる資格
それぞれの資格の特徴やメリットについては「ほかの就活生と差がつく! 就活開始までに取得を目指したい資格」で解説するのでぜひ確認してくださいね。

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金融や経済に関する勉強は早く取り組めば取り組むほど長い時間をかけて知識として定着しやすくなるので、今日からさっそく取り組んでみましょう。
STEP③インターンシップに参加する
インターンは、証券会社の業務内容や社風を実際に体験できる貴重な機会です。特に短期ではなく半年以上などの長期プログラムに参加すれば、具体的な仕事の流れや社員の働き方を学べますよ。
インターンは、業界理解を深めるだけでなく、仕事における自分の適性を確認する良い機会にもなります。さらに参加経験をESや面接で活用すれば、具体的なエピソードを交えながら入社意欲をアピールできますよ。
- 各証券会社のインターン情報を公式サイトや就職情報サイトで調べる
- 参加スケジュールを確認し、エントリー期限をカレンダーに記載する
- インターンでアピールできる自己PRや志望理由を簡単にまとめる

キャリアアドバイザー
インターンは参加の競争率が高い場合もあるため、早めに情報収集をして応募の準備を進めることが大切です。

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インターンについて「貴重な経験ができるから絶対に参加したほうが良い」と考える人もいれば、「少し職場で働くくらいでは何のスキルも身に付かないし、意味ないのでは?」と懐疑的な人も一定数います。これはどちらが正解ということはありません。
ただし、インターンには上記で説明したように参加するメリットが多くあり、証券会社への就職をかなえたいと思った場合に、重要な役割を果たしてくれることも事実です。そのため、インターンは意味ないと最初から決めつけて、参加するかどうか検討すらしないのはおすすめしません。
どうやったら証券会社に入れるのか、就活の戦略を考えて、戦略としてインターンを参加するメリットが大きいと思ったら積極的に参加しましょう。
STEP④選考対策をする
証券会社の選考はES、筆記試験、面接といった一般的な流れに加え、グループディスカッションやケーススタディが含まれる場合もあります。そのためそれぞれの対策が重要ですよ。
ESでは自己PRや志望動機に具体性を持たせ、証券会社での目標を明確に伝えることを意識してくださいね。筆記試験では一般常識や数学、金融に関する問題が出題されるため、早めに問題集や過去問を活用して対策を進めましょう。
また面接では、自分の強みや志望理由を自信を持って伝えることが大切ですよ。
- 過去のES例を参考に、自分の志望動機や自己PRを書き出す
- SPIや一般常識問題集を購入し、1日1セクション解く習慣を始める
- 模擬面接を友人や家族にお願いし、受け答えの練習をする

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選考は企業との相性を確認する場であるため、しっかり準備して臨むことが就活成功への近道です。
以下の記事では、証券会社の志望動機をどのように作成するのが良いかについて解説をしています。具体的な選考対策として、ぜひ参考にしてください。
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証券会社に就職するうえでこれだけは押さえておくべき4つの必須知識
証券会社での業務は専門性が高く、金融や経済に関する基礎知識が欠かせません。採用選考では基礎知識が備わっていることが前提とされる場合も多く、基本を押さえているかどうかが合否を分けるポイントになることもあります。
ここからは、証券会社を目指すのであれば身に付けておきたい4つの知識を解説します。これらの知識を今から身に付け、選考準備をスムーズに進めましょう。
①金融商品と市場の基礎知識
証券会社の業務では、以下のようにさまざまな金融商品を扱います。これらの商品の特徴やリスク、どのような場面で活用されるのかなどを理解しておくことは重要です。
- 株式
- 債券
- 投資信託
- デリバティブ
また株式市場や債券市場、外国為替市場といった主要な金融市場の仕組みや役割についても知識を深めておくと良いですね。知識を深めるには、証券会社が発行する投資資料や金融の基礎書籍を活用すると効果的です。

キャリアアドバイザー
金融商品を購入する顧客のニーズについても調べておけるとより深い理解につながりますよ。
②経済の基本的な知識
証券会社の業務は、常に経済の動向と密接にかかわっているため、基本的な経済の仕組みを理解しておくことが重要です。たとえば以下の要素が金融市場や証券会社の業務にどのような影響を与えるのか、説明できるようにしておくと良いですね。
- GDP(国内総生産)
- 金利
- インフレーション など
また為替レートや貿易収支といったグローバルな経済要因についても触れておくと、さらに深い理解につながりますよ。経済ニュースを日常的にチェックして現在の動向を把握しておきましょう。

キャリアアドバイザー
日常のニュースがどのように投資家の行動を変えるかについても、具体的な事例を調べておくと選考でのアピール材料になりますよ。
③財務諸表の読み方
証券会社では、顧客への提案や投資判断をする際に、企業の財務諸表を活用する場面が多々あります。
- 貸借対照表(B/S)
- 損益計算書(P/L)
- キャッシュフロー計算書(C/F)
貸借対照表は企業の資産や負債の状態を確認し、損益計算書では収益性や費用構造を把握するものです。これらのデータをもとに、企業の財務健全性や成長性を判断できるようになることが、証券会社で働くうえでの基礎スキルと言えます。
財務諸表の理解を深めるために、日商簿記の資格取得を目指すのもおすすめですよ。

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基本的な会計知識を持っているだけでも、選考や業務では有利になります。
④証券市場の基本ルール
証券会社で働く際には、証券市場の基本的なルールを理解しておくことが不可欠です。
- 株式取引の仕組み
- 売買の流れ
- 取引時間
- 金融商品取引法
- インサイダー取引規制 など
また近年ではデジタル化が進み、ネット証券を通じた取引も一般化しているため、その背景にある技術や仕組みについて知識を持つこともおすすめです。証券市場のルールを正しく理解していれば、顧客対応や取引実務において信頼される存在になれますよ。

キャリアアドバイザー
基礎を学ぶためには、証券業界向けの研修教材や資格試験の参考書が役立ちます。
ほかの就活生と差がつく! 就活開始までに取得を目指したい資格

証券会社の就職を目指すなら、関連する資格の取得は大きなアピールポイントになります。資格を持っていることは金融や経済に対する意欲を示すだけでなく、実際の業務に必要なスキルを備えている証拠にもなります。
ここからは、証券会社で評価されやすい資格を4つ紹介します。それぞれの特徴やメリットを理解し、自分の目標に合った資格を選んで準備を進めてみてくださいね。
①証券外務員資格:金融商品を取り扱うための必須資格
- 難易度:基礎レベル
- 受験資格:誰でも受験可能
- 試験内容:金融商品取引法・株式、債権、投資信託、税制、取引ルールなど
- 必要な学習時間:50~100時間程度
証券外務員資格は、証券会社で金融商品を取り扱うために必要な資格であり、すべての証券業務の基礎です。この資格を取得すれば株式、債券、投資信託などの金融商品の基本知識や、取引のルールを理解していることを証明できます。
証券外務員資格は新入社員研修で取得するのが一般的ですが、事前に資格を取得しておけば入社意欲の高さを採用担当者に示せるだけでなく、ほかの就活生との差別化にもつながります。
また資格取得の過程で得た知識は選考での筆記試験や面接の際にも役立つことが多いため、金融業界を目指すなら最初に挑戦すべき資格と言えますよ。

キャリアアドバイザー
試験はインターネットから申し込みできて受験日も比較的柔軟に選べるため、学習計画を立てやすいですよ。
②ファイナンシャル・プランナー:資産運用に関する相談に応じるプロフェッショナル
- 難易度:3級は基礎レベル、2級は中級レベル
- 受験資格:3級は誰でも受験可能、2級は実務経験または3級取得が必要
- 試験内容:資産運用、税制、保険、相続、年金、不動産など
- 必要な学習時間:3級は50~100時間、2級は100~200時間程度
ファイナンシャル・プランナー(FP)は、資産運用や保険、税金、相続など、幅広い金融知識を活かして顧客のライフプラン設計を支援する専門家です。証券会社では顧客のニーズを的確に把握して長期的な資産形成の提案をする能力が求められるため、FP資格を持っていると強いアピールポイントになりますよ。
特にFPは金融商品だけでなく税務や年金制度の知識も含まれるため、取得すれば顧客対応の幅も広がります。FP資格は3級から1級まであるため、学生のうちに3級または2級を取得しておくと良いですね。

キャリアアドバイザー
FP資格を取得する過程で得られる知識は、選考でのアピール材料だけでなく、証券会社での実務でも非常に役立ちますよ。
③証券アナリスト:証券への投資判断の情報を提供する専門家
- 難易度:非常に高い(高度な専門知識が必要)
- 受験資格:大学卒業以上または実務経験
- 試験内容:企業分析、経済分析、財務分析、ポートフォリオ管理
- 必要な学習時間:300~500時間程度
証券アナリスト(CMA)は、投資判断情報を提供するプロフェッショナルを目指せる資格です。企業の財務データや市場動向を分析し、投資戦略立案のための高度なスキルが求められます。
証券アナリストはリサーチ職や投資銀行部門を目指す方にとってとても役立ち、取得していれば専門性の高さをアピールできますよ。ただし取得には多くの学習時間と専門知識が必要であるため、難易度は高めです。
証券アナリストを持っていれば、証券会社の採用担当者に対して強いインパクトを与えることができるため、挑戦したい人はぜひ早めに勉強を始めてくださいね。

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公式テキストを使った学習に加え、過去問を繰り返し解いて合格を目指しましょう!
④TOEIC:英語で聞く・読む能力を測定するテスト
- 難易度:スコアによる(600点台は中級、800点以上は上級)
- 受験資格:特になし(誰でも受験可能)
- 試験内容:リスニング(約45分)、リーディング(約75分)
- 必要な学習時間:600点台で約200時間、800点以上で300~400時間程度
TOEICは、英語力を客観的に証明できる資格試験です。外資系証券会社や海外展開を進める企業では特に証券会社のなかでもグローバルな業務に対応することがあるため、TOEICのスコアが重要視される場面が多くありますよ。
英語力は顧客対応や資料作成、国際取引で役立つだけでなく、スコアが高ければ学習意欲の高さのアピールにもつながります。証券会社を目指す場合は700点以上を目標にするのが一般的で、800点以上あれば大きな強みとなります。

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TOEICで高得点を目指すなら、日常的に英語に触れる環境を作ることがポイントですよ。
就職活動でのTOEICの活用方法については、以下の記事で詳しく解説していますのでぜひ目を通してくださいね。
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キャリアアドバイザーコメント成瀬 遼プロフィールをみる
ファイナンシャル・プランナーや簿記などの資格は、年に受けることができる回数が決まっているものや、難易度が上がるにつれ受験機会が年に1度などに減る資格もあります。
また、本選考が始まる頃になるとESの作成や説明会への参加、Webテストの試験勉強などで非常に忙しくなります。
そのため、就活が本格化するまでに資格を取得して選考に役立てたいと思ったら、受験資格や平均学習時間などをしっかりと確認したうえで、十分な勉強時間を確保して計画的に試験対策を進めましょう。
証券会社への就職に必要な事前準備をしっかりして、希望の会社から内定をもらおう!
証券会社への就職を成功させるには、業界研究や資格取得、インターン参加、選考対策などの事前準備が欠かせません。必要な知識とスキルを身に付け、選考で自分の強みを効果的にアピールできるように対策を進めてくださいね。
特に金融商品や経済の基礎知識、資格取得は、就活の際に大きなアドバンテージとなりますよ。計画的に準備を進め、自分に合った証券会社でキャリアをスタートさせるための第一歩を踏み出しましょう。
証券会社で活躍するには、専門知識だけではなく顧客の課題を深く理解して、最適な提案をおこなう力が欠かせません。