なぜ商社の一般職は人気なの？ 人気企業一覧や志望動機例を紹介

商社の一般職に対する学生人気は高い！

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。就活に励む学生と面談していると、

「商社の一般職に興味があります！ 」
「商社の一般職について詳しく知りたいです！ 」

という声を多く聞きます。商社といえば総合職のイメージが強い人も多いかもしれませんが、一般職はワークライフバランスを整えやすいことから、総合職に負けず劣らずの高い人気を誇る職種です。

しかし、人気が高ければその分倍率も高くなるため、一般職を目指すのであれば念入りな対策が重要となります。

そこでこの記事では、商社の一般職の基本情報から人気企業一覧、もとめられるスキル・人物像までを、厳しい選考を突破するための志望動機例文付きで詳しく解説していきます。

商社の一般職の仕事内容

書類作成

商社の一般職の仕事として最もイメージしやすいのが書類作成です。取引をする商品・サービス、価格、取引の条件などを書類の形に残し、企業同士のスムーズな取引に貢献します。

内容を正しく理解して正確な書類を作成する必要があるため、取り扱う商品・サービスへの知識や英語力がもとめられます。また、基本的なソフトであるWordやExcelを操作するPCスキル、決められた日時までに業務を完了させる高いスケジュール管理能力なども欠かせない業務です。

国内外のメーカーとの連絡

商社の一般職では、国内外のメーカーとの連絡も担当することになります。

かかわるメーカーは配属される事業部によってさまざまですが、いずれの事業部でも非常に多くのメーカーとかかわっていきます。業務を正確に処理する能力はもちろん、信頼関係構築のためのコミュニケーション能力がもとめられます。

トラブルやクレームへの対応も一般職の重要な役割です。

出荷業務やそのほかの雑務

各部署から集まってきた発注書をチェックしたり、商品に関するデータをパソコンに入力したりするのも一般職の大切な仕事です。

総合商社のような大企業であれば事業の規模が大きく、小さなミスが大きな損失につながる可能性があるため、トラブルを回避もしくは最小化するリスクマネジメントが必要になります。

そのほか、総合職の人がスムーズに業務を進められるよう、サポートする雑務も一般職の役割です。

業界の全体像や就活対策についてはこちらの記事でも解説しています。

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人気に秘密！ 商社の一般職として働くメリットを解説

商社の一般職には、他の仕事にはないメリットがあります。商社の一般職ならではの魅力を知り、なぜ自分がこの仕事に就きたいのか自分自身しっかりと理解しておきましょう。

企業の顔として活躍できる

商社の一般職は直接顧客と向き合う仕事なため、自分の活躍や振る舞いが企業全体のイメージにつながります。周りに評価される働きぶりを見せれば顧客に好印象を抱いてもらえ、さらにはその企業への入社を考える学生からも好印象を抱いてもらえます。

振る舞いによっては企業全体のイメージ低下につながる点は大変なところですが、企業の顔として活躍できるのは商社の一般職の大きなやりがいです。

急な転勤がない

総合職は経験を積むための部署移動が多いのが特徴ですが、一般職の場合、部署移動はほとんどありません。引っ越しをともなうような急な転勤がないため、一つの地域に腰を据えて働き続けられます。

急な転勤がない一番のメリットは、将来設計を立てやすいことです。転職によって何度も居住地を変える必要がないため、家族への影響が少なく、定住先や家の購入を決断しやすくなります。

安定して働きながら高収入を目指せる

商社の一般職の年収は、総合職と比べると低めですが、他の業界の事務職と比較すると高い傾向にあります。取り扱う商品・サービスの幅が広い商社は事業規模が大きく、高い利益を上げられるため働く従業員の収入も高い、というのがこの業界の特徴です。

また、事業規模が大きいことは企業の安定にもつながります。企業が倒産するリスクが少なければ自分のキャリアデザインに専念できるため、安定して働きながら高収入を目指せます。

知っておきたい！ 商社の一般職にもデメリットがある？

メリットの裏にはいくつかのデメリットがあります。

商社の一般職だからこそ生まれるデメリットを知り、自分が就活で大切にしていることや、企業にもとめていることと照らし合わせてみてください。その結果、どうしてもデメリットを許容できないと感じれば、別の仕事を探すのも一つの方法です。

就活の倍率がかなり高い

学生人気が高ければ当然、就活の倍率は高くなります。働きたくても採用枠の関係で希望通りにならないのが商社の一般職を目指す大きなデメリットです。実際、伊藤忠商事を例に見ても、一般職（事務職）の採用実績は2020年度14名、2021年度16名、2022年度10名に留まっています。

毎年10人前後しかない枠を数十人、数百人で争うことになるため、就活の倍率はかなり高めです。また、商社によっては「今年度は一般職の採用はなし」とするケースも見られます。

トラブルがあると忙しくなる

トラブルに見舞われるのはどの業界にも共通していえることですが、商社の一般職は特に多くの企業と連携を取る必要があることから、トラブル対応に追われやすい傾向にあります。たとえば、輸出入に携わる際は、顧客メーカーと取引先の海外企業の仲介役を務めなければなりません。

母国語とする言語が違えば、慣習や考え方も異なる人たちと一緒に仕事を進めていくため、どうしてもトラブルが発生しやすいのが商社の特徴です。さまざまな人とかかわれるのは大きなやりがいですが、それが商社の一般職の大変さでもあります。

商社の一般職を募集する大手企業一覧

学生人気が特に高い総合商社の中から、一般職を募集する企業を紹介していきます。それぞれの企業の大まかな特徴と採用実績についても解説するので、ぜひ企業選びの参考にしてください。

伊藤忠商事

伊藤忠商事は三菱商事に次ぐ業界第2位の売上高を誇る総合商社です。原糸や生地などの繊維を祖業とすることから、現在も繊維や食料を取り扱う生活消費関連分野に強みを持っています。

伊藤忠商事の一般職（事務職）の採用実績は、2020年度14名、2021年度16名、2022年度10名。毎年10人前後採用され、本人の希望や適性をもとに「繊維カンパニー」「情報・金融カンパニー」などさまざまな事業部に配属されます。

三菱商事

業界最大手の三菱商事は、国の政策や外交に影響するような大きなビジネスを数多く手がける総合商社です。総合力の高さを強みとし、資源分野から非資源分野まで幅広い領域で確固たる地位を築いています。

三菱商事も伊藤忠商事と同様に、毎年10人前後を一般職として採用していましたが、2020年度と2021年度は採用枠そのものがありませんでした。企業内の需要によっては、採用枠がない年があることに注意しましょう。

三井物産

三井物産は三菱商事とともに戦前から総合商社として日本経済を支え続けている大手企業です。非常に幅広い分野で事業を展開しており、特に金属資源の確保と安定供給に強みを持っています。

三井物産には一般職という名称の採用枠はありませんが、総合職が「担当職」と「業務職」の2種類に分かれています。他の総合商社でいう総合職が三井物産の担当職、一般職が業務職です。

丸紅

丸紅は発電事業に強みを持つ総合商社です。海外の発電所の設計から建設までを一括して請け負うEPC事業を中心に事業展開しており、国内・国外問わず幅広い地域で、長期にわたる電力供給体制を構築しています。

丸紅の一般職の採用実績は、2020年度15名、2021年度18名、2022年度18名。毎年15人前後を採用しており、総合商社の中では一般職の採用数がやや多い傾向にあります。

住友商事

住友商事はメディア分野に強みを持つ総合商社です。大手企業の中で唯一「メディア・デジタル事業」という事業部を持っており、ケーブルテレビ事業やテレビ通販事業、第5世代移動通信システム（5G）関連事業などに力を入れています。

2023年度の新卒採用ではプロフェッショナル職（総合職）の募集しかしておらず、一般職の募集はありません。住友商事の一般職として働きたい場合は、来年度以降で採用枠が設けられることに期待する、もしくはグループ企業に入社するのも一つの方法です。

7大商社の比較と選考を突破する秘訣はこちらの記事で読んでください。

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商社の一般職にもとめられるスキルとは

商社の一般職に魅力を感じていても、選考で自分の何をアピールすればいいのかわからず不安に感じている人は少なくないはずです。一般職にはどんなスキルがもとめられているのかを把握し、アピールポイントを探してみましょう。

コミュニケーション能力

あらゆる企業、あらゆる国の人たちとかかわる商社の一般職では、高度なコミュニケーション力がもとめられます。

商社の一般職にもとめられるコミュニケーション能力とは、物怖じせずに誰とでもフランクに会話できる能力に留まりません。たとえ社交的な性格であっても、空気を読めない言動をする人は商社がもとめるコミュニケーション能力が備わっているとはいえないのです。

コミュニケーション力の言い換え表現はこちらの記事で解説しています。

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臨機応変な対応力

トラブル対応に追われやすい商社の一般職では、臨機応変な対応力が欠かせません。商社は大きなビジネスにかかわるケースが多いうえに、マニュアル通りにいかないトラブルが起きやすい業界です。

そんな環境のなかで、自分の知識や経験を活かして状況に応じた行動ができる人は、どの商社でも高く評価されます。

臨機応変な対応力を効果的にアピールするコツはこちらの記事で読んでください。

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英語力

総合商社のような大企業は海外にも広く事業を展開しているため、業務に携わるうえでは英語力が必要となります。たとえば、海外のメーカーとの連絡業務では英語での会話、出荷業務では英語で記載された商品・サービスへの理解がもとめられます。

ただし、英語ができないからといって商社の一般職を諦める必要はありません。英語力はあくまでもとめられるスキルの一つであり、それがすべてではないため、選考では実践的な英語をこれから身に付けていく姿勢を見せることが大切です。

商社で必要とされる英語力についてはこちらの記事で確認してください。

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商社の一般職がもとめる人物像も押さえておこう

もとめられるスキルと合わせて、商社の一般職がもとめる人物像も押さえておきましょう。志望動機や自己PRでは、「企業がどんな人材をもとめているのか」という視点で考えることが重要です。

専門的な知識を高められる向上心がある人

専門的な知識を吸収し続ける向上心が備わっている人は重宝されます。

商社の一般職は業務の特性上、幅広い分野の専門的な知識に触れるのが特徴です。ときには自分の所属以外の事業部とも連携を図りながら仕事を進めるケースがあるため、常に新しい知識を身に付けようとする心構えが必要になります。

また、知識以外では、英語力やPCスキルのようなスキルにも同じことがいえます。将来的に、より大きな責任感が問われるポジションにキャリアアップしたり、専門性の高い職種に転職したりするには、入社後も学び続ける姿勢が大切です。

周りを巻き込んで行動できる人

周りを巻き込んで行動できる人も、商社の一般職がもとめる人物像の一つです。「周りを巻き込む力」とは、物事を進める際に周りの人から主体的な協力を引き出し、チームとして成果を出す力を指します。

どんなに優秀な人でも1人で仕事を進めるには限界があるため、大きなビジネスにかかわるケースが多い商社では特に「周りを巻き込む力」が重視されています。

行動力の自己アピール例文はこちらの記事で紹介しています。

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前向きでガッツがある人

企業が長期的に成長し続けるために、前向きでガッツがある人がもとめられています。

企業の顔として働く一般職は人柄が重要となるため、こうした強みを持つ人は選考で高く評価されます。

また、前向きさは周りにも好影響を及ぼします。常に明るい雰囲気で職場にポジティブな雰囲気をつくってくれる前向きな人は、どの企業にとっても非常に魅力的な人材です。

前向きさを魅力的にアピールする方法はこちらの記事で解説しています。

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商社の一般職の選考を突破する3つのコツ

商社の一般職の基本情報やもとめられるスキル・人物像は理解できたものの、具体的にどう選考対策を進めていけばいいのかわからない人も多いと思います。そのような場合は、以下のポイントを意識するのが効果的です。

①英語力や海外経験を具体的に示す

特に総合商社では業務の幅が広く、海外に複数の支店を持つ企業が多いため、英語力や海外経験が大きな強みとなります。入社後の業務に役立つようなスキル・経験がある場合は、選考で積極的にアピールしましょう。

アピールの際は、どの程度の英語力を身につけているか具体的に示すのがコツです。TOEICスコアのような英語力を見極めやすい数値を提示できれば、英語力を強みとする裏付けになります。

②突出した実績や強みをアピールする

突出した実績や強みがある場合は、志望動機・自己PRなどに取り入れましょう。他の学生にはない自分ならではのアピールポイントになります。

実績や強みをアピールする際は、企業がもとめるものに合致しているとより効果的です。たとえば、商社の一般職にもとめられる事務処理能力が備わっていれば、入社後すぐに活躍してくれる人材だと高く評価してもらえます。

目立つ実績や強みがない場合は、実績そのものよりも「取り組み過程」に重点を置くべきです。取り組みへの心掛けや工夫をアピールできれば、人間性を評価してもらいやすくなります。

③インターンやOB・OG訪問に参加する

就活の絶対条件ではありませんが、業界・企業への理解を深めるためにはインターンやOG・OB訪問への参加が不可欠です。実際の業務を体験したり、OG・OBから話を聞いたりすることで、企業のホームページや会社説明会では得られないリアルな情報を得られるメリットがあります。

インターンのなかには1日から数日程度で終わるものや、大学1・2年次から参加できるものもあります。就活が本格的に解禁されてから参加するのは難しいため、時間に余裕があるうちにぜひ参加してみてください。

OB・OG訪問で準備しておくべき質問内容はこちらの記事でチェックしてください。

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商社の一般職の選考を突破する志望動機の書き方

志望動機では、自分が企業にとって採用する価値のある人材だとアピールすることがポイントです。「自分が何をしたいか」の主観的視点だけでなく、「企業にどんなメリットがあるか」という企業側の視点も考慮しましょう。

なぜ商社の一般職なのかを明確にする

商社の一般職の選考でよく見られるのは、「なぜ商社の一般職を選んだのか」という質問です。一般職（事務職）はほとんどの業界・企業に存在する中、なぜわざわざ商社の一般職を選んだのかを具体的に説明することが選考突破のカギとなります。

理由を明確にするコツは、商社の一般職と他業界の一般職の特徴を比較することです。そうした特徴を比較していけば商社でなければならない理由が見えてきます。

なぜその企業なのかを述べる

企業への入社熱意を伝えるために、「なぜその企業なのか」を志望動機で述べましょう。数多くの商社の中からその企業を選んだ理由を伝えられれば、面接官に納得してもらえる志望動機にできます。

その企業を選んだ理由を考えるためには、業界研究によって各商社の一般職の特徴を明らかにするのがポイントです。同じ一般職でも業務の範囲や待遇、職場の雰囲気には少しずつ違いがあります。

自分をどう活かせるのかで締めくくる

志望動機の締めくくりとして、入社後に自分をどう活かせるのかを伝えましょう。自分の持つ強みがどう活きるのかを伝えることで、企業にとって採用する価値のある人材だと評価してもらえます。

企業への貢献をアピールする際は、実際の業務と絡めながら伝える方法が効果的です。「臨機応変な対応力」を強みとしてアピールするなら、一般職の業務のどんな場面で活かすつもりなのかを伝えれば、入社後の自分の活躍をイメージしてもらいやすくなります。

選考を突破する商社の志望動機を作成するポイントはこちらの記事でも解説しています。

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強み別！ 商社の一般職の志望動機例文

最後に、「コミュニケーション能力」「臨機応変な対応力」「前向きな向上心」の3つの強み別に志望動機例文を紹介します。商社の一般職にもとめられるスキル・人物像や、志望動機の書き方をふまえ、自分ならではの回答を考えてみてください。

コミュニケーション能力

臨機応変な対応力

前向きな向上心

商社の一般職を志望する学生からよくある質問に回答！

商社の一般職の職種や、就職成功のコツについて知りたい学生も多いですよね。そのような学生の疑問にキャリアアドバイザーが回答します。

念入りな対策で商社の一般職の選考を突破しよう

商社の一般職には書類作成以外に、国内外のメーカーとの連絡や出荷業務など、幅広い業務があります。企業や配属される事業部によっても業務内容は異なるため、本当に商社の一般職が自分に合っているのか確かめながら、業界・企業研究に取り組んでください。

また、選考で入社の熱意を伝えるためには、競合他社と比較しながら企業への理解を深めていく必要があります。「なぜ商社の一般職なのか」「なぜその企業なのか」といった質問に自信をもって答えられるよう、念入りな対策を進めていきましょう。