目次
- 福利厚生の充実度も企業選びの軸になる
- 企業が福利厚生を充実させる3つの理由
- ①採用力を強化するため
- ②定着率を上げるため
- ③節税のため
- 知っておきたい福利厚生が充実している企業で働くメリット
- 金銭的に安定しやすい
- モチベーションをキープしやすい
- 女性が働きやすい
- 福利厚生にどんな種類があるか知っておこう
- 法定福利:法律で義務付けられている
- 法定外福利:企業が独自で導入している
- 注目したい人気の福利厚生3選
- ①住宅に関する制度
- ②食事に関する制度
- ③健康に関する制度
- 人によって必要な・魅力的な福利厚生は変わってくる
- 業界別で解説! 福利厚生の充実度や特徴を把握しよう
- 製造業・メーカー
- IT
- エンターテインメント
- 金融
- 食品
- 流通・小売
- どんな福利厚生があるかを調べる4つの方法
- ①口コミやSNS
- ②OB・OG訪問
- ③説明会や面接
- ④企業の採用サイト
- 気になるベンチャーの福利厚生事情
- 福利厚生にかけられる費用は相対的に多くはない
- 社員のための制度をピンポイントで導入していることも
- ベンチャーならではのユニークな福利厚生も生まれている
- 福利厚生を志望動機にするときは注意が必要
- 福利厚生にも注目して自分にあった企業を選ぼう
福利厚生の充実度も企業選びの軸になる
こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。
「福利厚生って企業によって全然違うので、よくわからない」
「福利厚生が充実している企業ってやっぱり良いんですか?」
という就活生の声をよく耳にします。福利厚生は聞いたことあるけれど、具体的なイメージがわかない就活生も多いのではないでしょうか。
就活で企業を選ぶときは、事業や仕事内容、給与などあらゆる点から企業をチェックしますが、福利厚生が充実しているかも企業選びの軸になります。
福利厚生とひとことで言っても、保険や各種手当、休暇、研修制度など、企業によって導入している福利厚生はさまざま。この記事では、実際にどんな福利厚生があるのか、導入例とあわせて紹介していきます。
企業が福利厚生を充実させる3つの理由
就活生
キャリアアドバイザー
確かにその一面はあります。しかし、企業にとっては給与とは異なるメリットが福利厚生にはあるんですよ。整理してみましょう。
そもそも、企業は福利厚生を充実させるほど、コストや管理などの負担が大きくなります。それなら、その分を給与に上乗せすれば良いのにと思う人もいるかもしれませんね。それでも企業側には、福利厚生を充実させる理由があるんです。なぜ企業は福利厚生を充実させるのか、その理由を一緒に見ていきましょう。
①採用力を強化するため
採用力を強化することが大きな目的の一つです。業界によっては深刻な人手不足が続いていますし、労働人口自体が減っているので、今後もあらゆる業界で人手不足が予想されています。
そのなかでも、企業は一人でも多くの優秀な人材を採用したいと考えています。そのための対策の一つが、福利厚生の充実です。
福利厚生が充実している企業と、充実していない企業では、他の条件に大きな差がなければ、充実している企業が選ばれやすいのは当然ですよね。実際、大企業が就職先として人気なのは、福利厚生が充実しているからと言う理由で選んでいる人も多いからなんです。
②定着率を上げるため
社員の定着率を上げることも充実させる要因の一つです。活躍している社員が辞めてしまうと、企業にとっては大きな痛手になります。その穴を埋めるために、新しく社員を採用して育てようとするでしょうが、それにはコストも時間もかかり大きな負担になります。
しかも、コストや時間をかければ活躍する社員になるかというと、必ずしもそうではないでしょう。企業にとっては、活躍している社員に長く働いてもらえる方が確実性も高いですよね。そのために多少のコストをかけてでも、魅力的な福利厚生を充実させて定着率を上げようとしています。
③節税のため
就活生にとっては関係がないと思われがちですが、知っておきたいのは節税のためということです。福利厚生の導入や維持にかかるコストは、条件を満たせば企業の経費になります。企業は、経費が増えれば課税対象の所得が減るので、支払わないといけない法人税を節約できます。
これは実は、企業だけじゃなく社員にとってもメリットがあります。福利厚生の分「給与アップしてくれれば良いのに」と思うかもしれませんが、給与は所得税の対象なので、給与アップだと支払わなければならない所得税も増えてしまいます。
これが福利厚生だと、条件を満たせば所得税の対象にはならないので、福利厚生の分がそのまま上乗せされます。
給与アップよりも福利厚生を充実させる方が、企業、社員どちらにとっても節税効果が高いということです。給与が高い企業は魅力ですが、長く働くことや税金を考えると、福利厚生が充実している企業の方が好条件かもしれませんよ。
知っておきたい福利厚生が充実している企業で働くメリット
ここまでは企業側のメリットを中心に見てきましたが、実際に企業選びをする就活生にとっては、福利厚生が充実しているとどんなメリットがあるのでしょうか。
ここでは就活生側のメリットを紹介します。就活だけでなく、今後長い社会人生活を送るにあたっても大切なことなので、しっかりと理解しておいてくださいね。
金銭的に安定しやすい
まず、金銭的に安定しやすいというメリットがあります。福利厚生には、資格手当や赴任手当、住宅手当や家賃補助のように、金銭で支給されるものもあります。
これは給与とは別での支給になるので、福利厚生が充実しているほど手取りが増えるというのが最大の魅力です。
たとえば、月5,000円の資格手当が給与に上乗せされた場合、ひと月で考えると差は感じにくいかもしれませんが、数年、数十年と勤続年数が増えていくと、その額は相当な金額になりますね。
ただし、手当や補助の福利厚生はあくまで給与に上乗せされるもので、固定給ではありません。なので、ボーナスの計算対象にはならないというのは注意しておきましょう。
モチベーションをキープしやすい
モチベーションを保ちやすいのもメリットのひとつです。もちろん、給与やボーナスはわかりやすい報酬なので働くモチベーションに直結しますが、福利厚生にも働くモチベーションにつながる制度がたくさんあります。
たとえば、疲れたまま仕事をしていたり、同じ作業を繰り返していると、どうしてもモチベーションは下がってしまいます。
これが、オフィス内にカフェスペースがあったり、マッサージなどのリラクゼーションサービスの補助制度があったらどうでしょうか。心身ともにリフレッシュでき、仕事へのモチベーションアップにつながるでしょう。
これは短期的な例ですが、休暇関連の福利厚生が充実していると、長期的なモチベーションアップも期待できますね。
女性が働きやすい
ほかにも、働く女性を後押しするメリットもあります。女性社員のなかには、それまでは感じなかったのに、結婚や出産などのライフイベントを機に働きづらさを感じるようになったという人もいます。
こうした女性を増やさないために、最近ではワークライフバランスの実現を後押しする福利厚生や制度を導入している企業が増えています。
たとえば、社員向けの託児サービスを導入していたり、認可外保育園に子供が通っている場合は費用補助をしている企業もあります。また、法律で決められている育児休業とは別に育児休暇を導入していたり、時短勤務や在宅勤務などの柔軟な勤務制度を導入していると、ワークライフバランスは実現しやすいでしょう。
こうした企業は、出産や育児後も仕事を続ける環境が整っているので、キャリアアップも諦めずに仕事に打ち込むことができるのではないでしょうか。
キャリアアドバイザーコメント上村 京久プロフィールをみる
福利厚生は企業によって大きく異なりますが、福利厚生が充実している企業ほどモチベーション高く働くことができるでしょう。同業界のA社とB社ではやっている仕事は大差がないにも関わらず、福利厚生面で大きな差があったとしたら社員のモチベーションは当然異なってきますよね。
福利厚生だけを就活の軸にするのは問題がありますが、福利厚生を重要視すること自体は当然のことです。また、「福利厚生が充実している=社員を大事にしている」と捉えることもできるため、福利厚生の充実度合いでその企業の社風や文化が垣間見えるといっても良いでしょう。
「福利厚生を充実させる→社員のモチベーションが上がる→モチベーションが上がれば仕事の生産性が上がる→仕事の生産性が上がれば業績が上がる→業績が上がれば収益増加につながり社員に還元される」というサイクルで回っていくため、福利厚生が充実している企業で働くメリットは大いにあると言えますね。
福利厚生にどんな種類があるか知っておこう
福利厚生は、ひとことでいえば給与以外の報酬のことです。福利厚生にはさまざまな種類があり、企業によって内容は変わってきますが、大きく分けると「法定福利」と「法定外福利」の2種類があります。ここからはそれぞれの特徴を見ていきましょう。
法定福利:法律で義務付けられている
まず「法定福利」は、法律で加入が義務付けられている福利厚生です。多少の例外はありますが、基本的にはどんな企業も社員に対して提供しなければいけません。
法定福利は大きく5種類に分けられます。種類ごとの特徴もあるので、上の表で確認しておきましょう。
法定外福利:企業が独自で導入している
法定外福利は、法律で義務付けられていない、企業が独自で導入している福利厚生です。企業ごとの判断で導入しているので、企業の特徴が色濃く出ます。
法定福利はどの企業も同じ内容ですので、法定外福利にどんな制度があるかが福利厚生の充実を表していると言えます。種類もさまざまですが、代表的なものは表を参考にしてください。
注目したい人気の福利厚生3選
ここまででさまざまな福利厚生を紹介してきましたが、なかでも人気の福利厚生3選を詳しく解説していきます。人気があるということは、こうした福利厚生があれば働きやすいという目安にもなりますから、企業選びの参考にしてください。
①住宅に関する制度
まず紹介するのは、住宅に関する制度です。健康的で安心感のある生活には、快適な住宅が欠かせません。ですが、快適さを求めると費用も上がってしまいます。とくに、家賃の高い都市部で働く場合や、新卒でまだ給与が少ない場合は、「住宅費用が支出のほとんど」ということも少なくないでしょう。
これは、その住宅費用を企業が一部負担してくれるという制度なので、人気の理由もわかりますね。代表的なものとしては「住宅手当」「家賃補助」「社宅」などがあります。企業によって金額や条件は変わりますが、一部でも負担してもらえれば、その分を趣味に使ったり貯金に回すことができますし、助かりますよね。
- 住宅手当
- 家賃補助
- 社宅
- 社員寮
- 持ち家援助
②食事に関する制度
次に紹介するのは、食事に関する制度です。食事も健康的な生活に欠かせないものですし、支出にも大きく関わってきますよね。
たとえば、仕事中の昼食を毎日外に食べに行っていたら、結構な支出になってしまうでしょう。とはいえ、仕事をしながら毎日お弁当を作るのはなかなか大変ですし、ひとり分だと意外とコストがかかってしまうこともあります。
この制度の代表的なものとしては「社員食堂」があります。補助のおかげで安く食事できるだけでなく、なかには栄養バランスまで考えられていたり、飲食店顔負けのおいしさだったりと、企業によっても特徴が見られます。ほかにも「オフィスでの弁当販売」「フリードリンク・お菓子」なども人気がある制度ですね。
- 社員食堂
- オフィスでの弁当販売
- フリードリンク・お菓子
- 食事補助
③健康に関する制度
最後に紹介するのは、健康に関する制度です。「定期健康診断」は、法律で義務付けられた制度なので、企業によっての差はありません。ですが、最近では社員の健康を守るために、独自の制度を用意している企業も増えています。
代表的なものとしては「人間ドック」があります。人間ドック受診料を、無料または格安で提供するというものです。
ほかにも、「産業医のカウンセリング」や、「ジム・マッサージなどのリラクセーションサービス」なども、導入企業が増えています。困った時にすぐ医療機関へ相談できたり、ストレス解消ができる制度を福利厚生として導入することで、社員の健康を守ろうとする制度です。
- 人間ドック受診料の補助
- 産業医のカウンセリング
- ジム・マッサージなどのリラクセーションサービス
- ノー残業デー
このほかにも、福利厚生の例についてはこちらの記事でさらに紹介しています。
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人によって必要な・魅力的な福利厚生は変わってくる
福利厚生が充実していると言っても、企業によって方向性や特色は違います。たとえどんなに福利厚生が充実していても、人によっては実際に活用できるものがあまりないということもあるかもしれません。
福利厚生の充実で企業を選ぶなら、自分はどんなライフプランを送りたいのか、自分にはどんな福利厚生があると働きやすいのかまで考えて、自分にあった福利厚生が導入されている企業を選びましょう。
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「どんな福利厚生が重要なのか」というのは就活生の立場ではなかなか想像しにくいですよね。企業の福利厚生を見る際には「なくてはならないもの(譲れないもの)」と、「あったら良いなぁ(あれば嬉しいもの)」という観点に分けて考えるようにしてください。そのように優先順位付けをおこなうことであなた自身に必要な福利厚生が見えてきます。
また、福利厚生の優先順位を考える上で就活時期から考えておきたい視点としては、大まかなライフプランを加味した上で必要な福利厚生を考えることです。
たとえば、独身で若いうちは「住宅手当」や「自己啓発費用の補助」といったように自分にだけ関係のある制度を重視する一方で、結婚・出産といったライフステージになれば「育休・産休」や「結婚・出産祝金」といった制度の有無も重要になります。
また、より一層のグローバル化が進展する中で、配偶者が海外転勤となった場合に「配偶者海外赴任休職制度」といった制度の有無も今後ますます重要性が増すかもしれません。このように就活時期から将来のライフプランを加味した上で、福利厚生に優先順位をつけると良いでしょう。
業界別で解説! 福利厚生の充実度や特徴を把握しよう
福利厚生は、実は業界によっても特徴があります。ここでは代表的な業界を紹介しますので、業界ごとの特徴を把握しておきましょう。
製造業・メーカー
製造業・メーカーは、福利厚生に力を入れている企業が目立つ業界です。とくにBtoB取引が中心の企業は、一般消費者に触れる機会があまりなく知名度が低いことも多いので、その分福利厚生を充実させて、採用活動を有利に進めようとしています。
また、工場や本社は郊外にあることも多いので、住宅や食事関連の制度を充実させ、社員が安心して働ける環境を整備しています。
たとえば「アイシン精機」では、有給取得率98.9%の実績や、社内託児所の設置、テレワーク制度の導入など、ワークライフバランスを意識した環境づくりに会社をあげて積極的に取り組んでいます。
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IT
IT業界では、ベンチャー、大企業ともにユニークな福利厚生を取り入れている企業が多くあります。とくに、傾向としては住宅や健康関連、柔軟な勤務制度、カフェテリアプランなどの導入が目立ちます。カフェテリアプランとは、社員に支給されたポイントを使って、福利厚生メニューから好きなものを選べる仕組みです。
たとえば「ヤフー」では、産業医による健康管理や、人間ドック費用補助、社内マッサージルームの設置など、社員の健康を守る福利厚生が数多く導入されています。提携の保養施設も多く、宿泊施設からスポーツ施設、さらにはアミューズメントパークもお得に利用できます。健康だけではなく、プライベートを充実させやすいのも大きな特徴でしょう。
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エンターテインメント
エンターテインメント業界は、自社サービスの優待・割引利用の福利厚生が目立つ業界です。これは、この業界への志望理由として、その企業のサービスや製品が好きな人が多いことが大きな理由です。
たとえば、ディズニーランドを運営する「オリエンタルランド」では、キャスト特典と呼ばれる独自の福利厚生があり、働く人全員にさまざまな特典があります。サンクスデーのイベントは、閉園後のテーマパーク内で上司が社員をゲストとしてもてなします。この日限定の特別プログラムもあり、社員だけが体験できる特別な特典となっています。
金融
金融業界は、長期休暇の福利厚生を取り入れている企業もあります。給与は他業界に比べて高い傾向がありますが、それと引き換えに激務なのではというイメージを持つ人も多いでしょう。このイメージを払拭するために、リフレッシュ休暇などの長期休暇を充実させている企業が多く見られます。
たとえば「第一生命ホールディングス」では、有給取得率を上げるだけでなく、勤続年数にあわせた長期休暇制度も導入して休日を増やす努力をしています。ほかにも、テレワーク制度を積極的に導入したり、産前・産後休暇の有給化、男性の育休所得促進、介護のための短時間勤務など、社員が仕事と家庭を両立していきいき働ける職場環境をつくっています。
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食品
食品業界の企業は、住宅や食事などの人気のある福利厚生を取り入れています。給与は他業界に比べて低い傾向がありますが、その分を社員食堂や社宅、住宅手当などの福利厚生として充実させている企業が多く見られます。また、労働時間削減に力を入れ、働きやすさを強調している企業も多いですね。
たとえば「味の素」は、社宅や独身寮、住宅手当など、住宅に関するさまざまな制度が導入されているので、独身・夫婦・家族いずれのライフスタイルでも、サポートしてもらえる点が大きな特徴です。
流通・小売
流通業界のなかでも小売は、子育てに関する福利厚生を取り入れている企業が目立つ業界です。これはとくに百貨店など、女性が多い職場ほど、より力を入れている傾向があります。
たとえば「三越伊勢丹ホールディング」は、有給取得率の高さだけでなく、1週間の連休を年4回まで取れるという独自の休暇制度を導入しています。
また、フレックスタイム制度や、買い物優待制度、育児・介護などでの時短勤務や休暇などの制度も用意されています。連休の取りやすさや、ライフスタイルにあわせて柔軟に働くことができるので、プライベートを充実させやすい企業と言えるでしょう。
どんな福利厚生があるかを調べる4つの方法
ここまでで、福利厚生の理解はかなり深まったのではないでしょうか。ですが、福利厚生を就活で活用するには、実際に企業でどんな福利厚生が導入されているか調べなければいけません。ここからは、就活で知っておきたい、福利厚生を調べる4つの方法を紹介していきます。
①口コミやSNS
1つ目は、就活・転職の口コミサイトやSNSで、社員や元社員の情報を参考にする方法です。実際にそこで働く人、働いていた人のリアルな声なので、制度の有無だけでなく、具体的な条件や利用のしやすさなど、貴重な情報を手に入れることができるかもしれません。
ただ、メディア特性的に良い内容より悪い内容が書かれやすいことや、個人による主観評価であること、内容の信憑性があるかどうか、といった点には注意が必要です。
調べる手間はあまりかからないので、他の方法と組み合わせて信憑性を確認したり、使い分けて、正確な情報を手に入れるように工夫しましょう。
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②OB・OG訪問
OB・OG訪問で福利厚生について直接聞く方法も有用です。口コミやSNSのような匿名ではなく、実際に働く社員のリアルな声を聞けるので、正確かつ貴重な情報を手に入れられます。福利厚生の話は、人事や採用担当には聞きづらいかもしれませんが、OB・OG訪問なら比較的聞きやすいでしょう。
ただ、社員に話を聞けるせっかくの機会なので、採用サイトなどで調べればすぐわかるような表面的な情報ではなく、実際にどう利用されているか、利用してみてどんな点が良かったかといったような、社員しかわからない情報を聞くのが良いですね。
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③説明会や面接
説明会や面接のときに直接聞くのも一つの手です。「福利厚生の質問は、評価が悪くなるのでは?」という心配をする人もいるかもしれませんね。なかには、福利厚生の質問を歓迎している企業もあるので、そういう企業であればまず心配はありません。
問題はそうでない企業の場合ですが、質問内容まで含めて、評価対象になることは頭においておきましょう。福利厚生に関してストレートに質問すると印象が悪くなる可能性もあるので、聞き方には注意しましょう。
それでも社員から話しを聞けるチャンスではあるので、「会社に貢献したい」「入社意欲がある」という前置きや、自分が持つ企業イメージを伝えた上で、実情を深掘りするようにすると良いでしょう。また、参加人数が多い合同説明会の場合は、誰がどんな質問をしたかまでは把握しづらいので、聞きにくい質問をするチャンスでもあります。
キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
「会社説明会や面接で福利厚生のことを聞いても良いのでしょうか?」という相談は多くありますが、福利厚生のことを聞くと評価が下がるかもしれないと考えてしまいますよね。聞く場面や聞き方にもよりますが、福利厚生について聞くこと自体は問題ありません。
ただし、「御社の福利厚生を教えてください」というように、何の目的があるのかが伝わらない聞き方は避けた方が良いでしょう。たとえば、人事だけでなく社員が同席している会社説明会で聞く場合は「〇〇さんが魅力に感じている御社の福利厚生について教えてください」と質問することで、その会社の社員が何に魅力を感じているのかを知ることにもつながります。
また、その企業で「活躍したい」という意欲を前提として、それに役立つ福利厚生について質問することをおすすめします。たとえば、「入社後はライフスタイルの変化が生じても長く働き続けたいと考えています。女性活躍を支援する制度に〇〇があると伺いましたが、詳細を教えて頂けませんでしょうか」と質問すれば、働く意欲をアピールしつつ福利厚生を確認することができますね。
④企業の採用サイト
基本的ですが採用サイトやナビサイトで調べる方法です。制度の有無などの大まかな情報は、基本的に企業の採用サイトやナビサイトに記載されていることが多いです。たまに、社風と一致するような特徴的な制度は具体的に解説されていることもありますが、ほとんどの企業は制度名のみの記載が目立ちます。それでも、どんな福利厚生が制度としてあるかはわかるので、最初の情報として必ず調べておきましょう。
ちょっとしたテクニックとしては、就活用だけでなく転職サイトや中途採用サイトも調べてみると、福利厚生についてより具体的な解説がされていることがあります。あとは、その企業だけでなく、同業界や同規模の企業などと比較してみるのも、特徴がわかってくるのでおすすめです。
気になるベンチャーの福利厚生事情
福利厚生といえば大企業のもので、ベンチャー企業には関係ないと思ってる人もいるかもしれませんね。ですが企業規模に関わらず、ベンチャーでも独自の福利厚生を導入している企業は多くあります。ここでは、気になるベンチャーの福利厚生事情を紹介していきますのでぜひ参考にしてください。
ベンチャー企業全般についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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福利厚生にかけられる費用は相対的に多くはない
まずは、福利厚生の費用という観点で見てみましょう。そもそも大企業は、資金力がある企業が多いので、福利厚生に多くの費用をかけられる傾向があります。一方で、ベンチャーには大企業ほどの資金力はありませんので、福利厚生にかけられる費用も相対的に少なくなります。
また大企業は、千人単位、万人単位で多くの社員を抱えているので、社員のモチベーションキープのためにも福利厚生を充実させる必要があります。一方で、少人数で業務をこなしているベンチャー企業では、福利厚生は必要最低限で、それよりも費用をかけなければいけないところに優先的に使うという考えの企業もあるようです。
ちなみに、大企業にはほかのメリットも存在します。大企業のメリットについてはこちらの記事で解説していますので、併せて参考にしてみてくださいね。
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社員のための制度をピンポイントで導入していることも
このように費用で比べると、大企業の方が充実していると感じるかもしれませんね。ただし大企業では、社員数が多い分、大衆向けの福利厚生を導入していることも多く、実際に働く社員が本当に必要な制度を導入できているかは別問題です。
一方ベンチャーでは、社員数が少ない分、本当に必要な制度をピンポイントで導入できるというメリットがありますし、結果として福利厚生の満足度も高くなります。もちろん企業にもよりますが、「ベンチャーだから福利厚生が充実していない」とは、一概には言えなくなってきています。
ベンチャーならではのユニークな福利厚生も生まれている
大企業に比べてベンチャーの方が、福利厚生にかけられる費用は少ない傾向にあります。ですが、福利厚生の充実は社員の採用や定着に直結しますので、かけられる費用は少なくても、なかにはベンチャーならではのユニークな福利厚生で、社員の満足度を上げている企業も増えてきています。具体的にどんな福利厚生があるのかご紹介しましょう。
カヤック
カヤックは、広告やソーシャルゲーム、Webサービスなどを開発・運営する企業です。まず、カヤックには「ぜんいん人事部」という、全社員が人事部に所属して、採用・評価・給与査定に関わるユニークな制度があります。とくに採用では、全社員の名刺に人事部という肩書を入れるという、それだけのことで各社員の採用に対する意識を高めています。
他にも、本社が鎌倉なので「鎌倉にまつわる制度」というのもあります。これは鎌倉に住み、鎌倉で働くことを推奨する制度で、鎌倉や逗子に住むと家賃を一部補助する「鎌倉職住近接手当」や、鎌倉に拠点を置く企業・団体と合同で運営する「まちの社員食堂」などの、鎌倉に根ざしたカヤックならではのユニークな福利厚生です。
ChatWork
ChatWorkは、ビジネスチャットツールを運営する企業です。まず、ChatWorkには「ゴーホーム制度」という、社員が実家に帰省する費用を1回につき14,000円を支給するユニークな制度があります。さらに配偶者がいれば+14,000円と、社員と家族との関係を大切にしてもらうための制度です。
他にも、「ゴーグローバル制度」という、海外旅行の費用を14,000円支給する制度もあります。これは、社員の知見を広げるための制度で、これを利用して海外リモートをする社員も多くいるそうです。
ホープ
ホープは、自治体に特化したサービスを展開する企業です。まず、ホープには「Family Birthday」という、子供の誕生日は1日休、配偶者の誕生日は半日休をとれるユニークな制度があります。
これは、社員の家族を大切にするホープならではの福利厚生で、他にも5歳以下の子供へのプレゼント代を支給する「クリスマスプレゼント手当」や、学資保険料の一部を負担する「学資保険手当」など、家族を対象にしたユニークな制度を多数導入しています。
エンファクトリー
エンファクトリーは、オンラインショッピング事業や専門家マッチング事業を展開する企業です。まず、エンファクトリーには「パラレルワーク制度」という、社員の副業を推進するユニークな制度があります。
これは、副業で自ら稼ぐ力を磨くことが、「自分はどこでもやっていける」という自信になり、エンファクトリーでの本業に還元されることを目的にしています。「専業禁止!!」の人材理念を掲げる、エンファクトリーらしいユニークな福利厚生です。
他にも、「フェロー制度」という、退職または独立、起業する社員が、任意で「フェロー」を選択できる制度もあります。これは、フェロ―として、エンファクトリーとの関係性をビジネスパートナーとして継続し、相互に協力しあうという仕組みです。
福利厚生を志望動機にするときは注意が必要
先ほどもお伝えしましたが、福利厚生の充実も企業選びの軸になります。いろいろと調べた結果、福利厚生に魅力を感じたなら、志望動機にしても良いでしょう。ただし、その場合は注意しなければいけないことがあります。
志望動機にする場合は、福利厚生にフォーカスするのではなく、「仕事への意欲」や「企業への貢献」など、企業側のメリットを意識した志望動機にすることが大切です。たとえば、「福利厚生が整っていてプライベートが安定するので、仕事では積極的にチャレンジができる」という感じでまとめましょう。
福利厚生にフォーカスしすぎると、自己中心的、仕事への意欲が薄いと判断されてしまうこともあるので注意が必要です。
志望動機の作り方についてはこちらの記事を参考にしてください。
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福利厚生を志望動機に入れる時は、伝え方によってはマイナスな印象を与えてしまうため注意が必要です。特に、「〇〇の制度があるから御社の方が魅力」「企業選びの軸は福利厚生が充実していること」のように福利厚生そのものが、その企業に入る目的や仕事のモチベーションになってしまっては良い評価を得るのは難しいと言えるでしょう。
そもそも企業側が志望動機で期待するのは、何のためにその企業で働くのかという「目的」と、それをどのような働き方で達成するのかという「手段」です。そのため、企業に入る目的を福利厚生にしてしまうと、「もっと福利厚生の良い企業もあるのでは?」と思われてしまい説得力がなくなります。
福利厚生を志望動機に入れる際には福利厚生を目的にするのではなく、「仕事に集中して生産性高く働くためには、人間関係や福利厚生が充実している御社はとても魅力に感じる」というように、目的を達成するための1つの手段として表現すると良いでしょう。
福利厚生にも注目して自分にあった企業を選ぼう
就活では自分にあった企業を選ぶことが大切です。なにを軸にして企業を選ぶかは人それぞれですが、働きにくい環境よりも働きやすい環境が良いのは、誰でも同じ意見でしょう。
この記事で紹介してきたように、福利厚生は働きやすさを見極めるひとつのポイントになります。企業選びの際には、福利厚生にも注目して自分にあった企業を見つけてくださいね。
【就活】福利厚生が充実している企業の特徴は?特徴を業界別に解説!
福利厚生よりも給料を高くした方がよくないですか? 比較をしやすいし。