目次
- 意外に難しい? 経理の志望動機の作成には業務の理解が必須
- 経理の仕事とは?
- 経理の業務①給与・保険の管理
- 経理の業務②税金の納付
- 経理の業務③売上管理・仕入れ管理
- 経理の業務④決算書作成
- 会計や財務との違いは?
- 経理には忙しい時期とそうではない時期がある
- 一日のスケジュール例
- 月ごとの仕事の流れ
- 年間を通した業務スケジュール
- 新卒の経理志望者が持っておきたいスキル・資質とは
- 数字を間違えない慎重さと正確さ
- 他部署とも円滑にコミュニケーションできる力
- 冷静に対処できる問題解決力
- 人と差別化できる志望動機を書くための準備
- 経理はどの業界にもある職種だけに業界・企業研究は念入りに
- 自己分析で経理を目指したきっかけを掘り起こす
- 経理に生かせる自分の強みを分析
- 経理に必要なスキルの棚卸し
- 経理の志望動機が思いつかないときは?
- なぜこの会社に入りたいかをメインに考える
- 経理の仕事で「やりたい」ことを書き出してみる
- 経理に関することで「できることは何か」という視点で考えてみる
- 経理の志望動機の書き方
- まずは結論から入る
- 経理の仕事に結びつく強みや過去のエピソードを具体的に書く
- 入社後に経理として貢献したい内容で結ぶ
- アピール内容別! 経理の志望動機例
- 自分のスキルをアピール
- 会社への思いをアピール
- 経理という仕事への熱意をアピール
- 書類選考を通りにくい志望動機
- 志望動機NG例
- 経理という仕事の魅力をよく知ってから志望動機を書こう
意外に難しい? 経理の志望動機の作成には業務の理解が必須
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。就活生から
「なんとなく経理職に就きたいと思っているけれど志望理由が思いつかない」
「採用担当者に刺さりそうな、経理職用の志望動機が書けない」
という相談を寄せられます。学生のみなさんの中には経理職を志望している人も多いことでしょう。利益を求める企業の営業活動では必ずお金が動くため、経理職はどの会社にとっても重要なポジションとなります。経理を含めデスクワークの仕事はとても人気がありますが、いざ応募しようと思っても具体的な志望動機が思いつかない学生もいるのではないでしょうか。
そこで今回は経理ならではの志望動機の書き方について解説しますね。また経理志望の人はとくに業務への理解が必要とされていますが、その理由も説明します。
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経理の仕事とは?
経理志望者は多いうえに、仕事の範囲は意外に幅広いので、しっかりと業務内容を理解して受けないと、採用に結びつかないので事前によく理解するようにしてください。
経理とは企業の経営に必要なお金にまつわる仕事をする人です。仕入れ、売り上げ、経費、支払い、会社の資産などを管理する職種です。社員の給与・保険に関することも経理が管理しています。
仕事内容について詳しくなければ、志望理由も見つかりません。志望動機を考える前に、経理の仕事について詳しく見ていきましょう。
経理の業務①給与・保険の管理
全従業員の給与や保険の計算・管理について、経理部が担当する企業は多いようです。ただし、会社の体制によっては総務部や人事部がおこないます。
給与計算では雇用契約などの会社の規定に照らし合わせつつ、勤怠状況や各種手当を計算し、そこから健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税、住民税などを差し引いて手取額を算出します。
給与計算用のクラウドアプリやシステムを利用している企業が多いので、手計算のような面倒はありませんが、ミスが許されないことからとても神経を使う作業です。
計算された給与は社員それぞれの口座に振込み、社会保険料などは社会保険事務所、税金は税務署に支払います。
経理の業務②税金の納付
企業が払うべき税金額を確認し入金をするのも経理の仕事です。決算後におこなわれる作業として、決算書と税務申告書を作成して、納税をしなくてはいけません。
企業が納める税には、法人税、消費税、法人事業税、法人住民税などがあります。自動車を保有している場合には自動車税も納めます。
法人税と法人事業税は企業の所得に応じて、消費税は取引に対して税金が発生します。法人住民税は企業が所在している地域の自治体に対して払うものです。いずれも決算日から2ヶ月以内に申告しなくてはいけません。
税制については年によって改正がおこなわれる場合がよくあります。税務に関する業務では常に、企業が損をしないように税制の改正について把握しておかなくてはいけません。
経理の業務③売上管理・仕入れ管理
売上と仕入れに関する金銭の管理をおこなうのも経理の仕事です。一定の取引がある企業に対しては取引と同時に現金を回収するということをしません。多くは月の締め日までに入金があるように請求をします。万一、入金がなかったり、入金があるまでに経費が掛かり黒字倒産のような状態になったりしないよう、お金の流れの管理をします。
また、支払いについても信用取引として、月の決められた日までに入金をする方法がよくとられますが、決済までに売掛金管理を把握しておかなくてはいけません。商品やサービスの提供を受けた場合はその内容を記録し、決済日に間違いなく支払いができるように管理しておきます。
経理の業務④決算書作成
経営や財務の状態を記載し明らかにするのが決算書です。決算書は企業内で見たり、税務署に税金を払ったりするのに使われるのに対して、株主や取引先、金融機関などに向けて作成するのは財務諸表などと呼ばれます。
決算書は四半期や一年ごとの単位で作成し、算出された金額に応じて税金の支払いや株主への配当金支払いを計算します。経営陣は決裁書をもとに今後の事業計画を立てるため、非常に重要な書類となっています。
決算書作成ではまず日々の取引を仕分けし、試算表や総勘定元帳を作成します。そして、賃貸対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表、事業報告、付属明細書を取りまとめます。
難しい業務ですが、簿記の勉強をするとともに、実務経験を積むことでスキルを身に付けていけます。
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会計や財務との違いは?
企業によっては経理以外に、会計は財務などという職種があります。会計は、企業自身がお金の流れを把握するための業務をおこないます。企業の資産や負債状況を帳簿に記していきます。会計は財務会計と管理会計に分かれ、財務会計は営業活動の結果を財務諸表にまとめたうえで企業にかかわる利害関係者(ステークスホルダー)に開示する業務を担っています。一方、管理会計は企業の経営状態を車内に向け提示するのが仕事です。
財務は会計や経理が作成した資料をもとに、M&Aや投資などで資産の運用をおこないます。企業の規模が大きい場合には経理、会計、財務の業務は分かれ、それぞれが専門的におこないますが、中小企業やベンチャーの場合には経理がまとめて担当することも多いようです。そのため、求人に応募をする際はどこまでが求められているのか確認する必要があります。
経理には忙しい時期とそうではない時期がある
経理というと常に一定の仕事をしているイメージがありますが、実は繁忙期が存在しています。月末や年一回の決算期になると残業が増える場合もあります。
また、経理の仕事は日ごと、月ごとで決まった仕事のルーティーンがあります。
ここからは経理の仕事の日次、月次、年次について解説します。
一日のスケジュール例
経理の仕事はほぼ毎日、決まった仕事があります。経理課の体制によって担当する作業は異なりますが、よくある一日のスケジュールは以下のようなものになります。
8:50 出社 仕事の準備 朝礼など
9:00 仕事スタート
・小口現金金庫の準備
・現金出納
10:00 銀行に行く(現金の補充、振込や残高等の確認)
・経費の精算
・仮払いの処理
・領収書、請求書の整理
12:00 昼食
13:00 小切手、手形の処理
・現金と帳簿のチェック
・帳票の整理
・請求書、領収書を整理して保管
・小口現金金庫をしまう
17:00 終業、帰宅
月ごとの仕事の流れ
経理の仕事は1ヶ月単位でおこなうものもあります。たとえば買掛金や売掛金の確認と管理です。きちんと月の所定の日までにおこなわれたどうか確認します。
領収書や請求書なども1ヶ月分まとめて確認します。
さらに大切な仕事が給与計算と保険料の支払いです。社員の勤怠を確認し給与計算し、社員の源泉徴収税や住民税、社会保険料などを国、自治体に払い込みます。
年間を通した業務スケジュール
経理は日次、月次の作業をしつつ、年間を通してやるべきことがあります。一年のスケジュールはだいたい以下の通りになります。
4月
・決算作業(3月決算の企業の場合)
・税金納付(固定資産税、都市計画税第1期分など)
5月
・確定申告と納付(法人税、法人住民税、法人事業税、消費税)
6月
・株主総会の資料準備
7月
・固定資産税と都市計画税の第2期分納付
・4月~6月の社会保険料を日本年金機構に提出
8月
・消費税の四半期中間申告・納付
11月
前期の納税額
12月
・年末調整
・賞与計算
1月
・源泉所所得税納付
・固定資産税の償却資産の申告
2月
・決算準備
3月
・決算前の実地棚卸
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新卒の経理志望者が持っておきたいスキル・資質とは
就活生
なんとなく、経理もやってみたいと思っているのですが、経理って誰でもできる仕事ですか?
キャリアアドバイザー
もちろんやる気があれば誰でも挑戦はできますよ。ただやはり向き不向きはあると思います。
就活生
企業はどんな人ならば経理に向いていると考えるんでしょうか。
キャリアアドバイザー
企業によって求める人材は異なりますが、経理で採用されやすい傾向があるので紹介します。
数字を間違えない慎重さと正確さ
お金を扱う職種である以上1円でも間違いは許されません。合わなければ合うまで計算が必要となってしまいます。給与や経費、業者への支払いなどで間違いがあれば、複数の人に迷惑をかけることになります。
手早く正確に計算をするとともに、見返しをする慎重さも大切になってきます。普段から落ち着いて細かい作業をできる人が向いている職種だといえるでしょう。少し慣れてくるとどこで間違えやすいかもわかってきます。その際にミスしやすい箇所で的確に確認でき失敗を避けられる危機管理能力も大切です。
また、経理の仕事には常に期限があります。締め切りのタイミングまでに正確な作業が進められるような人であれば経理の仕事に向いているでしょう。
他部署とも円滑にコミュニケーションできる力
経理は一人でコツコツとした業務が多いように思われますが、実は他部署ともかかわりが多い部署です。経費の精算のために訪れる社員には、毎日のように対応することになります。
また、多くの場合、経理の仕事は部や課で協力し合っておこなっています。お互いの進捗状況を報告し合い、手が回らなければ周囲の人に協力を求めたり、逆に協力を求められたりする場合もあります。チームでおこなうことでミスを防ぎ、期限まで作業が終えることが可能となります。その際にしっかりと協調性を持って連携が図れるようであれば、仕事がスムーズになるでしょう。
冷静に対処できる問題解決力
日次や月次の業務の中でも経理に求められるのは冷静さです。常に落ち着いて正確に処理していく能力を就活前に培っておくようにしましょう。
経理は顧客や社員、会社の経営に関するさまざまなデータを扱うだけに、正確な判断ができないとトラブルが起きるため、常に落ち着いて不正をおこなわない意思も大切です。
また、よりキャリアアップしていくには、数字から得られる情報を素早くキャッチし、事業展開での問題や課題を理解して、必要に応じて解決策を提案する能力も必要となります。事業は常に流動的で、動くお金の額も変わっていきます。数字を冷静に分析し、求めに応じて経営陣に明確に説明する力も必要になるでしょう。
資格なしでも大丈夫? できればほしい簿記の知識
経理の場合、就職するために持っていなくてはいけない資格はありません。ただし、仕事に関連した資格を持っていると就職に有利になりやすいと言われています。
経理への就職が有利になる資格には以下のようなものが挙げられます。
- 日商簿記検定試験
- 経理・財務スキル検定(FASS検定)
- 給与計算実務能力検定
- FP(ファイナンシャルプランナー)技能士/国家資格
- マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)
- 文書情報管理士
経理を目指す人にとってもっともポピュラーな資格は日商簿記検定試験でしょう。2級以上は持っておきたいところです。経理・財務スキル検定(FASS検定)、給与計算実務能力検定、FP(ファイナンシャルプランナー)技能士はいずれもお金に関するスキル、知識などが問われる資格です。
マイクロソフト オフィス スペシャリストではMicrosoft Excelなどのスキルが試されます。デスクワークの能力を示すために持っておいても良いでしょう。文書情報管理士は文書の電子化に関する知識が試される資格です。
キャリアアドバイザーコメント高橋 宙プロフィールをみる
紹介した「冷静に対応できる問題解決力」があると、就職活動では有利になりますよ。もちろんミスなく仕事をすることは大切なのですが、100%ミスなくすることは難しいですよね。そのためミスやトラブルが発生したときにも、冷静に問題を特定して素早く対処することが経理では求められています。
経理に関連するスキルや経験がない人は力を入れたことの過程をアピールしよう
問題解決力があると就職活動で有利とわかっても、自分のスキルに自信がない人もいるのではないでしょうか。そういった場合は自分の経験を偽るのではなく、等身大としての自分をアピールすることが大切ですよ。そのときに、結果ではなく「どのように取り組んだのか」など過程を中心に伝えましょう。
たとえば、飲食店のアルバイトで「売上アップに貢献した」という結果ではなく、「お客さんとのコミュニケーションを積極的におこなった」などの書き方ですね。すると、紹介したとおり経理でもチームで協働することは大切になるので、企業は魅力的に感じてくれる可能性も高いですよね。
直接的な経理の経験がなかったとしても、自分が今まで取り組んだことを言語化するとアピールしやすくなりますよ。
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「第一志望以外の企業だと、志望動機がなかなか思い浮かばない......」と悩む就活生は多くいます。
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人と差別化できる志望動機を書くための準備
志望動機は就活の背骨のようなものです。「なぜその会社に入りたいのか」「会社に入って何をしたいのか」がぶれてしまうと、就活に対するモチベーションも保てなくなります。まずはしっかりと研究して準備をしてから、志望動機をまとめるようにしてください。
また、経理をはじめ事務職は希望者も多いことから、どうしても横並びの志望動機になりがちです。そのなかでしっかりと印象に残るような志望動機を書くうえでも、企業研究などの準備はおこたらないようにしましょう。
ここからは採用担当者の目に留まる志望動機を書くために、まずはしっかりと考えておきたいことを解説していきます。
経理はどの業界にもある職種だけに業界・企業研究は念入りに
まずは、業界・企業研究を念入りにおこなう必要があります。経理はどの業界にもある職種であるために、企業選択の幅はとても広くなっています。その分、志望動機では明確に、たくさんある企業のなかから応募先企業を選んだ理由を明確にしたほうが、採用担当者に刺さる志望動機になります。そして明確に、企業を選んだ理由を伝えるには、十分な業界・企業研究が必要となります。
また、経理の仕事は幅広いため、企業によって任せてもらえる業務が変わってきます。「自分が志望している経理の形」が応募先企業で実現できるかを考えなくてはいけません。中小企業の場合には、一人の経理が経費の精算から、経営にかかわることまでおこなわなくてはいけないことがありますが、会社の規模が大きくなるほど、新入社員は同じ業務の繰り返しばかりになる可能性があります。
また、システムの導入が進んでいる企業では経理の業務量は減り、その分コア業務に専念できます。一方、システム導入が遅れている企業では、日々のルーティンワークに追われることになります。
若いうちに責任ある仕事を任せてくれる企業なのか、ワークライフバランスは実現できるもののシステマティックな作業のみになりそうな企業なのか、応募先企業が自分の目指す経理の形を実現できるのかも十分に調べるようにしましょう。
自己分析で経理を目指したきっかけを掘り起こす
志望動機には経理を目指したきっかけを盛り込むのも手です。自己分析を活用して経理を目指した理由を見つけておきましょう。「簿記の授業が楽しかったから」「サークルで会計を任されたときに楽しいと感じたから」「アルバイトで経理の仕事を手伝ったときに自分に合っていると感じた」など、きっと過去に経理を目指すきっかけが見つかるはずです。
また、経理を目指したきっかけだけではなく、なぜ応募先企業の業界にひかれたのかという理由も、自己分析で見えてくるかもしれません。経理などの事務職は会社を支え、現場で働く人たちをフォローする役目であるため、企業の業務を好きでいられることは重要です。ファッションが好きだからアパレルメーカーで経理をしたい、子どもの教育の重要性を知ったから教育産業で経理をしたいなど、応募したいと感じたきっかけもきちんと言語化しておくようにしましょう。
経理に生かせる自分の強みを分析
自分が経理に向いていることを示すための、強み、適性を分析することも大切です。
「できない」「適性のない」ことを志望しても、採用担当者には刺さりません。一方、「できる」「できるようになる可能性が高い」ことを志望すれば、周囲を納得させられます。
「細かい作業を長時間できる」「計算が早い」「コミュニケーション能力がある」「間違いに気づける直観力を持っている」など経理に生かせる能力はさまざまにあります。志望動機の裏付けとなる強みを、まずは複数書き出すようにしておきましょう。
自分で考えるだけではなく周囲の友人や家族などの意見も取り入れるのもおすすめです。
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経理に必要なスキルの棚卸し
これまでの努力のなかで得たスキルを書き出してまとめてみましょう。たとえば商業系や経済系の学校に通っている場合には、習ったことの中からより仕事に役立つものを抽出してみます。
アルバイト、サークル、ボランティアなどで経理、会計を任されたことがあれば、そこで得たスキルや経験も志望動機を支えるエピソードになります。
もちろん、簿記に関する資格を取得していれば、そのまま、アピールの材料となります。可能な限り、自分が持つ経理に適した要素を探しておきましょう。
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経理の志望動機が思いつかないときは?
漠然と「経理職に就きたい」と思っていても、志望動機を書こうと思っても、具体的なことがうまく言葉にならない場合もあります。そこで、志望動機の考え方について解説します。
- なぜこの会社に入りたいかをメインに考える
- 経理の仕事で「やりたい」ことを書き出してみる
- 経理に関することで「できることは何か」という視点で考えてみる
以上の観点から志望動機を考えていってみましょう。
なぜこの会社に入りたいかをメインに考える
経理はあらゆる業界にとって大切な業務を担っていますが、そのなかで、なぜこの会社に入りたいと思ったのかという方向性から志望動機を考えてみるのをおすすめします。
企業としても、なぜ自社を選んだのか知りたいと思っています。もちろん、給与などの条件面や会社としてのネームバリュー、立地にひかれたのかもしれませんが、それ以外でも魅力を感じたポイントは見つかるはずです。企業のWebサイトをチェックし、OB・OGの話を聞くなどして考えてみてください。
キャリアアドバイザー
業務内容だけではなく、経理職としての業務の範囲や経理部の体制、福利厚生なども確認し、自分のキャリアプランやライフスタイルに一致させられるかどうかも考えてみます。
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経理の仕事で「やりたい」ことを書き出してみる
就職してから経理としてやりたいことは、それぞれあることでしょう。箇条書きでいいので、思いつく限り書き出してみてください。
- 会社をサポートしたい
- 今成長中の会社を経理の面で支えたい
- 将来は財務のプロフェッショナルになりたい
- 今まで培ったスキルを生かしたい
- 数字を扱う仕事がしたい
- 定時に帰りたい
- 細かい作業をやりたい
- 一人でコツコツと働きたい
なんでもいいので書いていくうちに、だんだんと明確な志望動機が見えてきます。もっとも強く感じた「やりたいこと」を膨らませて考えてみてはいかがでしょうか。
経理に関することで「できることは何か」という視点で考えてみる
「やりたい」ことだけではなく「できる」ことも重要です。現在の自分のスキルや知識、性格を振り返ったうえで、できることを書き出し、そこから志望動機を見つけていくのもおすすめです。
すでに簿記の資格をとり、スキルもあると思うのであれば、簿記のスキルを生かしたいとなります。データ分析に自信があれば、データ分析の仕事に力を入れたいといえます。システムに関する知識があれば、経理システムの構築、改良にかかわりたいと主張ができます。
できることに主軸を置いて志望動機を構成すると、着実に経理を目指してきた人という印象を与えられます。
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経理の志望動機の書き方
キャリアアドバイザー
自分の志望動機が見えてきたら、いよいよ実際に書いてみましょうか。
就活生
その前に、志望動機の書き方をおさらいしたいです。
キャリアアドバイザー
そうですね、では、おさらいしていきましょうか。経理志望者に向けた志望動機のポイントもあるので、ぜひ参考にしてください。
まずは結論から入る
志望動機を伝える際は結論から入るのが定石です。結論から伝えたほうが、何を言いたいのかが明確になるうえ、仕事の熱意も伝わりやすくなります。経理の仕事は熱意を伝えるのが難しい職種ですが、結論をはっきりと伝えることで、仕事に対する強い姿勢を感じさせることが可能となります。
結論を伝える際には「なぜ経理の仕事をしたいのか」という点や「会社を選んだ理由」をはっきりと伝えなくてはいけません。どうしても経理の場合には志望動機があいまいになりやすく、会社を選んだ理由を上手に伝えられていない志望動機も見受けられます。
繰り返しになりますが、しっかりと自己分析と企業研究のうえで、結論を伝えるようにしてください。
経理の仕事に結びつく強みや過去のエピソードを具体的に書く
経理志望動機につながるような過去のエピソードを、できるだけ具体的にかつ簡潔に伝えるようにしましょう。
自分のスキルや強みを裏付けられるエピソードや、志望した理由につながるできごとを盛り込めればOKです。たとえば、サークルなどで経理を担当した、経理のアルバイトをしていた、大学で経理の仕事につながることを学んだなどが考えられます。また会社を選んだ理由として、製品やサービスを利用したことがあれば実体験を述べても良いでしょう。経営理念にひかれて志望したのであれば、ひかれた理由を伝えるようにしてみてください。
入社後に経理として貢献したい内容で結ぶ
文章はきちんと締めの一文があるほうが、体裁がよくなりますが、志望動機の場合には業務を通じて会社や社会に対して貢献したい内容で結ぶようにします。貢献したい内容は、文章の最初に書いた結論と関連したものにするとまとまりがよくなります。
貢献したい内容がないと、会社にとって必要な人材かどうかの判断が難しくなります。貢献したい内容がないままだと、自分本位な印象を与えます。
「的確な仕事で社員のみなさんをサポートしたい」「会社の経営に役立ちたい」など、貢献したいことで結ぶと印象が良い志望動機になります。
慎重さが求められる職種だけに誤字脱字にくれぐれも注意
履歴書を書くうえで誤字脱字は厳禁ですが、とくに慎重さや正確さを求められる経理に応募する際には注意をしてください。
丁寧に書いているつもりでも、志望動機や自己PRなどの文章を書く際には誤字脱字が起こりやすいものです。また、資格や免許は正式名称で書く必要がありますが、つい思い込みで略称や通称を書いてしまう場合があります。たとえば普通自動車第一種運転免許を普通免許とだけ書いてしまったり、英語検定を英検、日本商工会議所簿記検定を簿記とだけ記してしまったりする人もいます。
まずは下書きを作成し誤字脱字がないか確認のうえ、清書をするようにしましょう。
履歴書の誤字についてはこちらの記事も読んでおきましょう。
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履歴書の誤字・脱字はその後の対策が最重要|予防策も紹介
履歴書の誤字によって選考が不利になる場合があるのは知っていますか?今回は履歴書の誤字が与える企業からの評価の影響や、提出後に誤字に気が付いた場合の対処法をキャリアアドバイザーが詳しく解説します。履歴書の誤字脱字を防止する方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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キャリアアドバイザーコメント根岸 佑莉子プロフィールをみる
経理はあくまでも事務職なので、他の事務職に当てはまる志望動機では志望する熱意がアピールできなくなってしまいます。実は経理の志望度の高さを伝えられるのは、数字が得意なことやサークルやアルバイトなどの実務経験があることだけではありません。たしかに実務経験があれば志望動機ではプラス評価が得られますが、経理職を志望する強い思いや資格の勉強に自己投資をしていることも熱意が伝わる材料の1つですよね。
経理に興味を持った具体例として「留学先に海外で起業している日本人へインタビューをしたときに、海外起業の理由に税制をあげていました。このインタビューがきっかけで企業の財務に興味を持ち始めて、今では日商簿記2級の取得に向けて勉強しています」といったエピソードがあります。これは、直接経理に関係のないエピソードですが経理職への熱意は十分伝わりますよね。
このように経理への熱意でも、企業へ貢献したい思いは十分伝わります。直接的に経理で活かせるスキルだけでなく、興味をもつきっかけもうまく使い分けて会社に貢献できることをアピールしましょう。
志望動機でも自分の特徴をアピールしたい人はこちらもご覧ください。
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私の特徴を履歴書に書く際には、細部まで気を配って自分だけの特徴をアピールしましょう。今回は履歴書の「私の特徴」欄に書くべきことを解説していきます。キャリアアドバイザー目線での注意点や書くことの見つけ方も紹介しているので、書くことが見つからない人はぜひ参考にしてみてください。
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履歴書はエクセルを使っても、作成することができます。エクセルで履歴書を作るメリットについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
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エクセルで作成した履歴書はきれいで便利ですので、応募先の特色を踏まえて使用し選考を突破しましょう。 この記事では、エクセルで履歴書を作成するメリット、作成・提出方法などをキャリアアドバイザーが解説します。 魅力的な履歴書を作りたい人は参考にしてくださいね。
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アピール内容別! 経理の志望動機例
ここからは、志望動機欄の例文を紹介します。
- 自分のスキルをアピール
- 会社への思いをアピール
- 経理という仕事への熱意をアピール
今回は以上の3つに分けて紹介していますが、もちろんあくまでも一例なので、しっかりと自己分析と会社研究をしたうえで、分かりやすい文章で伝えるようにしてみてください。
自分のスキルをアピール
私は商業系の学部で財務や簿記を学んでいくなかで、企業経営に果たす経理職の重要性を知り、企業財務まで携わりたいと志望しました。日商簿記2級をはじめ、FASS検定やマイクロソフト オフィス スペシャリストなどの資格を取得し、現在はファイナンシャルプランナーの資格取得を目指し勉強しています。将来的には経営企画まで携われたらと夢を持っています。
まだ新しい会社ながら、昨年度も売り上げを大きく伸ばし成長を続けている貴社で、経営を支える役割をはたしていきたいと考えています。
キャリアアドバイザー
経理の仕事に就くために、着実にスキルを手に入れていることがわかります。堅実な印象で、経理に適した人だという印象がもたれると思います。
会社への思いをアピール
経理職は、企業の経営を支える職種であるということを、選考している経営学のゼミで学び、大きなやりがいを感じ経理職に就きたいと考えました。介護サービスの分野で社会的にも大きな役割をはたしている貴社のみなさんの業務を経理の面から支えたいと考えたことも志望動機の一つです。
学生時代には特別養護老人ホームでボランティアをすることがたびたびありましたが、そこで、貴社の〇〇という製品を知り、その便利さに触れ、高齢化社会のなかでますます求められる分野であると実感しました。
学生時代に学んだ経営学や簿記などのスキルを生かしながら、社会的に大きく貢献している貴社の、経営の一助となれればと考えています。
キャリアアドバイザー
実際に製品に触れた経験を話すことで、なぜこの会社を選んだのかがよくわかる志望動機になっていますね。
経理という仕事への熱意をアピール
自分は学生時代に経営学を学ぶとともに、習得した簿記やマーケティングの知識を生かしたいと思い志望しました。日商簿記については1級まで取得しています。
学生時代には学園祭の実行委員としてお金の管理もしていましたが、もともときちょうめんな正確もあり、お金の集金から管理、記帳などの仕事も苦にならずにおこないました。最終的に、全体の会計について資料にまとめ、実行委員に配布し、大学にも提出しましたが、地味な仕事でありながら大切な役割であることを実感しました。
将来的にはマーケティング力も発揮しながら、複数の支社を持つ経営規模の大きな貴社で、経営を支える人材の一人として業務にあたれればと考えています。
キャリアアドバイザー
学生時代のエピソードから経理職への気持ちが高まった理由を述べています。経理の仕事を通じて会社に貢献したいという気持ちも伝わってきますね。
書類選考を通りにくい志望動機
経理の志望動機としてよくあるのが、具体的な話がないというのが挙げられます。よく正確さをアピールした志望動機がありますが、具体性と客観性がないために、本当にその通りなのか判断ができない場合があります。正確さを裏付ける過去のエピソードや周囲の声などを伝えるようにしてください。
また、経理の仕事を本当に理解しているのか疑問になる志望動機もあります。同じデスクワークの一般事務と混同しやすいので、経理職をピンポイントで志望鶴場合には、経理をきちんと理解したうえで志望動機を考えるようにしましょう。
また、自分のスキルや希望ばかり伝えるのではなく、会社にどう貢献するのかも忘れずに盛り込むのを忘れないことが肝心です。
志望動機NG例
志望動機のNG例を一つ紹介します。
コツコツとした作業が得意で、デスクワークが向いていると考えたからです。学生時代はデータ入力のアルバイトをよくしていましたが、作業が早いと褒められたこともあります。大学では演劇のサークルに所属し小道具を担当していましたが、1つの舞台を作り上げるためにチームワークを大切にする気持ちが育ったと思います。先輩方にもご指導いただきながら、業務に貢献していきたいと思います
キャリアアドバイザー
この志望動機では経理と事務の仕事を混同している印象を与えかねません。経理としての志望動機が見えず、きちんと業務について把握しているかが疑問です。経理ならではの志望動機が盛り込めるとより良い志望動機になるでしょう。
経理という仕事の魅力をよく知ってから志望動機を書こう
経理は仕入れや売掛のお金を管理し、決算書を作成、社員の給与計算など会社を運営するうえで欠かせない職種です。どの業界でも必要とされる分「なぜその業界、会社がいいのか」を考えるのが難しい職種でもあります。自己分析や企業研究を十分におこない、自分らしい志望動機を作るようにしてみてください。
キャリアアドバイザーコメント吉田 実遊プロフィールをみる
事務職は学生から人気のお仕事で、採用倍率が高くなることが多いです。特に経理事務は、一般的な事務職に比べると給与が高い傾向があったり、転職で困らないスキルを身につけられたりするため人気度が非常に高いですよ。特に決算まで仕事でかかわった経験がある人は、実際に転職活動でもスムーズに転職先が決まっている人が多いです。
経理ではこのように将来的に困らないスキルが身につけられるため、多くの学生が志望しており人気の仕事になっていますね。
採用されるためには、ミスなく仕事ができることを志望動機でアピールしよう
このように人気の経理で採用されるためには、ミスなく取り組んだ経験がアピールできると良いですね。経理は会社の経営にかかわる仕事なので、1円でもミスがあると決算に影響してしまう可能性があります。責任あるお仕事をまっとうできることを伝えると、採用担当者から高評価がもらえますよ。
面接で高評価を与えるために、部活やアルバイトなどで、ミスを起こさないように考えて行動しながらやり遂げた経験がある人は積極的にアピールしましょう。