目次
- ビール業界は5つの要素が絡んで構成されるビジネスモデル
- 第一次産業
- 商社
- 原料メーカー
- 小売業界
- 飲食業界
- 必ず押さえよう! ビール業界の課題と今後の動向
- ①ビール離れ
- ②2026年「酒税一本化」
- ③海外進出
- ④自宅で飲める本格ビールの需要拡大
- ⑤クラフトビールの需用の拡大
- 国内ビール業界シェアトップ4社ランキング
- サントリーホールディングス
- キリンホールディングス
- アサヒグループホールディングス
- サッポロホールディングス
- ビール業界で活躍している5つの職種と仕事内容
- ①営業職
- ②研究・開発職
- ③マーケティング職
- ④製造(設備管理・品質管理)
- ⑤原料調達
- ビール業界でもとめられる人物の特徴5選
- 相手の立場で考えられる
- 課題解決能力がある
- 向上心がある
- 忍耐力がある
- ビール業界で強みをアピールするため自己PRのポイント
- ビール業界で活かしたい自分の強みを一言でまとめる
- 強みを活かした経験を振り返る
- 入社後に強みをビール業界でどのように活かしたいかを伝える
- ビール業界への熱意をアピールする志望動機のポイント
- ビール業界を志望する理由を明確にする
- その企業を志望する理由を明確にする
- 企業を志望する原体験を具体化する
- 入社後にチャレンジしたいことを明確にする
- ビール業界を徹底的に研究したうえで内定獲得を目指そう
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。
「ビール業界に興味があるのですが、どのような特徴があるのでしょうか?」
「若者のビール離れと聞きますが将来性はどうなのでしょうか?」
このような質問をされることがあります。たしかに、就活生の多くはビールと聞くと、店頭で販売しているものや飲食店で提供されているもののイメージが強いですよね。
ですが、製造や販売だけでなく、他にもさまざまな企業がビール業界を支えています。これらの特徴をきちんと把握した上で志望企業を決めなければ、「ビールが好き」という想いだけではミスマッチになってしまいます。
また、業界の将来性について正しく知ることで、自分がやりたいことが実現できるかどうかや、ビール業界を志望するより熱い動機を見つけるきっかけにもなります。
この記事では、ビール業界を志望する上で知っておくべき業界の特徴から将来性、自己PR、志望動機の作成ポイントまで解説します。最後まで読んでビール業界について網羅的に理解しましょう。
ビール業界は5つの要素が絡んで構成されるビジネスモデル
はじめにお伝えしたとおり、ビール業界は製造や販売だけではありません。どのような企業があるのかや、それぞれの企業がどのような事業をおこなっているのか理解をしなければ、入社後に想像していた仕事と異なるというミスマッチが生まれてしまいます。
そのようなミスマッチが生まれないように、ビール業界を構成している5つのビジネスモデルについて紹介します。
第一次産業
第一次産業とは、農作物・畜産物をつくる「農業」や木材を生産する「林業」、魚介類を獲る「漁業」が当てはまります。ビールを製造するためには、麦やホップという原料が必要になります。このように、ビールに必要な原料を扱っている企業が第一次産業である農業ですね。
第一次産業は、直接メーカーへ原料を販売することもありますが、商社へ原料を卸していることもありますよ。そうすることで在庫を管理する手間が省け、農業に力を入れてブランド力を高めることができますね。
商社
商社は一次産業の企業から原料を調達し、ビールメーカーへ販売しています。商社によっては、日本だけでなく海外の企業に対しても調達した麦やホップを販売していますよ。そのため、日本だけでなく海外で活躍したいと考えている人は、ビール業界に関連する商社をキャリアの選択肢に入れても良いですね。
麦やホップを生産する農家が自社で在庫管理できる場合には、商社の買い付けを挟まずに次に紹介する農家と原料メーカーが直接やりとりすることもあります。
原料メーカー
ビールを製造する企業は、いわゆる原料メーカーです。我々が普段から聞く企業名である「アサヒ飲料」や「サントリー」はビール業界の中でも原料メーカーですよ。品質向上のために日々研究をして、より親しまれるビール製造に力を入れています。
原料メーカーはビールの製造だけでなく、もちろん企画や販売もおこなっています。ビールを一人でも多くの人に飲んでもらうために、新しい販売企画を考えたり営業活動もおこなっています。
第一次産業と商社はビールの原料とかかわる仕事ですが、原料ではなくビールそのものにかかわりたい人はメーカーがおすすめですね。
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小売業界
スーパーやデパート、酒屋でビールを販売している企業が小売業界ですね。お客さんのニーズを把握して、適切な数量のビールを仕入れて販売することが求められています。ビールは一種類ではなく、さまざまな企業が販売していますよね。ビールの仕入れという観点だけでなく、メーカーごとのビールの仕入れもきちんと管理をする必要があります。
お客さんと対面でビールの販売をするため、各社のビールの違いやおすすめのビールについて説明することもあり、ビールだけでなく人とかかわることが好きな人は小売業界がおすすめです。
飲食業界
飲食店の仕事でビールとかかわることもできます。各店舗で扱っているビールは、原料メーカーや小売店経由で仕入れています。また、飲食店によっては扱うビールの種類を絞っていることが多いため、メーカー各社は飲食店に対して営業活動をおこなっています。
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必ず押さえよう! ビール業界の課題と今後の動向
ビール業界を志望する上で、業界がどのような課題を抱えているのか、今後どのような将来性があるのかについて理解することは欠かせません。また、多くの就活生は業界の将来性まで業界研究をしていないので、これらを知っているだけで差をつけることができます。
ここでは、ビール業界志望の学生が知っておくべき5つの課題と動向について解説します。
①ビール離れ
ビールの消費はライフスタイルの変化や健康志向、節約志向によって消費が減少しています。特に若者のビール離れが進んでおり、国内のビール市場は縮小傾向にあります。
では、この業界規模の減少には具体的にどのような理由があるのでしょうか。具体的に説明します。
新ジャンル・微アルコールの台頭
ビール離れの理由として、発泡酒に加えて新ジャンルや第3のビールと言われる新しい商品の台頭です。発泡酒とは、麦芽または麦を原料の一部としており、アルコール度数20%未満の発泡性ある酒類です。新ジャンルは麦芽を使っていなかったり、別のアルコールと混ぜていたりすることもあります。商品だと「アサヒザリッチ」や「クリアアサヒ」がこれに当てはまります。
また、アルコールに強くない人は、ビールを飲む量が少ないですよね。このような人にもビールを楽しんでもらうようにアルコール度数が1%未満の微アルコールのビールも発売されています。この微アルコールは、健康志向の高まりにも応えることができる商品で、各社が販売戦略に取り組んでいます。
ワイン・リキュールの拡大
ビール離れの理由として、新ジャンルだけでなくワインやチューハイに人が流れていることも挙げられます。今まではリキュールを自分で割ってお酒をつくる必要がありましたが、蓋を開けるだけで飲めるRTDの需要が高まっています。RTDとは、Ready To Drinkの略で缶やビンでそのまま飲めるアルコール飲料のことです。
実際にRTDの市場は拡大しているという調査もあり、ビール業界各社はビールだけでなくRTDにも力を入れています。
②2026年「酒税一本化」
ビールには酒税がかかっていますが、2020年10月から段階的に税率が引き下げられています。反対に発泡酒と新ジャンルは引き上げられて、2026年には酒税が同率になりますよ。
新ジャンルが拡大している中、酒税一本化によってビールがどれくらいシェアを獲得できるのかがビール業界の将来性にもかかわっていますね。
③海外進出
ビール業界各社は、日本の市場だけでなく海外市場にも進出し、売上拡大に力を入れています。海外の飲料メーカーを買収したり、海外にビールを製造する工場をつくったりしていますよ。サントリーとアサヒ飲料は、売上高に占める海外比率が50%程度に達しています。
海外市場に拡大することで、日本が政治や世界情勢に巻き込まれて売上が下がってしまったときには、海外で売上の確保ができますよね。安定した経営のために海外展開は今後も注目すべき動向です。
④自宅で飲める本格ビールの需要拡大
2020年には新型コロナウイルス感染拡大の影響で、飲食店でビールを飲むことができなくなってしまいましたよね。飲食店向けビールの売上の落ち込みを受けて、家庭で飲める本格ビールの需要がさらに拡大しました。
大手メーカーのキリンは、2017年から月に2回ビールが届き、専用のビアサーバーでビールが楽しめる「ホームタップ」を発売しました。また、2021年にアサヒ飲料は、「生ジョッキ缶」という蓋を開けるとジョッキ感覚で飲める商品も発売しました。
このように自宅でビールを楽しむ文化が浸透しつつあり、飲食店だけでなく自宅で飲める商品展開も今後予想されますね。
⑤クラフトビールの需用の拡大
大手メーカーが製造するビールでなく、伝統的な原料や製法で小規模な醸造所が製造するクラフトビールの需要が拡大しています。特にビール離れをしている若者を中心にクラフトビールが拡大していますよ。
クラフトビールは大手メーカーが製造していないフレーバーのビールがあり、需要が高まっているカクテルの感覚に近いことが若者からの需要が拡大している理由ですね。また、ビール缶のパッケージがデザイン性に富んだものも多数あり、SNSを通じて商品を知り購入に至っていることも多いです。
国内ビール業界シェアトップ4社ランキング
業界の動向について詳しく理解した上で、国内のビール業界トップシェアの4社を紹介します。同じビール業界の企業であっても、企業ごとで特徴が大きく異なります。大手志望の学生は特に各社の違いや特徴に着目しながら読み進めてください。
サントリーホールディングス
サントリーホールディングスはビール業界で売上トップの企業です。ビールは「ザ・プレミアム・モルツ」を取り扱っていますね。
サントリーはビールだけで見るとシェアは他の会社に劣っていますが、清涼飲料水やウイスキーでシェアを獲得しています。他にもビール業界だけでなくハーゲンダッツジャパンなどもサントリーホールディングス傘下の企業です。
キリンホールディングス
キリンホールディングスはサントリーホールディングスに次いで業界トップクラスの企業です。ビール単体の売上で評価すると、キリンと次に紹介するアサヒがトップシェアを争っています。また発泡酒や新ジャンルでも高いシェアを獲得している実績がありますよ。
キリンはビール業界だけでなく、食領域や医療領域、ヘルスサイエンスなど192社以上もあるグループ会社です。
動向でも紹介しましたが、キリンは家庭用ビールサーバー「ホームタップ」を取り扱っており、市場のニーズに素早く対応していることも業界では注目されています。
アサヒグループホールディングス
アサヒグループホールディングスはビールも取り扱っていますが、ウイスキーやワイン、焼酎、チューハイなどさまざまな酒類を取り扱っています。そして、紹介したとおりアサヒはビール業界トップシェアを誇っています。
またアサヒグループホールディングスの売上に着目すると、酒類事業の売上は全体の約4割を占めており、その中でもビールが約半分の売上を占めています。そのため、会社としてもビール事業に力を入れていることがわかりますね。
動向で説明したとおり、アサヒグループホールディングスは海外進出をしており、ヨーロッパとオセアニア、北米、南米、アジアにも拠点がありグローバル進出にチャレンジしています。
サッポロホールディングス
サッポロホールディングスは、「エビス」や「黒ラベル」を扱っているビール業界の企業ですね。これまでに紹介した3社と比べると、売上高は低いものの、ブランドの知名度は非常に高いビールのひとつですよね。
酒類以外では、「ポッカレモン」や「じっくりコトコトシリーズ」などもサッポロホールディングスの商品です。
また、サッポロホールディングスは酒類や食品飲料事業だけでなく、「ライオン」などの外食産業や、「恵比寿ガーデンプレイス」「サッポロファクトリー」などの複合施設を運営しており、不動産事業もおこなっています。
ビール業界で活躍している5つの職種と仕事内容
ビール業界はビジネスモデルで紹介したとおりさまざまな企業があります。職種単位で着目すると、さまざまな仕事でビールとかかわることができます。
ただし、それぞれの仕事は特徴が大きく異なるため「ビールとかかわりたい」という想いだけで仕事を選ぶと、入社後にイメージとのギャップに悩んでしまうかもしれません。
ここでは、ビール業界で活躍している5つの職種を紹介します。どのようにビールとかかわりたいかをチェックしておきましょう。
①営業職
ビール業界の営業職はさまざまシーンで活躍しています。商社であれば原料を調達したり、調達した原料をメーカーへ販売するときに活躍しています。また、原料メーカーであれば、小売店や飲食店で使ってもらえるように営業活動をしています。
各社は市場でのシェア拡大をするために、クライアントのニーズに寄り添い自社商品の提案をおこなっています。ビールを提案することによって、店舗の売上拡大に貢献することもできるため、「ビールを通じて企業や人の役に立ちたい」と考えている人は営業職が向いていますよ。
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②研究・開発職
より高品質で美味しいビールをつくるためには、日々の研究・開発が欠かせません。より良いビールを追求するために、ビール業界では研究・開発職も活躍しており、商品のコンセプトや味・風味などビールを製造する上で最も大切な部分をになっています。
また、安心・安全なビールを提供することもブランド価値を上げるためにはとても重要です。研究・開発職では商品を市場に届けるだけでなく、研究成果を学会で発表することもありますよ。
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③マーケティング職
どんなに品質が良く美味しいビールをつくっても、市場が求めていないビールや商品やブランドの知名度がないビールでは売れないですよね。自社のビールの知名度を上げたり、商品の販売戦略を考える仕事がマーケティング職です。
消費者のニーズをきちんと分析して、求められるビールをつくることが大切です。また、ニーズを分析するだけでなく、消費者が欲しがるような企画を考えることも求められていますよ。そのため、ビールを通じてクリエイティブな仕事をしたい人はマーケティング職がおすすめです。
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④製造(設備管理・品質管理)
ビールを製造するためには、製造する機械や設備が必要になりますよね。このように製造工程の維持や改善、製造ラインの設計、管理にかかわる仕事が製造職です。
また、飲料品を扱っているため、衛生上の問題がないか品質の管理をおこなう仕事もありますよ。醸造と呼ばれる工程では原料の調整によって味が変化するため、原料や酵母の調整が求められています。
機械の管理をおこなうため、企業によっては工学専攻をしている学生を中心に募集がかかっていることがあります。
⑤原料調達
ビールを製造する上では、大麦やホップが欠かせません。このようなビールの原料の買い付けをおこなう仕事が原料調達です。
調達の仕事は、いかに質の良い原材料を仕入れることができるかがポイントです。ですが、質だけを意識してしまうと、調達するコストがかかってしまいますよね。そのため、定められた予算の中で、質の良い原料を仕入れることが求められています。
そのためには、情報をキャッチするスキルと契約農家との良い関係性を築くためのコミュニケーション能力が重要になります。
キャリアアドバイザーコメント清水 沙也香プロフィールをみる
ビールメーカーで求められている仕事の中には、理系学生に向けた募集もあるため注意しましょう。紹介されている5つの中で「研究・開発職」と「製造職」は理系学生向けの募集がほとんどです。
「研究・開発職」は、科学的な根拠を持って安全性や美味しさを研究します。そのため、化学分野専攻の学生はもとめられています。研究は国内外の研究機関と連携することもありますし、他社商品と差別化を図るためのデータ収取などもおこなっていますよ。
「製造職」は、設備の効率化や安全に稼働させるための維持管理をおこないます。この管理をおこなうために、機械エンジニア専攻をしている学生が募集されています。また効率稼働だけでなく、研究職が開発した商品を製造ラインで再現できるようになることももとめられます。
このように一部の専門的な職種は、大学で何を専攻していたかが重視されています。もちろん理系学生であっても、専門職以外にエントリーすることはできますよ。自分が興味ある仕事をきちんと見極めることが大切ですね。
ビール業界でもとめられる人物の特徴5選
キャリアアドバイザー
ビール業界はどのような人がもとめられているのでしょうか?
キャリアアドバイザー
ビール離れと言われているこの時代に業界の発展に貢献できる人材がもとめられていますね。
ビール業界で求められる人物像には共通点があります。5つの特徴を押さえてビール業界の選考で高評価を得られるようにしましょう。
相手の立場で考えられる
特に営業やマーケティングなどクライアントやカスタマーと向き合う仕事では、相手の立場で考えられる人がもとめられています。
飲食店や小売店にビールを販売するときには、店舗の事情をきちんと把握した上で提案しなければ、一方的な押し売りになってしまいます。また、マーケティングの仕事も同様に、自分が売りたいビールや企画をつくっても消費者には届かないものになってしまいます。
自分がビールが好きという想いだけでなく、かかわるクライアントやカスタマーが「どのように考えているのか」や「何をもとめているのか」を考えることが大切ですね。
課題解決能力がある
紹介したとおりビール業界は業規模が減少傾向にあるため、現状の課題を解決することが求められています。そのため、課題解決能力がもとめられているのです。
また業界全体だけでなく、営業職であれば日々の仕事でも飲食店や小売店の課題についても提案をすることをもとめられています。ビール業界であれば、飲食店や店舗でビールを提供・販売することで、どのようなメリットがあるのかを説明しなければなりません。
そのため、学生生活の中で部活やサークル、アルバイトで課題を見つけて解決しようと取り組んだ経験がある人は高く評価される傾向にあります。
向上心がある
ビール業界は大手4社が市場を寡占していることも説明しました。このような市場であっても自社のシェアを伸ばすために努力できるような向上心がある人も非常に評価が高いです。
特に営業職であれば、他社のビールを使っていて商品の提案すらできないこともあります。そのような状況であっても、高い向上心を持って仕事と向き合い続けることで、シェアの拡大だけでなく、業界の拡大にも貢献できる人材になりますよ。
チャレンジ精神がある
ビール業界は国内だけでなく海外市場にも進出しているため、新しい挑戦をする業界とも言えます。そのため、チャレンジ精神がある人も求められている人物像のひとつです。
会社として新しいことにチャレンジし、営業職として施策をやり遂げることも考えられますし、企画職として新しいサービスを考える立場になることも考えられます。また、研究・開発職も他社と差をつけるために高品質なビールを製造することも求められます。
このような環境でも楽しみながら仕事に向き合える人は今後のビール業界でも長く活躍できますよ。
忍耐力がある
ビール業界は税制の改革や新ジャンルの台頭などで、自分だけではコントロールできないことも非常に多くあります。このような状況であっても、自分ができることをやり遂げる忍耐力がある人もビール業界では求められています。
シェアの拡大をするためには、いきなりシェア率が上がることはほとんどなく、コツコツと努力をすることで結果が伴います。たとえば、研究職でより良い品質のビールを製造するためには、ビールと向き合い続けた結果、素晴らしい商品ができるようになります。もちろん他の職種であっても、同じく忍耐力を持って仕事を継続することが必要です。
そのため学生時代に継続して取り組んだ経験がある人は、ビール業界で活躍できる人材としてアピールできますよ。
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ビール業界で強みをアピールするため自己PRのポイント
ここまではビール業界でもとめられている人物像を紹介しました。ここからは、紹介した求められている強みをアピールする自己PRのポイントについて詳しく解説します。
すでに自己PRを作成している人は、紹介することが盛り込まれているか確認をしながら読み進めてください。まだ自己PRを作成していない人は、自己PRを考えながら読みましょう。
ビール業界で活かしたい自分の強みを一言でまとめる
まずはビール業界で活かしたい強みを「私の強みは〇〇です」と一言でまとめましょう。強みを端的に伝えられると採用担当者は理解しやすく、後に説明されるエピソードも強みが内容が予想できるため、スムーズに理解できます。強みがきちんと伝わることで、アピールしやすくなりますよ。
このときに、一方的に自分の強みを述べるのではなく、企業がもとめている強みをアピールするようにしましょう。
たとえば、部活でキャプテンを勤めていてリーダーシップがある学生であっても、企業が求める人材が協調性がある人だった場合にはどうでしょうか。企業が求める人材とは異なるため、高評価が得られないのです。そのため、自己分析だけでなく企業分析にも力を入れて取り組むようにしましょう。
強みを活かした経験を振り返る
強みを一言で述べても、「その強みがあるのか」を採用担当者はわかりませんよね。そのため、強みを活かしたエピソードを語ることで、実際にその強みがあることをアピールしましょう。
そのためには、強みを活かした経験を振り返るポイントがあるため、3つに分けて紹介しますね。
強みを活かす前の課題を振り返る
エピソードを語るときには、取り組む前と後の変化をきちんと明確にすることが大切です。そのため、強みを活かすエピソードをいきなり語るのではなく、まずは課題について詳しく述べましょう。
また、課題がなかったときには、当時の目標でも問題ないですよ。大切なことは、強みを活かす前はどのような状態だったのかを、エピソードを初めて聞く面接官が想像できるように説明することです。
課題に対してどのような行動をしたか振り返る
課題を整理した次に、「強みを活かしてどのような行動をしたか」ついて振り返りましょう。このときの注意点は、数字を使って具体的に伝えられるようにすることです。
たとえば、NG例として「積極的に部活へ参加しました」では、どのように参加したかイメージが湧かないですよね。一方で数字を使って説明すると、「部活が始まる1時間前には個人練習をはじめ、練習がない日もかかさずに3時間以上練習しました」と説明するとどうでしょうか。初めてエピソードを聞いた人であっても、どのように参加したのかイメージが湧きますよね。
このように誰がエピソードを読んだり聞いたりしても、同じイメージが持てるように具体化をするようにしましょう。
行動をして課題がどのように解決されたか振り返る
経験の振り返りの最後は、強みを活かして取り組んだ結果、当初の課題は解決できたのか、目標は達成できたのかを整理しましょう。この結果を伝えられなければ、実際に取り組んだかどうか判断できなくなってしまいますよね。そのため、結果についても具体的に書くことが大切です。
また、結果がマイナスであったとしても実は問題ありません。強みを活かして取り組んだとしても、必ずしも成功するとは限らないですよね。もし目標が達成できなかったとしても、その経験から学んだことを次に行かせれば問題ありません。
そのため、結果や成果に左右されず等身大としての自分をアピールすることが大切になります。
入社後に強みをビール業界でどのように活かしたいかを伝える
自己PRを振り返る最後のポイントは、入社した後に強みをどのように活かしたいかを伝えることです。ここまで振り返った内容だけでは、入社後どのように活躍するのかイメージが湧きづらいですよね。そのため、ビール業界へ入社した後、どのように強みを活かしていきたいかを詳しく伝えるようにしましょう。
入社後にどのように活かすかを語るときにも強みを一言でまとめるときと同様、ビール業界の動向や企業についてリサーチしておく必要があります。この記事で紹介しているビール業界の特徴を何度も読み返して深く理解してください。
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ビール業界への熱意をアピールする志望動機のポイント
次はビール業界を志望するときの志望度の高さをアピールできる志望動機のポイントを解説します。
ビール業界を志望する理由を明確にする
まずは他の業界ではなくビール業界を志望する理由について考えましょう。ビール業界は他の飲料メーカーなどと差別化を図らなければ、高い志望度はアピールできません。熱意をアピールするためには、ビール業界でしか実現できないことを具体的に考えましょう。
ビール業界でしか実現できないことを考えるためには、他の業界について理解することも大切です。先ほど紹介した飲料メーカーなどがその一例ですね。やはり他の業界の特徴を知らなければ、違いを深く理解することはできません。また、他の業界を知ることで、ビール業界の良い点を詳しく知ることができます。
その企業を志望する理由を明確にする
次にビール業界の中でも他の企業ではなく、エントリーした企業でなければならない理由についても考えましょう。企業によって商品が異なるだけでなく、企業理念やビジョン、社風など異なる点も多数あります。これらをきちんと把握していなければ、入社の熱意を伝えることができなくなってしまいます。
企業についてインターネットで調べることも有効ですが、他の学生も調べられる情報の収集はしているため差が付きにくいのが正直なところです。そのため、インターンシップやOB・OG訪問を通じて企業について知ることがおすすめですよ。すると、社員との接点が生まれて就活で伝えるエピソードが生まれますよね。
インターネットの情報だけでなく自ら行動をして、ビール業界各社の特徴を把握しましょう。
企業を志望する原体験を具体化する
ここまでは志望する理由について詳しく解説しましたが、理由を述べるだけでは志望する熱意の判断ができません。志望度の高さをアピールするためには、「なぜそのような志望理由を抱くようになったのか」を経験を交えて語る必要があります。
たとえば、「サッカーで日本代表として活躍したい」ということは、伝えるだけなら誰でも伝えられますよね。ですが、その理由が体験と結びついていることで、初めて採用担当者へ熱意が伝わるのです。
そのため、なぜその企業に入社したいのかを自分の経験を具体的に語れるようにしましょう。もちろん、志望動機のエピソードも強みと同様に定量的にわかりやすく伝えることを意識してくださいね。
入社後にチャレンジしたいことを明確にする
最後は、ビール業界の企業へ入社した後に実現したいことを述べましょう。ここでも自己PRと同様に企業についてリサーチをして、「どのような仕事でどのように経験を活かしたいか」を語ると高い評価が得られます。
このとき、自己PRでアピールした強みを活かせる仕事で考えることも重要なポイントです。
たとえば、強みが「忍耐力」であるにもかかわらず、入社後にチャレンジしたいことが「企画系の部署でさまざまな企画立案にかかわりたい」とアピールすると、強みが全く活かせないですよね。すると、強みに対する不信感も出てきてしまうのです。
入社の熱意をアピールするために、単なる自分の興味ではなく自己PRとも絡めてどのように貢献できるか考えましょう。
キャリアアドバイザーコメント上原 正嵩プロフィールをみる
志望動機で他の学生と差をつけるためには、インターンへ参加することもおすすめですよ。インターンへ参加することで、ESや面接だけでは伝わらない強みをアピールすることができます。さらに、インターンへ参加すると特別ルートで本選考の案内がされることもあるのです。また、選考へ有利にならなかったとしてもビジネススキルアップに役立てることもできるため、インターン参加した企業以外の選考でも役立てることができますよ。
ビール業界のインターンでは、マーケティングや営業戦略立案、事業戦略立案などを経験することができます。インターン参加を通じて、ビール業界をより深く知ることができますし、社員との接点ができるため志望動機で語るエピソードをつくることもできますね。
高倍率のビール業界は特にインターン参加のメリットが大きいため、必ずインターンの募集要項をチェックしておきましょう。
志望動機を書けずに悩んでいる学生は、こちらの記事を参考にしてみましょう。
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ビール業界を徹底的に研究したうえで内定獲得を目指そう
ビール業界は若者のビール離れと言われていますが、海外進出による新しいチャレンジや税率の一本化なども控えており、新しい挑戦ができる業界のひとつです。業界についてきちんと理解をした上でビール業界へエントリーすれば、周りの学生と差をつけることもできますよ。
この記事で紹介したビール業界の動向や求められている人材、自己PRと志望動機の書き方を何度も見直して、内定獲得を目指しましょう。
キャリアアドバイザーコメント辻 華菜子プロフィールをみる
ここまでは日本企業が紹介されていますが、海外企業も把握しておきましょう。日本のビール業界もグローバル展開をはじめているため、グローバル市場を把握しておくことで志望する熱意がアピールできるようになりますよ。
アンハイザー・ブッシュ・インベブ
ベルギー本社の企業で、世界トップシェアのビールメーカーです。保有しているビールブランドは「バドワイザー」や「コロナ」、「ステラアルトア」など200銘柄以上で、世界シェア20%以上を占めています。
ハイネケン
オランダ本社の老舗ビールメーカーで、世界100カ国以上に製造拠点を持っていますよ。銘柄は「ハイネケン」以外にも「カールスバーグ」などを取り扱っており、世界シェア第2位の実績があります。
これらは、グローバルに力を入れているビールメーカーへ応募するときには必要な知識になります。必ずグローバルなビールメーカーもリサーチしておきましょう。