目次
- 重電メーカーを志すなら綿密な業界研究が必須
- まずは押さえておきたい! 重電メーカーとは?
- 重電メーカーのトレンド
- 各社海外事業の拡大が進む
- 脱炭素化が進んでいる
- 重電メーカーの仕事内容を知って働くイメージを掴もう
- ①営業職
- ②営業事務職
- ③研究開発職
- ④生産管理職
- ⑤製造職
- ⑥資材調達職
- 重電メーカーに向いている人の4つの特徴
- ①大きな仕事をしたい人
- ②長期的な視野を持っている人
- ③縁の下の力持ちタイプの人
- ④社会貢献への意欲が強い人
- 重電メーカーに求められる4つのスキル
- スキル①粘り強さ
- スキル②計算・図面把握能力
- スキル③語学力
- スキル④わかりやすく意見を伝える力
- 企業ごとの違いを知ろう! 大手重電メーカー6社を徹底比較
- 日立製作所
- 三菱電機
- 東芝
- 富士電機
- 明電舎
- 日新電機
- 重電メーカーの志望動機で盛り込むべき内容
- ①重電メーカーを志望する理由
- ②その企業を志望する理由
- ③根拠となる具体的なエピソード
- ④入社後のビジョン
- 業界研究を深めて重電メーカーの内定を掴もう
重電メーカーを志すなら綿密な業界研究が必須
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。就活生から
「重電メーカーってそもそもどんな会社ですか?」
「重電メーカーの対策をしたいのですが何をしたらいいですか?」
という相談をよく受けます。メーカーよりもさらに事業を細分化したニッチな業界になるので、よく知らない人も多いのではないでしょうか。
重電メーカーは私たちの生活を支えているメーカーです。ですから、就職した後もやりがいのある仕事ができ、社会貢献もできるなどたくさんの魅力がありますよ。
そこで今回は重電メーカーのトレンドや、具体的な職種、大手企業の比較などを紹介します。最後まで読めば重電メーカーの業界について詳しくなれますよ。また重電メーカーの対策についても解説していきます。
まずは押さえておきたい! 重電メーカーとは?
重電メーカーの「重電」とは「重電機器」を省略した言葉です。具体的には、発電機や変圧器、遮断機などの大型の電気機器を扱っているメーカーです。
大型の電気機械を作るメーカーなので、資金や人手が必要で、重電メーカーのほとんどは大手の企業です。
重電機器は、発電・送電・配電の3つに大きく分けることができます。それぞれの企業によっても強みが異なっているので、どの製品に強い会社なのかも業界研究のポイントですよ。
業界研究をおこなう際は業界研究ノートを作りながら取り組んでみてくださいね。
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重電メーカーのトレンド
それでは現在の重電メーカーのトレンドについて解説します。トレンドを知ることはとても重要です。実際の面接では、業界についてどの程度勉強したかを問うためにトレンドに関する質問をされることもあります。
企業側は、「自分が就職する会社なら当然業界についても調べてきているはず」と考えている場合もあります。それについて答えられるようにしておきましょう。
また、トレンドを知ることで、自分の将来のキャリアを描くことの参考にもなります。トレンドから逆算して、身につけておくべきスキルなどもわかってくることもあります。そのためトレンドについてしっかり理解しましょう。
各社海外事業の拡大が進む
海外事業では発展途上国のインフラ整備の需要が国内よりもあります。政府は発電設備の建設だけでなく、その後の点検や修繕までもトータルでおこなうO&M戦略(operation & maintenance)を打ち出しています。
海外ではドイツのシーメンスや中国企業の台頭など、たくさんの競合と戦う必要があり日本独自の戦略が必要です。
脱炭素化が進んでいる
また2015年に採択された「パリ協定」(気候変動抑制に関する多国間の国際的な協定)では「世界全体で温室効果ガスを2050年までに実質ゼロにすること」を目標にしています。そのため、世界全体のトレンドが「脱炭素化」です。
そのため、日本の重電メーカーは現在の火力発電の建設を進めながら、徐々に再生可能エネルギーにシフトしていて、国の政策は「旧式の石炭発電を減少する方針」となっています。
今後は、太陽光や水素、洋上風力などの環境に配慮した発電や、再生エネルギーを安定的に供給するパワーグリッドなどの「カーボンニュートラル事業」にビジネスチャンスを見つける必要があります。
重電メーカーの仕事内容を知って働くイメージを掴もう
次に重電メーカーの具体的な仕事内容を解説します。重電メーカーは企業と取引をおこなうBtoBの仕事で、私たちの暮らしを陰で支えています。そのため、どのような仕事をしているかわかりづらいかもしれません。
しかし、面接では、「入社後にどのような仕事に就きたいですか」という質問はよくされます。そこで仕事内容を知って具体的に入社後のイメージをしておきましょう。
- 営業職
- 営業事務職
- 研究開発職
- 生産管理職
- 製造職
- 資材調達職
①営業職
重電メーカーの営業はBtoBになるので、営業する相手はメーカーや官公庁などの法人になります。
営業はライバル企業よりも自社の製品のどの点が優れているのかをしっかり説明する必要があります。そのため自社の商品知識だけでなく他社の情報や業界の動向を知ることが必要です。営業ではグラフや図、パワーポイントを使ってプレゼンをおこなうことや、提案資料を作成することもあります。
契約が決まったら終わりではありません。比較的納品までの期間が長いことが多いので、納品までの進捗管理もしっかりとおこない、無事に納品するまで仕事です。
営業に向いていないと感じている人はこちらの記事も参考にしましょう。
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②営業事務職
営業事務は、営業職のアシスタントとして、一緒に契約まで伴走する役割があります。
具体的には、見積書の作成や、請求書の作成、在庫の管理や電話応対、簡単な調べものや資料作成の補助までおこないます。
営業職が事務作業に時間をとられてしまうとその間に営業ができなくなってしまいます。いかに営業に気持ちよく専念してもらえるのかが営業事務の大事なポイントです。
事務職の仕事内容に興味がある人はこちらの記事も参考にしましょう。
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③研究開発職
製品の開発に向けた実験や耐久テストなどをおこないます。実験と、結果の考察をして資料にまとめて報告をするのが主な仕事です。
時には顧客の要望にあった製品を作る場合もあります。その場合は営業担当者と同行をして、ヒアリングをおこないます。
研究は企業がお金を投下しておこなうので、結果が求められます。また期限までに報告する必要があるので、スケジュール管理も重要です。
研究職についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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④生産管理職
生産管理は、工場内の仕事がメインです。具体的には開発された製品の生産ラインを新しく構築します。さらに既存の製品の生産を効率的に生産するように改善をおこなうのも仕事です。海外で新しく工場を立ち上げることもあります。
工場内で作業をしている人や研究開発職とも話し合いをして納期などを調整することもあります。知識だけではなくコミュニケーション能力も求められる仕事です。
⑤製造職
製造は、製品の製造を期限までに完成させて納品をするのが仕事です。最初は1つの製品を作るところからスタートしますが、徐々に工場全体の納期管理の仕事もするようになります。
製造が遅れる場合や、ミスがあった場合はクレームになってしまい、顧客からの信頼を失ってしまうので、大変重要な仕事です。
⑥資材調達職
資材調達職は、生産の現場で必要とされる部品を決められた納期まで調達します。資材の品質は良いものを提供しながら、同時にどれだけ安く調達できるかも重要です。コストを抑えることで競合他社よりも安い価格で提示でき、営業の契約につながります。
調達先は、国内だけでなく、海外まであります。仕入れ先と契約を結び、納品の方法まで打ち合わせをするなど、多岐にわたる仕事です。
重電メーカーに向いている人の4つの特徴
次は、重電メーカーに向いている人の特徴を解説します。業界はそれぞれ仕事内容や雰囲気などが異なるため、向いている人、向いていない人がいます。重電メーカーを志望するか迷っているという人は、自分が重電メーカーに向いているかどうかを考えてみましょう。
①大きな仕事をしたい人
重電メーカーでは発電機や、遮断器など規模の大きな製品を作ることになります。当然、プレッシャーや責任なども大きくなりますが、その分達成感も大きくなるのです。大きな仕事をすることに達成感や喜びを感じる人には向いています。
②長期的な視野を持っている人
大きな製品を作るため、準備から納品までのスケジュールが長くなります。そのため、目先のことだけでなく、全体を見ることができる視点が必要になります。
日々の業務をしながら、先を見据えた行動も必要になってきますので、長期的な視野を持っている人が向いているのです。
③縁の下の力持ちタイプの人
重電メーカーはBtoBのため、生活を陰で支えるような仕事になります。そのため、我々のようなエンドユーザーが直接目に触れない製品を扱うこともあります。
「社会を支えたい」「企業のサポートをしたい」と考える人には向いていると言えますね。
縁の下の力持ちをアピールしたい人はこちらの記事を参考にしましょう。
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④社会貢献への意欲が強い人
仕事を選ぶ理由は人それぞれあります。「給料がほしいから」「仕事が楽しいから」などさまざまです。
その中でも「社会貢献をしたい」「社会の役に立ちたい」という思いが強いのであれば重電メーカーが向いています。
重電メーカーは「電気」という私たちの生活に必要不可欠なインフラを扱います。海外の発展途上国では、命にかかわる大切なもので社会貢献度が高い仕事です。その仕事に携わることができるので、社会貢献をしたい人にとっては大きなモチベーションになります。
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このほかにも、バランス力のいい人も重電メーカーに向いているといえるでしょう。重電メーカーの中にはたくさんの職種がありますが、大きな企業になればなるほど官公庁やさまざまな業態の団体と関係を持つようになります。
そのため、事業を動かすためには自分の意見だけを貫こうとしたりやみくもに動こうとしたりする人ではなくて、相手の立場に立って物事を考える力が求められます。一方で、あまりにも相手目線に立ちすぎて慎重になりすぎても事業は進んでいきません。時にはある程度の勢いも必要でしょう。
また、生活に不可欠なインフラを扱うため勉強熱心な人も向いています。たとえば消耗品などは、店員の売り言葉に乗せられてうっかり買ってしまって後悔したことがあっても、ある程度諦めはつくのではないでしょうか。しかし、インフラはそう簡単に取り換えができるものではありません。
商品や業界のことを知らない人、知ろうとしない人にインフラを任せたいと思う人はいないはずです。新入社員のときから少しでも知識を習得しようと自ら行動できる人は重電メーカーに向いているでしょう。
重電メーカーに求められる4つのスキル
次は重電メーカーに求められる4つのスキルを解説します。
面接官は、「自社で活躍できる人物」を求めています。そのため、求められるスキルに当てはまる人は、面接でアピールすることで、選考に有利に働きます。
また求められるスキルを知ることで業務への適性を見極めることもできますから、ここで押さえておきましょう。
スキル①粘り強さ
営業の場合は、大型な機械を扱うので短期的なやりとりではなく計画から完成まで長いスパンでおこないます。契約が決まってからのアフターフォローまでおこなうので打ち合わせの回数も多いです。途中で投げ出すことができませんので、辛抱強く耐える「粘り強さ」が必要です。
生産管理や研究開発でも、失敗と改善を繰り返し試行錯誤をします。自分の考えて行動したことがが結果に結びつかないことも多々あります。気持ちを切らさない粘り強さは、重電メーカーの全ての職種で必須のスキルと言えるでしょう。
粘り強さをアピールしたい人はこちらの記事を参考にしてください。
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スキル②計算・図面把握能力
これは研究開発や生産管理などの理系の仕事はもちろん必要ですが、さらに営業や資材調達の仕事などにも必要になります。
たとえば、営業では商談中でも顧客に図面を提示して話をすることもあります。重電メーカーの機械は大きいので、実物を見せて説明することはほとんどなく、図面や設計図を見て打ち合わせをします。立体の図形をイメージできなければ、話がそこで止まってしまいますよね。
また「どれくらいのコストがかかるか」「原価は5%だからいくら費用がかかるか」など頻繁に数字を扱います。素早く回答を求めれることもありますので、計算ができる方が望ましいです。
スキル③語学力
営業や資材調達では、海外の人とやり取りすることもあります。読み書きだけでなく、聞く・話すのスキルも求められます。
生産管理では海外の工場に赴任する可能性もあります。その場合は、現地スタッフとの英語でのやり取りが必要な場合があります。研究開発では、研究のため海外の文献を読む場合に必要です。
このようにすべての職種で必要になる場面がありますので、語学力は身につけておいて損はないでしょう。
英語力をアピールしたい人はこちらの記事を参考にしてください。
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スキル④わかりやすく意見を伝える力
営業では、顧客にわかりやすく自分たちの製品をPRする必要があります。生産管理や研究開発では、他の部署との連携をとりながら仕事をおこないます。
わかりやすく自分の意見や考えを伝えられないと相手は間違った認識をしてしまい、会社全体に悪影響を及ぼします。相手の立場に立ったコミュニケーションが必要です。
相手の立場に立って考える力のアピール方法はこちらの記事で解説しています。
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日立製作所
日立製作所の重電にかかわる事業である「エネルギー事業」と「インダストリー事業」の2020~2021年の合計の売上は1兆7,244億円で、業界のシェアの35.9%とトップのシェアを誇っています。
日立は、2020年7月に脱炭素化に向けて、スイスのABB社から送配電(パワーグリッド)事業を、過去最大規模で買収しました。パワーグリッドは脱炭化の柱になりますので、トレンドに乗った戦略です。この買収により、日立の従業員の外国人の比率が日本人の比率を上回ったという特徴もあります。
三菱電機
三菱電機の重電にかかわる事業である「重電システム事業」の2020~2021年の売上は1兆2,702億円で業界のシェアの第2位です。
三菱電機は火力発電と、原子力発電で国内で高いシェアを誇っています。また大型太陽光などの「発電」から、スマートメーターなど電気を安定供給する「送電」、「配電」までトータルで多数の実績とノウハウがある点も強みです。
東芝
東芝は、重電にかかわる事業である「エネルギー事業」、「インフラシステムソリューション事業」の2020~2021年の合計の売上は1兆1,640億円で業界のシェアの第3位です。
2021年5月に東芝は脱炭素の「洋上風力発電」の分野でアメリカのGEと戦略提携を結びました。世界の風力発電の市場は、欧米や中国が市場の上位にいます。日本の企業がほとんど撤退した中で、この業務提携をした東芝はこの分野で優位性を高めました。
富士電機
富士電機は、重電にかかわる事業である「パワエレシステム・エネルギー事業」と「発電プラント事業」の2020~2021年の合計の売上は2,866億円で業界のシェアは第4位です。
富士電機は、地熱発電や、水力、風力発電に携わる製品を作っています。さらにパワーエレクトロニクスの分野も事業の柱になっています。そのためエネルギーの供給から自動化まで一貫して自社でおこなうことができる点が強みです。
明電舎
明電舎の重電事業の2020年-2021年の売上は2,312億円で業界のシェアは第5位です。
明電舎は送電や配電に強みがあります。落雷から電力網を守る「避雷器」を100年前から製造しています。確かな実績とノウハウを持ち落雷を防ぐことで電力の安定供給に貢献している会社です。
日新電機
日新電機の重電事業での2020~-2021年の売上は1,246億円で、業界のシェアは第6位です。
日新電機は配電や送電が強みです。同じ製品でもオーダーメイドで顧客にピッタリの製品を作っています。特に電力会社向けの電力コンデンサでは国内のシェアをほとんど独占しています。
重電メーカーの志望動機で盛り込むべき内容
それでは最後に実際に重電メーカーへ応募する際の志望動機の構成を解説します。志望動機の書き方のポイントは、ずばり「オリジナリティ」です。重電メーカーは志望者が多く、履歴書やエントリーシート(ES)もたくさん送られてきます。その中で似たような内容になってしまっては、人事担当の印象に残りません。
ここでは自分だけのオリジナリティの高い志望動機を作るために効果的な構成を解説します。
基本的な志望動機の書き方や例文はこちらを参考にしてくださいね。
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①重電メーカーを志望する理由
最初に重電メーカーを志望する理由を考えましょう。数ある業界の中でなぜ重電メーカーで働きたいと思ったのでしょうか。その理由を明確にしましょう。
たとえば「モノづくりが好き」であれば他のメーカーでも良いはずです。その中でなぜ重電メーカーの製品に惹かれたのでしょうか。あなたが志望した会社に惹かれた「理由」や「あなたの性格・志向」を深堀りをしていきましょう。
生活に欠かすことのできない電気などを扱うインフラ事業に興味があり、重電メーカーを志望しました。
私が仕事をするうえで大切にしている価値観は「社会貢献」です。私はアルバイトでお客様に感謝された経験から、仕事をしながら感謝をされることに大きなやりがいを感じました。
重電メーカーであれば私たちの生活に大切な電気を守る仕事なので、私の志向と合っていると思い、重電メーカーを志望しました。
②その企業を志望する理由
次に重電メーカーの中でも、なぜその会社なのかについて理由を考えます。どの重電メーカー企業でも言えるような内容では「他社でも良いのでないか」と捉えられ、その企業への熱意は伝わりにくいでしょう。
今回紹介しただけでも重電メーカーは6社あります。その中でなぜ「志望した会社」を選んだのでしょうか。企業ホームページ(HP)などで他社との違いを比較しながら考えてみましょう。
重電メーカーの中でも御社は、カーボニュートラルなど風力発電の分野で独自の技術を持っており、新しいことに挑戦していく社風がとても魅力的に感じました。またHPで先輩社員のインタビューを拝見し社歴に関係なく若いうちから積極的に海外勤務や大きな案件に携われる点や、部門に関係なく団結している点も魅力を感じました。
③根拠となる具体的なエピソード
次に、志望理由の説得力を増すために根拠となる「具体的なエピソード」を入れましょう。「入社したい」と思ったきっかけとなるエピソードや体験があるはずです。そこを入れましょう。
たとえば、「発展途上国に行ってインフラが整っていない環境を経験した」「災害に遭い電気が使えなかったけど、御社の製品のおかげですぐに使えるようになった」などです。そのエピソードを通じてどう感じたかも思い出してください。
エピソードは具体的でかつオリジナルな方が印象に残りやすいです。誰もが経験したことではなく、自分だけの体験を思い出しましょう。
私は、学生の頃に台風の影響で電気が使えなくなり、真っ暗の中で1日過ごしたことがありました。その中で、普段あって当たり前だと思っていた電気が大切だと使えなくなって始めて気づきました。その生活に欠かすことのできない電気を支えている事業に貢献したいと思いました。
④入社後のビジョン
最後に入社後のビジョンを伝えましょう。あなたはその会社でどのようなことをしたいのでしょうか。自分の強みとも絡めながら、3年後、5年後、10年後、30年後と段階ごとのイメージしてみましょう。
5年後、10年後などの先のビジョンを説明する際は「その時の社会情勢がどうなっているか」を絡めながら話すと、具体的なビジョンになります。
たとえば、「30年後に火力発電に携わりたい」と発言すると、先ほどお伝えした「パリ協定の温室効果ガスを2050年までに実質ゼロにする」というトレンドとマッチしていません。業界研究をしていないと思われてしまうので気を付けましょう。
私は御社に入社しましたら、できれば営業職を希望します。5年以内に海外で働き、現地の企業に御社のカーボニュートラルの柱である風力発電の製品を提案してみたいです。10年後には、政府はO&M戦略を打ち出していますので、私も製品を販売するだけでなく点検・補修までおこない、長期的に関係性を築けるような事業にマネージャーとして、自分と人を動かしながらかかわっていきたいです。
キャリアアドバイザーコメント北浦 ひよりプロフィールをみる
この業界の志望動機では、実体験に基づく根拠を書く場合に「途上国に行った」エピソードを盛り込むケースが非常に多いです。これ自体は決していけないことではないので自信を持って書いてほしいのですが、そこで感じた気づきについて「なぜそう感じたのか」などを深めていくことでほかの学生との差別化を図れるように意識しましょう。
「インフラが整っていない環境を経験した」ため、調べてみたら現地の人も〇〇ということを感じているということがわかった、このエリアだけなぜ整っていないのかを調べたら地形上の問題を発見した、などいくらでも一歩踏み込むことはできるでしょう。
入社後にやりたいことは、あくまで企業や社会の流れに沿ったものにしよう
また、入社後に何をやりたいのかは、現段階の想定でかまいません。実際に働き始めたら気持ちが変化することは起きて当然のことだからです。しかし、企業の中期経営計画とはまったく関係がないことを書いたり、世の中の流れに逆行するようなことを書いたりすると企業にネガティブな印象を与えてしまいます。
インターネットなどの無形商材は比較的スピード感がある業界なので夢のある内容を盛り込んでも問題はありませんが、重電メーカーは長期的視野に立ち1つずつ確実に事業を遂行することが求められるので注意しましょう。
業界研究を深めて重電メーカーの内定を掴もう
今回は重電メーカーについて解説しました。まずは今回紹介した企業やトレンドで興味があるものは、さらに深堀りしていきましょう。
業界研究が深まることで、重電メーカーの中でも自分がどの企業に行きたいのか、自分に合っている企業はどこかも明確になってきます。ぜひ重電メーカーの業界研究をさらに深めて、内定を掴みましょう。
キャリアアドバイザーコメント吉田 実遊プロフィールをみる
今に始まったことではありませんが、海外事業を強化するということは為替変動に事業の収支が大きく左右されていくため、米中を中心とした国際関係に気を配る必要があるでしょう。
また、日本独自の高品質で完璧な製品を輸出するには、それなりのコストがかかります。しかし、経済状況が乏しいけれども今すぐにでも製品を求めている発展途上国にとっては、大きな負担となってしまいます。そのため、発展途上国に見合う戦略に方向を転換する必要があります。
このように事業バランスを見直すと、必要な人員配置も必要な知識も少しずつ変わってくるでしょう。国内事業の発展に向けて貢献をしたいと考える人だけではなく、より世界情勢に関心を持ち海外進出を目指したい人員が重宝されていく可能性もあります。志望動機などについては後述しますが、各社の中期経営計画は必ず確認をしておきましょう。