目次
- 保健師の志望動機で熱意を伝えよう
- 保健師とは
- 看護師の資格も必要な専門職
- 病気を防ぐ目的で今後重宝される仕事
- 好条件の就職先は倍率も高い
- 保健師の3つの種類
- 行政保健師
- 産業保健師
- 学校保健師
- 保健師に向いている人のタイプ
- 思いやりがある人
- コミュニケーション力がある人
- 柔軟性がある人
- 保健師を志望する理由にはどんなものがある?
- 企業が好きで保健師として貢献したい
- 地域の人々の健康に貢献したい
- 少子高齢化社会を豊かにしたい
- 残薬問題の解決に貢献したい
- 人々のメンタルヘルスに貢献したい
- 子どもが好きで子どもの健康に貢献したい
- いじめなどの問題に苦しむ人を支えたい
- 保健師の志望動機に含めるべき3つのポイント
- ①保健師という仕事に対する情熱
- ②将来の目標やビジョン
- ③保健師として貢献したい理由
- ライバルと差をつけよう! 保健師の志望動機を深掘りするための考え方
- なぜ保健師なのか
- なぜその企業/地域なのか
- 自分の強みをどう活かせるのか
- 保健師の志望動機例文
- 例文①企業に貢献したい
- 例文②地域の人の健康に貢献したい
- 例文③少子高齢化社会を豊かにしたい
- 例文④残薬問題の解決に貢献したい
- 例文⑤人々のメンタルヘルスに貢献したい
- 例文⑥子どもが好きで子どもの健康に貢献したい
- 例文⑦いじめなどの問題に苦しむ人を支えたい
- 想いを込めた保健師の志望動機で担当者を印象づけよう
保健師の志望動機で熱意を伝えよう
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。保健師を目指して就活をしている学生から
「看護師ではなく、保健師を志望する理由が上手く言えないのですが」
「保健師の就職は倍率が高いというけれど、どう対策したらいいのですか」
といった声が寄せられています。そこで今回は、保健師の志望動機を書く際に欠かせない、保健師の仕事内容や含めるべき3つのポイント、保健師を志望する代表的な理由、ライバルと差をつける方法などについて詳しく解説していきます。
保健師の志望動機では、あなたの熱意を効果的に伝える必要があります。志望動機例文も豊富に紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
保健師とは
就活生
キャリアアドバイザー
保健師は今後、さらに注目される職業です。その分、倍率も高いので注意が必要ですよ。
印象的な志望動機を作るためには、保健師という仕事への理解を深める必要があります。まずは保健師の仕事内容やその重要性、就活事情などを理解していきましょう。
看護師の資格も必要な専門職
保健師とは、看護師と保健師の両方の資格が必要な専門職です。
看護師の資格を取ったのち、大学や保健師養成学校で所定の時間数の教育を受け、保健師の国家試験に合格する必要があります。
保健師の仕事は「人々が病気やケガをしないよう予防すること」であり、具体的には次のような仕事をします。
- 健康診断を通しての病気の早期発見、食事指導、生活指導
- 感染症予防
- うつ病予防
- 児童虐待防止
医療業界の志望動機で差をつける方法はこちらの記事で解説しています。
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医療業界の志望動機を作成する際には、まずは医療業界を詳しく知ってから書き始めましょう。今回は医療業界に属する企業と仕事内容を押さえ、志望動機作成のコツをキャリアアドバイザーが解説します。職種別の例文も紹介しているので是非参考にしてください。
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病気を防ぐ目的で今後重宝される仕事
保健師は、生活習慣病やメンタルヘルスなどさまざまな健康問題を予防します。
- 生活習慣病
- 過労
- うつ
- いじめなどによるメンタルヘルス
- ニコチン・アルコール・薬物中毒
すべて社会的に問題になっているもので、保健師は今後も社会の中で重宝される仕事だと言えます。
新型コロナウイルス感染症が流行してからは、ニュースなどで「保健所」という言葉が盛んに聞かれるようになりましたが、保健所で相談対応や検査・受診調整、疫学調査、健康観察、感染拡大・クラスター防止対策などにあたっているのも保健師です。
保健師は看護師や医師に比べると一般的な知名度は低いですが、このように重要な役割を果たす職業なので、これからさらに需要が高まる、将来性も十分にある職業です。
好条件の就職先は倍率も高い
保健師は、資格の合格率こそ80~90%台と高いものの、実際に就職しようと思うと倍率が高い職業です。
保健師としての求人数がそう多くはないうえ、次のような長く働きやすい条件がそろった職場が多いので、離職率が低く空きが出にくいのです。
- 基本的に日勤
- 土日が休みの完全週休二日制
- 育児や出産に関する制度が整っている
実際、保健師の国家試験に合格する人が毎年1万5千人程度であるのに対し、新たに保健師として就職する人は1000~2000人程度と言われています。
保健師になるつもりはないが資格だけ取ったという人も一定数いることを加味しても、やはり保健師としての就職は狭き門だと言えます。
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バブルなど好景気の時代と比較をしても、経済の成長性は緩やかで、企業に頼り続けるのではなく手に職をつけて安定的に働きたいと考える学生も増えてきています。仕事もしっかり頑張りたいがプライベートも充実させたいと考える学生も多いでしょう。
このような中で、保健師の労働条件を見ると国家資格という資格を活用できて、かつ勤務時間がある程度固定されている、というのは学生にとって非常に魅力的に見えます。
近年、一人一人が身体的、精神的に異なる悩みを抱えているため、それらに適切に対応するための社会インフラの必要性が認識されるようになりました。そのような意味では保健師の需要は高まっていますが、その一方で保健師を希望する学生も増えてきているため難易度は依然として高いことは忘れないようにしましょう。
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保健師の3つの種類
保健師には行政保健師・産業保健師・学校保健師の3種類があります。
それぞれで就職先や仕事内容が違ってきます。それに伴いやりがいや志望動機も違ってくるので、保健師を目指す場合にはこの点もしっかり確認しておきましょう。
行政保健師
行政保健師とは、保健所や保健センター、地域包括支援センターなどで地域住民・その地域の公務員の健康のために働く保健師です。
具体的な仕事内容は就職先が都道府県の管轄する保健所なのか、市町村の管轄する健康センター・地域包括支援センターなのかによっても違ってきますが、大まかにいうと次の通りです。
- 食事指導、健康診断、健康教室
- 伝染病の予防、相談対応
- 病気や健康の知識を広めるための講演
- メンタルヘルスに関する相談対応
- 母子の健康調査、子育てに関する相談対応
- 介護に関する相談対応
なお、行政保健師は公務員として働くので、看護師や保健師の国家試験に加え、各行政機関の職員採用試験にも合格しなければなりません。
産業保健師
産業保健師は、一般企業や保険組合に勤務し、企業の従業員たちの健康を守るべく働く保健師です。
産業保健師は、次のような活動を通して従業員たちの心身のケア、衛生環境づくりに貢献します。
- メンタルカウンセリング
- 健康診断の実施、データの分析
- 健康セミナーの実施
- 職場巡視
- 健康の観点から見た職場環境改善の提案
- 休職者の復帰支援
- 応急処置
- ストレスチェックの実施、分析
なお、産業保健師の仕事は産業医と連携しておこなう部分も多いです。
医師免許を持つ産業医に比べて産業保健師ができる業務範囲は限られているので、仕事内容の中には産業医の補助・サポートにとどまるものや、途中から産業医に引き継ぐものも多くあります。
学校保健師
学校保健師とは、学校や保育園の保健室に勤務し、児童・生徒や教師たちの健康のために働く保健師です。
具体的には次のような役割を担います。
- ケガの応急処置
- メンタルカウンセリング
- 健康診断の計画や推進
- 教育便りの作成
- 健康に関する講演
なお、学校保健師は養護教諭、いわゆる「保健の先生」と混同されがちですが、次のような違いがあるので押さえておきましょう。
- 保健師に必要なのは保健師と看護師の資格
- 養護教諭に必要なのは養護教諭一種免許または二種免許
- 学校保健師が働くのは大学・専門学校・私立の小中高校・保育園であり、公立の小中高校で働くには養護教諭になる必要がある
養護教諭は「先生」として児童・学生に教育もおこないますが、保健師は児童・学生・教師たちの心身の健康をサポートするという違いもあります。
教育業界でもとめられるスキルや志望動機の作り方についてはこちらの記事で確認してください。
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誰を相手に仕事をするかが変わると、自分の向き不向きも想像しやすいでしょう。たとえば、行政保健師の場合は、老若男女問わず最も幅広い層を相手にする仕事です。そのため、たとえば行政間で話をしているときでも、その向こうにいる顧客がどのような悩みを抱えているのか、常に広い視野で想像する力が必要になってきます。時には自分がこれまでの人生で出会ったことがないタイプの人とも対峙をすることもあるため、毎回違う発見ができるやりがいを感じられます。
産業保健師の場合には基本的には企業に勤めている従業員を相手にするため、この業界における課題を解決したい、など目的が明確な場合には取り組みやすいかもしれません。一方で、企業ごとの社風や特性を見極めることができなければその企業のために動くことはできないため、民間企業での勤務経験がないとその感覚を掴むことに苦労をするかもしれません。
それぞれの種類の特徴を踏まえて、自分が一番興味のある領域で働けるといいですね。
保健師に向いている人のタイプ
保健師になるには看護師と保健師の国家資格が必要ですが、これらの資格を取れたからといって、保健師の仕事に向いているとは限りません。
どのような人なら保健師として活躍できそうか、確認していきましょう。
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思いやりがある人
保健師に向いている人としてまず挙げられるのが、「思いやりのある人」です。
どの職場で働くにしろ、保健師として働く以上、向き合う相手の身体の健康のみならず心の健康もケアしていく必要があります。
悩みがあったり困ったりしている人の気持ちや状況を思いやって寄り添うことはもちろん、身体をケガした人に対しても、ケガによる痛みやショック、仕事や生活への支障を想像して配慮しなければなりません。
そのため、人に対する思いやりがある人は保健師に向いていると言えます。
キャリアアドバイザー
具体的には、人の気持ちを考える想像力や、親身になって相手に寄り添う優しさが必要です。
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コミュニケーション力がある人
保健師の仕事では、悩んでいる人の話を聞いたり、ケガをした人の応急処置をしたりする中で、自然と人と会話をする機会が多くなります。
特にメンタルケアをおこなう場面では、必ずしも相手がスムーズに悩みを打ち明けてくれるとは限りません。悩みをうまく言語化できなくて困っている人や、他人に心を閉ざしている人もいます。
会話を通してさまざまな人の問題に対処していく保健師には、コミュニケーション力が非常に重要です。
- 相手に真摯に向き合い、信頼を獲得する力
- 相手の気持ちを汲み取りながら会話ができる力
- 相手が必要としている言葉を選んで語りかけられる力
コミュニケーション能力の言い換え表現はこちらの記事で確認してください。
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柔軟性がある人
保健師として働くには、柔軟性があることも重要です。
たとえば体調を崩した人やケガをした人が保健師のもとにやってきた時、保健師のみでは対応できない深刻な状態であれば病院に連絡を入れるといった緊急対応が必要です。
新型コロナウィルスのような未知の感染症が流行したときには、これまでとは違った勤務体制になることもあります。
他にも、企業や学校がリモートワーク・リモート授業を導入した場合、産業保健師や学校保健師はそれに合わせてサポートの仕方を変えなければなりません。
このように、保健師にはその場その場の状況や勤務先の変化・要望などに対して柔軟に対応することがもとめられます。
柔軟性の自己PRが企業に与える印象についてこちらの記事で解説しています。
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保健師を志望する理由にはどんなものがある?
就活生
保健師って、他の人はどんな理由で目指しているんですか?
キャリアアドバイザー
就職先によってもさまざまですが、参考として主な理由を見ていきましょう。
保健師を志望する理由は、行政保健師なのか、産業・学校保健師なのかによっても変わってきます。
まだどの保健師を志望するか決めていない場合は、もっとも自分の心に刺さる志望理由からどの保健師を志望するか考えてみるのもおすすめです。
企業が好きで保健師として貢献したい
産業保健師の場合は、志望動機として「企業が好きで貢献したい」というものが挙げられるでしょう。
企業保健師の仕事はそこで働く従業員の心身の健康を支えることであり、それはすなわち企業が安定した利益を上げ、成長していく土台を支えるということでもあります。
その企業が好きであり、あくまでも保健師としての知識を活かしながら、企業に貢献したいという想いを伝えることで、説得力のある志望動機になります。
小さな頃から御社の商品が身近な存在であり、企業理念にも深く共感しています。だからこそ、保健師として何をしたいかと考えたとき、真っ先に浮かんだのが、自分の知識を活かして御社に貢献することでした。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
地域の人々の健康に貢献したい
都道府県や市町村管轄の職場で働く行政保健師の志望理由であれば、「地域の人々の健康に貢献したい」といったものが挙げられます。
企業の従業員や学校の児童・生徒・教師とは違い、「地域の人々」には幅広い年齢・職業の人が含まれます。それに伴い、地域の人々が抱える身体や心の問題も多岐にわたってきます。
多様な人々をサポートするやりがいや、その地域に対する思い入れなどを合わせて伝えると、より魅力的な志望理由が作れます。
キャリアアドバイザー
志望する地域が地元以外で特に思い入れがない場合は、その地域特有の問題や取り組みに注目してみましょう。
少子高齢化社会を豊かにしたい
少子高齢化や核家族化は、子育てへの不安、虐待、母子家庭や高齢者の孤立化などさまざまな問題を引き起こしています。
そんな社会の中で、親世代や高齢者の方々が心身の健康を保ちながら働くことは、当事者たちの人生にとっても、地域にとっても非常に意義のあることです。
そこにやる気と使命感を感じる気持ちは、行政保健師として立派な志望理由だと言えます。
私は保健師として、人々の心身の健康を保ち、これからの少子高齢化社会を少しでも豊かにすることに貢献したいです。日本の経済も人々も幸せも、健康あってこそだからです。学校や企業よりもさらに広く、地域の人々の健康を支援したいと、行政保健師を目指しました。
残薬問題の解決に貢献したい
残薬問題とは、服用すべき薬を飲み忘れたり、薬を飲み切る前に再度受診して薬を処方されたりして手元に薬が余ってしまう問題で、薬の服用を忘れてしまいがちな高齢者によく見られます。
この残薬が総額1,000億円以上に及ぶと見られており、医療費削減の問題からも重視されています。
残薬問題については薬剤師も対策を試みていますが、行政保健師も地域の高齢者の残薬管理などをおこなっています。
キャリアアドバイザー
こうした具体的な社会問題への理解を深めて志望動機とすることは、採用担当者に印象づけることにもつながります。
人々のメンタルヘルスに貢献したい
保健師の種類を問わない志望理由であれば、人々のメンタルヘルスに貢献したいというものも挙げられます。
メンタルヘルスへの貢献を志望理由として選ぶ場合は、心の問題に関心を持つようになったきっかけも合わせて伝えると説得力が増します。
自分自身や友人が学校生活の中で深く悩んだことがある、身内が仕事上のストレスで苦しむ様子を見ていたなど、きっかけとなるエピソードを思い返してみましょう。
キャリアアドバイザー
経験や人柄から、自分がメンタルヘルスに対応できる強みを持っていることもアピールできるといいですね。
子どもが好きで子どもの健康に貢献したい
行政保健師や学校保健師であれば、子どもが好きで、子どもの健康に貢献したいという志望理由も考えられます。行政保健師なら地域の子ども、学校保健師なら保育園や私立の小中高校の子どもと関わるからです。
ただし、行政保健師や学校保健師を目指す応募者には、子どもが好きと言う人はたくさんいます。
そのため、子どもが好きになったきっかけや、子どもと関わった経験なども自分の強みと合わせて伝える必要があります。
キャリアアドバイザー
単純に子どもが好きというだけでは志望理由として弱いので、しっかり深掘りしておきましょう。
いじめなどの問題に苦しむ人を支えたい
たとえば学校保健師としていじめや不登校で悩む児童・生徒を支えることは、大きなやりがいにつながります。
また、セクハラ・パワハラ・モラハラや虐待などもいじめに含めるのであれば、産業保健師や行政保健師もいじめに苦しむ人々に貢献できます。
少子高齢化などと同じように、いじめ・ハラスメント・虐待も大きな社会的問題です。そうした問題に苦しむ人々を助けたいという思いも、保健師の志望理由となり得ます。
私は中学時代、友人とのつきあい方に悩み、ずっと身体の不調を感じていました。しかし、明らかないじめではなかったため、自分でも自覚がありませんでした。
私はそれによって学業にも専念できなくなり、好きだった部活も辞めてしまいました。学生時代の経験は一生の宝です。保健師の勉強を続ける中で、自分のような想いをする子どもを少しでも減らしたいと強く思うようになりました。
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この志望動機がいい、ということは断定できませんが、自分の周囲の様子を見て保健師を目指したという人が比較的多いです。特に福祉や心理系の学校に通っている学生の場合、実習などでの経験が影響を与えてるため、そのエピソードを志望動機に盛り込む傾向があります。たとえば実習で地域の施設などに訪問をした際に印象に残る言葉を言われた、悩みを抱えている人を支えたいと強く思った、などです。
「人のメンタルヘルスの課題を解決したい」など、一見漠然としているように見えても、自分の実体験から、特にどのような理由で不調を抱えた人なのか、特にどのような層に対して課題意識があるのか、などを深めていくと自分ならではの言葉で志望理由を伝えられるようになるでしょう。
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保健師の志望動機に含めるべき3つのポイント
- 保健師という仕事に対する情熱
- 将来の目標やビジョン
- 保健師として貢献したい理由
保健師を志望する理由を確認したところで、次は保健師の志望動機に含めるべきポイントについて見ていきましょう。
すでに解説した通り、保健師は人気かつ倍率の高い職業なので、単に志望動機を述べただけでは不十分です。
保健師として働きたいという気持ちや保健師としての将来性をアピールし、より良い志望動機にするにはどうすれば良いか解説していきます。
①保健師という仕事に対する情熱
保健師は勤務体制などの面から見て看護師よりも働きやすいと言われますが、保健師ならではの大変さももちろんあります。メンタルヘルスやいじめ・虐待などの問題に対応する中で、自分自身がつらくなってしまう場面もあるかもしれません。
そんな中でも保健師としてしっかり仕事をやり遂げるには、基本的なことですが「保健師として生涯貢献したい」という情熱が必要です。
キャリアアドバイザー
保健師の仕事に情熱を持つようになったきっかけも明確に盛り込めれば、高い評価が期待できます。
②将来の目標やビジョン
保健師として働く中で、将来的にはどうなっていきたいのか、目標やビジョンを盛り込むこともポイントです。
保健師という仕事だけに限りませんが、仕事に慣れてくると、当初の情熱や意欲を失ってしまうことがあります。しかし、採用側は、経験を積んでも保健師として気を引きしめ、自律的・積極的に働いてくれる学生を採用したいと思っています。
だからこそ、将来こんな保健師になりたい、こんな立場になっていたいといった目標・ビジョンをアピールし、向上心や積極性を示すことが重要です。
・保健師として経験を積み、他の保健師にも目を配りながら、医師や看護師、介護士などとも連携して地域の健康を守る存在になりたい
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
将来の目標の考え方についてはこちらの記事で解説しています。
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③保健師として貢献したい理由
保健師の志望動機には、地域の人々や子ども、働く人々の心身の健康に貢献したい、残薬問題の解決に貢献したいなどといったものがありますが、これらはいずれも、看護師やカウンセラー、養護教諭、薬剤師などでも可能です。
その中でなぜ保健師として貢献したいのかを明確に示すと、保健師の志望動機として一層説得力が増し、高い評価が期待できます。
なぜ病院ではなく保健所や企業、学校を職場としたいのか、また保健師だからこそできること、保健師ならではの仕事内容などを思い返してみてください。
ライバルと差をつけよう! 保健師の志望動機を深掘りするための考え方
就活生
先ほどの3つのポイントは必ず入れたいと思います!
キャリアアドバイザー
そうですね。ただ、倍率の高い保健師の志望動機では、まだ十分とはいえません。
就活生
え、じゃあどうしたらいいのでしょうか。
キャリアアドバイザー
ここから、保健師の志望動機でさらに差をつけるための考え方を紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
次は保健師の志望動機を深掘りするための考え方を解説していきます。
多くの学生が応募する中で、採用側の目に留まる、印象的な志望動機を書くことが重要ですので、しっかり見ていきましょう。
なぜ保健師なのか
まずは、なぜ保健師になりたいのかという部分をしっかり深掘りしましょう。
ここで大切なのは、保健師ならではの特徴を洗い出すことです。そうすることで保健師だからこそできること、保健師にしかないやりがいなどが見えてきます。
他の職業と比べた保健師の特徴としては、たとえば以下のようなものがあります。
- 予防医療に携わることで、人々がそもそもケガや病気で苦しまずに済むように貢献できる
- 病院ではなく学校や企業に勤務することで、より近くから人々を支えられる
- 食育セミナーや健康促進講演会などで人々の健康意識の向上に貢献できる
上記のような観点から「なぜ自分が保健師を目指すのか」を深掘りしておくと、より説得力のある志望動機がつくれます。
なぜその企業/地域なのか
企業保健師・行政保健師の場合は、なぜその企業・地域で働きたいのかも明確にしておきましょう。
なぜその企業なのかについては、企業理念やその企業の健康への取り組み、社会貢献性などから考えてみてください。
なぜその地域なのかについては、自身とその地域とのかかわりや、その地域が抱える健康関連の問題などから深掘りすることがおすすめです。
なぜその企業/地域なのかを考えるためには、まずその企業/地域についてよく理解する必要があります。企業研究や地域理解のためのリサーチを徹底的におこないましょう。
キャリアアドバイザー
企業研究などはミスマッチを防ぐためにも重要です。自分のためにもなりますので、納得がいくまでおこなうことをおすすめします。
自分の強みをどう活かせるのか
保健師として、自分の強みをどう活かせるのかもアピールしましょう。
ここで重要なのは、実体験に裏打ちされた強みをアピールすること、その強みの再現性を伝えることです。
- アルバイト先ではリーダーを任され、チームの統率力や気配りで店から感謝された
- 実習では小さなこともおざなりにしない細やかさで褒められた
- 人の話を聞くのが好きで、地域の高齢者に悩みごとなどを聞くボランティア活動では、相手の潜在的なニーズまで聞き出せるよう気を配った
また、せっかく強みをアピールしても、「そのアルバイト先だから活かせただけ」「実習だったからできただけ」と思われると評価にはつながりません。保健師として働く中で、どのようにその強みを活かせるのかも合わせて盛り込みましょう。
自分の強みが見つからない人はこちらの記事を読んでください。
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キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
なぜ保健師にこだわる必要があるのかについては、納得できる説明を心がけましょう。単に人の課題を解決したいだけであれば、カウンセラーや支援スタッフ、事務職員など多様な職種の選択肢があります。その中でも保健師である理由を考えるには、保健師以外の関連する職種についても研究を深めて違いを伝えられるようにする必要があるでしょう。
また、保健師の仕事内容にきちんと理解をしていることを伝えるために、できれば実際に保健師に話を聞きに行けるといいですね。コンタクトを取ることはなかなか難しいかもしれませんが、仕事のやりがいや活かせる強みをより把握することができるはずです。
保健師の志望動機例文
それでは最後に、具体的な保健師の志望動機の例文を志望理由別に7つ紹介していきます。
これまでに解説してきたポイントを押さえた例文になっているので、ぜひ目を通して参考にしてください。
例文①企業に貢献したい
私が貴社を志望したのは、働き方改革を通して貴社に貢献したいと思ったからです。
貴社は働き方改革を積極的におこなっており、今後も柔軟に新たな制度などを検討していく予定だと伺いました。
貴社はこの業界をリードする存在であり、その生み出す作品によって社会に絶大な影響をもたらしています。しかしその一方、社員はより良いものを生むために無理をすることが多く、そこには大きなジレンマがあると感じています。
私は兄が同じ業界で、長時間労働に苦しむ様子を見てきました。だからこそ、そのような貴社の姿勢に非常に感銘を受け、保健師・看護師の知識を活かして働き方改革に貢献したいと思いました。
学生時代の実習では、よく傾聴力や話しやすさを褒められていました。それは昔からの私の個性であり、かつては「それくらいしかできない」ことをコンプレックスに感じていましたが、今ではそれを自分の強みとして活かしていきたいと強く思っています。
貴社で働き方改革に貢献するだけでなく、産業医よりももっと身近な存在として、従業員に頼ってもらえる保健師になりたいです。
キャリアアドバイザー
その企業ならではの取り組みと絡めた志望動機にすることで、「なぜその企業で働きたいのか」が明確になっています。傾聴力と親しみやすさという自分の強みもアピールできていますね。
例文②地域の人の健康に貢献したい
私が〇〇市での行政保健師を志望したのは、〇〇市の人々の健康に貢献したいと思ったからです。
病気を未然に防ぐことは、人々が心穏やかに安心して暮らし、満足度の高い人生を送るために重要です。私は、そうした思いから保健師の資格を取得しました。
〇〇市は、健康寿命が他の自治体と比べて長い方ではない分、保健師としての課題や仕事、苦労は多いというお話も伺いました。しかし、自分の生まれ育った地域だからこそ、人々の健康に貢献したい思いも強いです。
行政保健師として働き始めたら、「△△さんのおかげで健康に気を付けるようになった」と言ってもらえるよう、地域の人々に寄り添った活動をしていきたいです。
キャリアアドバイザー
地域特有の事情や大変さも理解したうえで、保健師としての思いの強さをアピールしていることから、地域の人々の健康に貢献したいという情熱が伝わってきます。保健師を目指した経緯も明確で良いですね。
例文③少子高齢化社会を豊かにしたい
私が〇〇市の行政保健師を志望する理由は、少子高齢化社会を豊かにしたいと思ったからです。
私は祖母がコロナ禍で親戚・友人と会えなくなり、とても寂しがっている様子を見て、コロナが収束してもなお孤立し続ける高齢者も多くいることを想像し、胸が痛くなりました。
そこで私は、保健師として地域の高齢者と関わることで高齢者の孤独感を緩和するとともに、心身の健康をサポートすることで自ら趣味などを見つけて孤独感を緩和できる高齢者を増やしたいと思いました。
特に〇〇市は高齢者の人数に対して保健師が不足していると伺いました。そんな環境だからこそ、よりやりがいや使命感を持って働けると思い、志望しました。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
キャリアアドバイザー
少子高齢化問題に関心を持つようになったきっかけが実体験をもとに述べられており、説得力があります。保健師としてどのような社会を目指していきたいかというビジョンが明確な点もポイントです。
例文④残薬問題の解決に貢献したい
私が〇〇市の行政保健師を志望した理由は、残薬問題の解決に貢献したいと思ったからです。
残薬問題は、薬を服用する人のためにも医療費のためにも解決すべき問題です。しかし、残薬問題を防ぐために薬剤師や医師などが薬の服用状況を聞いても、怒られることを恐れてなのか、本当のことを言わない人も多いそうです。
そこで重要になるのが、地域に溶け込み、人々により近い存在として働く行政保健師だと思います。
実際、〇〇市では、薬剤師や医師ほど堅苦しくない保健師のイメージを活かし、薬剤師とともに自宅訪問をしながら残薬管理をしています。
私もアルバイト先の飲食店では、いつもお客様から「親しみやすく話しやすい」と言われています。そんな自分の特徴を活かしつつ、残薬問題の解決に貢献したいと思います。
キャリアアドバイザー
保健師だからこその強みや志望する自治体の取り組みなどを踏まえた、仕事に対する誠実さや熱心さが伝わる内容です。なぜ保健師なのか、なぜその地域なのかも明確ですね。
例文⑤人々のメンタルヘルスに貢献したい
私が〇〇市の行政保健師を志望したのは、人々のメンタルヘルスに貢献したいと思ったからです。
メンタルの不調の原因は学校や職場、家庭などに見られますが、過去の私自身のように、明確にどこが問題というよりも、さまざまな場所での小さなストレスが重なって不調をきたす人も多いと理解しています。
そんな複合的な原因によるメンタルヘルスの問題に貢献できるのは、年齢や職業に関係なく人々をサポートする行政保健師だと思い、行政保健師を志望しました。
中でも〇〇市はファミリー層が多く、職場や学校、育児など複数の要因から、メンタルの不調が起きやすいと思います。
そのような中で、お悩み相談室のコールセンターのアルバイトで培った傾聴力・コミュニケーション能力を活かしながら人々の役に立ちたいと思い、〇〇市の行政保健師を志望しました。
キャリアアドバイザー
人々のメンタルヘルスに貢献するために、なぜ行政保健師を志望したのかがきちんと説明できていて、説得力のある志望動機になっています。アルバイト経験について盛り込むことで強みや適性もアピールできています。
例文⑥子どもが好きで子どもの健康に貢献したい
私が貴保育園の保健師を志望した理由は、子どもが好きで子どもの健康に貢献したいと思ったからです。
私には年の離れた妹がおり、妹や妹の友人と遊ぶ中で、子どもが好きになりました。それと同時に、小さな子どもは大人が思いもしないところでケガをしたり、少しの変化や負担で熱を出したりすることも実感し、可愛い子どもたちが健康に楽しく過ごせるよう、保健師・看護師としての知識を活かし、園内にて近くでサポートしたいと思うようになりました。
貴保育園に採用された後は、専門的な知識や妹たちと関わる中で経験的に学んできた「子どもの小さな変化に気づく能力」を活かし、子どもたちからも保育士の方々からも頼られる保健師になりたいです。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
キャリアアドバイザー
「専門知識を活かし、園内で子どもをサポートしたい」という点から、小児科などの看護師ではなく保育園の保健師として働きたいことがわかります。経験からくる強みもしっかりアピールできています。
例文⑦いじめなどの問題に苦しむ人を支えたい
私が貴校の学校保健師を志望した理由は、いじめなどの問題に苦しむ人を支えたいと思ったからです。
いじめ問題は小中高校に関しては話題になることが多いですが、大学のいじめ問題はさほど話題にはなりません。小中高校のように保健室が身近な存在ではないため、相談しにくい環境も一因としてあると思います。
実際に、私の友人も大学のサークル内でいじめに遭っていましたが、長い間誰にも言えずに悩んでいました。友人であっても、言いにくいこともあると思います。そんなとき、親しみやすい中でもプロとして相談できる保健師の存在は大きいはずです。
こうした経験から、大学生にとって身近な保健師となり、いじめ問題に悩む人の力になりたいと思いました。
中でも貴校は学生数が多く、いじめ問題に限らずさまざまな悩みや迷いを抱えている人がいるのではないかと思い、少しでも貢献できればと貴校の学校保健師を志望しました。
キャリアアドバイザー
なぜ大学の学校保健師なのかという点や、どのような学校保健師になりたいのかが明確に書かれています。いじめ問題について自分なりに分析し、課題を見出している点からも、積極性や主体性が感じられます。
想いを込めた保健師の志望動機で担当者を印象づけよう
保健師の志望動機を書く際は、保健師としての情熱や将来のビジョン、保健師として貢献したい理由を明確にし、なぜ保健師か、なぜその就職先か、自分の強みをどう活かせるかを深掘りしてまとめましょう。
人々の心身の健康に寄り添う保健師としての想いを込め、採用担当者の印象に残る志望動機を完成させてくださいね。
先輩が保健師を目指していると聞いたので、漠然と『いいな~』と思うようになりました。