目次
- 鉄鋼業界は日本のモノづくりを根幹から支える基幹産業
- 鉄鋼業界の特徴を理解しよう
- 鉄鋼業界の市場規模
- 鉄鋼を製造するメーカーは主に2つ
- 鉄鋼業界のビジネスモデル
- 鉄鋼業界の現状
- 人口減少に伴う内需の減少
- 中国メーカーの台頭
- 2020年度は各社赤字の傾向
- 鉄鋼業界の課題と将来性
- 課題①カーボンニュートラルへの対応
- 課題②海外競争の激化
- 将来性①鉄鋼需要は世界全体で右肩上がり
- 将来性②技術力で世界をリード
- 将来性③積極的な海外進出
- 職種別に紹介! 鉄鋼業界の仕事内容
- 事務系職
- 技術系職
- 鉄鋼業界に向いている人の特徴
- 世界のモノづくりを根幹から支えたい人
- 海外に挑戦したい人
- チームワークを大切にできる人
- 厳しい環境でも乗り越える気概がある人
- 鉄鋼業界の代表的な大手企業
- 高炉メーカー
- 電炉メーカー
- 鉄鋼業界の志望動機で盛り込むべき要素
- ①なぜ鉄鋼業界を志望するのか
- ②鉄鋼業界の中でもなぜその企業なのか
- ③その企業でどのように貢献したいか
- しっかり対策して希望の鉄鋼会社に就職しよう
鉄鋼業界は日本のモノづくりを根幹から支える基幹産業
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。業界研究を進める学生から、
「鉄鋼業界はどうして学生に人気があるのでしょうか?」
「鉄鋼業界は衰退産業と聞いたことがあるけど、これから好転する可能性はありますか?」
という相談を受けることがあります。人口減少による需要の低迷や原料価格の高騰などにより、国内の鉄鋼業界は衰退産業と言われることもありますが、依然として学生の人気は高い業界です。
人気が高い理由は、鉄鋼業界が日本のモノづくりを支える基幹産業だからです。この記事では鉄鋼業界の特徴や現状、課題を紹介します。鉄鋼業界の仕事内容や志望動機のポイントなども解説します。鉄鋼業界を志す学生はぜひ参考にしてください。
鉄鋼業界の特徴を理解しよう
就活生
キャリア
アドバイザー
まず鉄鋼業界の市場規模やビジネスモデルを知ることからはじめましょう!
鉄鋼業界は学生にあまり馴染みがないのではないでしょうか。鉄製品に触れることはあっても、どのように私たちの手元に届いているのかよく分かりませんよね。
まずは鉄鋼業界の全体像を知ることから始めましょう。鉄鋼業界の特徴を説明していくので、就活に向けて鉄鋼業界の理解を深めてくださいね。
鉄鋼業界の市場規模
日本鉄鋼連盟の「 鉄鋼業界の将来性 」によると世界全体の鉄鋼需要量は2019年で17.7億トンにのぼります。2020年は新型コロナウイルスの影響もあり減少しましたが、2050年には27億トン、2100年には38億トンもの需要が見込まれています。これから伸びしろのある産業と言えるでしょう。
国内の市場規模は、出荷額ベースで見ると10兆円台半ばを推移しています。従業員規模は20万人ほどです。粗鋼生産量は2007年度をピークに減少し、近年は1億トン前後で推移しています。2019年度は目安となる1億トンを割り、2020年度は新型コロナウイルスの影響で8,318万トンへさらに落ち込んでいます。
日本の鉄鋼生産量は世界第3位
高度経済成長期に生産量が急拡大した日本の鉄鋼業は、世界一の技術力を武器に今でも世界第3位の鉄鋼生産量を誇っています。かつては中国に次ぐ世界第2位の生産量を誇っていましたが、2018年からインドに抜かれ第3位となりました。
鉄鋼生産量世界第1位の中国は、世界の粗鋼生産量の半分以上を占めています。しかし、その中国で鉄鋼メーカーの再編が起こるなど、国際競争が激しさを増している状況です。
日本の鉄鋼生産量は世界第3位ですが、付加価値の提供に力を入れ、機能性の高い高級鋼材のハイテンという製品を得意にしています。ハイテンは軽く強度が高い鉄で、加工もしやすいことから自動車業界での需要が高まっています。
今後も生産量が大きく上昇することは難しいかもしれませんが、技術力の高い製品を市場に送り出していくでしょう。
鉄鋼業界の動向を予測するためには、密接にかかわっている自動車業界についても確認しておくのが良いでしょう。自動車業界についてはこちらの記事の解説が参考になります。
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鉄鋼を製造するメーカーは主に2つ
鉄鋼を製造するメーカーは、高炉メーカーと電炉メーカーの2つに分かれます。2つのメーカーの大きな違いは鉄の製造方法と扱う原料が異なることです。
ここから高炉メーカー、電炉メーカーそれぞれの鉄の製造方法について解説します。難しく感じるかもしれませんが、扱う原料に注目すると高炉メーカーと電炉メーカーの違いがわかるはずです。
高炉メーカー
高炉メーカーは鉄を作る原料に鉄鉱石やコークスを用いています。鉄鉱石やコークスなどの原料から製鉄し、鉄鋼製品に仕上げるまで一貫して生産するのが高炉メーカーです。
原料から鉄を作るには高炉が必要になります。高炉を使って、原料から「銑鉄(せんてつ)」と呼ばれる炭素分の多い鉄を作ります。次に溶けた銑鉄から不純物を取り出し「鋼鉄」を作ります。鋼鉄を冷やして固めると製品として出荷できる状態になります。
高炉は非常に大きな装置や設備を必要とし、コストがかかります。そのため、高炉を持てる企業は限られており、大手企業に集中しています。
キャリア
アドバイザー
大規模な装置開発や大量の原料を購買するため、スケールの大きな仕事をしたいという人は高炉メーカーはおすすめできますね。
電炉メーカー
電炉メーカーは原料に鉄スクラップを用いて鉄製品を作ります。鉄スクラップとは鉄製品を作るときに出る鉄や鋼のくずや、廃品となった鉄製品のことです。鉄スクラップを電気の熱で溶かし、建造物や乗り物などの骨格部分に利用される普通鋼材を製造します。
一貫生産をおこなう高炉メーカーと比較すると、生産量は少ないものの、生産量を調整できるのが特徴です。
鉄スクラップを溶かすという点では特殊鋼メーカーも類似しています。特殊鋼メーカーはマンガンやニッケル、クロムといったレアメタルを添付して特殊な機能を持たせた鋼材を作るメーカーです。
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近年カーボンニュートラルが話題に挙がっていますが、電炉製法は製造過程でCO2を排出しないため、高炉に比べると環境負荷に優しい製法と言われています。鉄鋼業で環境問題へ貢献したい人は電炉メーカーもおすすめできますよ。
鉄鋼業界のビジネスモデル
鉄鋼業界のビジネスモデルは製造・流通・エンドユーザーの3段階に分かれています。
製造では鉄鉱石や鉄スクラップといった原料を調達し、一次製品である鋼材を製造します。次いで流通では流通・加工がおこなわれます。エンドユーザーでは需要がある各業界へ販売されます。
鉄鋼メーカーは鋼材を製造する「製造」の部分に属しています。流通では総合商社などの一次問屋があり、流通の過程で顧客のニーズに合わせて加工メーカーにて表面処理等の加工をおこなうこともあります。このような過程を経て、エンドユーザーの顧客に鉄製品が届くのです。
なお海外への輸出も多く、国内販売が約60%、海外輸出が約40%となっています。人口減少による日本国内の需要減少が見込まれるため、これから更に海外輸出が増える可能性があります。
鉄鋼商社に関しては、こちらの記事で詳しく解説をしています。課題や将来性なども紹介しているので、興味のある人はぜひ参考にしてくださいね。
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自動車、家電、建築向けの素材を製造する業界
鉄鋼業界のビジネスモデルにあるエンドユーザーの顧客とは、鉄を必要とする自動車、家電、建築業界が中心になります。鉄鋼業界は自動車、家電、建築向けに鉄製品を製造する業界といえます。
鉄を必要とする業界では、業界ごとにニーズが異なります。たとえば自動車業界で求められる鉄は燃費向上を目指して、薄くて軽く、強度が十分にある付加価値の高い鉄製品です。建設業界でいえば、ビルや橋などに大量に鉄鋼を使うため、強度の基準を満たす鉄製品を納期までに納品して欲しいというニーズがあります。
業界ごとのニーズに答えるため、研究開発をおこない、加工メーカーとも協力をしながらニーズを満たす鉄製品を生み出しているのです。
鉄鋼業界の現状
鉄鋼業界は数多くの難題に直面しているといえます。国内外のさまざまな事柄が影響し、舵取りが難しい状況です。ですが少しずつ明るい兆しも見えつつあります。
これから鉄鋼業界の現状について、具体的に解説していきます。鉄鋼業界を志望するうえで欠かせない時事問題ですので、ぜひ鉄鋼業の現状を理解しておきましょう。
人口減少に伴う内需の減少
鉄鋼業界に影響があることとして、国内の人口減少が挙げられます。人口が減少することで、住宅やインフラ、自動車などのニーズも減少していきます。すると、住宅やインフラ、自動車で数多く利用される鉄製品のニーズも低下します。
国内の人口減少に伴い、鉄のニーズが低下し、鉄鋼業界全体の成長を鈍化させていく可能性があります。莫大な維持費がかかる高炉が十分稼働しなくなると、採算が合わなくなります。すると高炉を閉鎖したり、企業同士で合併するなど効率化が必要になってきます。
代表的な例を紹介します。2012年に新日本製鐵株式会社は住友金属工業株式会社を吸収合併し、新日鐵住金株式会社が発足しました。当時、日本国内での業界第1位と第3位の合併という業界再編は大きな話題になりました。
中国メーカーの台頭
中国は世界の粗鋼生産の半分以上を担い、鉄鋼業界のトップを走っています。当然ながら中国国内の鉄鋼メーカーにも勢いがあります。
中国国内で鉄鋼業が成長した理由は大きく2つ挙げられます。
1つは中国国内の旺盛な鉄の需要があったからです。中国では景気刺激策としてさまざまなインフラ整備に投資をおこなってきました。また人口増加が著しく、住宅のニーズも高まっていきました。結果として国内での鉄の需要が大きく伸びたのです。
もう1つは中国国内で鉄の原料となる鉄鉱石や石炭が採掘できたことです。中国は鉄の原料を加工し、国内の需要を満たすとともに海外へ輸出し鉄鋼業界を成長させてきました。
世界粗鋼生産ランキングTop10のうち7社が中国メーカー
鉄鋼業界における中国の勢いを表しているのが、メーカー別ランキングです。メーカー別の粗鋼生産ランキングでは実に7社が世界のTop10に名を連ねています。どのような企業がランクインしているか紹介します。
- 第1位 宝武鋼鉄(中国)
- 第2位 アルセロール・ミタル(ルクセンブルク)
- 第3位 河北鋼鉄(中国)
- 第4位 江蘇沙鋼(中国)
- 第5位 日本製鉄(日本)
- 第6位 ポスコ(韓国)
- 第7位 鞍山鋼鉄(中国)
- 第8位 建竜鋼鉄(中国)
- 第9位 首鋼集団(中国)
- 第10位 山東鋼鉄集団(中国)
なお日本で最大の粗鋼生産量を誇る日本製鉄は第5位となっています。鉄鋼メーカーのランキングを見ても、中国の勢いを感じる結果といえます。
2020年度は各社赤字の傾向
2020年度は新型コロナウイルスの影響もあり、国内の鉄鋼メーカー各社は厳しい決算になりました。特に国内最大手の日本製鉄、第2位のJFEホールディングスともに2年連続で純損益は赤字となっています。
背景として新型コロナウイルスの影響により、自動車などの鉄を用いる製品の需要が落ち込んでしまったことが挙げられます。また鉄の原料となる鉄鉱石やコークスが高止まりしており、鉄鋼メーカー各社の経営に影響を与えています。
新型コロナウイルスの影響は鉄鋼業界にも重くのしかかっており、収益を圧迫することとなりました。
2021年度はV字回復
2020年度は新型コロナウイルスの影響により収益が圧迫された鉄鋼業界ですが、2021年度は回復の兆しが見えています。
背景として、一時的に新型コロナウイルスの影響で減少した国内外の需要が回復していることが挙げられます。また2020年度の業績悪化を受け、コスト削減し、効率的な経営を目指した成果が実を結びそうです。
鉄鋼業界の回復を受け、国内最大手の日本製鉄は大幅に業績が回復する見込みです。2022年3月期の連結事業利益を6000億円と見込んでおり、2020年度比約5.5倍とV字回復の期待が持てます。
キャリアアドバイザーコメント乾 花穂子プロフィールをみる
ここまで読むと、鉄鋼業界にはあまり希望を持てないのではないだろうか?と不安になってしまったかもしれません。しかし、既述の通り鉄道や橋梁など生活するうえで必要なインフラを支える材料の多くは鉄でできていることに着目をしてみてください。
日本の社会インフラの多くは高度経済成長期に整えられました。それから数十年の月日が立ち、近年ではそのメンテナンスや改良工事の必要性が叫ばれるようになっています。確かに莫大な利益を生み出すことは難しいかもしれませんが、社会に必要なものを整える、という意味では非常にやりがいがある業界ですし、今後もなくならないとても大切な事業であると言えるでしょう。
また、鉄は地球重量の約30%を占めており、これは他の金属資源と比べて格段に多いです。このような資源にかかわることができる、と考えるだけで事業のさまざまな可能性を考えることができるのではないでしょうか。
鉄鋼業界の課題と将来性
就活生
鉄鋼業界は現状はかなり厳しいように感じました。将来性はあるのでしょうか?
キャリア
アドバイザー
解決すべき課題はありますが、将来性は明るい業界といえますよ。
鉄鋼業界は厳しい現状にあるように見えますが、実は将来性がある業界です。解決すべき課題はあるものの、世界全体で見ると成長が見込める業界でもあります。
これから鉄鋼業界が解決すべき課題と将来性について解説します。鉄鋼業界への理解を深めていきましょうね。
課題①カーボンニュートラルへの対応
世界的に温暖化現象を抑えるために、カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現に向けた取り組みを表明しています。温暖化現象の要因でもあるCO2の排出量が多い鉄鋼業界では、CO2排出量削減の取り組みが求められます。
鉄鋼業界の各社が参画する鉄鋼連盟では2050年に向けてCO2排出量を実質ゼロにする目標を発表し、取り組みをスタートしています。
1つ目の取り組みは電路を拡充しCO2削減を目指しています。もう1つは新しい技術の導入です。水素還元製鉄などの技術開発を進め、脱炭素の実現に取り組んでいます。
脱炭素、カーボンニュートラルの実現には新技術の開発が必要になり、技術職としてやりがいのあるフィールドといえそうです。
課題②海外競争の激化
先に紹介したように、鉄鋼業界では中国が圧倒的なマーケットリーダーとなっています。その中国では成長が頭打ちになってきており、鉄が過剰供給になる恐れがあります。すると価格が下落し、より一層競争が激しくなるかもしれません。
日本の鉄鋼メーカーは生産拠点を集約して生産性の向上に努めたり、合併などによる経営統合で効率化を図っています。また価格競争に巻き込まれないよう、技術力を活かして、付加価値の高い製品を市場に送り出しています。
海外との競争は激しさを増すでしょうが、日本の鉄鋼メーカーは知恵を絞り、技術力を活かして、生き残りの道を模索しています。
将来性①鉄鋼需要は世界全体で右肩上がり
鉄鋼業界は将来性が暗いように思われがちですが、実は世界全体で見ると成長産業といえます。理由はインドをはじめとした新興国での需要が伸びているからです。
鉄鋼業界の成長を牽引してきた中国の成長は頭打ちですが、インドをはじめ、ASEAN(東南アジア諸国連合)の各国ではこれからインフラ投資を拡大していきます。また人口も増えており、住宅や自動車といった鉄製品への需要は高まっていくことが想定されています。
世界的に人口は増加しており、人口増加とともにインフラの整備や住宅、自動車の供給が必要になります。その際に必要な鉄のニーズも根強くあり、まだまだ成長が見込める業界といえます。
将来性②技術力で世界をリード
中国の成長が頭打ちになると、鉄鋼価格の下落が心配されます。すると価格競争に陥ってしまう恐れがありますが、日本の鉄鋼メーカー各社は技術力を用いた付加価値の高い製品を開発・製造しています。そのため、過度な価格競争に巻き込まれず、一定の利益をあげることができるでしょう。
日本の技術力を活かした代表的な製品が高張力鋼板(ハイテン)です。自動車用ハイテンは高級鋼の1つであり、鉄鋼メーカーと自動車メーカーが協力して作り上げられました。
日本の鉄鋼メーカーの技術開発力が鉄鋼業界のイノベーションをリードしているのです。そのため、世界をリードして日本の技術を広げることに貢献できるでしょう。
将来性③積極的な海外進出
人口減少による国内需要の低下が懸念される日本の鉄鋼メーカー各社は、積極的に海外進出をおこなっています。2021年に発表された日本製鉄の中期経営計画では、インド、ASEAS市場ともに80%増の鉄鋼需要が見込まれています。
旺盛な海外需要に対応するため、海外の生産拠点の整備が求められます。鉄鋼業界各社は海外拠点を確保するため、積極的にM&Aを行い生産拠点を拡大する方向にあります。めぼしいM&A先の開拓や交渉など、海外での活躍の場が増えていくでしょう。
これから鉄鋼業界に就職する学生はグローバルに活躍できる可能性もありそうですね。
キャリアアドバイザーコメント上原 正嵩プロフィールをみる
どのような事業でも課題と将来性の双方を持ち合わせています。どんなに成長産業と言われていても数年後にはどうなっているか誰にも予想ができません。その意味では、鉄鋼業界を受けるかどうかを判断するときには、自分が働くうえで大切にしたい価値観を深めていきましょう。
たとえば単に年収アップを狙いたい場合、年功序列を大切にしたい場合、仕事の成果が目に見える事業に携わりたい場合、転勤がない場合、などによって業界や企業を選ぶポイントは異なります。「鉄鋼業界に入りたい、なぜなら…」ではなくて「〇〇という働き方をしたい、その1つが鉄鋼業界である」という考え方をしてみると、鉄鋼業界以外の選択肢も見えてくるでしょうし、そちらのほうが魅力を感じるケースもあるでしょう。
その業界を受けるべきか迷ったときには少し別の判断軸から物事を考える癖をつけていきましょう。
職種別に紹介! 鉄鋼業界の仕事内容
就活生
鉄鋼業界にはどのような職種があるのでしょうか?仕事内容について知りたいです。
キャリア
アドバイザー
鉄鋼業界には、鉄鋼業界ならではの仕事もあります。どのような仕事があるか解説しますね。
鉄鋼業界の職種は大きく事務系職種と技術系職種に分かれます。営業など業界によらない職種もありますが、仕事内容は鉄鋼業界ならではです。鉄鋼業界の7つの仕事を解説します。自分に合った仕事かチェックしてみましょう。
事務系職
事務系職種と聞くと一般的に文系学部の学生が目指すことが多い職種として、営業や人事、経理といった仕事が思い浮かぶのではないでしょうか。
事務系職種はどの業界でも仕事内容は同じ、と考えられるかもしれませんが、業界ごとに特徴が異なります。同じ仕事でも鉄鋼業界ならではの仕事内容や役割があります。
鉄鋼業界ならではの4つの事務系職種について、それぞれの仕事内容を解説していきます。これから鉄鋼業界を目指す学生は、具体的な仕事内容を把握し、自分のやりたい仕事かどうか照らし合わせてみましょう。
- 営業
- 原料購買
- 生産管理
- コーポレート(人事・財務)
事務の仕事内容について詳しく知りたい人はこちらの記事も確認してみてくださいね。
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営業
営業の仕事内容は商品やサービスを売り込むことが基本です。しかし鉄鋼業界における営業の仕事内容は少し異なります。鉄鋼業界ならではの営業の特徴を2つ紹介します。
1つ目はビジネスチャンスの開拓です。市場のニーズを的確に捉え、新たなビジネスチャンスを探すのも営業の役割と言えます。
2つ目は供給まで責任を持つことです。鉄鋼業界の営業は、顧客のニーズに合わせ製造部門や生産管理部門と連携し、希望する納期に納入されるように調整します。
鉄鋼業界の営業ビジネスチャンスの開拓や供給までのサポートなど幅広い役割を担います。
営業の適性についてはこちらで解説しています。
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原料購買
原料購買は鉄鉱石や石炭など鉄の原料を買い付ける仕事です。製鉄所に届くまで責任を持ち、輸送全体の進捗管理や輸送に必要な船舶を確保するなどの役割も担っています。
それ以外にも安定的に原料を仕入れるため、海外の資源開発への投資を検討・実行したり、権益取得のプロジェクトに携わることもあります。必要に応じて海外へ出張へ行くことがあり、語学力が求められます。
原料がなければ鉄を作ることができません。原料購買の仕事があることで安定して顧客に鉄を届けられており、まさに鉄鋼業界のライフラインと言える仕事です。
生産管理
生産管理の仕事は、主に製品の生産計画を立てたり、製造工程の管理をおこないます。具体的にいうと、以下のような流れになります。
- 需要家の注文情報をまとめる
- 納期に遅れないよう効率的な生産計画を立てる
- 生産計画に基づいて製造部門へ指示出しをおこなう
非常に多くの注文情報をまとめて、納期までに納品できるよう、営業部門、製造部門と細かく連携を取りながら計画を立てる必要があります。生産計画を作る調整力だけでなく、連携する部門とやりとりするコミュニケーション能力が求められる仕事です。
コーポレート(人事・財務)
コーポレートとは、会社の根幹を担う仕事です。会社機能全体の企画や日々の業務をおこないます。具体的な職種は、人事や経理、財務、経営企画といった仕事があります。どの業界、どの会社にも存在する仕事です。
コーポレートの仕事はこれまで紹介した仕事と比べ、業界ごとの違いは大きくありません。しかし、鉄鋼業界はカーボンニュートラルへの対応や海外企業との競争など対応すべき課題が数多くあります。これらの課題に適切に対応するためには、会社の根幹となるコーポレートの支えが不可欠といえます。
コーポレート部門の舵取り次第で鉄鋼業界で生き残れるかどうかが変わってくるといっても過言ではないでしょう。
人事に求められるスキル・適性についてはこちらで解説しています。
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技術系職
一般的に理系学部出身の学生が就職することの多い職種が技術系職種です。イメージしやすい職種として研究職や開発職、技術職が挙げられます。それ以外にも製造技術や設備技術といった製造や生産に関わる仕事もあります。
技術系職種も事務系職種と同様に業界ごとに仕事の内容が異なっています。鉄鋼業界ならではの特徴的な技術系職種を3つ解説していきます。
- 研究開発
- 製造技術
- 設備技術
鉄鋼業界ではさまざまな職種が連携を取りながら顧客のニーズに対応しています。技術系職種を目指す学生だけでなく、事務系職種で鉄鋼業界を目指す学生もどのような職種があるか理解を深めましょう。
技術職についてはこちらで詳しく解説しているので、確認してみてください。
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研究開発
技術系職種の1つ目は研究開発職です。研究開発職は新製品や新技術を生み出す仕事です。多くの人がどのような仕事かイメージを持てるでしょう。では鉄鋼業界の研究開発職がどのような役割を担っているか解説していきます。
鉄鋼業界における研究開発の仕事は、大きく3つに分けられます。
- 鉄鋼商品開発
- プロセス開発
- 利用・基盤技術開発
鉄を必要とする業界は自動車、電機、重工業など多岐に渡ります。それぞれの業界が求めるニーズを実現するために、研究開発の中でも役割分担をおこない、研究開発に取り組んでいます。
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製造技術
どんなに素晴らしい技術を開発しても、あまりに高額な製品であれば顧客は購入してくれません。企業はコストを下げて、効率的に製造することで利益をあげる必要があります。ここで重要な役割を担うのが製造技術の仕事です。
顧客の要望に応じた機能や品質で製品を作るだけでなく、その製品を低コストかつ効率的に製造できるようにするのが製造技術の役割です。単に良い製品を作るだけでなく、コストを抑えつつ、利益に貢献する非常に重要な仕事といえます。
世の中にまだない製品や技術を届けることができるやりがいのある仕事でもあります。
設備技術
設備技術の仕事は製品を作るために工場を建てたり、管理することがミッションとなっています。
設備技術は機械、電機制御、エネルギー、土木・建築の4つの分野に分かれています。それぞれが専門性を持ち、製造設備や工場、インフラの建設から保全業務までを担っているのです。
工場は非常に大きな設備であり、建設や保全には最新鋭の技術が用いられることもあります。自分の知識やアイデアを持ち込み、1つの形に仕上げていくのは設備技術ならではの達成感を味わえる仕事といえます。
鉄鋼業界に向いている人の特徴
さまざまな職種が活躍している鉄鋼業界では、どのような人が向いているのでしょうか。鉄鋼業界に向いている人にはいくつかの特徴があり、入社後も活躍する傾向にあります。どのような特徴があるか、気になりますよね。
これから鉄鋼業界に向いている人の4つの特徴を紹介します。鉄鋼業界を志望する学生は、自分と合っているか確認してみましょう。
世界のモノづくりを根幹から支えたい人
鉄はそれだけで用いることはできません。インフラや住宅、自動車など鉄を用いたさまざまな製品に形を変えることで役立っています。表舞台に立つことはあまりありませんが、鉄がなければできない製品が数多くあります。
世界で使われるさまざまな製品のベースとなるのが鉄鋼業界の生み出す鉄です。つまり、鉄鋼業界は世界のモノづくりの根幹を支えているのです。
世界のモノづくりを支えたいと考える人には志向が合う業界とい言えるでしょう。
海外に挑戦したい人
鉄鋼業界は国内の需要減少によって海外に積極的に進出しています。また原料となる鉄鉱石やコークスを確保するために海外のプロジェクトに参加することもあり、海外で仕事をする機会は多い業界です。
このように鉄鋼業界は海外で仕事をする機会が豊富な業界です。将来、海外で仕事がしたい学生には向いている業界といえます。
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チームワークを大切にできる人
鉄鋼業界は数多くの職種が連携して鉄製品を作り上げています。国内外の事務系職や技術系職、工場で仕事をする現場のオペレーターなど誰か一人欠けてもいけません。
誰かと一緒に仕事をすることに喜びを感じる人は鉄鋼業界の働き方が合うかもしれません。今までの経験でチームワークを大事にしてきた人は鉄鋼業界について調べてみてはいかがでしょうか。
チームワークが重要な業界であるため、「一人で成果を出したい」「一人で仕事がしたい」といった志向の学生にはミスマッチになるかもしれません。
チームワーク力をPRする方法はこちらで解説しています。
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厳しい環境でも乗り越える気概がある人
鉄鋼業界は今、数多くの困難に立ち向かっています。脱炭素に向けた技術開発、海外との競争、国内の需要低下など多方面で解決すべき課題があります。入社後も決して安泰ではなく、これらの課題を解決していくことが求められるでしょう。
課題の多い状況を楽しめる人にとって、現在の鉄鋼業界は非常にやりがいのある環境ではないでしょうか。ぜひ選択肢の1つに加えてみてください。
逆に安定志向の人にとっては現在の環境は合わない可能性がありますので、注意が必要です。
キャリアアドバイザーコメント吉田 実遊プロフィールをみる
特に大手企業に言えることですが、チームワークを大切した経験がある人はぜひアピールしていきましょう。昨今リモートワークなどが主流になっているとはいえ、上記のように鉄鋼業界を始めとする製造業は現場はもちろん営業や管理系など、他部署との連携が不可欠になってきます。必要最低限のことだけおこなえばいい、ではなくてわからないことがあったら積極的に聞きに行く、仕事でかかわりがなくても日頃から隣の部署の人と仲良くしてみる、などチームを大切にする姿勢が欠かせません。
一昔前ですと、喫煙所や飲み会の席でもコミュニケーションを取ったり、休日にゴルフに行ったりと、所謂昔ながらの日系企業の文化が根付いている企業も多く存在していたと言われています。今では時代も変わってきていますが、人と人の信頼関係で仕事が動いていく、という基本はあまり大きく変化はしていません。サークルやアルバイトなどで関係性を構築したエピソードがあればそのスキルを働き始めてからも使えるということを企業に伝えていきましょう。
鉄鋼業界の代表的な大手企業
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鉄鋼業界にはどのような企業があるのですか?
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アドバイザー
高炉メーカー、電炉メーカーに分かれています。高炉メーカーは3社のみですが、電炉メーカーは約60社あります。
学生は馴染みがないかもしれませんが、鉄鋼業界には日本を代表する知名度高い企業があります。これから鉄鋼業界を代表する企業を高炉メーカー、電炉メーカーに分けて紹介します。鉄鋼業界だけでなく、各企業の理解を深め、自分に合った企業選びに役立てましょうね。
高炉メーカー
高炉鉄鋼メーカーは国内に3社しかありません。この3社で国内における粗鋼生産量の約80%を占めており、圧倒的な影響力を持っています。高炉メーカーは2000年以前は6社存在していましたが、合併などによって現在の3社体制に集約されています。
高炉は莫大なコストがかかるうえに、一度休止して火を止めると再稼働まで長い時間を必要としてしまいます。国内需要の減少や資材価格、輸送費の上昇により効率化が進んでいます。
これから日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所の高炉メーカー3社についてそれぞれ紹介します。企業の特徴を把握し、志望する企業を見つけましょう。
- 日本製鉄
- JFEスチール
- 神戸製鋼所
日本製鉄
日本製鉄は粗鋼生産量で国内最大手を誇る高炉メーカーです。世界で見ると宝武鋼鉄集団、アルセロールミタルに次ぐ世界第5位の規模を持っています。
日本製鉄は新日本製鐵と住友グループの鉄鋼メーカーである住友金属工業が2012年に合併して誕生しました。合併当時は新日鐵住金を商号にしていましたが、2019年4月に現在の日本製鉄に商号変更しています。前身となる新日本製鉄は日本国内で2番目に建造された官営八幡製鉄所の流れを汲んでおり、歴史のある企業です。
製鉄事業以外にエンジニアリング事業や化学事業、システムソリューション事業など5つの事業を展開しています。
キャリア
アドバイザー
日本製鉄は官営の流れを汲む企業ということもあり、真面目で論理的に物事を考える社風があります。そのため、論理的思考力は不可欠な要素と言えるでしょう。
JFEスチール
JFEスチールは粗鋼生産量で日本製鉄に次ぐ国内第2位の高炉メーカーです。世界的には第12位の規模を誇っています(2019年)。
持株会社のJFEホールディングスを中心に「JFEグループ」を形成しており、JFEスチールはグループ中核企業として約6割の売上高を占めています。川崎製鉄と日本鋼管が2003年に統合し、JFEスチールが発足しました。
JFEスチールは生産拠点として日本の東西に大型の製鉄所を有しています。その他、パイプの専門工場である知多製鉄所と棒鋼・線材専門工場である仙台工場で構成されています。各生産拠点には研究所が併設されており、最先端の技術研究をおこなっています。
キャリア
アドバイザー
JFEスチールは自由闊達で挑戦を大事にする社風があります。そのため、行動力や自発性が求められるでしょう。
神戸製鋼所
神戸製鋼所は国内第3位の高炉メーカーです。神戸製鋼所の特徴は、大手鉄鋼メーカーではあるものの、鉄鋼事業の比率が低いことが挙げられます。神戸製鋼所は素材部門・機械部門・電力部門の3つの事業を柱にして複合経営をおこなっています。その点で鉄鋼業界の景気変動に左右されにくい経営体質と言えるでしょう。
鉄鋼は素材部門に属しています。神戸製鋼所の鉄鋼事業では、生産量という規模拡大ではなく、特殊用途の付加価値の高い製品の開発に力を入れています。特に線材の分野では自動車向け弁ばね用線材が世界シェア50%を誇っており、「線材の神戸」と名高い地位を確立しています。
キャリア
アドバイザー
神戸製鋼所は社員の個性を大事にする社風があります。そのため、既存の考え方に捉われず、新しい発想やアイデアを出していくことが求められるでしょう。
電炉メーカー
電炉メーカーは主に普通鋼と言われる鉄を製造し、建築土木向けの汎用的な建材を中心に供給しています。原料は鉄スクラップで、生産コストの半分近くが原料の鉄スクラップに費やされています。
普通鋼電炉工業会がまとめた「電炉鋼のシェア」によると国内の粗鋼生産量のうち約75%が高炉メーカー、約25%が電炉メーカーとなっています。粗鋼生産量で高炉メーカー比較するとシェアを拡大していける余地があるため、伸びしろのある業界といえます。
注目されているのは原料に鉄スクラップを用いる点です。環境保護やリサイクルといった観点から鉄スクラップを原料にする電炉メーカーは重要な役割を担っています。
- 共英製鋼
- トピー工業
共英製鋼
共英製鋼は関西を地盤に持つ日本の電炉メーカー第2位の企業です。
共英製鋼では鉄スクラップを主要な資材として鉄筋棒鋼を主とした建設用鋼材の製造を中心におこなっています。鉄筋棒鋼の1つである鉄筋コンクリート用棒鋼はマンションなどに利用されており、国内トップのシェアを有しています。
同社の主要資材である鉄スクラップを利用することで、環境保護やリサイクルにつながっています。資源リサイクルにも力を入れており、医療廃棄物や産業廃棄物の処理を手がけている点も特徴の1つです。
現在は日本製鉄が筆頭株主となっており、日本製鉄の持分法適用関連会社として資本下にあります。
キャリア
アドバイザー
共栄製鋼は困難を恐れず挑戦していく社風があります。そのため、何事にも積極的に挑戦をしていく姿勢が求められるでしょう。
トピー工業
トピー工業は電炉メーカーの一角を担っています。鉄製品のうち、主に自動車や建設機械用の部品を中心に取り扱っています。電炉を置くのは愛知県にある豊橋製造所で、形鋼・棒鋼や建設機械部品の製造をおこなっています。
輸送用機器メーカーも兼ねており、国内のシェアではスチールホイールがトップのシェアを持っています。また2018年に旭テックを買収し、アルミホイールにおいてもトップシェアにいたりました。
トピー工業の筆頭株主も共英製鋼同様に日本製鉄です。2008年に当時の新日鉄と提携し、提携の一環として新日鉄の持株比率が引き上げられました。この関係が日本製鉄になってからも継続しています。
キャリア
アドバイザー
トピー工業は仕事に対して真面目で実直な社風があります。そのため、責任感の強さは求められるでしょう。
鉄鋼業界の志望動機で盛り込むべき要素
就活生
鉄鋼業界の志望動機として盛り込んだ方が良い内容はありますか?
キャリア
アドバイザー
鉄鋼業界は人気の業界の1つです。志望動機を作るために、まずは業界理解、企業理解を十分にしていきましょうね。
鉄鋼業界は学生に人気の業界です。志望する学生の多くが業界理解、企業理解を深めて面接にのぞみます。他の学生に見劣りしないように業界理解、企業理解を深め、自分なりの志望動機を盛り込むことが欠かせません。
これから志望動機に盛り込むべき要素ごとに解説していきます。志望動機を練るときの参考にしてください。
メーカーの志望動機で盛り込みたい要素についてはこちらで解説しています。
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①なぜ鉄鋼業界を志望するのか
まず1つ目は、鉄鋼業界を志望する理由を明確にしましょう。鉄鋼業界は学生に人気の高い業界の1つです。他の学生に差をつけられるように、業界分析をしっかりとおこない、自分ならではの志望動機を準備しましょう。
鉄鋼業界は歴史が古く、数多くの書籍やインターネットを通じて、情報を得ることができます。まずはそれらの情報を収集し、業界理解を深めることからはじめましょう。
また鉄鋼業界はカーボンニュートラルや海外との競争激化など目まぐるしく状況が変化しています。日々のニュースをチェックし、最新の情報を仕入れておきましょう。
業界の理解度を盛り込みながら、なぜ鉄鋼業界を志望するかを明確に伝えましょう。
- 規模が大きく幅広い業種にかかわれるから
- 技術力で世界と勝負できる業界であるから
- 目まぐるしく環境の変化のなかで、革新的な技術開発に取組んでいるから
②鉄鋼業界の中でもなぜその企業なのか
次になぜ鉄鋼業界の中でその企業を志望するかを盛り込みましょう。業界の特徴と同じく、鉄鋼各社も歴史ある企業が多くあります。
上場している企業も多数あり、多くの情報に触れることができます。企業理解を深めなくては他の学生との差別化ができません。
まずは志望する企業のIR情報やWebでの情報、書籍などを通じて、各社の考え方や経営方針を理解しましょう。またカーボンニュートラルなどに向けた技術力についても調べてみるのも良いですね。
企業研究をする中で会社独自の考えや取り組みを見つけることができるはずです。考えや取り組みに対して、自分の価値観や実現したいことと一致する点をアピールしてみてください。
- 熱心な人が多く、1人ひとりが仕事に誇りを感じているから
- 海外への事業投資額も大きく海外進出に積極的だから
- 世界の鉄鋼業の中でも国際特許の保有件数が多く、それに裏付けられた技術力があるから
③その企業でどのように貢献したいか
最後に志望する企業でどのような貢献ができるかを伝えましょう。鉄鋼業界や企業に対してしっかりと志望理由を伝えられても、面接官は入社後に活躍できるかどうかイメージができません。企業に貢献できることを伝え、入社後のイメージを持ってもらいましょう。
まず自己分析を通じて自分の強みやできることを洗い出しましょう。その次に鉄鋼業界で求められること、貢献できることを考えてみてください。参考にいくつかの例を紹介します。
- 海外進出に向けた語学力
- 多くの課題に立ち向かう姿勢
- 脱炭素に向けた技術開発への貢献
上記の内容を参考に、自分が鉄鋼業界で貢献できることを洗い出してみましょう。
厳しい現状を打破していく前向きな姿勢を見せよう
鉄鋼業界が今最も求めているのは、厳しい現状や多くの課題を打破できる意欲や姿勢でしょう。
紹介したように鉄鋼業界は脱炭素への取り組み、海外との競争激化、国内の需要減少と解決しなくてはいけない課題は山積みになっています。鉄鋼業界はこれら1つ1つの課題を解決しなくてはいけません。そのため困難な課題にも前向きに取り組んでくれる学生を採用したいと考えています。
面接では困難な局面にも前向きに取り組める姿勢をアピールすると良いでしょう。鉄鋼業界の求める人柄と合致し、評価を得られるかもしれません。
- ゼロカーボンスチールを開発していくために研究分野で革新的技術の開発に挑戦したい
- 脱炭素・競合との競争・国内需要減といった厳しい環境だからこそ自分が変化を起こしていきたい
しっかり対策して希望の鉄鋼会社に就職しよう
現状はさまざまな課題を持つ鉄鋼業界ですが、学生からの人気には引き続き高い業界です。今後の更なる成長可能性が感じられ、鉄鋼業界を志望する学生にとっては狭き門とかもしれません。
だからこそ、鉄鋼業界への就職を希望する際には、業界研究や企業研究、そして志望動機を明確に準備する必要があります。まずは自己分析とともに、鉄鋼業界の業界研究や希望する企業の研究からはじめてみてはいかがでしょうか。
鉄鋼業界について、正直どのような業界かよく知りません。