目次
- 自己推薦書は企業の求める人物像を把握することが不可欠
- まずは自己推薦書の使用目的や役割を押さえておこう
- 自己推薦文と自己紹介文は違う
- 自己推薦書を提出させる企業の目的
- 5つのステップで解説! 自己推薦書の書き方
- ステップ①自己分析をする
- ステップ②アピールポイントをリストアップする
- ステップ③「求める人物像」を確認する
- ステップ④文章の構成はPREP法を使う
- ステップ⑤下書きをして清書する
- 自己推薦書を上手に書く7つのポイントを押さえよう
- ①PRは一つに絞る
- ②エピソードを盛りすぎない
- ③企業目線を常に持つ
- ④自分なりのエピソードを具体的に盛り込む
- ⑤数字や根拠を入れて説得力を上げる
- ⑥「こうなりたい」という思いも盛り込む
- ⑦必ず読み返して話に一貫性があるかチェック
- 業界・職種ごとの自己推薦書の例文を確認しよう
- 例文①金融
- 例文②人材
- 例文③コンサル
- 例文④メーカー
- 例文⑤営業職・総合職
- 例文⑥事務職・事務系一般職
- 例文⑦開発・技術職
- PRしたいポイントごとに自己推薦書の例文を確認しよう
- 例文①協調性がある
- 例文②粘り強い
- 例文③几帳面さ
- 例文④ポジティブシンキング
- 自己推薦書の書き方次第で効果的な自己PRができる
自己推薦書は企業の求める人物像を把握することが不可欠
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。
「自己推薦書の提出を初めて求められたけれど、書き方が分からない」
多くの企業でエントリーシート(ES)や履歴書の提出を求められる一方で、自己推薦書は初めて聞いたという方も多いと思います。就活であまり聞かないからこそ、しっかり企業の意図を理解し、うまくアピールする必要があります。
今回は自己推薦書の目的や役割から具体例な書き方まで解説。自己推薦書について正しく理解することで、内定獲得へ一歩近づくことができるはずです。
【完全無料】
大学3年生(26卒)におすすめ!
応募書類作成時に役立つ厳選ツール
活用すれば短時間で応募書類が完成します!
①自己PR作成ツール
自己PRが思いつかない人は、AIツールを活用して自己PRを完成させよう
②志望動機作成ツール
5つの質問に答えるだけで、AIが志望動機を自動で作成します
【こちらも要チェック!】
応募書類のお手本は以下を参考にしよう!
①内定者ES100選
大手内定者のESが見放題!100種類の事例から受かるESの作り方がわかります
②履歴書完全マニュアル
履歴書の書き方がわからない人は、履歴書完全マニュアルを確認にしよう
まずは自己推薦書の使用目的や役割を押さえておこう
就活生
キャリア
アドバイザー
自己PRと比べると、この用語を使う企業は少ないですよね。
就活生
なんだかお堅いイメージです……。
キャリア
アドバイザー
そうですね。でも自分をアピールするという点では同じです。まずは用語の違いや企業の目的を見てみましょう。
自己推薦書(自己推薦文)の提出を求められ、戸惑う就活生も多いでしょう。まずは用語や企業の目的を押さえておきましょう。
自己推薦文と自己紹介文は違う
自己推薦書と自己紹介文を混同している人もいますが、それぞれ目的が異なります。自己紹介文は、 あなたの性格やこれまでの経歴、趣味などを相手に理解してもらうためのものです。
一方、自己推薦書は、あなたの自己紹介だけでなく、強みや周りと比べて優れている点を伝えて、企業に自分自身をアピールするためのものです。そのため、自分が伝えたいことや知ってもらいたいことを書くのではなく、企業側の目線に立って内容を考える必要があります。
また、恥ずかしがったり謙遜したりせずに、あなたの魅力を存分に書いていくことが重要です。
似たような言葉である学校推薦についてはこちらの記事を読んでおきましょう。
関連記事
学校推薦による合格率はどれくらい? 確実に受かるための注意点まとめ
学校推薦による合格率は100%ではないので、受かるための努力も必要です。今回は種類別に合格率を紹介するとともに、合格率を上げる4つの方法をキャリアアドバイザーが解説します。学校推薦を利用する際の注意点も紹介しているので、参考にしてみてください。
記事を読む
自己推薦書を提出させる企業の目的
選考通過率を高めるためには、ただ自己推薦書を書くだけではなく、自己推薦書を提出させる企業の目的を理解する必要があります。企業が自己推薦書を提出させる目的は、主に次の2つです。
- 自分の強みを客観視できているか知りたい
- 学生が自社に合っているか確認する
これらの目的や、 自己紹介文との違いを理解しておくことで、あなたの魅力が十分に伝わる自己推薦書を書けるようになりますよ。
また、多くの就活生が抱くのは、「自己PRと何が違うの?」という疑問です。学生の強みや長所を知りたいという点では同じですが、客観的に見て自分の強みが企業と合致しているか知りたい、というニュアンスが強いといえるでしょう。
キャリアアドバイザーコメント加藤 大智プロフィールをみる
自己推薦書と自己PRの違いは正直わかりづらいですよね。企業に自分自身をアピールする点は共通していますが、まったく同じではありません。大きく違うのは、提出する書類の形式です。
自己PRは履歴書やESに記載しますが、自己推薦書はそれ自体が独立した書類です。文字通り「自分を推薦する」書類なので、自己推薦書は自己PRと比べて「より自分のアピールポイントを売り出す」という意味合いが強いです。かつ正式な書類であるため、より客観的に、より論理的に自分のアピールポイントを述べなければなりません。
ここで求められる「客観的なアピール」とは「企業が求めている人物像と合致している」こと、「論理的なアピール」とは「企業が求める人物像と合致している理由を端的に述べられている」ことです。企業にはこの点を意識してほしいという意図があるので、わざわざ「自己推薦書」として就活生に求めているのです。
5つのステップで解説! 自己推薦書の書き方
この章では自己推薦書の書き方について、5つのステップに分けて説明します。
自己分析や募集要項の確認などの事前準備についてもお伝えするので、読み進めればあなたの強みを反映した本質的な自己推薦書が書けるようになるはずです!。
ステップ①自己分析をする
自己推薦書を書き始める前に、 自己分析を徹底的におこなう必要があります。自己分析をしないと、あなたの長所を正しく伝えることができず、表面的な自己推薦書になってしまうからです。
まだ自己分析をしていない方は、次の3つの手法をぜひ試してみてください。複数の自己分析方法を試すことで、様々な角度で自分のことを理解することができますよ。
①自分史の作成
主要な自己分析のやり方の一つとして、自分史の作成があります。自分史とは、幼少期から現在にかけての自分自身のエピソードや、その時感じたこと、なぜそのような行動を取ったのかなどを時系列にまとめたものです。
自分史を作成することで、自分の行動パターンや、大切にしている価値観が見えてきます。
自分史の作り方についてはこちらの記事を参考にしてください。
関連記事
簡単3ステップ! 自分史を使った自己分析で説得力をアップしよう
就活をするうえで自分史を作成すると、自己分析を効率的に進められます。今回は自分史の作成方法と自己分析の仕方をキャリアアドバイザーが解説します。自分史を活かせる質問例や回答例も紹介しているので、自己分析の際の参考にしてみてくださいね。
記事を読む
②モチベーショングラフ
モチベーショングラフとは、特定の時期から現在にかけての自分のモチベーションの変化を時系列にまとめたものです。
以下に具体例をまとめたので参考にしてみてください。
- 小学生で応援団長を務めて、チームを盛り上げた
- 中学の文化祭の実行委員長を務めて、前例のない企画を成功させた
- 高校3年生の頃、親の言いなりで進路を選んだ
- 大学の規定により、サークルのイベントを中止させられた
この具体例から、「リーダーシップ」や「ルールや前例に囚われない」「自分で選ぶ」といった姿勢を大切にしている人だと推測することができます。
このように、モチベーショングラフを作成することで、自分に適した仕事の特性や、自分が力を発揮しやすい環境などが見えてくるのではないでしょうか。
③他己分析
他己分析は、自己分析と異なり、他者からの自分の評価を聞くことで、自己理解を深める方法です。自己分析だけだと主観的になりがちなので、他者から見える自分の強みや弱みがわかる点がメリットといえます。
他己分析にはさまざまなやり方がありますが、比較的簡単に始められるのが質問シートを使ったやり方です。
- 私の長所はどこか
- 私の短所はどこか
- 第一印象はどうだったか
- 現在の印象はどう感じるか
上記のような質問をまとめて、属性(年齢や立場、あなたとの関係性)が異なる友人や知人に回答してもらいましょう。また、少なくとも10人以上に答えてもらうことをおすすめします。
他己分析については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。もう少し他己分析を深くやってみたいという人はぜひ読んでみてくださいね。
関連記事
他己分析は自己理解アップに役立つ奥の手|ステップでやり方を解説
他己分析をすると、周囲の人からの評価も取り入れられて自己理解が深まりますよ! この記事では他己分析をするメリット、やり方、質問項目、活用方法などをキャリアアドバイザーが解説します。 解説動画も参考に実践して自分の長所・短所を把握しましょう。
記事を読む
また、こちらの記事では自己分析全般についてさらに詳しく解説しています。おすすめの本やツールの紹介もしていますので、自己分析を極めたい人はぜひ読んでみましょう。
関連記事
自己分析の質を上げる4つの方法|オススメの本・サイトも紹介
こんにちは!キャリアアドバイザーの北原です。この記事では、自己分析の目的や具体的な方法についてご紹介していきます。自己分析とは、自分の過去の経験を整理して、長所や短所などの性格や物事に対する価値観について理解を深めること […]
記事を読む
ステップ②アピールポイントをリストアップする
次に、自己分析の内容を踏まえてアピールポイントをリストアップしましょう。
あくまでも、あなた自身のアピールポイントのため、「他の就活生と比べるとそこまで優れていないから…」などとネガティブに考えずに、自分の中で相対的に優れていると感じる性格や特徴を書き出してみてください。
- リーダーシップ
- 協調性
- 主体性
- コミュニケーション能力
- 計画性
自分にとっては当たり前のように感じることでも、十分なアピールポイントになることが意外とあったりするものですよ。
ステップ③「求める人物像」を確認する
次に、応募先企業の募集要項を確認して、企業が求めている人物像を把握しましょう。
選考通過率を上げるためには、求める人物像と、あなたの強みが重なる点をアピールするしなければなりません。企業が求める人物像を確認しないと、いくらあなたが魅力的な強みを持っていたとしても書類選考で落とされる可能性が高まってしまいます。
たとえば、リーダーシップのある学生を求めている企業に対して、「協調性があり、チームワークが得意」といった強みをアピールしても、あまり高評価にはつながらないでしょう。このようなことを避けるためにも、募集要項は必ず確認する必要があります。
キャリアアドバイザーコメント鴨川 未奈プロフィールをみる
募集要項の「求める人物像」を見ると、簡潔な記載が多く、どの企業も同じようなありきたりのことを書いているように感じる人もいるかもしれません。しかし企業は何ヶ月もかけて求める人物像を考えており、離職率が低いような優良企業こそ丁寧に取り組んでいます。
たとえば、多くの企業が「挑戦心のある人材」を求める人物像に挙げていますよね。しかし「挑戦心」の定義は企業によってちがいます。「長い年月をかけて難易度の高い仕事に取り組み成長してほしい」、「いち早く成果を出して若手から昇格など目指してほしい」など、企業によってさまざまです。
同じ単語を使っていても、就活生に求める素質はまったく変わってくるので、「企業がなぜこの人物像を掲げているのか」という視点から考えてみると、求める人物像が掴みやすくなりますよ。
求める人物像をさらに知るためには企業理解を深めることが欠かせません。企業HPや説明会に参加することはもちろん、理想としてはOB・OG訪問もしておきたいところ。自分が応募したい職種で働いている人の話を聞くことは、普段の業務で何が求められていて何が評価されているのか理解しやすくなりますし、自分の言葉で表現をするためにとても役立ちます。本質的な求める人物像を知るために企業研究が欠かせないことは必ず覚えておいてくださいね。
ステップ④文章の構成はPREP法を使う
次に、自己推薦書の構成を整えましょう。基本的には、企業にあなたの強みが簡潔に伝わる自己推薦書が書く必要があります。ここでは文章構成に最適なPREP法を紹介しますね。
今回の結論は「あなたの強み」ですので、まず始めにあなたの強みを伝えましょう。先に具体例や根拠(強みの根拠となるエピソード)ばかりを書いてしまうと、あなたの魅力が採用担当者に伝わりにくい自己推薦書になってしまいます。
なお、自己推薦書には、履歴書やESのようなフォーマットはありません。企業が指定するファイルがなければ、以下の内容を盛り込んで自分で作成しましょう。
- 宛名
- 頭語+挨拶文
- 本文
- 結語
- 日付
- 自分の署名
ステップ⑤下書きをして清書する
紙の提出が求められる場合は、必ず下書きをしてから清書をしましょう。Webデータ提出の場合は、構成ができ次第、書き始めて問題ありません。どうしても内容に不備がないか心配な人は、下書きの段階で友人や家族、就活エージェントなどに内容を添削してもらうことをおすすめします。
自己推薦書の例文を紹介するので、併せて参考にしてみてくださいね。
私には、問題が起こった際に、自分で解決策を考えて行動に移せる主体性があります。(強み)
大学2年生から現在にかけて勤めているインターン先で、新人の離職が多い時期がありました。私は、その原因が、フルリモートの働き方による業務の理解の遅れにあると考えました。そこで、新人教育を私に任せてもらえないかと上司に提案して、新人向けのマニュアル作成や、隔週の1on1を実施しました。その結果、私の新人教育実施後に入社した6人の学生は、職場に定着して、すでに半年以上勤務しています。(強みを裏付けるエピソード)
この主体性を活かして、貴社でも組織の問題も自分の守備範囲と考えて、貢献していきたいと思います。(活かし方)
自己推薦書を上手に書く7つのポイントを押さえよう
ここからは、自己推薦書を上手に書くためのポイントを紹介します。書き方を理解しただけでは上手い文章が書けないという方も多いと思うので、次の7つのポイントを参考にしながら書き進めてみてください。
①PRは一つに絞る
自己推薦書を書くときに自分の強みを複数書いてしまう学生がいますが、一つに絞ることをおすすめします。複数の強みを書いてしまうと、内容がぶれて、あなたの強みが企業に伝わりにくくなってしまうからです。
いくらアピールしたいポイントが複数あったとしても、一つに絞って書くようにしましょう。
②エピソードを盛りすぎない
学生起業やコンテストでの受賞経験などの「強いガクチカ」がないからといって自分のエピソードを誇張しすぎる学生がいますが、嘘だとばれるリスクが大きいので避けましょう。
決して褒められたことではありませんが、多少話を盛っている学生が多くいるのは事実です。ただし、架空のエピソードを作ったり、数字を不自然に盛ることはおすすめしません。
嘘をついてしまうデメリットやリスクについてはこちらの記事で解説しています。自己推薦書を書く前に一度目を通しておくと良いですね。
関連記事
就活で嘘はメリットなし! 嘘のリスクと境界線を徹底解説
就活で嘘をつくことには、たくさんのリスクがあります。この記事では、嘘と嘘ではないの境界線や、嘘のエピソードを話さなくていい対策もキャリアアドバイザーが紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
記事を読む
③企業目線を常に持つ
自己推薦書は、企業にあなたの魅力を伝えるための書類なので、あくまでも企業目線で書くことに徹しましょう。そのため、企業の求める人物像と一致するあなたの強みを採用担当者に伝わりやすいように書くことを意識すべきです。
いくらあなたが伝えたいと考えるエピソードや強みがあったとしても、企業が求めていない内容であれば、評価はされません。
④自分なりのエピソードを具体的に盛り込む
あなたならではの具体的なエピソードを盛り込むことで、あなたの人柄が伝わる魅力的な自己推薦書を書きましょう。あなたならではのエピソードは、他の就活生との大きな差別化になるからです。
採用担当者は、多くの学生の書類をチェックしています。そのため、差別化のポイントがなければ採用担当者の印象に残る自己推薦書にはなりません。選考通過率を上げるためにも、あなたならではの具体的なエピソードを入れることを意識しましょう。
⑤数字や根拠を入れて説得力を上げる
あなたの強みの裏付けとなるエピソードは、できる限り数字や客観性のある根拠を入れて、説得力のある内容にすることをおすすめします。というのも、採用担当者は一人のビジネスパーソンであるため、定量的な情報や客観的な根拠がないと、納得してもらえないことが多いからです。
就職活動に限らず、数字や根拠を入れて伝えることは社会人の必須スキルのため、今のうちから身に付けておくといいでしょう。
⑥「こうなりたい」という思いも盛り込む
基本的に、自己推薦書はあなたの強みや長所を事実ベースで伝えるものですが、締めの一文で「貴社で自分の◯◯をさらに磨いて、貢献していきたいです」などと自分の展望を伝えるのは好印象です。
次の例文を合わせて参考にしてみてください。
貴社での仕事を通じて、自身のリーダーシップにさらに磨きをかけて、貢献していきたいと思います。
貴社で働く中で、エンジニアとしてのスキルをさらに高めて、貢献していきたいと考えています。
⑦必ず読み返して話に一貫性があるかチェック
自己推薦書を書き終わったら、必ず読み返して内容が一貫しているか確認しましょう。実際にあとから読み返すと、自分の強みに対して根拠となるエピソードの論理が飛躍しているといったこともありえます。
一貫性のない自己推薦書を提出してしまうと、「論理的思考力が低い」「文章力に問題がありそう」といったネガティブな印象を持たれる恐れがあるため気を付けましょう。
キャリアアドバイザーコメント乾 花穂子プロフィールをみる
自己推薦書の書き方のポイントとして「アピールポイントを一つに絞る」ことを挙げましたが、中には「アピールポイントが複数ある方が優秀と思われるのではないか」と考えている学生もいるのではないでしょうか。その意見もよくわかりますが、実はそれにはデメリットがあることを説明しますね。
アピールポイントが複数あることのデメリットは、「一つのアピールポイントに対するエピソードが少なくなってしまう」ことです。就活市場において、あなたが優秀かどうかは、アピールポイントの多さよりも「アピールポイントが具体的かつ論理的である」という点でジャッジされます。
企業はあなたがもっているアピールポイントの再現性を知ろうとしていますが、特に新卒の場合は社会経験が少ないため、普段の生活やアルバイトで得たアピールポイントを職場でどのように発揮しようと考えているのか、社会人の立場から客観的に判断します。
その判断ができるように、アピールポイントは一つに絞って、具体的なエピソードを話すことが理想的なのです。同時に、受ける企業でどのようにアピールポイントを再現するのか、という視点を持ちながらエピソードを作るようにすると良いですね。
業界・職種ごとの自己推薦書の例文を確認しよう
ここまで書き方のポイントについて解説してきましたが、例文を見ないとイメージがうまく沸かないという人も多いと思います。そこで、ここからは、応募する業界や職種に分けて自己推薦書の例文を紹介します。
自分の志望する業界や職種があればぜひ確認してみてください。
例文①金融
私には、細かいミスを妥協しない几帳面さがあります。所属していたサークルでは、会計係を務めており、会計の誤差や集金の漏れを一切見逃さないことを徹底していました。例年、集金の漏れによる会計誤差が毎年5件以上発生していましたが、私が会計係を務めた2年間は0件を守ることができました。
この几帳面さを活かして、公明正大な貴社のイメージを崩さないように貢献していきたいと考えております。
エピソードの始めから締めまで、内容が一貫しており良いですね。また、エピソードの中で「5件から0件」という具体的な数字が使われているので、妥協しない几帳面さという強みの裏付けがしっかりできているのも良いポイントです。
例文②人材
私は、人のモチベーションを高めるコミュニケーションを得意としています。大学時代は、塾講師として3年間アルバイトをしていましたが、受験生の勉強へのモチベーションが低く、成績の伸びが良くないという問題がありました。そこで、私は授業の合間に、彼らと雑談を交えつつ、勉強の大切さを伝えるようにしました。
その結果、授業のない日は一切塾に来なかった彼らが、週4回以上、自習のために来るようになりました。このコミュニケーション能力を活かして、貴社でも求職者がモチベーション高く仕事に励めるような支援をしていきたいと思います。
まず、就業後、具体的にどのように仕事に取り組むかがイメージできるアピールポイントになっているのが良いですね。話の流れや根拠付けもしっかりとできており、好印象を与えられるでしょう。雑談の内容や、どのようにモチベーションを上げたのかについて触れられるとさらに良いアピールができますよ。
例文③コンサル
私は、物事の仮説検証を楽しんで実践できる知的好奇心が備わっています。大学時代は、理論系の研究室に所属して、◯◯の研究に没頭していました。先行研究とは全く異なる手法を用いて、△△のシミュレーションをおこないました。
結果が得られないときでも、教授とのディスカッションを通じて、複数の仮説を立て、モデルを回し続けた結果、新規性のある◯◯の研究結果を残すことができ、△△学会で奨励賞を受賞しました。
この知的好奇心は、総合や戦略シンクタンクなど幅広いコンサルティングをおこなう貴社だからこそ活かせるものだと考えております。この強みを活かして、貴社の業務に貢献していきたいです。
企業理解がしっかりとできており、その企業ならではの特徴を話に組み込めているのが良いポイントです。また、人とあまりかぶらないような強みを示しているのが印象的ですが、企業の特徴と重ね合わせることができているので、最終的に整合性のとれた話になっているのが素晴らしいですね。
コンサルを志望する学生はこちらの記事も参考にしてみましょう。
関連記事
コンサル業界の志望動機で盛り込むべき要素とは|例文付きで解説
コンサルならではの志望動機づくりのために知っておきたい4つの要素を紹介します。今回の記事ではキャリアアドバイザーがコンサル業界で求められる人物像を元に、職種別の志望動機例文も紹介するので、コンサル業界を目指す就活生のみなさんは必見です。
記事を読む
例文④メーカー
私には、顧客が求めているものを見抜く洞察力があります。
大学時代は、Webマーケティング会社で女性向けメディア運営の長期インターンをしていました。SNSで美容品の情報を集めて、商品が話題になる少し前のタイミングで、記事を書きたいと上司に提案したところ受け入れてもらえ、その結果、私の担当した美容品のコラムは他と比較して2倍以上のPV数を稼ぐようになりました。
この強みを活かして、サービスの提供にあたりマーケティングを重視している貴社に貢献していきたいと考えています。
メーカーの仕事内容を理解したうえで、その企業ならではの強みにも触れているのがとても良いですね。自分自身のアピールだけではなく、「この企業でなくてはならない」というアピールもできており、高評価につながるでしょう。具体的な部署名を出すと、企業理解のアピールがさらにできるようになりますよ。
メーカーを志望する人はこちらの記事も参考にしてくださいね。
関連記事
メーカー就職へ今やるべき5つの選考対策|志望動機や質問対策も解説
メーカーへの就職は業界・企業研究を念入りにおこなうと周囲と差をつけることができますよ。 この記事では、メーカーの職種、向いている人、志望動機のポイントなどをキャリアアドバイザーが解説します。 徹底的な自己分析をして志望動機の説得力を高めましょう!
記事を読む
例文⑤営業職・総合職
私は、相手と素早く信頼関係を築くコミュニケーション能力に自信があります。
大学時代は、学園祭実行委員会の渉外局で仕事をしていました。私が局長を務めた年は、協賛金が昨年の1.5倍必要になり、新たに協賛先を見つける必要がありました。そこで、地域の企業や飲食店、合計50店以上に飛び込み営業をかけて、達成することができました。
その中で、「◯◯さんだから協賛したいと思った」と多くの方に言われた経験が自信につながっています。この経験と強みを活かして、貴社でも営業職として貢献していきたいと考えております。
学生時代の経験と営業の仕事内容とが合致しており、この学生の入社後の姿を描きやすいですね。話の展開もスムーズで、非常にわかりやすく、魅力的なアピールになっています。
営業職を志望する学生はぜひこちらの記事も参考にして、自己推薦書を作ってみてください。
関連記事
競争が激しい営業職は志望動機の差別化が重要|アピールのコツも解説
営業職は競争が厳しいので、具体性と意欲をアピールした志望動機で差別化を図ることが重要です。 この記事では営業職の志望動機の書き方や例文、アピールになる4つのスキルなどをキャリアアドバイザーが解説します。 動画も参考にぜひ自分なりの志望動機を作ってみてくださいね。
記事を読む
例文⑥事務職・事務系一般職
私は、正確さが求められる仕事が得意で、ミスなくおこなうことに自信があります。大学時代は、倉庫で商品の箱詰めのアルバイトをしていました。単純な作業ではあるものの、量が多く、スピードが求められるため、多くの方がミスをしていました。
しかし、私は、「多くの方がミスをするポイントを先に把握すること」「1時間に1度小さな休憩を取ること」の2点を意識して、全体の平均の5%程度のミス数を守ることができました。貴社でも、仕事を影で支える存在として、ミスなく貢献していきたいと考えています。
ミスをしない正確さを、理由を根拠にしっかりアピールできていることに加えて、そのために考えたことやおこなったについてことも示せているのが非常に良いです。具体的な行動がわかるので、入社後の仕事への向き合い方もイメージしやすいですね。
例文⑦開発・技術職
開発・技術職などのエンジニアを志望している学生の例文を紹介します。
私には、作りたいものができたら、すぐに必要な言語を学んで、作り始められる、知的好奇心と実行力があります。大学時代は、スケジュール管理のiスマホアプリや自分のWebページの作成をしました。大学で学んでいた言語ではなかったため、最初は苦労もありましたが、独学で乗り越えました。
貴社は新規サービスが充実しているため、その分新しいことに取り組む機会も多いと考えております。この強みを貴社でも活かして、業務に貢献していきたいと考えております。
エンジニアにとって、知的好奇心は必ず求められるものです。エンジニアという職をしっかり理解できているのがわかります。またその企業ならではの特徴にも触れており、自分とその企業が合っていることが示せているのも良いポイントです。さらに良くするならば、「独学で」の部分をより深掘りすると良いですね。
技術職の中でも研究職に興味のある人はこちらの記事も参考にしてください。
関連記事
研究職に向いている人は? 仕事内容から志望動機の書き方まで網羅
研究職は募集も少なく倍率も高いので、仕事内容や現状、今からできることをチェックして備えていきましょう。 この記事では研究職の仕事内容、向いている人、志望動機のポイントなどをキャリアアドバイザーが解説します。 志望動機例文も参考にしてくださいね!
記事を読む
PRしたいポイントごとに自己推薦書の例文を確認しよう
ここからは、あなたのPRしたいポイントごとに分けて自己推薦書の例文を紹介します。先に紹介した、業界・職種別の例文と組み合わせながら、オリジナルの自己推薦書を作成してみてください!
例文①協調性がある
私には、目標の達成のための行動を取れる協調性があります。私が所属していた学生団体では、年に1回のイベント成功という目標がありました。しかし、メンバーによってはバイトやサークル優先という温度差がありました。そこで、学生団体の優先順位が低いメンバーに、プライベートの予定をたずね、仕事の役割分担を最適な形に変えたところ、メンバーの優先順位を変えずに、イベントを成功させることができました。
この協調性を活かして、貴社でも貢献していきたいと考えております。
誰とでもコミュニケーションが取れる、また周りの空気を大切にしている様子が読み取れるので、協調性やチームワークを大切にする企業には高評価を与えられますね。チームの課題を読み取り解決策を考えることもできており、この文章だけであなたの良いところが幅広くわかるものになっています。
協調性のアピールにはぜひこちらの記事も参考にしてみてください。エピソード別の例文を多くそろえてありますよ。
関連記事
協調性を魅力的に自己PRするには|エピソード別の例文で徹底解説
協調性をアピールする際は、企業が求める主体性や能動的な能力をアピールすると好評価を得られますよ。 この記事では、協調性の意味、好評価を得るポイント、自己PR例文をキャリアアドバイザーが解説します。 動画や例文も参考にポイントを押さえてアピールしてくださいね。
記事を読む
例文②粘り強い
私には、目標達成のために最後まであきらめない粘り強さがあります。大学時代は、カフェで2年間アルバイトをしていました。ある時、新作商品のキャンペーンがあり、店舗としての販売数の目標がかせられました。しかし、思いの外、新作商品が売れない時期が続き、ほかの店舗ではそれなりに売れていたこともあり、非常に悔しさを感じました。
そこで、接客時に売り込むだけでなく「SNSでの商品の告知」「店外でのビラ配り」などのやり方を提案したところその案が受け入れられ、店員全員で実行しました。その結果、目標を無事達成することができ、全社平均の130%の販売数を達成できました。
この粘り強さを活かして、貴社にも貢献していきたいと考えております。
まず自分の取り組みの成果が数字としてしっかり伴っているのが示せていること。そして当時の自分の感情も表されているので、マイナスな状況にもあきらめない粘り強さをアピールポイントとして根拠づける話の構成になっているのが良いですね。
粘り強さをさらに効果的にアピールするために、こちらの記事も読んでおきたいところ。言い換え方も載せているので、ぜひアピールしたい強みに合わせて選んでみてください。
関連記事
自己PRで粘り強い性格を魅力的にアピール!言い換えや例文あり
粘り強い性格の自己PRは、具体的なエピソードを交えるとより伝わりやすくなります。 この記事では粘り強い人の特徴、アピールポイント、自己PR例文などをキャリアアドバイザーが解説します。 粘り強さを企業でどう活かすのかも話せると期待感も上がりますよ。
記事を読む
あきらめない性格をアピールしたい人は、ぜひこちらの記事も読んでみてください。
関連記事
自己PRで「あきらめないこと」を魅力的に伝えるテクニック|例文あり
自己PRであきらめない性格を魅力的にアピールするときには具体的な目標やエピソードを交えることが大切です。今回は自己PRであきらめない性格をアピールするための5つのコツを例文付きでキャリアアドバイザーが解説していきます。
記事を読む
例文③几帳面さ
私には、成果物の細部に徹底的にこだわる几帳面さがあります。大学時代は、あるサークルに所属しておりビジネスコンテストに頻繁に参加していました。コンテストに提出する資料では、内容はもちろんですが見やすさや相手に伝えることなどを意識しており、資料の完成度には細部までこだわっていました。その結果、アンケート調査をする際のフォーマットや、資料の完成度を毎回サークルのメンバーに評価されていました。
また、コンテストには破れてしまったものの、審査員の方にも完成度を褒めてもらえたことが自信につながっています。この几帳面さを活かして、貴社でも成果物の完成度へのこだわりを持って、貢献していきたいと考えております。
几帳面さとこだわりの強さが一貫してアピールできており、入社してからも、ミスなく几帳面に仕事に取り組んでくれそうな姿がイメージできます。また、具体的な数字はないもののコンテストの審査員やサークルのメンバーから褒められたことを書けているので、几帳面さを裏付けることもできていますね。
例文④ポジティブシンキング
私には、失敗してもすぐに成長の糧と捉えられるポジティブさがあります。大学時代は、弓道部に所属して、全国大会を目指して励んでいました。最初は、大会で自分の力を全く発揮できず落ち込むことが多かったです。
しかし、すぐに切り替えて、自分の問題点や他大学の選手の良いところをメモに残し、改善策を考えるようにしました。その結果、最後の大会では全国大会出場を実現することができました。弓道を通じて身に付けたポジティブさを活かして、貴社に貢献していきたいと考えております。
選考の通過率を上げたい人は、自己PR作成ツールを活用しましょう
ポジティブさは営業職でアピールできると良いスキルです。あきらめずに部活に取り組む姿勢が示せており、最終的に全国大会出場という、具体的な成果も示せているのが良いですね。最後に、ポジティブさが希望職の特徴や仕事内容などにどう活かせるのかを具体的に表現できると、より説得力が高まりますよ。
自己推薦書の書き方次第で効果的な自己PRができる
自己推薦書は、正しい書き方やうまく書くためのポイントを押さえることで、効果的な自己PRをできるようになります。
一方的に伝えたいことを書き並べるのではなく、「企業がどんな人材を募集しているか?」を意識しながら、文章を組み立てるよう注意してくださいね。業界・職種ごとの例文や、自分がアピールしたいポイント別の例文を参考にしながら、選考通過率を高められる自己推薦書を完成させてみてください。
自己推薦書ってなんですか?