目次
- 商社業界の理解を深めて選考対策をしよう
- まずは商社業界の全体像を把握しよう
- 商社は総合商社と専門商社にわけられる
- 高い人気を誇る商社! 就職ランキングを紹介
- 総合商社7社のそれぞれの違いを理解しよう
- 総合商社7社の純利益を推移を見てみよう
- 得意な事業や社風の違いをチェック!! 総合商社7社を比較しよう
- 総合商社は地域ごとにも強い・弱いがある
- 最新動向をチェック!! 総合商社が注力するITやデジタル化の推進
- 代表的な専門商社を把握しよう
- 商社のビジネスモデルを理解しよう
- トレーディング:グローバルに貿易の仲介を行う
- 事業投資:会社や権益に投資をする
- 商社の具体的な業務内容は2つの切り口で考えるとわかりやすい
- ①部署の違い:営業職とコーポレート職
- ②職種の違い:総合職と一般職
- 人気の理由を知ろう! 商社で働く4つの魅力
- ①グローバルな環境で仕事ができる
- ②規模の大きな仕事にたずさわれる
- ③給料が一般的な企業よりも高い
- ④ジェネラリストとして多様なスキルを伸ばすことができる
- 商社を希望する際に注意しないといけない点
- ①年功序列の風土が残っている
- ②配属リスクがある
- ③ハードワークが求められる
- ④転勤・出張が多い
- 自分は当てはまる? 商社に向いている人の特徴を一挙紹介
- いろんな立場のまとめるコミュ力が高い人
- 情報収集に積極的な好奇心が旺盛な人
- ハードな仕事に耐えられる体力・精神力がある人
- どんなスキルや経験が商社の選考でアピールになるのか理解しよう
- ①英語が堪能・海外経験がある
- ②個人として突出した成果を出したことがある
- ③リーダシップを発揮した経験がある
- 商社の選考に向けた対策を5つのポイントで解説
- ①企業研究をすることで各社の違いを明確にする
- ②商社ならではの志望動機を話せるようにする
- ③自己PRで他の就活生との差別化を図る
- ④TOEIC・TOEFLの点数を上げる
- ⑤合格ハードルが高い筆記試験・Webテストの対策を行う
- 商社の面接でよく聞かれる特徴的な質問の対策をしよう
- 「なぜ他の商社ではなくて弊社なのか?」
- 「どの部署でどんなビジネスをやりたいか?」
- 商社に就職したい学生からよくある質問に回答!
- 難易度が高い業界なのでしっかり対策をして選考にのぞもう
商社業界の理解を深めて選考対策をしよう
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。
「商社って具体的にどんな仕事をしているのかイメージがつかない」
「どんな対策をしたらいいかわからない」
多くの就活生が商社業界に魅力を感じ、こうした相談におとずれます。商社は就活生からの人気が高く、選考の難易度も高いので、しっかりとした対策が必要です。
商社の選考通過率アップのためには、まずビジネスの内容をきちんと理解することからはじめましょう。商社は扱う商材が多岐にわたるため内容をイメージしづらいですが、クリアに理解することができれば志望動機の具体性もぐっと増します。
この記事では商社の仕事内容や魅力を伝えた上で、選考対策も解説します。「自分はどんなところが商社に向いているか」「自分の魅力や希望をどうやって商社で実現できるか」を考えながら読む進めましょう。
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まずは商社業界の全体像を把握しよう
就活生の中には普段の生活で商社を身近に感じる人は少ないかもしれません。商社は、実はわたしたちの暮らしに密接に関わっている業界なのです。例えば普段食べているカップラーメンは、商社が小麦粉などの原材料を集めてきて、それを食品メーカーが加工することでつくられています。
まず商社業界のイメージがつかないという人もいるかと思いますので、業界の全体像を理解しましょう。
商社は総合商社と専門商社にわけられる
商社とはモノの売り買いを中心としたビジネスをおこなう会社を指し、総合商社と専門商社に分類できます。商社業界を志望するうえでは、まずそれぞれの違いを把握することが必須といえるでしょう。
総合商社とは取り扱う商材が多岐にわたる商社を指しています。「カップラーメンからロケットまで」という言葉で表現されるほどに、エネルギー・金属、電力・インフラ、食料などのさまざまな領域に進出しています。
一般的に総合商社とは大手商社7社のことを指します。なかでも5大商社と呼ぶときは「三菱商事」「三井物産」「住友商事」「伊藤忠商事」「丸紅」の5社を指し、さらに「双日」「豊田通商」を加えた場合は7大商社と呼ばれます。また、財閥を流れをくむ「三菱商事」「三井物産」「住友商事」の3社を財閥系商社、その他を非財閥系商社と呼ぶこともあります。
7大商社についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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一方で、特定の商品カテゴリーに特化している商社は専門商社と呼ばれます。専門商社は鉄鋼、食品、繊維などの領域に特化して貿易事業を営んでいます。詳しく見ていきましょう。
財閥系と非財閥系
商社の企業研究で耳にすることがあるのが、財閥系と非財閥系という言葉。 現在ではあまり財閥という言葉は使わずに単に「グループ」と表現することが多いですが、 商社を目指すうえでは知っておいて損はないので、予習しておきましょう。
財閥とはお金持ちの一族が経営する伝統的な巨大企業グループのこと。とくに規模の大きい三井財閥、三菱財閥、住友財閥、安田財閥を4大財閥と呼びます。例えば三井グループには三井物産、三井住友銀行、東レ、東芝などの大企業が属しています。
伊藤忠商事や丸紅は財閥の流れをくんでいない総合商社です。 財閥系商社(特に三菱・三井)は強固な資本力を生かして資源投資にいち早くとりくんできたので、資源分野が強い傾向があります。
専門商社についてはこちらの記事で解説していますので、参考にしてみてくださいね。
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専門商社は特定分野に特化した事業をおこなう企業と企業の架け橋となる存在です。この記事ではキャリアアドバイザーが、総合商社との違いを踏まえて専門商社の特徴や選考対策について解説します。志望動機作成のコツや例文も紹介するので役立ててくださいね。
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高い人気を誇る商社! 就職ランキングを紹介
商社業界は毎年学生の人気が高いことで知られていて、しっかりと選考対策をすることが大切です。
文化放送キャリアパートナーズの就職情報研究所による「2025年入社希望者 就職ブランドランキング調査」では2025年卒業予定の大学生・大学院生を対象にした就職人気の高い企業を発表していますが、大手商社が上位にランクインしています。
商社は貿易立国である日本経済の中核を担ってきた
商社が昔から根強い人気があるのは、日本経済の中核を担い、日本企業の中心的な存在だったということもあります。商社の歴史を少しだけ振り返ってみましょう。
まず日本の商社の起源は江戸時代の末期に坂本龍馬が設立した亀山社中だと言われています。第二次世界大戦後には商社は鉄鉱石、原油、石炭などの資源を国外から輸入することで、日本の高度経済成長に大きく貢献しました。商社は貿易立国として成長をとげた日本経済の中核を担うと同時に、日本企業が海外に進出する際の牽引役としての役目も果たしていました。
事業を拡大するにつれて取り扱う商品を多角化した商社が総合商社として確立し、業界内でのM&Aが進んだ結果、現在の総合商社7社の体制ができあがったのです。
総合商社7社のそれぞれの違いを理解しよう
「総合商社7社の違いってなに?」と思う人もいるかもしれません。実は総合商社は7社とも取り組んでいるビジネスモデルに違いはほぼありません。一方で、会社の規模や事業の領域、社風などに違いがあります。
野球におきかえて考えてみると、巨人もソフトバンクも阪神もやっていることは野球で同じですが、戦力やチームの文化などに違いがありますよね。それと同じだと考えるとわかりやすいはずです。それでは詳しく見ていきましょう。
総合商社7社の純利益を推移を見てみよう
各社の利益規模を把握するために、直近7年間の各社の純利益を示した以下のグラフを見てみましょう。
就活生
キャリアアドバイザー
まず純利益は16年度から4年間三菱商事がトップを維持していることがわかりますね。また、伊藤忠商事がトップに迫る勢いで業績をのばしていることもわかります。
就活生
15年度は各社利益が悪化していますが何があったのでしょうか?
キャリアアドバイザー
15年度は資源の価格(石油の価格など)が大きく下がった年だったので、資源比率の高い三菱・三井は大きな打撃をうけました。
総合商社はある領域が不況になったとしても、他の領域が好調であれば不況の領域の埋め合わせができるので、専門商社に比べると業績が安定しやすいと言われています。
しかし、資源分野(エネルギー・金属など)はビジネスの金額規模が大きいので、不況になると全社に与えるマイナスインパクトが大きく、非資源分野(繊維や食品など)に比べてハイリスクハイリターンだと言われています。
そのため、商社業界では各社の利益の安定性を評価するために、各社の「資源」と「非資源」の比率に着目することが多いので、企業研究でもその視点でみてみましょう。
減損処理とは??
「減損」とは専門的な会計用語ですが、多くの事業投資を行っている総合商社業界では頻繁にでてくるワードなので、ぜひとも押さえておきたい言葉です。上のグラフで15年度の三菱商事・三井物産、19年度の丸紅は大幅に収益が悪化していますが、いずれも減損が大きな影響を与えているのです。
総合商社は会社や権益に対して投資を行っていますが、投資先の会社や権益の価値が減少したときに損失を計上することを減損処理と呼びます。
例えば、石油権益に投資をした後に石油の販売価格が大幅に下落したり、地下に眠っている石油の量が想定よりも少ないことが判明したりすると、投資した資源から十分なお金を回収できないと判断し、減損処理をおこなうのです。
得意な事業や社風の違いをチェック!! 総合商社7社を比較しよう
総合商社は利益の規模だけではなく、それぞれ得意な事業や社風、歴史に違いがあります。あなたに合っている会社がどこなのか考えながら読み進めてみてください。
また、どの会社も創業からの歴史が長いので、色々調べてみると歴史が好きな人にとっては面白いのではないでしょうか。
三菱商事:業界のリーディングカンパニー
三菱商事は三菱グループのネットワークを生かした幅広い事業、強固な財務体質を誇り、特にLNG・天然ガス、石炭や鉄鉱石などの資源領域で強みをもちます。
三菱商事は日本最大級の総合商社として業界をリードする存在です。三菱UFJ銀行、三菱商事、三菱重工業の3社を「三菱グループ御三家」と呼び、三菱グループの中核を担っています。
社風としては「組織の三菱」と称されることもあり、商社のなかでもとりわけ組織力が強いことが特徴です。仕事をするうえで協調性やチームワークが重視されると言われています。
特に優秀な社員が多いといわれ、外資系投資銀行や戦略コンサルから中途入社をするような人も少なくありません。
知っておきたい三菱商事の歴史
三菱商事の源流は、坂本龍馬の海援隊の流れを受け継いで岩崎弥太郎が設立した九十九商会にあると言われています。第二次世界大戦後にはGHQの財閥解体によって解散しましたが、1954年に新発足して現在に至っています。
- 設立:1950年
- 連結純利益(23年度):9,640億円
- 時価総額(2024年3月時点):約14.2兆円
- 平均年収:2,090万円
- 社員数(単体):5,421人
伊藤忠商事:非資源に強みをもつ非財閥系の雄
伊藤忠商事はみずほグループ(芙蓉グループ)に属する非財閥系で日本最大の総合商社です。江戸時代後期に近江商人の伊藤忠兵衛が繊維の卸売業をはじめたことが起源で、もともとは関西の繊維商社でした。
伊藤忠商事は総合商社のなかでは非資源領域が収益に占める比率が最も高く、繊維、食品、IT領域などに強みを持っていることが特徴です。非資源領域の事業は資源価格の乱高下の影響を受けないため、収益を堅調に伸ばしながらいま最も勢いのある商社となっています。
社風としては「個」の力が強いことが特徴だと言われることが多いです。いわゆる体育会系で熱量のある人が多いイメージではないでしょうか。また、業界でいち早く残業禁止や朝方勤務のルールを導入するなど、革新的な制度を取り入れることにも積極的です。
知っておきたい伊藤忠商事の豆知識
「不毛地帯」という小説を知っているでしょうか?「白い巨塔」「華麗なる一族」で有名な山崎豊子がかいた総合商社を舞台にした小説で、何度かドラマ化もされています。
不毛地帯の主人公は、伊藤忠商事の元会長の瀬島龍三がモデルだと言われています(諸説あり)。商社志望の人は読んでみると学びが多い作品です。
- 設立:1949年
- 純利益(24年度):2,066億円
- 時価総額(2024年8月時点):約12.2兆円
- 平均年収:1,730万円
- 社員数(単体):4,200人
三井物産:資源に強みをもつ超名門の総合商社
三井物産は三井グループの中核を担う総合商社で、三菱商事と肩をならべて戦前から大きな影響力をもっています。
三井物産は金属やエネルギーなどの資源の分野に特に強みをもっています。特に原油の生産権益量は商社の中ではダントツです。資源分野は資源価格の乱高下の影響を受けやすいことから、近年は非資源分野の領域にも積極的に投資をしてポートフォリオのバランスを取ろうとしています。
「組織の三菱」に対して「人の三井」と言われるように、個々人の長所が発揮しやすい自由な社風であると言われており、優秀で魅力的な人が特に多い傾向があります。
知っておきたい三井物産の歴史
三井物産の源流は明治初期に井上馨らによって設立された先収会社にあります。1890年代にはすでに総合商社としての形態を整えていました。戦後の財閥解体によって一度は解体されますが、その後前身となる第一物産が設立し、1959年に現在の三井物産が誕生します。
- 設立:1947年
- 純利益(20年度):10,636億円
- 時価総額(2024年8月時点):約9.45兆円
- 平均年収:1,899万円
- 社員数(単体):5,494人
住友商事:堅実な社風のエリート集団
住友商事は住友グループに属する総合商社です。住友グループには三井住友銀行や住友金属鉱山などの企業が属しています。
住友商事の特徴は他商社に比べてメディア・デジタル、生活・不動産領域の収益が大きいことです。財閥系の商社であるものの三菱・三井と比べると資源投資では後発で、金属資源では非鉄が主力の事業となっています。
社風としては「石橋をたたいても渡らない」と表現されるほどリスクに慎重で、堅実な社風だと言われています。真面目で誠実な社員の方が多い傾向があります。
知っておきたい住友商事の歴史
住友財閥は戦前から三菱財閥・三井財閥と肩を並べる巨大財閥でしたが、戦前には商社がありませんでした。住友商事は戦後に本格的にスタートした商社であることから「遅れてきた商社」と呼ばれていた時代もありました。社名が住友商事株式会社になったのは1952年です。
- 設立:1919年(※源流の大阪北港株式会社の設立)
- 純利益(24年度):3863億円
- 時価総額(2024年8月時点):約4.2兆円
- 平均年収:1,606万円
- 社員数(単体):5,020人
丸紅:電力や穀物に強みをもつ非財閥系の巨大商社
丸紅はみずほグループ(芙蓉グループ)に属する業界5位の総合商社です。丸紅の創設者は伊藤忠商事と同じく、江戸時代後期の近江商人・伊藤忠兵衛です。
丸紅は電力、穀物、紙パルプの分野で強みをもっています。電力事業では特に中東や東南アジアの発電所建設・運営が得意です。
社風としては、社員数が比較的少ないため若いうちから積極的に責任のある仕事をすることができると言われています。他の大手商社に比べて若手に仕事を任せてながら成長を促進する傾向が特に強いです。他の商社に比べると、おだやかな雰囲気の社員が多いという声もあります。
知っておきたい丸紅の歴史
丸紅は1960年代に三菱商事・三井物産と並んで「スリーM」と呼ばれ、業界を牛耳る存在でした。また、丸紅は1976年に戦後最大の汚職事件とよばれるロッキード事件に深く関与していたとして世間をにぎわせたことでも有名です。アメリカの航空機メーカー・ロッキード社から日本政界へ賄賂が渡され、当時の首相の田中角栄などが逮捕された大事件でした。
- 設立:1949年
- 純利益(24年度):4,714億円
- 時価総額(2024年8月時点):約4.2兆円
- 平均年収:1,594万円
- 社員数(単体):4,337人
双日:「New way, New Value」を掲げる挑戦的な総合商社
双日は2003年に日商岩井とニチメンが統合して誕生した総合商社です。名前の由来は、日商岩井の「日」とニチメン(日綿)の「日」を合わせた「二つの日」からきています。日商岩井の源流である鈴木商店は、第二次世界大戦前は日本一の総合商社でした。
双日は特に航空機産業で強みをもっていることが特徴です。合併によって双日が誕生した後は、経営体質の再建が完了するまでにしばらく時間がかかりましたが、近年は黒字を保ちつつ収益は堅調に推移しています。
「New way, New Value」というコーポレートスローガンを掲げており、他の総合商社よりも創業から年数が経っていないため、ベンチャー気質がある挑戦的な社風だと言われています。
- 設立:2004年
- 純利益(24年度):1,008億円
- 時価総額(2024年8月時点):約0.8兆円
- 平均年収:1,247万円
- 社員数:2,620人
豊田通商:トヨタグループの巨大総合商社
豊田通商はトヨタグループの総合商社です。1948年に設立された後、自動車関連事業を主軸に成長を遂げてきましたが、自動車以外の分野への多角化を目指して2000年に加商、2006年にトーメンを合併します。
収益は自動車関連事業を中心に安定的に推移しています。2017年にはアフリカ関連の事業を集約する形でアフリカ本部を新設し、アフリカ事業に力を入れていることも特徴です。
- 設立:1948年
- 純利益(24年度):958億円
- 時価総額(2024年8月時点):約3兆円
- 平均年収:1,180万円
- 社員数(単体):2,607人
自己分析をするならツールを使って簡単に済ませましょう
自分の弱みは言語化できても、強みを言語化できない人も多いでしょう。
そんな時は「自己分析ツール」がおすすめです。このツールを使えば、簡単な質問に答えていくだけで選考で使えるあなたの強みを言語化できます。
自分の強みがわからない人は、今すぐ診断してみましょう。
総合商社は地域ごとにも強い・弱いがある
総合商社の特徴を比較するとき、各社の得意としている事業領域の違いで分析されることが多いですが、実は地域ごとにも各社強み・弱みがあります。
例えば、伊藤忠商事は中国、三井物産はブラジル、双日はベトナムでのプレゼンスが特に高いことで有名です。
各社のIR情報から、地域別の投資金額・エクスポージャーなどを分析することができれば、このような違いにも気づくことができるでしょう。
最新動向をチェック!! 総合商社が注力するITやデジタル化の推進
総合商社が長年にわたり得意としてきた事業領域は「エネルギー・金属」「化学品」「電力・インフラ」などの比較的重厚長大な産業が中心でした。
しかし、近年AIやIoTなどの新技術を活用した新たなビジネスが続々と登場していることから、総合商社でもITやデジタルを専門にした部署が立ち上がり、各社新しいビジネスに取り組む戦略を掲げています。
三菱商事は2018年に社内にデジタル戦略部、三井物産は2019年にデジタル総合戦略部を設置。住友商事2018年にグループのデジタル化を加速するための「DXセンター」を立ち上げています。また、2019年に伊藤忠商事はデジタル技術などを活用して新ビジネスを創出する「第8カンパニー」を、丸紅も同年に「次世代事業開発本部」という新本部を設立しています。
代表的な専門商社を把握しよう
専門商社は取り扱う商品の分野によってさまざまなカテゴリーにわけられます。また、独立して事業を行っている「独立系」、総合商社の傘下にあたる「総合商社系」、主にメーカーの商品を販売している「メーカー系」と、商材とは関係なしに事業の形態で分類されることもあります。
上記の図では商品カテゴリーごとの大手専門商社を紹介しています。
例えば、鉄鋼商社ではメタルワン、伊藤忠丸紅鉄鋼、JFE商事などが大手です。また、食品商社では三菱食品や国分グループなどが業界トップとして有名です。
専門商社は各社ともに取り扱っている商品が異なるため、社風や文化は企業ごとに異なります。各社の特徴を知るためのおすすめのやり方をいくつか紹介します。
- HPから財務諸表や中期経営計画を確認する
→各社の得意・不得意な事業領域や、花形の部署の仕事を把握する - OB・OG訪問をする・インターンシップに参加する
→各社の社風や仕事内容を理解する - 会社の個別説明会に参加する
→各社の社風や仕事内容を理解する
キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
私が商社志望の学生さんとお話する際は「商社でやりたいことは何ですか?」と必ず質問しています。
「商社で明確にやりたい事業領域がある」ような人には専門商社をおすすめしており、「興味のある特定の事業領域はないが、商社ならではの仕事内容に興味がある」という人には総合商社をおすすめしています。
総合商社には商品ごとにたくさんの部署があるので、明確にやりたい事業領域がある人が総合商社に入ると、希望の部署に配属されないリスクがあります。やりたいことが決まっているならば、その領域の専門商社のほうが希望通りの仕事ができる可能性は高いです。
しかし、総合商社はプロジェクトの規模が大きく、仕事のインパクトや責任をより感じられるという魅力があります。学生さんによっては「やりたいことが決まっていて、なおかつ大きな仕事がしたい」という人もいるので、その場合には総合商社をおすすめすることもあります。
鉄鋼商社については、こちらの記事で詳しく解説をしています。課題や将来性なども紹介しているので、興味のある人はぜひ参考にしてくださいね。
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鉄鋼商社は産業の中核を担う存在で、近代の社会にはなくてはならない仕事です。伴って規模も大きく、就職先としても根強い人気を誇るため、就職を目指すなら入念な対策が必要です。この記事ではキャリアドバイザーのアドバイスを交えつつ、人気企業から業界全体の課題、今後の展望などを詳しく解説。志望動機の作り方もまとめているので、ぜひチェックしてくださいね。
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商社のビジネスモデルを理解しよう
業界にどのようなプレイヤーがいるのか理解することで、全体像がつかめたのではないでしょうか。しかし、これだけでは商社がどんなビジネスをしているのかイメージができないですよね。
商社のビジネスモデルには「トレーディング」と「事業投資」の2つがあります。あなたはどちらのビジネスをやりたいと思うでしょうか? 2つのビジネスの特徴を把握することで、商社の仕事のイメージがよりクリアになるはずです。
トレーディング:グローバルに貿易の仲介を行う
商社の根幹にある「モノを買ったり売ったりする」仲介ビジネスのことをトレード、またはトレーディングと呼びます。
トレーディングの基本は原材料などを仕入れて製造メーカーに販売し、中間マージンを稼ぐことです。例えば、化学品の原材料となる原油を80ドルで仕入れて、化学品メーカーへ100ドルで販売すると20ドルのマージンが得られます。
トレーディングのビジネスを考える場合には、よくバリューチェーンという言葉を使います。バリューチェーンの上流とは一般的に原材料の生産・調達を指し、下流とは製品の製造販売などを指します。商社のトレーディングはバリューチェーンの下流よりも上流を主戦場にしているケースが多いです。また、国内での取引も当然ありますが、国をまたいでグローバルな舞台で行われることが多い点も特徴です。
専門商社はトレーディングがメインのビジネスです。商社で事業投資を行っているのは主に総合商社であることを覚えておきましょう。
事業投資:会社や権益に投資をする
総合商社はトレーディングを軸に戦後急速な発展を遂げてきますが、1980年代には高度経済成長を経て大企業となった一部のメーカーなどが、商社を通さずに独自で原材料の調達に乗り出します。
そこで、トレーディングで稼ぐことが難しくなった総合商社は、この頃から「事業投資」をするようになります。事業投資とは、トレーディングで稼いだ資金をもとにして、会社や権益に出資をすることです。それまでは仲介ビジネスを主に行っていた商社が、原材料を生産する権益や商品を製造する会社に資金を入れて、そこから収益を獲得するビジネスを始めます。
例えば、三菱商事や三井物産は天然ガスや鉄鉱石などの資源の権益に特に多額の資金を投資しています。これは資源を仕入れて販売するトレードビジネスとは異なり、資源を生産する立場としてプロジェクトに参画することを指します。
以下の図は典型的なLNGプロジェクトへの投資イメージを示したものです。LNGのような大規模なプロジェクトの場合、共同出資者や銀行など、さまざまな関係者との協力関係が必要になります。
現在では総合商社の主力ビジネスはトレーディングよりも事業投資です。トレーディングも引き続きおこなっていますが、本社から子会社に商権を移管するなどして、本社は事業投資に注力している傾向があります。
総合商社は事業の経営にまで関与している
会社や権益への出資比率が高くなると、事業の重要な意思決定に関わったり役員を派遣することができるようになり、経営に直接関与するようになります。
総合商社は事業投資をするだけではなく、投資先の会社の経営に深く関与することで、投資先の収益を高めることにも積極的です。このようなビジネスを事業投資と区別して「事業経営」というような表現をすることもありますが、事業経営は基本的に事業投資の延長にあると考えるとわかりやすいです。
商社の具体的な業務内容は2つの切り口で考えるとわかりやすい
商社がおこなっている「トレーディング」と「事業投資」の違いについて説明しましたが、これだけでは実際に商社パーソンがどのような業務をしているのか、イメージするのは難しいのではないでしょうか。
つぎに業務の内容を2つの切り口で解説したいと思います。業務の内容を理解することで、商社で働くイメージがもっと具体的になるはずです。
①部署の違い:営業職とコーポレート職
1つ目の切り口は部署の違いです。商社の部署は大きく営業とコーポレートの2つにわけられます。
営業部署
営業部署とはビジネスを行い利益をあげることを目的としている部署の総称です。営業部署の中でも直接お客さんと毎日商談をしている部署もあれば、事業企画のように事業の戦略を考えたりしている部署も存在するので、営業といっても幅広いです。
総合商社では基本的に「電力」「エネルギー」「食料・食品」というように取り扱う商品カテゴリーごとに営業部のグループがわかれています。それぞれの商品カテゴリーの営業グループの中に、トレーディングを担当しているチームもあれば投資を担当しているチームもあります。
商社に欠かせない営業との適性は、こちらの記事で考えてみるのも良いですね。
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- 商品を顧客に届けるための船の手配
- 投資するかどうか検討中のプロジェクトの評価
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コーポレート
コーポレート部署とは、財務部、経理部、法務部、人事部、総務部、経営企画部、広報部、などの総称で、営業部署への専門的なアドバイスをする部署を指します。
例えば、財務部の業務例には次のようなものがあります。
- 営業部署が必要としている資金の調達
- 海外通貨と日本円の為替リスクの管理
- 投資を検討している営業部署に対する財務的なアドバイス
経営企画についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてくださいね。
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キャリアアドバイザーコメント持田 伊織プロフィールをみる
商社パーソンにはコミュニケーションスキルが必要だとよく言われますが、これは営業だけではなく、コーポレートでも同じです。営業だけではなく、コーポレートの部署であっても、社内のさまざまな部署と横断的に仕事をする機会があります。そのため、立場や専門性が異なる人たちと積極的に交流できる人が向いているといえるでしょう。
また、コーポレートは営業部のサポートをすることもあれば、時として彼らをけん制することもあります。例えば、営業部が投資案件を検討しているときに、「投資しても本当に大丈夫なのか?」という視点でチェックをするのがコーポレートの役目です。
案件にリスクはつきものですが、表面的にはなかなか見えてきません。経理部であれば会計のプロ、財務部であればファイナンスのプロとして、潜在的にひそむリスクを冷静に見極め、会社へ提言する必要があります。そのため、クールな観察眼や判断力をもっている人が向いているポジションといえるでしょう。
②職種の違い:総合職と一般職
2つ目の切り口は職種の違いです。商社で働いている正社員の職種は主に「総合職」と「一般職」にわけられ、業務内容や給料などの待遇が異なります。
総合職というのは企業の中心となる業務を行い、将来の管理職として期待されるポジションです。商社の場合は営業や事業企画など、ビジネスの基幹となるような業務を行うことになります。
一般職とは一般事務などの定型的・補助的な業務を行う職種で、総合職の仕事をサポートするポジションになります。商社の場合は、貿易事務や営業事務などの業務がメインになります。一般職は海外駐在は基本的にありません。
商社の一般職の詳しい仕事内容はこの記事で紹介しています。
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人気の理由を知ろう! 商社で働く4つの魅力
商社の仕事のイメージが明確になってきたのではないでしょうか。
なんとなく商社パーソンは「世界を飛び回っていてかっこいい」というようなイメージをもっている学生も多いかもしれませんが、なぜ商社が就活生に人気の業界なのか、その魅力について4つのポイントで解説していきます。
①グローバルな環境で仕事ができる
1つめの魅力はグローバルな仕事ができるという点です。
商社のビジネスはもちろん日本国内での取り引きも多数ありますが、特に総合商社では海外を主戦場にしているビジネスの比率が高いです。専門商社も会社によって差はありますが、海外との取引は当然あります。
5大商社の海外拠点数を見ていただくとわかると思いますが、どの商社も海外の拠点数は100近くあり、ほぼすべての主要な国に拠点を構えていると言ってもいいでしょう。
海外駐在や海外出張の機会も多く、文字通り世界を舞台にダイナミックな仕事を経験することができます。
- 丸紅:117拠点
- 三井物産:114拠点(2024年4月1日現在)
- 三菱商事:107拠点(2024年4月1日現在)
- 住友商事:108拠点(2024年3月31日時点)
- 伊藤忠商事:86拠点
②規模の大きな仕事にたずさわれる
2つめの魅力は仕事の規模が大きいということです。これは総合商社の資源や電力・インフラの部署で特に言えることですが、ひとつひとつの仕事の金額規模と社会的に与えるインパクトが大きいことが特徴です。
例えば、電力・インフラビジネスでは途上国の生活を支える発電所や下水道インフラの建設など、社会貢献度の高いプロジェクトが多いです。
エネルギーや金属などの資源ビジネスの場合、一度の投資で投じられる金額の規模は数百億円から数千億円にまでのぼります。特に途上国でのビジネスの場合は、与えるインパクトの大きさゆえに各国の大臣や首相と関わることも珍しくないです。
このように規模が大きく社会的インパクトの大きい仕事にたずさわれることは商社で働く魅力の一つです。
③給料が一般的な企業よりも高い
- 三菱商事:2090万円
- 三井物産:1899万円
- 伊藤忠商事:1730万円
- 住友商事:1606万円
- 丸紅:1594万円
- 双日:1247万円
- 豊田通商:1180万円
商社業界は全体的に他の業界に比べると平均年収が高いことが特徴です。
特に5大商社は各社とも平均年収は1,000万円を超えており、総合職であれば20代のうちから1,000万円をもらうことも不可能ではないです。
専門商社も大手の平均年収は700~800万円と一般的なメーカーなどに比べると高い水準であることが多いです。専門商社の年収は会社の規模に応じて変わってくるのでしっかり調べるようにしましょう。
総合商社の総合職の典型的なキャリアパスは次の通りです。課長・部長などの役職者になれば年収が2,000万円以上になることもあります。
- 20代~30代:現場社員・マネージャークラス
- 30代後半~40代:課長クラス
- 40代後半~50代:部長クラス
- 50代~60代:役員クラス
また、海外に駐在員として派遣される場合は、現地の住環境などを会社側が手配してくれることがほとんどのため、好待遇で生活することができるのも特徴です。
④ジェネラリストとして多様なスキルを伸ばすことができる
商社で働く魅力の4つめは多様なスキルを伸ばすことができるという点です。
商社パーソンは何かの特定の分野のスペシャリストではなく、ビジネスで必要になるあらゆるスキルを全般的に身に着けているジェネラリストだと表現されることが多いです。
商社ではさまざまな業界の関係者や海外のビジネスパートナーとのコミュニケーションを取りながら仕事を進めていく場面が多いです。プロジェクトの運営では営業、会計、財務、法務、など幅広い業務を自分が中心となって進めて行く能力が求められるため、おのずとジェネラリストとしての成長が求められます。
商社を希望する際に注意しないといけない点
商社業界の魅力について説明してきましたが、理想と現実のギャップを感じないために注意すべき点もあります。商社への就職を考える前に要注意の4つのポイントを事前知識として知っておきましょう。
①年功序列の風土が残っている
商社はグローバルに事業を展開していることが特徴ですが、社風が外資系企業のようにオープンであるわけではありません。むしろ伝統のある日本企業が多いので、各社ごとに差はあるにせよ、基本的には年功序列の風土が残っています。
実力主義の評価制度の導入に積極的な会社もあるものの、ベンチャー企業などに比べると若手の積極登用や抜擢人事などが行われる可能性は低いです。
仕事の規模が大きく難易度も高いので、入社してから数年間はいわゆる下積みと呼ばれる地道な仕事をやることも多いです。数年経って実力がついてから華やかな仕事を任せてもらえるようになるため、最初は泥臭い仕事も受けいれて努力することが求められます。
②配属リスクがある
2つめの注意点は配属リスクです。これは商社に限った話ではないかもしれないですが、大きな組織であればあるほど、たくさんの組織にわかれているため、自分の希望していない部署に配属される可能性があります。
もし自分が食料ビジネスをやりたいと明確に思っているにもかかわらずインフラグループに配属された場合、基本的に食料のビジネスに関与することはできません。入社後に部署を異動するパターンもありますが、食料からエネルギー、エネルギーから輸送機のように大きくセグメントを超えて異動ができる頻度はそこまで多くないのが実態です。
しかし、専門商社の場合、例えば鉄鋼商社であれば鉄鋼関連の部署がほとんどのため、鉄鋼ビジネスがやりたい人にとっては配属リスクは低めです。
③ハードワークが求められる
商社の業務では海外の一流企業とパートナーシップを組んだり、日本で有数の優良メーカーに対して営業をしたりすることが多く、仕事の規模も大きいです。おのずと求められる仕事のクオリティは高くなるため、高いプロ意識をもった優秀なビジネスマンが多いです。
商社で活躍するためには高いパフォーマンスと十分なアウトプットが常に求められるということを理解しておきましょう。顧客や上司の要求に応えるために、時としてハードワークが必要になるときもあります。
④転勤・出張が多い
4つめの注意点は転勤や出張が多いという点です。海外とのビジネスが多いので、海外駐在や海外出張は他業界よりも多くなります。
海外駐在の場合はもちろん先進国に赴任する場合もありますが、生活インフラが整っていない発展途上国への赴任になる可能性もあります。一回の駐在の期間はだいたい3年前後くらいになることが多いです。
海外出張でも数か月にわたって現地にはりつく場合もあります。転勤や出張が多く、肉体的にもハードな局面があるということを認識しておきましょう。
自分は当てはまる? 商社に向いている人の特徴を一挙紹介
「自分は商社に向いているのかわからない」という方のために、商社に向いている人の特徴を説明します。もちろんいろいろなタイプの人が働いているので一概に向き不向きを言うことはできないですが、あくまで傾向としては次のようなものが挙げられます。
いろんな立場のまとめるコミュ力が高い人
総合商社・専門商社問わず、コミュニケーションスキルが高い人は向いている業界と言えます。商社の仕事では一つの仕事をやるうえでさまざまな関係者と接点をもつため、立場やバックグラウンドが異なる人たちをうまくまとめ上げるためのコミュニケーションスキルが求められます。
トレーディング業務では仕入れ先・販売先との関係構築が必須ですし、事業投資業務ではいろいろなバックグラウンドをもつ関係者とプロジェクトを進めていきます。時には外国の政府の要人や国営企業との折衝・交渉が必要になることもあるでしょう。また、社外のみならず社内の上司や同僚との密なコミュニケーションも必須です。
周りのひとと良好な関係を構築するのが得意な人にとっては特に活躍するチャンスが多い業界です。
情報収集に積極的な好奇心が旺盛な人
商社の仕事ではトレーディングであっても事業投資であっても情報収集が大切と言われています。
トレーディングであれば業界動向に関する情報を集めながら、将来のマーケットの動きを予測することが大切です。事業投資であれば、政治的な動向、最新のビジネストレンド、長期的な市場の傾向など、さまざまな角度でプロジェクトのリスクや収益性を分析したうえで投資を実行することになります。
好奇心が旺盛な人は常に最新の情報をキャッチアップして分析をしたり、ビジネスチャンスを敏感に嗅ぎとることが得意な傾向があるので、商社の仕事には向いているといえるでしょう。
面接の際も好奇心が旺盛であるという長所をうまくアピールするとよいでしょう。
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ハードな仕事に耐えられる体力・精神力がある人
商社の仕事では体力的にも精神的にもハードなコミットメントが必要になる場面があります。
たとえば入札に参加するようなケースでは、何としても入札の期日まで書類をまとめる必要があるので、直前に残業をして対応するようなことも珍しくありません。国内の法人を顧客に持つような営業部では、顧客との接待が連日続くようなこともあります。出張で長時間飛行機に乗ることも頻繁にあるでしょう。
近年は働き方改革などが進み、昔に比べるとハードな局面は少なくなりつつありますが、基本的には体力や精神力に自信のある人が向いている業界であると言えます。
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商社に向いている人の特徴を説明しましたが、それをふまえて商社の選考でアピールになるスキルや経験を3つ解説します。これは3つすべてを兼ね備えている必要があるわけではなく、どれか1つでも強みとなる経験があれば十分企業に対してアピールになります。
①英語が堪能・海外経験がある
部署にもよりますが、海外営業の部署ではほぼ間違いなく業務で英語を使います。そのため、英語でのコミュニケーションが堪能だと即戦力としての活躍が期待できると評価されやすいことはたしかです。
ただし、英語が得意というだけだとアピールとしてはは弱いです。文化の異なる海外の人たちと協力しながら共通の目的に向かって活動してきた経験や、異国の土地で自身の成長のために努力をしてきたような経験があるとより一層アピールにつながるはずです。
商社の仕事では海外のパートナーと協力しながら発電所や不動産の建設をするような業務もあるので、このような海外経験をもっている学生は活躍してくれるだろうと企業側に評価してもらいやすくなります。
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②個人として突出した成果を出したことがある
商社では責任のある仕事を任せてもらうようになるまでに、最初の数年間は泥臭い仕事をコツコツとやりながら愚直な成長を求められる場合も多いです。また、特に若手のころには肉体的にも精神的にもストレスやプレッシャーを感じることもあります。
例えば体育会の部活で成果を出してきた学生は、体力的にも精神的にも鍛えられていて、困難を乗り超えられる人材であると見てもらえるでしょう。また、大学で自分の専門分野の研究で成果を残した人は、たとえ研究の内容が商社のビジネスに直接関係しない場合であっても、努力を継続することで高い専門性を身に着けることができる人だと評価されるはずです。
個人で他の人よりも優れた結果を残してきた人は、将来的に仕事でも高いパフォーマンスを発揮してくれるだろうと評価されやすい傾向があります。
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③リーダシップを発揮した経験がある
商社にはさまざまなバックグラウンドをもつ関係者、国籍の異なる人たちを一つにまとめながらプロジェクトを推進していくような役割が求められる場面があります。
そのため、部活・サークル活動やアルバイトなどを通じて、自分の周りの関係者を巻き込んできたような経験がある人は、商社の現場でも活躍できるだろうと評価されやすいです。
チームの中で部長やリーダーのような役職が与えられていなかったとしても、自分が課題意識を感じたことに対して周りを巻き込んで行動してきたのであれば十分アピールになるはずです。自分が自発的に周りの人に働きかけながら、仕組み作りや制度の改善をしてきたような人は選考で評価される傾向があります。
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商社の内定者には体育会出身やキャプテン経験のある人が多い、というイメージが持たれがちです。内定者の中には、そのような経験をもった人がいるのはたしかです。ただし、それ以外のバックグラウンドの人でも全く問題はありません。
企業はあなたの「肩書や所属組織の名前」には興味をもっていません。大切なことは「あなたが何を考えて、どのような行動をしてきたのか」というポイントです。
また、あなたの強み・長所が上で紹介した3つのスキル・経験には該当していない場合であっても、しっかりと企業に伝えることができればもちろんアピールになります。例えば、あなたが本当にがんばったことがサポート役として周囲に貢献したことなのであれば、自信をもってそれを伝えるようにしましょう。あなたの本気度を伝えることができれば、中途半端にリーダーシップをアピールするよりも必ず評価してもらえます。
商社の選考に向けた対策を5つのポイントで解説
「商社の選考を突破したい!」という方向けに、選考通過率を高めるための5つの対策を説明します。ここで紹介する対策をしっかりすることができれば、確実に内定に近づくことができます。
①企業研究をすることで各社の違いを明確にする
1つ目の対策は企業研究をしっかりやるということです。意外とちゃんとできている学生は少ないと感じます。
商社はいずれの会社もトレーディングと事業投資を主なビジネスとして展開しており、ビジネスモデル自体はほとんど同じです。しかし、得意・不得意としている領域には各社違いが存在します。一見どの会社がどんな特徴をもっているのかはわかりづらいですが、正確に理解ができれば他の就活生と差をつけることができるでしょう。
各社の特徴を把握することで各社ごとの志望動機の説得力も増すことができます。例えば「繊維をやりたいので伊藤忠商事」「天然ガスをやりたいので三菱商事」というように「なぜ他商社ではなく御社を志望しているのか」という理由を説明しやすくなるはずです。
企業研究を効果的に進めるやり方を紹介します。
- HPから財務諸表や中期経営計画を確認する
→各社の得意・不得意な事業領域や、花形のプロジェクトの内容を把握する - OB・OG訪問をする・インターンシップに参加する
→各社の社風や仕事内容を理解する - 会社の個別説明会に参加する
→各社の社風や仕事内容を理解する
OB・OG訪問の実施やインターンシップへの参加も効果的
企業研究をするために商社で働く社員にOB・OG訪問をしたり、インターンシップに参加することも効果的です。
商社ごとのビジネスモデルには大差がないため、主に違いがでるポイントは各社の事業内容と社風の2つです。社風を知るために最も効果的な方法はOB・OG訪問で社員と話をしたり、インターンシップを通じて職場の雰囲気を肌で感じてみることです。
また、OB・OG訪問やインターンで社員から高い評価を受けることができれば、他の就活生よりも優遇された特別ルートで選考に進めることもあります。ただし、OB・OG訪問やインターンが必須というわけではないので、その点は注意しましょう。どちらも実施せずに選考をうけて内定を獲得する人もいます。
- 普段どのような業務をしているのか。なるべく具体的に。
- 競合他社と比べたときの強み・弱みは。
- 仕事のやりがい、モチベーションは。
- 今後はどのような仕事をやっていきたいと考えているのか。
- どんな学生に入社してもらいたいと思うか。
OB・OG訪問、インターンシップについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
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②商社ならではの志望動機を話せるようにする
なぜ商社を志望するのか志望動機を考えましょう。自分の過去の経験から、なぜ商社で働きたいのか軸の通った説明を組み立てる必要があります。
ここで注意しないといけない点はメーカー等ではなく、商社でなければならない理由を明確にするということです。例えば、電力の仕事がしたいと志望した場合に、企業の面接官はなぜ電力会社ではなくて商社なのか?という疑問をもちます。この場合は、電力の仕事をしたいけれども、電力会社ではなく商社を志望している理由を説明する必要があります。
商社の内定を獲得する人は
- グローバルな仕事がしたい
- 規模が大きな仕事がしたい
- チームで協力して大きな目標を達成したい
というような志望動機をもっている人が多い印象です。
私は途上国におけるインフラの開発プロジェクトを担当したいので、御社を志望しています。私は大学時代に1年間インドネシアに留学をしていました。日本と比べると下水道や交通インフラが整備されておらず、日常生活で苦労することが多かったです。その経験から、途上国でインフラを整備する仕事は人の暮らしを豊かにする価値のあることだと痛感したため、御社でインフラ開発をしたいと考えています。
途上国での自らの経験をもとに、「途上国の課題を解決するために」商社で電力・インフラプロジェクトをやりたいと説明しています。
私は社会的貢献度の高いインフラ事業をやりたいので御社を志望しています。大学の研究室で海水を淡水化する技術について研究していました。自らの勉強した知識を生かして、インフラ事業に関わりたいと思っているので御社で活躍したいと考えています。
インフラ事業をやりたい気持ちは伝わるが、なぜ商社なのかが伝わってこないです。プラスアルファの要素を加えることでもっと説得力が増すはずです。
志望動機の作り方についてはこちらの記事で詳しく説明しているのでぜひ参考にしてみてください。
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③自己PRで他の就活生との差別化を図る
商社の選考で評価されるスキルや経験は上記の「どんなスキルや経験が商社の選考でアピールになるのか理解しよう」の項目で解説しました。
- 英語が堪能・海外経験がある
- 個人として突出した成果を出したことがある
- リーダシップを発揮した経験がある
という3つのスキル・経験について説明しましたが、自分の過去の経験をふりかえってこのようなアピールにつながるエピソードがないか考えてみましょう。また、選考までに時間がある場合は新たな経験を積むために何か新しい取り組みをはじめてみることもいいと思います。
以下はエピソードの簡単な例ですが、このような経験を深掘りして「自分がどのような困難を乗り越えてきた人間なのか」「会社に入ってからどのような力を発揮できる人材なのか」を面接でアピールできるように準備することが必要です。
- 「テニスサークルのキャプテンとしてメンバーの練習参加率の向上にとりくんだ」
- 「大学で農業に関する研究を行い、学会で賞を獲得した」
自己PRについてはこちらの記事でさらに詳しく解説していますので、ぜひ合わせて確認してみてください。
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自分と同じタイプの就活生との競争に勝つ必要がある
商社に限らないですが、企業側はなるべく多様な新卒人材を採用しようとします。そのため、学部が文系だから有利、理系だから不利というようなことは基本的にはないです。たとえば、経済学部生ばかりを集中的に採用するようなことありません。
別の言い方をすると、自分が経済学部であれば選考で他の経済学部生と比較される傾向があるということなので、自分と同様なバックグラウンドをもつ就活生との競争に勝ち抜くという意識をもつことが大切です。
キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
商社の選考では何か資格をもっていると有利に働くという話はあまり聞きません。選考では「入社時点で何ができるのか」というポイントよりも「入社後に活躍してくれるか」というポテンシャルに重きをおかれる傾向が強いです。
語学力ももちろん入社時にあったほうが望ましいですが、内定者のなかには入社時に全く外国語ができない人もいます。そのような学生は「語学は入社後に習得してくれるだろう」とポテンシャルを評価してもらっているのです。
しかし、資格がデメリットになることは当然ありません。プラスに働くことのほうが多いでしょう。ただし、資格の名前や資格そのものが重要なわけではありません。「なぜその資格をとったのか」「その資格をとるためにどのような努力をしたのか」というポイントをうまく伝えられれば、あなたの人間性が企業に伝わってアピールになるはずです。
④TOEIC・TOEFLの点数を上げる
英語を使う機会が多い商社業界では、TOEICやTOEFLの点数が高いと選考で有利に評価されます。
選考ではTOEIC・TOEFLの足きりの点数などが設けられていることは特にありません。ただし、英語力を自分の強みとしてアピールしたいのであればTOEIC 800点~900点以上が求められるでしょう。正直な話をするとTOEICが700点台だと総合商社の選考ではほとんどアピールになりません。
英語の実力を伸ばすには一定以上の時間が必要です。選考まで時間のある人は対策の一環として英語の勉強をすることをおすすめします。
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もちろん英語以外の語学力があることによって、選考のみならず入社後の配属にも好影響を与えることがあります。英語に次いで世界中で利用する人口が多い中国語やスペイン語などは、ビジネスの現場で使う可能性も高くなるので評価されやすいでしょう。
例えば、伊藤忠商事では中国語を話せる社員を社内で積極的に育成していることで有名です。
ただし、語学力はアピールになりますが、それだけでは不十分です。語学力があるだけでは商社で活躍することは難しいです。商社パーソンに求められることは、国境を超え、いろいろな関係者をまきこんで仕事をする能力。語学力を生かして、海外の人と一緒に何かに取り組んだ経験や、異国で何かにチャレンジしたような経験を面接ではアピールするように意識しましょう。
⑤合格ハードルが高い筆記試験・Webテストの対策を行う
商社の選考ではエントリーシートを企業に提出した後、面接に進む前に筆記試験やSPIなどのWebテストを受ける場合が大半です。
特に総合商社は志望する学生の数が多いため、このテストで求められる合格点の基準が高いことで知られています。
テストの点数が合格基準に満たないと面接に進むことができなくなってしまいます。合格点の基準は各社で異なりますが、ここで落ちてしまうと非常にもったいないことになるので、事前に余裕をもって対策をしておくようにしましょう。
SPI対策はこちらの記事を参考にしてみてください。
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上記の5つの対策をしっかりすることができれば、内定に近づくことができると思います。これらをきちんとやろうとすると難しいと思いますが、他の就活生と差別化ができるはずなのでがんばってください。就職エージェントに相談してもらえれば私たちが対策のサポートをします。
その他のポイントとしては、大前提としてマナーよく受け答えができるかが重要です。特に商社では入社後にさまざまなお客様とお付き合いすることになるのでマナーは絶対です。できているのが当然なので、できていないとそれだけで減点されてしまいます。
選考のときはもちろん、OB・OG訪問やインターンのときなど、社員と直接話す時があれば常に見られている意識をもちましょう。ハキハキと挨拶をする、背筋を伸ばす、身だしなみを整える、相手の目をしっかり見て話す、会話中は適度な相づちを打つなどは基本的なことです。
どんなに対策をしっかりしていても、話すときに悪印象を与えてしまったらもったいないですよね。基本に立ち返って改めて意識をしてみてください。
商社の面接でよく聞かれる特徴的な質問の対策をしよう
選考の対策を進めていくなかで「実際の面接ではどんな質問が聞かれるの?」と疑問に思う方もいるはずです。
商社の面接では、他の業界・企業の面接でも聞かれるような質問をされることが多いです。ただし、少し注意が必要な特徴的な質問もあります。その質問内容を対策と合わせて説明します。
「なぜ他の商社ではなくて弊社なのか?」
面接官
なぜ他の商社ではなくて弊社を志望しているのですか?
就活生
海外での電力ビジネスをやりたいので、商社のなかで電力に強みをもっている御社を志望しています
面接官
希望の部署以外に配属された場合はどうしますか?
就活生
他の部署でも同様に社会貢献度の高いビジネスができると思うので、一生懸命がんばります
「なぜ他社ではなくうちなのか?」という質問は志望動機の深掘りですが、商社は各社ビジネスモデルに違いがないからこそ回答が難しいです。例えば「グローバルに働きたいから」という志望動機だけだと「他の商社でもいいのでは?」と思われてしまいますよね。この質問に対しては、事業か社風の特徴からアプローチすると答えやすいです。
事業の特徴を軸に答える場合は「電力をやりたいので、商社でもっとも電力に強い御社を志望します」というような形になります。ただし、このような回答をすると「希望の部署以外に配属になった場合はどうしますか?」と追加で聞かれた場合に困りがちです。事業を軸にするときは「たとえ他の部署でも一生懸命がんばります」というスタンスでいることが望ましいでしょう。
社風の特徴を軸に回答したほうが説明しやすいかもしれません。「御社の社員が輝いて仕事をしている姿にあこがれたので第一に志望しています」というような形です。社風を軸にするのであれば、OB・OG訪問などで社員と会った経験があるほうが説得力が増します。
「どの部署でどんなビジネスをやりたいか?」
入社後に何をしたいのか具体的に聞かれることも多いです。この質問に対しては、例えば「食品本部で水産物のトレードをやりたいと考えています」というような回答が想定できます。
しかし、こちらも上記の質問と同じ点を注意しないといけません。希望した部署に配属されない可能性があるので、希望するキャリアがあまりにも限定的だと「それ以外の部署に配属になった場合はどうしますか?」という質問を受けたときに答えに窮しやすくなります。
一方で、キャリアパスが明確だと「自分の軸がしっかりしていてすばらしい」とポジティブに思われる場合もあるので、状況次第ですが追加の質問にも答えられるように準備をしておきましょう。
その他に面接で聞かれる可能性がある質問
上記の2つの質問は特に注意が必要ですが、その他に面接で聞かれる可能性が高い質問のリストを紹介します。どの質問に対してもしっかり答えられるように準備をしておきましょう。
- 志望動機
- 自己PR
- 学生時代がんばったこと
- 大学で何を勉強したのか
- 英語はどれくらい話せるか
- 弊社の企業理念の意味・由来を知っていますか?
- 最近気になるニュースは
- 質問したいことはありますか(逆質問)
以下に上記の質問の答え方を紹介しておきますので、参考にしてみてくださいね。
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商社に就職したい学生からよくある質問に回答!
商社に就職するメリットデメリットを知りたい学生や、商社に就職するために必要なスキルを知りたい学生もいるでしょう。そういった学生からよくある質問にキャリアアドバイザーが回答します。
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商社に就職するメリットとデメリットを教えてください。
商社に就職する際はいくつかのメリットとデメリットがあります。商社に就職するメリットとしては多岐にわたる業務分野を有しているため、多様な経験を積むことができる点があげられます。また国際的な取引が中心であるため、異文化とのコミュニケーション能力も身につけることができるでしょう。
一方でデメリットとしては、競争が激しいためプレッシャーが強くなることも考えられます。時差の関係で残業が増えてしまったり長期の海外出張が発生するなど、プライベートの時間が少なくなる時期もあるでしょう。
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商社に就職するためにはどのようなスキルが必要ですか?
商社に入社を希望する場合、もとめられるスキルや資質は多岐にわたります。たとえば幅広い業界や国との取引をおこなうための高いコミュニケーション能力や、柔軟な思考や異文化理解力が不可欠でしょう。また、商社のビジネスは日々変わる市場の動向を捉える必要があるため、情報収集能力や分析力、決断力ももとめられます。
さらにチームで業務を進めるためのリーダーシップや協調性も重要です。このように商社に就職するには多岐にわたるスキルが必要となるので、過去の経験を振り返り具体的なエピソードを含めてアピールできるようにしましょう。
難易度が高い業界なのでしっかり対策をして選考にのぞもう
商社のビジネスの中身、各社の特徴、選考に向けた対策までまとめて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。業界の全体像や仕事の具体的なイメージがつかめたのではないでしょうか。
グローバルな舞台で社会的なインパクトの大きい仕事に携わる商社の仕事はまさにビジネスマンの花形とも言えます。
人気が高く限られた学生しか内定を勝ち取ることができない業界だと言われていますが、この記事で紹介した対策をすることで必ず内定に近づくことができるはずです。しっかりと対策を行ったうえで選考にのぞみましょう。
このグラフのどんなところに着目すればいいのですか?