目次
- 簿記は就職に役立つ資格! 最も効果的に活かす方法をチェックしよう
- そもそも簿記とは? 目的や受験内容について理解しよう
- 目的:決算書を作成し企業の経営状態をわかりやすくまとめること
- 種類:3種類あるが就職全般に役立つのは日商簿記
- 試験日程:日商簿記は毎年6・11・2月の計3回
- 受験内容:仕訳や財務諸表などの簿記知識が問われる
- 受験形式:ペーパー形式とネット試験がある
- 就活に役立つ! 大学生が簿記試験を受験する4つのメリット
- ①履歴書に書いてアピールできる
- ②社会人として必要な知識が身に付く
- ③経営状態が安定した企業を選べる
- ④経理職の仕事内容をあらかじめ理解できる
- デメリットもある? 簿記が就職に役に立たないと言われる3つの理由
- ①費用と時間がかかる
- ②ほかの就活対策に時間が割けなくなる
- ③大企業ほどほかのスキルも重視される傾向がある
- 志望先選定に役立てよう! 簿記の資格を活かしやすい就職先
- 企業の経理・財務部門
- 税理士事務所や会計事務所
- 銀行などの金融業界や商社
- コンサルタントや営業職
- どう評価される? 企業の簿記資格の捉え方を知っておこう
- 価値が広く認識されているため評価されやすい
- 経理職志望なら最低限の知識として問われるケースもある
- 目標のために地道な努力ができる人柄を評価される
- 自分は取るべき? 簿記資格が就職で特に役立つ人の3つのタイプ
- ①経理職や金融業界に就職したい
- ②競争率の高い企業の選考を突破したい
- ③就活でのアピールポイントを増やしたい
- 「理由」がカギになる! 簿記資格を選考で一番効果的にアピールする方法
- ステップ①なぜ簿記資格を取得したのか意図を伝える
- ステップ②応募先企業での簿記資格の具体的な活かし方を伝える
- ステップ③簿記知識を活かした将来的なキャリアパスを伝える
- 何級を目指すべき? 級ごとの評価目安を理解しよう
- 3級:履歴書に書けるスタートライン
- 2級:金融業界などの大手企業で評価されるレベル
- 1級:手に職として重宝される経理のスペシャリスト
- 簿記の就職での役立て方についてよくある質問に回答!
- 簿記の資格は就職には役に立たないって本当ですか?
- 就職のために簿記の資格を取得するべきですか?
- 簿記を就職に役立てる方法を理解して素早いスタートを切ろう!
簿記は就職に役立つ資格! 最も効果的に活かす方法をチェックしよう
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生から
「簿記の資格って就職に活かせますか?」
「簿記が評価されやすい就職先を教えてください」
といった相談が寄せられています。「簿記の資格は就職には役に立たない」という噂を耳にした経験がある人もいると思いますが、資格を持っていると会計や経理の知識をアピールすることが可能です。そのため、幅広い業界や職種の就職で強みになるでしょう。
この記事では、簿記の概要や取得するメリット・デメリットを詳しく解説します。活かしやすい就職先も紹介するので、簿記の資格を取るべきか悩んでいる人はぜひ参考にしてくださいね。
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そもそも簿記とは? 目的や受験内容について理解しよう

就活生

キャリアアドバイザー
簿記試験にはいくつかの種類がありますし、少し複雑ですよね。
簿記資格の認知度は高いものの、「詳しくはよくわかっていない」という人は少なくありません。そもそも自分が受けるべきなのかを決める際には、なぜ受けるのか、目的を理解する必要がありますよ。そこでまずは、簿記の目的や受験内容を確認していきましょう。
目的:決算書を作成し企業の経営状態をわかりやすくまとめること
簿記とは、簡単にいうと「企業の活動やお金の流れをまとめる日記」のようなものです。何にどれくらいのお金を使い、その結果企業の経営状態がどう変化したのかをまとめることを「簿記」といいます。簿記の大まかな流れは以下の通りです。
- 日々の取引を仕訳帳に記録する
- 仕訳帳から総勘定元帳に勘定科目ごとの取引を転記する
- 決算整理と呼ばれる仕訳をおこなう
- 貸借対照表・損益計算書を作成する
- 決算書(財務諸表)を作成する
簿記の最終的な目標は決算書(財務諸表)を作成することです。決算書は株主や債権者などの利害関係者に開示する必要があるため、記入や計算のミスをしないように正確性が求められますよ。
種類:3種類あるが就職全般に役立つのは日商簿記
- 日商簿記:日本商工会議所が主催
- 全商簿記:全国経理教育協会が主催
- 全経簿記:全国商業高等学校協会が主催
簿記には主に3種類の試験があります。このうち最も知名度が高く、就職でも役立ちやすいのが日本商工会議所が主催する「日商簿記」です。日商簿記は初めて実施されて以来、約70年の歴史がある資格で、毎年多くの人が受験しています。
全国経理教育協会が主催する「全経簿記」は、主に経理・会計を目指す専門学校の学生が受験者の多くを占めています。
全国商業高等学校協会が主催する「全商簿記」は、経理・会計の仕事に興味をもつ商業高校の学生の受験が多い傾向にありますよ。
試験日程:日商簿記は毎年6・11・2月の計3回
ここからは、就職で特に役立つ日商簿記に絞って解説していきますね。
日商簿記の試験は、例年6・11・2月の計3回実施されています。資格によっては1年に1回しかチャンスがないものもあるなかで、3回チャンスがあるのは嬉しいポイントですね。
ただし、1級の試験は、6月と11月の年2回の日程で実施されています。2級・3級に比べて回数が1回少ない点に注意しましょう。
日商簿記には1~3級および、簿記初級と原価計算初級がありますが、いずれの難易度も受験資格は設けられていません。年齢や実務経験にかかわらず誰でも受験できるうえ、いきなり1級や2級にチャレンジすることも可能です。

キャリアアドバイザー
就職に活かすなら、大学3年生の6月か11月までには取得するのがおすすめです。就活が本格化する大学4年生になってから取ろうとしても、履歴書の提出や面接に間に合わない可能性がありますよ。
受験内容:仕訳や財務諸表などの簿記知識が問われる
簿記の試験では級ごとのレベルに応じた簿記知識が問われます。以下にて、級ごとの試験概要について解説します。
- 試験科目:商業簿記
- 試験時間:60分
- 合格基準:正答率70%以上
- 合格率:統一試験、ネット試験いずれも40%前後
- 試験科目:商業簿記、工業簿記(原価計算を含む)
- 試験時間:90分
- 合格基準:正答率70%以上
- 合格率:統一試験20%前後、ネット試験40%前後
- 試験科目:商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算
- 試験時間:180分(商業簿記と会計学で90分、工業簿記と原価計算で90分)
- 合格基準:正答率70%以上(各科目ごとに40%以上とる必要がある)
- 合格率:10%前後
3級では、仕訳や財務諸表などの「商業簿記」の知識が問われます。幅広い業界と職種で役立つ基本的な知識を身に付けられるため、経理・財務以外の仕事に興味がある人にもおすすめですよ。
2級では商業簿記に加えて「工業簿記」の知識が問われます。工業簿記は、製造業における経営管理に必要な知識です。

キャリアアドバイザー
1級では商業簿記と工業簿記に加えて、「会計学」や「原価計算」の問題も出題されるかなり高度な内容になりますよ。
受験形式:ペーパー形式とネット試験がある
日商簿記の受験形式には、各地域の商工会議所が定めた試験会場で実施される「ペーパー形式(統一試験)」と、テストセンターのPCから受験する「ネット試験」があります。ネット試験を受けられるのは2級と3級のみで、1級は対象外です。
- 随時受験が可能
- 選択式(プルダウン方式)や入力式で解答
- 出題範囲や難易度はペーパー形式と同じ
- 試験終了後すぐに自動採点され、合否がわかる
- ペーパー形式に比べて合格率が高い傾向にある
好きなタイミングで受験できる点と、試験終了後にすぐに合否がわかる点が、ネット試験の大きなメリットです。
なお、ネット試験とペーパー形式のどちらで合格しても、資格の価値に差はありません。年3回の試験日程に合わせてスケジュールを調整するのが難しい人は、ネット試験での受験を検討してみてくださいね。

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簿記資格を取得するのは商学部や経済学部、経営学部の学生が多く、特に金融系の就職を目指す学生が多いです。
ただし、簿記1級はかなり専門的な試験であるため、一般的には学生のうちに簿記を取得する場合は2級、3級が多いと考えられます。
就職活動のために簿記を取得した学生がどのくらいいるかというデータは存在しませんが、そもそも社会人も含めた日商簿記の取得者全体の人数は、日本商工会議所の受験者データによると、2024年6月の統一試験で1級が992人、2級が1442人、3級では8520人です。就活生全体が50万人前後いることを考えると、3級取得者でもかなりの小数派だと考えられます。
このように、就職のために簿記を取得する学生は少数派であるものの、金融系に就職したい人は就活で有利になる可能性があるため、取得を検討してみても良いでしょう。
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就活に役立つ! 大学生が簿記試験を受験する4つのメリット

簿記の資格を取得すると、就活でのアピールポイントにできる以外にも、さまざまなメリットがあります。取得を目指すべきか悩んでいる人は、受験するメリットを判断材料にしてみてくださいね。
①履歴書に書いてアピールできる
特にイメージしやすいメリットは、選考で提出する履歴書に記載できることです。「日商簿記〇級合格」というわかりやすい実績があるおかげで、自分の強みを客観的に企業にアピールできますよ。
選考で強みをアピールする際に、「簿記の知識があります」と口頭で伝えるだけでは、少し説得力にかける印象を受けますよね。具体的なエピソードを一緒に伝えるにしても、スキルのレベル感を読み取ってもらいづらいのが難しいポイントです。

キャリアアドバイザー
簿記の資格があれば発言に説得力が増すだけでなく、合格した級によってスキルのレベル感も企業に知ってもらえますね。
簿記のほかにも就活でアピールできる資格はあります。就職に有利な資格については以下の記事にまとめているでチェックしてみてくださいね。
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履歴書の資格欄の書き方はこちらの記事で解説しているので、すでにアピールしたい資格を持っている人はあわせて読んでみましょう。
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②社会人として必要な知識が身に付く
資格取得に向けた勉強の過程で、社会人として必要な知識が身に付くのもメリットです。たとえば日商簿記の3級では、仕訳や帳簿の記帳方法、決算書の見方などの基礎知識が求められます。
企業のお金の流れや数字の扱い方を学べるので、経理・財務以外の仕事でも知識が広く役立ちます。
企業の規模によっては財務諸表以外にも、有価証券報告書や半期報告書、決算短信など、さまざまな資料を作成しなければなりません。

キャリアアドバイザー
規模が大きいほど作成する資料の種類が増えるため、簿記や会計の知識を持つ人材が重宝される傾向にありますよ。
③経営状態が安定した企業を選べる
簿記では、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書などの見方と作成方法を学びます。客観的な数字をもとに経営状態を把握する力が身に付くため、志望先選びの際に、安定した企業を見つけやすくなるのがメリットです。
たとえば、順調に利益を出している企業でも、支払いに必要な資金が不足すると事実上の倒産に追い込まれる「黒字倒産」をする可能性もあるため注意が必要です。

キャリアアドバイザー
企業の見かけと実態は異なる場合があるため、簿記の知識を活かして正確な経営状態を見極めることが大切になりますよ。
④経理職の仕事内容をあらかじめ理解できる
簿記を学ぶことで、帳簿や伝票、契約書などの書類を正しく読み取れるようになります。特に経理業務でこうした書類を頻繁に扱うため、経理職の仕事内容を入社前にあらかじめ理解できるメリットがありますよ。
入社前には、「仕事についていけるのか」「職場の人間関係になじめるのか」など、誰しもさまざまな不安にかられるものです。
仕事内容をある程度事前に知っておけば、そうした不安を軽減でき、新しい環境にスムーズに適応しやすくなります。
経理職の仕事内容についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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キャリアアドバイザーコメント長尾 美慧プロフィールをみる
社会人として働き始めてから簿記を取得する必要が出てくるケースはさまざまあります。たとえば、事務職枠で採用された人が、入社後に経理部門に配属された場合、簿記の知識が必要不可欠になるため、会社から簿記取得を求められるケースなどが考えられます。
また、一般事務として働いていた人が、将来のキャリアを見据え、より専門性を高めたいと思って簿記を取得するケースもあるでしょう。簿記を取得していると、一般企業だけでなく、会計事務所や税理士事務所などにも応募しやすくなり、選択肢が広がりますよ。
デメリットもある? 簿記が就職に役に立たないと言われる3つの理由

就活生
就活にあたって、簿記資格をとらない人もたくさんいますよね。

キャリアアドバイザー
もちろんいますよ。なかには「役に立たないのでは」と考える人すらいます。

就活生
簿記資格が役に立たないこともあるのですか?

キャリアアドバイザー
簿記の知識と資格が社会で役に立たないということはありませんが、就活期間に資格を取ることについてはメリットとデメリットがある、ということです。
多くのメリットがある一方で、簿記の取得には少なからずメリットもあります。後悔しないために、取得を目指す際はメリットだけでなく、デメリットにもきちんと目を向けるようにしてくださいね。就活にあたって簿記資格を取得することの主なデメリットについて解説します。
①費用と時間がかかる
- 1級:8,800円
- 2級:5,500円
- 3級:3,300円
※ペーパー形式とネット試験いずれの受験形式でも同様
資格取得には、少なからず費用がかかります。上記の受験料に加え、「参考書代」や「試験会場までの交通費」などが費用として考えられます。スクールや通信講座を利用する場合は、その費用も考慮しなければなりません。
また、十分な勉強時間を確保する必要もあります。日商簿記2級の合格に必要な勉強時間は、300~500時間程度は必要と言われています。
前提知識の量や学習方法によって個人差はありますが、それなりの勉強時間がかかることを理解しておきましょう。
就活で有利に働く資格のうち、比較的取得しやすい資格についてまとめたのが以下の記事になります。気になる人は読んでみてくださいね。
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②ほかの就活対策に時間が割けなくなる
簿記の勉強ばかりに気を取られると、ほかの就活対策に十分な時間を割けない可能性があります。結果として、自己分析や企業研究、エントリーシート(ES)の作成、面接対策が疎かになってしまうのがデメリットです。
資格はあくまでもアピールポイントの一つに過ぎません。簿記の資格だけで自分の評価が決まるわけでも、内定がもらえるわけでもないと理解し、バランスよく就活対策を進める必要があります。

キャリアアドバイザー
「スケジュールに無理はないか」「志望する職種で簿記の資格を活かせるのか」などを、勉強を始める前にじっくりと検討しましょう。
企業研究におすすめの企業研究ノートの作り方はこちらの記事で解説しています。
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③大企業ほどほかのスキルも重視される傾向がある
多くの応募者が集まる大企業ほど、ほかのスキルも重視される傾向にあります。たとえば面接では、話し方や身だしなみ、志望動機、業務に活かせる強みなど、幅広い要素が評価ポイントです。
また、従業員数の多い企業では、簿記の知識を持つ専門家がすでに多数在籍しているケースが多くあります。そうすると簿記資格の希少性が薄れるため、選考でも自分ならではの強みになりづらいことがありますよ。

キャリアアドバイザー
持っていないよりは当然評価が高くなりますが、資格は評価ポイントの一つでしかない点に注意しましょう。
面接で押さえておきたいポイントはこちらの記事で詳しく解説しているので、重点を押さえて採用担当者の心をつかみましょう。
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キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
しばしば「簿記は就活で役に立たない」といわれることがあります。就活において限られた時間をどのように使うかの戦略立ては非常に大切なことで「役に立たないといわれている簿記取得に時間を費やしていいのか」と迷う人もいるかもしれません。
ここで簿記を取得するかどうかの判断軸は「本当に簿記を仕事で役立てようと思えるかどうか」です。たとえば金融系に就職したいと考えている人は、簿記を勉強したことがその後の社会人生活でも役に立つ可能性が高いので、時間を投資しても無駄にならないと考えられます。
しかし「簿記を持っていた方が何かとアピール材料になるから」などといったなんとなくの理由で、どこで活用するかを具体的にイメージしないまま勉強するのであれば、リターンの少ない時間の投資になりかねません。
そのため、簿記を取得するかどうか迷う人は就活後も実際に仕事で活用しそうかどうかを一度立ち止まって考えてみてください。ここで「できる」と思えば、その考え自体もアピールになりますし、実際に取得できればその思いを証明することにもなるので、時間をかけても無駄にならないでしょう。
志望先選定に役立てよう! 簿記の資格を活かしやすい就職先

忙しいなかでも簿記の資格に挑戦するかどうかは、志望先で活かせるかどうかも大きな判断材料となります。そこで、簿記の資格を特に活かしやすい就職先をピックアップして紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね。
代表的な就職先には「企業の経理・財務部門」が挙げられますが、実はそれ以外にも幅広い業界と職種で活かせますよ。
企業の経理・財務部門
簿記資格が活かせる就職先として、多くの人が最もイメージしやすいのは「企業の経理・財務部門」ですよね。
経理は「売上や仕入れの処理」「給料・社会保険料の計算」など、企業のお金の管理全般にかかわる仕事です。業務には仕訳や財務諸表の作成も含まれるため、簿記の資格があると知識を最大限に活かせますよ。
「会社が使ったお金」を管理する経理に対し、財務では「これから会社が使うお金」を扱います。

キャリアアドバイザー
業務内容や役割に違いがありますが、財務も経理と同様に、簿記の資格を活かしやすい就職先です。
税理士事務所や会計事務所
簿記の資格を活かしやすい就職先の代表例には、税理士事務所や会計事務所も挙げられます。
税理士事務所や会計事務所は、クライアントから依頼を受けて会計業務を代行する企業です。業務内容は企業の経理・財務部門とほとんど変わりませんが、対象に違いがありますよ。
複数のクライアントの依頼を受ける特性上、企業の経理・財務部門に比べ、税理士事務所や会計事務所のほうが業務範囲が広い傾向にあります。

キャリアアドバイザー
そのため、業務に幅広さを求める人は税理士事務所や会計事務所、特定の企業に憧れや興味がある人は経理・財務部門が有力な選択肢になりますよ。
銀行などの金融業界や商社
金融や商社業界も簿記資格とのかかわりが深い就職先です。取引先企業の決算書を読んだり、財務状況から課題を分析したりする際に知識が役立ちますよ。
金融や商社業界を考えている場合、募集要項などに目を通した際に「日商簿記検定〇級以上保有者が望ましい」などの明記があれば、資格が有利に働く可能性があるかもしれないということです。

キャリアアドバイザー
「営業利益」「売掛金」「減価償却」といった専門用語の意味を知っておくだけでも、入社後の仕事にスムーズに適応しやすくなりますよ。
銀行員の仕事内容はこちらの記事で解説しています。興味のある人はぜひ読んでみてくださいね。
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銀行員になるには仕事内容や現状の課題や将来性などの理解が必須です。この記事ではキャリアアドバイザーが銀行の課題や将来性などを解説します。銀行員に向いている人や志望動機の例なども紹介しているので、銀行員になりたい学生は参考にしてくださいね。
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コンサルタントや営業職
経理・財務部門のような会計のスペシャリストではありませんが、コンサルタントや営業職でも簿記の資格を活かせる場面が多く見られます。
たとえば「経営コンサルタント」は、クライアントの経営状態を分析し、事業戦略や改善策を提案するのが仕事です。貸借対照表や損益計算書などの資料を「正確に読む力」が必須となるため、簿記の知識を活かして活躍できます。
また、営業職の仕事では、クライアントにもたらす利益を具体的な数字を交えながら説明できると、説得力のある提案が可能になります。

キャリアアドバイザー
コンサルタントや営業職のように一見簿記との関連性が低そうな仕事でも、実は知識を活かせる場面がたくさんありますよ。
コンサルティング業界の企業や就活対策はこちらの記事で解説しています。
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コンサルティング業界は就活生から高い人気を誇る業界です。業界内に含まる企業も世界中に拠点を持っている企業が多く、グローバルな働き方を実現しやすいのも魅力の1つです。しかし、その分選考難易度も高いものとなるため、目指すなら入念な対策が必要です。この記事では、キャリアアドバイザーのアドバイスを交えて、押さえておきたい対策に加えて、具体的な企業例を27社紹介しています。ぜひチェックしておきましょう。
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営業職に必要なスキルや志望動機例文はこちらの記事で確認してください。
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競争が激しい営業職は志望動機の差別化が重要|アピールのコツも解説
営業職は競争が厳しいので、具体性と意欲をアピールした志望動機で差別化を図ることが重要です。 この記事では営業職の志望動機の書き方や例文、アピールになる4つのスキルなどをキャリアアドバイザーが解説します。 動画も参考にぜひ自分なりの志望動機を作ってみてくださいね。
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どう評価される? 企業の簿記資格の捉え方を知っておこう

就活生
簿記資格を取得していると、企業からはどのように見てもらえるのでしょうか?

キャリアアドバイザー
簿記資格は間違いなく、スキルとして評価されますよ。それだけではなく、努力できる人柄や資質が評価につながることもあります。
簿記資格を持っていると、企業からどう評価されるのかは気になるところですよね。選考で評価ポイントに沿ったアピールをするためにも、企業側の視点を知っておきましょう。
価値が広く認識されているため評価されやすい
日商簿記は会計・経理関連の資格としてだけでなく、ビジネスにかかわる資格全体でも特に高い知名度があります。どんな知識が求められる資格で、どれくらいの難易度なのかが広く知られているため、企業からも評価されやすいのが特徴です。
テストセンターを運営するシー・ビー・ティ・ソリューションズがまとめた「就職に役立つ資格・検定ランキング」では、2021年~2025年にかけて5年連続で日商簿記が第1位に輝いています。

キャリアアドバイザー
TOEICや宅地建物取引士などの人気資格を抑えて1位に支持されていることからも、知名度の高さがうかがえますね。
経理職志望なら最低限の知識として問われるケースもある
業務を進めるうえで簿記の知識が欠かせない「経理職」では、簿記資格を必須条件、もしくは推奨している企業が多く見られます。
「日商簿記3級必須」「日商簿記2級以上をお持ちの方を歓迎」などと応募要件に記載してあるのが一般的です。
資格が必須ではなくとも、持っている人と持っていない人では少なからず評価に差が生まれるでしょう。

キャリアアドバイザー
経理職では特に、資格の取得状況が評価に影響しやすい点を覚えておきましょう。
目標のために地道な努力ができる人柄を評価される
簿記資格そのものだけでなく、取得の過程も企業が見ている評価ポイントです。資格取得のために勉強を続けた努力や、新しい知識を身に付けようとする意欲を評価してもらえるでしょう。
また、簿記資格の取得にチャレンジしたことで、志望企業や職種への熱意も評価してもらえます。

キャリアアドバイザー
資格取得は学業とは異なり、自主的におこなうものです。わざわざ多くの時間を割いてまで、自主的に知識やスキルを身に付けようとした姿勢が評価ポイントになるでしょう。
自分は取るべき? 簿記資格が就職で特に役立つ人の3つのタイプ

簿記資格は履歴書に記載できるだけでなく、社会人に必要な基礎知識が身に付くメリットがある資格です。以下の特徴に当てはまる人は就職に役立ちやすいので、ぜひ取得を検討してみてくださいね。
①経理職や金融業界に就職したい
業務と簿記の関連性が高い業界・職種ほど、資格が就職に役立ちます。経理職や金融業界のように、経理・財務業務に携わる機会が多い業界・職種を目指している人にぴったりです。
経理職や金融業界以外を志望している人で、簿記資格を取得すべきか悩んでいる場合は、「入社後の業務との関連性」から逆算して考えてみましょう。
簿記の知識を業務に直接活かせるのであれば、企業からも評価してもらえる可能性が高まります。

キャリアアドバイザー
反対に、業務との関連性がほとんどないようなら、簿記資格の取得優先度はあまり高くありません。
②競争率の高い企業の選考を突破したい
応募者が多く集まる人気企業を志望しており、少しでも選考突破の確率を上げたい人にもおすすめです。
熾烈な競争を勝ち抜くには「ライバルとの差別化」を意識することが大切ですが、何もスキルがない状態では、どうしても周りの人と似通った志望動機や自己PRになってしまいます。その点、簿記資格を持っていれば、会計・経理の専門知識を客観的に証明できます。

キャリアアドバイザー
自分ならではの強みを作って周りの人と差別化を図り、選考突破の確率を上げられるのがメリットです。
③就活でのアピールポイントを増やしたい
「自己PRのエピソードが思い浮かばない」「自分ならではの強みがない」などは、多くの人に共通する悩みだと思います。
そうした悩みの解決に役立つのが簿記資格です。簿記資格を持っておくと、資格自体はもちろん、取得に向けた学習のなかでの工夫や苦労もアピールポイントにできます。

キャリアアドバイザー
「自己PR」や「学生時代に頑張ったこと」のテーマにできるので、選考で話すネタに困っており、アピールポイントを増やしたい人にも簿記資格がおすすめです。

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簿記資格は、活用する場面や分野がイメージしやすいため、仕事への役立て方や将来のビジョンなどについて明確に考えているということをアピールしやすい資格といえます。また数字に強いことや、緻密さ、丁寧さといった基礎能力があることの証明にもなります。
ただし、注意点は「簿記を持っているだけ」では有利に働くわけではないということです。厚生労働省が若年層の雇用状態をまとめた「令和5年若年者雇用実態調査」では、「若年正社員の採用選考にあたり重視した点」としては、新卒者は「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」が1位で79.3%、2位が「コミュニケーション能力」74.8%、3位が「マナー・社会常識」58.6%で、「業務に役立つ専門知識や技能(資格・免許や語学力)」は30.4%という結果でした。
つまり、資格を持っているだけではなく、それを仕事でどのように活かそうと考えているかという意欲を、適切に伝えることができて初めて強いアピールになるのです。
「理由」がカギになる! 簿記資格を選考で一番効果的にアピールする方法

簿記資格を持っていることだけを伝えても、それは効果的なアピールにはなりません。ほかのライバルたちとの差別化を図るためには、取得過程や今後の活かし方も含めてアピールすることがポイントになります。
簿記資格を選考で効果的にアピールする方法を紹介するので、履歴書を書くときや面接の受け答えを考えるときの参考にしてくださいね。
ステップ①なぜ簿記資格を取得したのか意図を伝える
簿記資格を効果的にアピールするには、「目的意識の有無」が重要になります。
どんなきっかけで簿記の勉強を始めたのか、何のために簿記資格が必要だと思ったのかを伝えることで、入社後も高い学習意欲を持って業務に取り組んでくれそうだと企業に評価してもらえるでしょう。
反対に注意したいのは、「友達に誘われて一緒に取った」「就職で有利になると聞いて取った」などの理由です。こうした受動的な動機からは主体性を読み取りづらいため、簿記資格をあまり評価してもらえない可能性があります。

キャリアアドバイザー
「簿記の知識を持つことで企業活動の流れや社会の理解に役立てたかった」など、自分なりの目的をアピールしましょう。
ステップ②応募先企業での簿記資格の具体的な活かし方を伝える
企業が求める人物像にマッチする人材だと評価してもらうには、自分の強みと業務を結びつけてアピールすることが重要です。入社後に簿記の知識をどのように活かすつもりなのかを伝え、自分の活躍を企業にイメージしてもらいましょう。
活かし方を具体的に伝えるためには、特定の業務内容や場面を例に挙げるのがおすすめです。たとえば経理・財務部門なら、業務内容と直接結びつけてアピールしやすいですよね。

キャリアアドバイザー
コンサルタントや営業職では、専門知識を有することがどんなメリットにつながるのかを伝えると、企業への貢献をアピールできます。
ステップ③簿記知識を活かした将来的なキャリアパスを伝える
キャリアパスまで伝えられると、自分の活躍をさらにイメージしてもらいやすくなりますよ。簿記の知識を活かして将来的に就きたいポジションや、携わりたい業務があれば積極的にアピールしましょう。
キャリアパスを描くには、企業研究が欠かせません。応募先企業で実現できないキャリアパスを伝えても、アピールにつながらないばかりか、むしろ自社に合わない人材だと評価されてしまう点に注意してくださいね。

キャリアアドバイザー
キャリアパスを考える際には、応募先企業で実現可能なものにすることが重要です。
何級を目指すべき? 級ごとの評価目安を理解しよう
日商簿記は級によって難易度が大きく異なるため、企業からの捉えられ方にも差があります。それぞれの評価目安を紹介するので、どの級の合格を目標にするのかを考えてみてくださいね。
3級:履歴書に書けるスタートライン
日商簿記の3級は履歴書に書けるスタートラインです。簿記の知識がまったくない初学者や、入社に向けて基本的な知識を身に付けておきたい人に向いています。
初めて簿記の勉強をする人には、以下の方法がおすすめです。
- 参考書を使った独学⇒時間に余裕があり、計画性がある人
- 通信講座⇒スキマ時間に効率的に学びたい人
- スクール⇒優先的に勉強して必ず合格したい人
参考書を使った独学は費用を抑えられる点がメリットですが、モチベーションを保ちづらい傾向にあります。自分で計画を立ててコツコツ勉強を続けるのが難しい場合は、通信講座やスクールの利用を検討しましょう。

キャリアアドバイザー
通信講座とスクールは、独学と比べて費用がかかる一方で、手厚いサポートを受けながら効率的に学習できるメリットがあります。
2級:金融業界などの大手企業で評価されるレベル
選考での明確なアピールポイントを作りたい人は、日商簿記2級の合格を目指しましょう。
2級からは、商業簿記に加えて工業簿記が試験科目に加わります。原価計算を含む専門的な知識が必要になるため、持っていれば大手企業でも高く評価してもらえるレベルです。
工業簿記は、製品の製造過程で発生する会計処理や、原価計算を主に扱う簿記の一種です。

キャリアアドバイザー
製造業界を志望している人や、ものづくりに興味がある人にも日商簿記2級がおすすめですよ。
1級:手に職として重宝される経理のスペシャリスト
日商簿記1級では、会計学と原価計算が試験科目に加わります。簿記の知識だけでなく、企業の経営にかかわる法律への理解も必要になるため、経理のスペシャリストとして活躍していきたい人におすすめです。
試験はペーパー方式のみの年2回、合格率は10%前後と、取得ハードルの高い資格ですが、難易度が高いぶん就職での評価も期待できます。

キャリアアドバイザー
1級に合格すると、国家資格である「税理士試験」の受験資格を得られるメリットもあります。将来的に、税理士・会計事務所を自分で開業したい気持ちがある人にも、おすすめの資格です。
簿記の就職での役立て方についてよくある質問に回答!
「就職に本当に役立つのか」「取得するべきなのか」など、簿記資格についてまだまだ疑問が尽きない人は多いと思います。最後に、学生からよく寄せられる質問にキャリアアドバイザーが回答するので、ぜひ参考にしてくださいね。
簿記の資格は就職には役に立たないって本当ですか?
簿記は「企業の経理・財務部門」や「税理士・会計事務所」、「金融業界」などで活かせる資格です。幅広い業界・職種で知識が役立つため、就職でも企業から評価してもらえますよ。
また、簿記の勉強をすることで、社会人として必要な基本知識を身に付けられるメリットもあります。業務との関連性がそれほど高くない場合でも、専門用語を知っておくだけでビジネス全般に役立てることが可能です。
就職のために簿記の資格を取得するべきですか?
簿記との関連性が高い職種を志望している人や、アピールポイントを増やしたい人はぜひ取得にチャレンジしてみましょう。
就職に役立つだけでなく、知識を身に付けておくことで入社後の業務に適応しやすくなるメリットもあります。
ただし、簿記資格を持っている事実だけでは、大きなアピールにつながらない場合があります。選考でアピールする際は、取得の目的や入社後の活かし方を一緒に伝えることが大切ですよ。
簿記を就職に役立てる方法を理解して素早いスタートを切ろう!
簿記は、経理職や金融業などの就職で活かしやすい資格です。帳簿の付け方や財務諸表の見方など、ビジネス全般に役立つ知識が身に付くメリットがあるので、ぜひ取得にチャレンジしてみてくださいね。
簿記資格の取得には、それなりの費用と時間がかかる点に注意しましょう。資格勉強ばかりに気を取られるとほかの就活対策が疎かになりやすいため、目的や学習スケジュールを明確にし、無理なく取得を目指すことが大切です。
簿記の資格に興味はあるのですが、詳しくどんなものなのかわかっていなくて……。