目次
- 7大商社の入社難易度は高いが攻略法はある
- 総合商社は人気の就職先! 総合商社の魅力とは
- ①グローバル拠点が多数ある
- ②規模の大きな仕事にたずさわれる
- ③給料が一般的な企業よりも高い
- ④ジェネラリストとして多様なスキルを伸ばすことができる
- いいことだけじゃない! 把握しておきたい総合商社の4つの注意点
- ①年功序列の風土が残っている
- ②配属リスクがある
- ③ハードワークが求められる
- ④転勤・出張が多い
- 徹底比較! 7大商社の特徴を押さえよう
- 三菱商事
- 伊藤忠商事
- 三井物産
- 丸紅
- 住友商事
- 双日
- 豊田通商
- 7大商社攻略法①商社業界について理解する
- 総合商社のビジネス①:トレーディング
- 総合商社のビジネス②:事業投資
- 7大商社攻略法②自分が合っている企業を探すコツを理解する
- 自分の価値観や強みを把握する
- 各社の社風を把握して自分に合った企業を見つける
- 自分が目指す方向性と企業のビジョンが一致しているかを確認する
- 7大商社攻略法③7大商社の入社対策方法を理解する
- 各社の違いを理解してその企業でやりたいことを明確にする
- TOEIC・TOEFLの点数を上げる
- 筆記試験・Webテストの対策をおこなう
- インターンシップに参加する
- OB・OG訪問をする
- 商社マンを目指すならこのビジネス用語は覚えよう
- 入社難易度の高い7大商社は徹底的な対策をして攻略をしよう
7大商社の入社難易度は高いが攻略法はある
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。
「7大商社に入社したいのですがどんな対策をすればいいのでしょうか?」
「7大商社それぞれの特徴を知りたいです」
7大商社とは、三菱商事・伊藤忠商事・三井物産・丸紅・住友商事・双日・豊田通商の7つの総合商社の総称です。学生に人気のある7大商社の入社難易度は高く、選考を前にして不安に感じる人も多いと思います。
この記事では、7大商社について徹底的に解説したうえで、それぞれの選考の攻略法をお伝えしていきます。適切な対策を取れば、7大商社に入社することも夢ではありません。ぜひ読んでみてくださいね。
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総合商社は人気の就職先! 総合商社の魅力とは
総合商社の入社難易度が高くなる理由として、就活をする学生から人気があるという点が挙げられます。ですが、そもそもなぜ総合商社は人気が高いのでしょうか。
まずは、総合商社の魅力4つについて見ていきましょう。7大商社それぞれの特徴を知る前に、全体の傾向をつかんでくださいね。
商社業界全体のことについて詳しく知りたい人はこちらも参考にしてみてください。
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①グローバル拠点が多数ある
総合商社は世界を股にかけてビジネスをおこなっているため、グローバル拠点を多数持っています。国内外を問わず幅広い商品を取り扱い輸出入をおこなうわけですから、現地に駐在して仕事をする社員はたくさんいます。
海外支店への転勤や、提携する企業への出向などさまざまな形で海外勤務のチャンスがあるのです。「語学力を活かして海外で仕事をしてみたい」「キャリアパスの中で1度は海外勤務するのが夢」などと考える学生にとっては、とても魅力的ですね。
海外に行ける仕事についてはこちらの記事で詳しく解説していますよ。
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②規模の大きな仕事にたずさわれる
総合商社では規模の大きな仕事ができてかっこいいイメージがあるという人も多いでしょう。実際に総合商社では、鉄道などのインフラに関わる仕事や新エネルギー開発を主導する仕事など、メディアにも取り上げられるような規模の仕事にたずさわる機会があります。
規模の大きな仕事と一口に言っても、取り扱う商品が多岐に渡っている総合商社ではさまざまな分野にそのような仕事があるでしょう。自分は何に興味があるのか、考えてみてくださいね。
③給料が一般的な企業よりも高い
誰もが気になる給料も、総合商社では一般的な企業よりも高く魅力の一つといえるでしょう。総合商社に勤める40歳の社員の平均年収は1,232万円と、全業界での平均値が600万円であるのに対し2倍もの額となっています。(参考記事:最新版!40歳年収「64業界別」ランキング)
また、海外勤務を命じられた場合には駐在手当、さらに危険地域への駐在の場合には危険手当が付与されます。もともと高い給料に加えて手当がもらえるので、それも想定して総合商社に入社したいと考える人もいるようです。
7大商社平均年収ランキング
7大商社の平均年収ランキングを見てみましょう。1位は三菱商事の1,607万円、7位の豊田通商でも1,096万円とすべての企業で1,000万円を超える平均年収となっています。
- 三菱商事 1,607万円
- 伊藤忠商事 1,520万円
- 三井物産 1,430万円
- 丸紅 1,389万円
- 住友商事 1,389万円
- 双日 1,139万円
- 豊田通商 1,096万円
④ジェネラリストとして多様なスキルを伸ばすことができる
総合商社で働くと、何でもできるジェネラリストになれると聞いたことがある人もいるかもしれません。それは、総合商社のビジネス内容に起因しています。
商品の輸出入の媒介をすることをトレーディングと言いますが、商社は生産者やメーカーなど多数の関係者と交渉しながら仕事を進めます。また、海外に事業投資をおこなう場合、投資先の状況を逐一把握することも必要です。
高いコミュニケーション能力や、法務・財務といったさまざまな分野の情報収集・分析能力などが求められるため、あらゆることに対処できるジェネラリストとなっていくのです。
いいことだけじゃない! 把握しておきたい総合商社の4つの注意点
ここまで説明してきた4つの魅力から考えると、総合商社はとても理想的な企業に見えてきます。
ですが、総合商社で働くには覚悟しておかなければならない注意点もあります。総合商社の魅力と注意点の両方を見たうえで、自分に合っているか考えるようにしてくださいね。
①年功序列の風土が残っている
長い歴史を持つ総合商社では、日本の伝統をそのままに年功序列の風土が残っていることもよくあります。
世の中の風潮としてグローバル化が進み、また元より海外企業とのつながりも深い総合商社ですが、海外で導入されているような能力重視での人材評価制度が根づいている場合は少ないものです。
そのため若手社員と呼ばれる数年間は、入社前に想像していたような目立つ仕事はもらえない可能性も大いにあります。花形の仕事を得るためには、コツコツ下積み時代を乗り越えて努力する必要があるでしょう。
②配属リスクがある
総合商社の仕事内容は「ラーメンからロケットまで」とよく言われるように幅広く、自分がどの部署に配属されて何の仕事をするのかわかりません。選考の中で「〇〇のプロジェクトに携わりたい」と話していたとしても、採用される人数も部署の数も多い総合商社では希望通りの配属となるとは限りません。
また、入社後の異動でも、最初に配属された部署と大きく異なる分野の仕事をする部門には配属されないのが普通です。
キャリアアドバイザー
インフラ・エネルギー・通信・食品など、手掛ける領域は幅広いものの、1人の社員が携われるのは1つの領域と考えておいたほうが良いでしょう。
③ハードワークが求められる
総合商社の仕事の規模は大きく、多くの人の生活に関係する内容です。そのため、社員は常に最高のパフォーマンスを求められるのです。
大切な取引先との交渉をしたかと思えば、最新の情報を分析して資料にまとめ、優秀な仲間たちに向けて説得力のある提案をし、と多岐に渡る仕事をいずれも高い水準でクリアしていかなければなりません。
成長しながら結果を出していく必要があるため、ハードワークを求められる場面もあるでしょう。
④転勤・出張が多い
総合商社では世界を舞台とした仕事をするので、海外転勤・出張はどうしても多くなります。
海外に行くために総合商社を希望したという人でも、慣れない土地での勤務は疲れが出るものです。行き先は自分では選べませんから、いつも安全な先進国とは限りません。数年の単位で、日本にいるときとはまったく違う生活をしながら仕事をすることになる可能性も視野に入れておく必要があるでしょう。
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総合商社で働くと、業界や顧客によっては相当ハードな働き方が求められるという点に気をつけておきましょう。なぜなら、総合商社は企業と企業の橋渡しをするような仕事のため、取引先企業のペースで仕事する傾向にあるからです。
たとえば海外の仕入先に出張して現地時間で働いていても、夜中に日本の顧客から問い合わせがあれば対応するケースもよくあります。またコロナ前は、帰国して時差ボケのなか働いたあと、顧客との会食に出かけることも少なくなかったようです。
総合商社は海外出張が多く海外の取引先も多いものです。職種にもよりますが自分のペースで働きにくく、激務になるケースもあることは注意しておきましょう。
徹底比較! 7大商社の特徴を押さえよう
就活生
7大商社だったら、どこでも同じように仕事ができるのでしょうか?
キャリア
アドバイザー
幅広い商品を取り扱う総合商社にも、それぞれ強みとしている分野は異なりますよ。これから7大商社それぞれの特徴をお伝えするので、自分に合った企業を探してみましょうね。
三菱商事
三菱商事は明治時代に創業された九十九商会が原点であり、戦前には三菱財閥として大きな利益を得ていました。戦後の財閥解体を経て、1950年に三菱商事として復活し三菱グループを支える中心となっています。
三菱商事は、三菱グループの豊富な資金を活かして幅広い分野の事業を手がけており、特に金属、LNG・天然ガスといった資源分野に強みを持っています。一方で、収益の多くを資源分野が占めるため、資源価格の下落の影響も受けやすいという弱みもあります。
三菱商事の社風はどんな感じ?
社風に関する大きな特徴としては、組織として団結する力が強いことが挙げられるでしょう。「組織の三菱」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。選考では、チームワークを活かした経験や協調性があることをアピールすると良いでしょう。
また、三菱商事ではコンプライアンスの充実が図られており、社員にも高い倫理意識を持って働くことが求められます。責任感を持って仕事ができることが重視されるでしょう。
三菱商事の将来性
三菱商事は、近年のデジタル化の波を踏まえ、既存の事業にデジタル技術を導入して価値を向上させようと動いています。
- 他社と協力しDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進
- 強みである資源分野において脱炭素社会を目指すEX(エネルギートランスフォーメーション)を実行
現在三菱商事はこの2点を課題として掲げ、精力的に取り組んでいます。
また、人事制度においても改革がおこなわれています。実力主義・成果主義に基づいて適材適所の人事をおこなうことで、社員の成長を企業の発展につなげようとしています。昔ながらの年功序列のあり方から脱却しようとする姿勢が見えますね。
伊藤忠商事
伊藤忠商事は、戦前に世界でもトップクラスを誇った繊維商社が起源です。その流れを汲み、現在も繊維分野に強みがあります。
伊藤忠商事の注力している分野は非資源分野です。資源価格の変動の影響を受けない繊維・食品・ITといった非資源分野は、安定的な収益を得られるため堅実に業績を維持できる強みがあります。
弱みとしては、他の総合商社に比べて海外事業が弱く、収益が国内に依存していることが挙げられます。
伊藤忠商事の社風はどんな感じ?
伊藤忠商事は、行動指針である「ひとりの商人、無数の使命」の言葉の通り、社員一人ひとりが「個の力」を発揮できる企業です。仕事に使命感を持って取り組める人、自分で考えて行動に移せる主体性がある人に向いている企業だと言えるでしょう。
また、しばしば体育会系と評価されるためハードな働き方が求められると思う人もいるでしょう。ですが伊藤忠商事は、残業を禁止して「朝型勤務」を推進する改革に先陣を切って取り組むなど、社員のためを思った意識改革にも積極的です。
伊藤忠商事の将来性
伊藤忠商事では、コロナ流行前を上回る収益を獲得し、さらに成長させていくことを目標に戦略を立てています。もともと安定した経営基盤を持っていますから、事業を発展させる施策に踏み出しているということですね。
- 顧客のニーズを重視した「マーケットイン」の事業をおこなう
- 「SDGs(持続可能な開発目標)」の実現を目指した事業をおこなう
このような事業を通して、純利益を6000億円にまで成長させるとしています。もっとも勢いのある商社と言われる伊藤忠商事らしく、大きな目標を掲げる力強さがありますね。
三井物産
三井物産は、三井不動産・三井住友銀行とともに「三井新御三家」と呼ばれ、三井グループの中核を成しています。三菱商事とは戦前からライバル関係にある商社です。
三井物産の収益の約半分は金属資源が占めており、資源分野に強みを持った企業です。海外の拠点数を多く保有するのも、資源調達に不可欠だからですね。三菱商事と同じように、資源価格の高騰・下落の影響を受けて収益が安定しにくいという弱みがあります。
三井物産の社風はどんな感じ?
「人の三井」という言葉に代表されるように、自由な社風があります。三井物産が掲げる価値観の中には、「多様性を力に」や「個から成長を」というものがあります。一人ひとりが自分の長所を活かして仕事ができる環境がありそうですね。
個性が尊重されるため、のびのびと働くことができるのではないでしょうか。自分を持っている人、意見がはっきり言える人にはぴったりだと思います。
三井物産の将来性
三井物産の今後の展望は、「変革と成長」をキーワードに示されています。コロナウイルス流行の影響を受けた収益の減少を乗り越え、新たな社会に対応する企業へと変革し成長する必要性があるとしています。
「変革」として、資金投入・人材配置の戦略をこれまで以上に柔軟に立てることで、成長が期待できる分野に注力して収益を向上させようという計画があります。
そのため、強みである資源分野の収益力を強化しつつ、DXなどの新たな事業にも積極的に取り組むことを予定しています。
丸紅
丸紅は芙蓉グループに属する総合商社です。その歴史は長く、江戸時代に麻布類を扱う業者として創業されたのが始まりです。
食品やアグリ事業、電力の分野に強いことが丸紅の特徴です。食品の中でも穀物の取り扱い量については、総合商社でトップとなっています。一方で、旧財閥系企業である三菱商事や三井物産に比べて資金力が少ないという弱みもあります。
丸紅の社風はどんな感じ?
丸紅には、若手社員にも仕事を積極的に任せる風土があると言われています。その分、大きな責任を伴う仕事に取り組まなければならないことも多くなりますが、やりがいを持って働けるのではないでしょうか。挑戦心のある人にとっては魅力的な企業ですね。
女性の採用にも積極的です。総合商社は男性社会というイメージを持つ人も多いでしょう。ですが丸紅では、2024年までに総合職の新卒採用において半数以上を女性とするという目標を掲げています。男女問わず働きやすい環境を整えようとする姿勢が見えてきます。
丸紅の将来性
丸紅は、コロナウイルス流行の影響を受け2019年度には赤字決算となっています。これを踏まえ、財政基盤を再生・強化することを課題として事業を進めています。
既存の事業については、部門の再編などによって事業間のつながりを深め、よりスピード感を持ってビジネスを展開できる体制を整えていく予定です。さらに、顧客のニーズや社会情勢の変化を受けて新たな事業に取り組めるよう、多様性を重視した人材の育成にも力を入れるとしています。
住友商事
住友商事の源流は、戦前に不動産経営をおこなう企業として設立された大阪北港株式会社です。現在も大阪と東京に本社を持ち、住友グループに属しています。
住友商事は、それぞれの事業をバランス良く手がけることで安定した経営をおこなっているという強みがあります。そのため「〇〇分野といえば住友商事」と言われるほどに特化した事業がないという点が弱みと言えるでしょう。
住友商事の社風はどんな感じ?
住友商事は、他の総合商社と比べて特に堅実な社風を持つと言われています。リスクを取ることを避けるその姿勢は、「石橋をたたいても渡らない」と言われることもあるようです。計画的に、慎重に物事を進めるタイプの人に合っている企業ではないでしょうか。
また、信用を重視する考え方は住友商事の経営理念・行動指針からも読み取れます。住友商事には誠実な社員が多いと評されるのも、企業全体の価値観に基づいてのことかもしれませんね。
住友商事の将来性
住友商事ではこれまで、採算の取れない事業からの撤退や徹底したコスト管理などの収益改善策をおこなってきました。今後は、市場の動向を見極めて事業規模を拡大し、収益を向上させる施策を取るとしています。
住友商事は、総合商社の中でいち早くデジタル・メディア分野を部門として設けており、DXを「次世代成長戦略テーマ」として注力する予定です。また、収益向上の見込みのある、厳選した事業分野に積極的に資金を投入することも示されています。
双日
双日は、ニチメンと日商岩井という2つの商社が合併して設立された企業です。日商岩井の源流である鈴木商店は、第一次世界大戦中には財閥をしのぐ日本一の総合商社でした。
双日の強みは航空産業分野にあるでしょう。民間航空機の代理店としては、日本で一番のシェアを誇っています。ですが現在、コロナウイルス流行で航空産業は打撃を受けています。収益を航空産業分野に頼る経営をしてきたことが、双日の弱みとなっています。
双日の社風はどんな感じ?
双日には、若手社員が活躍できる環境があります。双日としての創業からの日が浅いことも影響しているのか、ベンチャー企業のような生き生きとした社風があるとされています。
双日のスローガンとして掲げられている「New way, New value」という言葉が示す通り、新しいことに挑戦すること、そして新しい価値を生み出すことを企業が求めています。失敗をおそれずにチャレンジする、積極性のある人材は高く評価されそうです。
双日の将来性
コロナウイルス流行により強みとする航空産業分野が影響を受けたこともあり、双日では事業基盤を見直して変革を起こすことが必要とされています。
具体的には、社会全体としてニーズの高まっているインフラ・ヘルスケア分野に人材や資金を投入する他、途上国の成長市場の動向を読んでマーケットインの事業を展開する予定です。また、社員に多様なキャリアパスを選択できる環境を準備し、自律的に働きながらさまざまな仕事に挑戦できる風土を作るともしています。
豊田通商
豊田通商は、トヨタ自動車を中心とするトヨタグループに所属しています。2006年に総合商社であるトーメンを合併したことによってトヨタグループ外との取引が増え、総合商社としての地位が確立されました。
豊田通商の強みは何と言っても自動車分野でしょう。また、アフリカ関連事業についても歴史が古く、現在も注力しています。弱みとしては、手がける事業のほとんどが自動車と関連しており、他の特徴が少ないことが挙げられます。
豊田通商の社風はどんな感じ?
豊田通商には、社員の多様性を受け入れる風土と、チームで結束して仕事に取り組む風土の両方が存在していると言えるでしょう。一人ひとりの持つ力を集めて、チームとして活躍できる人材が求められています。
また、豊田通商では事業部門をまたいで異動できる「チャレンジローテーション制度」や、30代の若手社員でもマネジメント職に就ける制度を新設しています。若手社員にも挑戦のチャンスがあり、成長できる環境があるということですね。
豊田通商の将来性
豊田通商では、無駄な支出をなくし、DXによって生産性を向上させることで収益を増加させようと計画しています。そのうえで、既存の事業を成長させ、アフリカを中心とした地域ごとの新事業の展開をおこなうことを考えています。
豊田通商が大きな強みとしている自動車関連の事業においても、リチウムの生産能力を増進させる試みなどがおこなわれています。コロナウイルス流行によって自動車の需要が高まっているので、豊田通商では安定した経営が見込まれるでしょう。
キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
「さらに企業研究を深めたい!」という学生は、総合商社の関連会社の業績や事業内容をチェックするといいですよ。総合商社は有望そうな企業を買収して出資し、取り込み利益をあげているからです。
たとえば、伊藤忠商事はドールのアジアの青果事業を買収して、それらの事業が上げた利益の一部を還元させています。つまり、たとえばドールのバナナの売り上げが良ければ、伊藤忠の利益も増えるということです。総合商社が買収する事業の規模は大きいので、取り込み利益額も相当なものになります。関連会社の業績が良ければ、その分買収元である商社の利益も良くなるということですね。
そのため、総合商社について詳しく知りたいときは、関連会社についても調べてみましょう。総合商社が確保できそうな利益やこれからの展開などが見えやすくなってきますよ。
7大商社攻略法①商社業界について理解する
ここからは、7大商社の選考を突破するための攻略法をお伝えしていきます。まず第1の攻略法は、商社業界についてよく理解することです。
就活生
かっこいいイメージがある総合商社に憧れています。でも、どんなビジネスをしているのかわかりにくくて…。
キャリア
アドバイザー
総合商社のビジネスは、トレーディングと事業投資の2つに分けて考えることができます。それぞれ説明していきますので、言葉に馴染みがないという人も安心してくださいね。
総合商社のビジネス①:トレーディング
総合商社の基礎となるビジネスがトレーディングです。トレーディングとは、一言で言えば商品の貿易の仲介をすることです。原料の生産者、商品を製造するメーカー、商品を求める消費者の間に立ち、仲介手数料によって収益を上げます。
総合商社は、インフラ、エネルギー、食品などさまざまな分野でトレーディングをおこなっています。そのため、活動する舞台が国内にとどまらず世界中に広がっているのです。
総合商社のビジネス②:事業投資
1980年代頃まで、商社のビジネスの中心はトレーディングでした。ですが、バブル経済の崩壊を受け、コスト削減を考えたメーカーなどが商社を介さずに取引をおこなうようになり、商社は苦境に立たされました。この問題の解決策として、事業投資というビジネスに力が注がれるようになりました。
総合商社はトレーディングで得たノウハウを活かし、成長が期待できると見込んだ分野の企業に投資します。これまでは特に資源の生産に関する投資が目立ちましたが、近年では三菱商事がローソンの筆頭株主となるなど、コンシューマー産業への投資もおこなっています。
7大商社攻略法②自分が合っている企業を探すコツを理解する
第2の攻略法は、自分に合った企業を探すコツをきちんと把握することです。
7大商社にはそれぞれ個性があることについてはすでにお伝えしてきました。どの企業も総合商社だからとひとくくりに捉えると、ミスマッチが起きてしまう危険性もあります。逆に、自分にぴったりの企業を見極めることができたら、選考でもあなたのことを魅力的に伝えられるはずです。
これから紹介する3つのコツをおさえれば、7大商社の中から自分にマッチした企業を見つけられます。ぜひ参考にしてくださいね。
自分合った仕事の探し方のポイントはこちらでもまとめていますので参考にしてみてください。
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自分の価値観や強みを把握する
まずは、自己分析をおこなうことで自分の価値観や強みをしっかり把握しましょう。自分の価値観や強みが分かったら、それらを7大商社で活かすことができるか考えましょう。
たとえば、海外留学で得たコミュニケーション能力や、部活動で厳しい練習を乗り越えた精神力などは、グローバルな舞台で時にはハードな仕事もこなす総合商社では共通して評価されそうですね。
また、「私の強みは慎重さだから、堅実と言われる住友商事に合うかも」というように、自分の強みが特に活かせそうな企業を見つけることもできるでしょう。
各社の社風を把握して自分に合った企業を見つける
7大商社それぞれの社風を知ることも、自分に合った企業を見つけるうえでとても大切です。「組織の三菱」「人の三井」などの言葉があるほどに、各社の社風には個性があります。
自分の性格や強みとマッチした社風の企業の選考であれば、自分の魅力を企業にストレートにアピールできるでしょう。でも、もしも自分に合わない社風の企業に入社した場合、居心地の悪い思いをして苦労するかもしれません。
社風の把握方法については以下の記事が詳しいので、参考にしてくださいね。
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自分が目指す方向性と企業のビジョンが一致しているかを確認する
自分の理想とするキャリアプランを具体的に立て、企業のビジョンと一致するかどうか確認しておくことも重要です。
総合商社という業界ですから、海外勤務があることも想定してキャリアプランを立ててみましょう。携わりたい分野は何か、海外勤務は何年後を想定しているのか、何歳ごろにマネジメント職に就きたいのかなど、なるべく具体的に考えてください。
そして、7大商社それぞれの今後の事業戦略や人材育成計画といったビジョンと照らし合わせ、自分の目指す方向性と一致する企業を探してみると良いでしょう。
自分のキャリアプランを考える際はこちらの記事を参考にしてみてくださいね。
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7大商社攻略法③7大商社の入社対策方法を理解する
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7大商社のための対策って、他の業界の企業の選考対策とは違うんですか?
キャリア
アドバイザー
どんな業界でも共通して必要な対策もありますが、7大商社だからこそするべき対策や、おさえておきたいポイントもありますよ。5つの対策方法を紹介するので、実践してみてくださいね。
第3の攻略法は、7大商社の選考対策方法を理解し実践することです。詳しく説明していきますね。
各社の違いを理解してその企業でやりたいことを明確にする
ESや面接の場で企業にしっかり入社意欲を伝えるには、深い企業研究が必須です。また、それを元にして自分が企業で何をしたいのか考えておきましょう。
総合商社である7大商社は、幅広い分野の事業を手がけています。ですが、強みとする領域や今後の経営戦略、社風などは多種多様です。違いを理解できるまで分析して、他の企業ではなくその企業でやりたいこと、その企業でしかできないことを考えてみてください。
TOEIC・TOEFLの点数を上げる
海外とのビジネスを多くおこなう7大商社では、英語力は確実に活きる力です。選考までにTOEICやTOEFLの点数を上げて、高い点数を履歴書やESに書くことができれば、自分の英語力を説得力を持って伝えることができますね。
7大商社のうち、選考の時点でTOEICやTOEFLの点数で足切りをおこなうと発表している企業はありません。ですが、入社後には昇進や海外勤務の際にTOEICの点数が1つの指標とされています。学生のうちから英語を勉強して、ビジネスで通用する英語力を身に着けておきましょう。
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筆記試験・Webテストの形式は各社で異なります。自分が志望する企業がSPI、GAB、玉手箱などのうちどれを使用しているのか、確認して勉強してください。それぞれの形式に特化した対策本もありますから、買ってみるのも良いでしょう。
SPIの勉強方法はこちらの記事で詳しく解説しています。
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インターンシップに参加する
各社が開催するインターンに参加することもおすすめです。
インターンでは、座学で企業の手がける事業について学んだり、他の参加者とグループワークをして実際の仕事を疑似体験したりとさまざまな形で総合商社について学ぶことができます。社風を肌で感じることができ、企業理解も深まるので、自分に合った企業を選ぶ助けになるでしょう。
また、7大商社の開催するインターンに参加すると、筆記試験・Webテスト免除で面接に進めるなど、選考で優遇してもらえる場合もあります。自分の強みを発揮して、将来の活躍を期待できるような姿をインターンで見せられると良いですね。
商社業界でのインターンが選考につながるかどうかについてはこちらで解説しているので参考にしてみてください。
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OB・OG訪問をする
OB・OG訪問も有効な対策になるでしょう。
7大商社のように幅広い分野を手がける企業については、規模が大きすぎて個々の仕事の内容のイメージをつかむのは難しいですよね。OB・OG訪問をすると、個々の社員がおこなっている具体的な仕事の話を聞くことができるので企業研究が深まります。入社後のビジョンを明確に考えられるようになるでしょう。
OB・OG訪問が選考を兼ねていることもあり、面接のように「自己PRをしてください」などと求められることもあります。高評価が得られれば、選考プロセスをスキップできるかもしれません。スムーズに会話できるよう、自分が聞きたいこと、アピールしたいことを準備してから臨んでください。
OB・OG訪問のポイントはこちらで解説しているので参考にしてみてください。
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キャリアアドバイザーコメント上原 正嵩プロフィールをみる
7大商社に入社するためには入社対策をしっかりしましょう。OB・OG訪問をするときから気を抜かず、論理的思考力の高さが伝わるように質問の仕方に注意することが大切です。どこの企業でも論理的思考力のある学生を求めていますが、さまざまな事業を展開する7大商社はそのより求める傾向にあります。
具体的には、考えていることが明確に伝わりやすいように端的に話しましょう。どうしてその質問をしたのか理由がわかるように聞くと、OB・OGも答えやすいです。総合商社は事業規模が大きいので、漠然とした質問ではどこの何について聞いているのか意図がわかりにくくなってしまいます。相手の様子を観察して、手短に話したり詳しく説明したりするのもいいですね。そういった点を網羅して質問ができれば、物事を論理的に考えられていることのアピールにもつながります。OB・OG訪問の場も自己PRにつなげましょう。
商社マンを目指すならこのビジネス用語は覚えよう
7大商社で働く時に備えて、覚えておくと役立つビジネス用語を紹介します。選考中にこれらの言葉を使いこなすと、商社マンとしての意識がすでに芽生えていると評価されるかもしれませんよ。
- バリューチェーン
日本語に訳して価値連鎖とも言われます。原料を川上、製造を川中、小売を川下として鎖のように価値をつないで捉えることです。 - ステークホルダー
企業に直接関わる利害関係者のことです。顧客、社員、株主、取引先企業、地域社会など全てを指します。 - キャッシュフロー
収入や支出によって増減するお金の流れのことです。 - SDGs
国連の定めた「持続可能な開発目標 Sustainable Development Goals」の略称です。環境保護や経済成長など広い範囲で目標が定められています。資源分野に大きく関わりを持つ7大商社においても、SDGsを意識した取り組みがおこなわれています。 - ESG
「環境 Environment、社会 Social、ガバナンス Governance」の略称です。全てのものを対象とするSDGsに対し、環境や社会に配慮した取り組みが企業の長期的な成長に必要だという考えに基づいて作られた言葉です。
入社難易度の高い7大商社は徹底的な対策をして攻略をしよう
7大商社それぞれの特徴やビジネス内容について、理解していただけたでしょうか。個性豊かな7大商社の中から、自分に合った企業をぜひ見つけてみてください。
学生からの人気の高い7大商社は選考の難易度も高くなっています。この記事で紹介した攻略法を参考にして、適切な対策をして内定の獲得を目指してくださいね。
キャリアアドバイザーコメント北浦 ひよりプロフィールをみる
総合商社は売上高の高い会社が多いですよね。そのため、福利厚生が整っていたり週休二日制度をしっかり導入していたりして、部署によっては働きやすい環境のところも多いです。福利厚生がしっかりしているからこそ、出産や育児、介護などでライフステージが変化しても仕事を長く続けられますよ。
休日が取りやすいうえに給料も高いので、気分をリフレッシュさせやすく仕事のモチベーションが維持しやすいのも魅力です。総合商社は部署にもよりますが、仕事とプライベートのどちらの満足度も高めやすいという点においても、多数の学生が魅力を感じやすいです。