目次
- 公務員の種類はさまざま! 自分の実現したいことを軸に適職を探し出そう
- 公務員とは? まずは前提を理解しておこう
- 公務員=政府や地方自治体などの公的機関で働く職員のこと
- 公務員になるためには公務員試験を受ける必要がある
- 公務員の種類は大きく分けて2つ! それぞれの特徴や試験内容をチェック
- 国家公務員|国家機関・行政執行法人で働く人
- 地方公務員|地方機関で働く人
- 公務員の分類7選! 具体的な職種から仕事内容まで詳しく解説
- 行政系:各省庁・市役所などで行政全般の業務に携わる仕事
- 心理系:心理学の知識や技能を活用した業務に携わる仕事
- 福祉系:児童相談所や福祉事務所などでケースワーカーとして働く仕事
- 専門職系:外務省・財務省・国税庁などで専門的な知識を活かす仕事
- 技術系:土木や建築などを通して暮らしやすい社会作りをおこなう仕事
- 公安系:警察官・消防官など住民の命や財産を守る仕事
- 資格免許職:看護師・栄養士など資格を必要とする仕事
- 多種多様な公務員のなかから適職を探すカギは「実現したいこと」の深掘り!
- 自分には何が向いている? 公務員の適職を見つけるための自己分析3ステップ
- ステップ①なぜ公務員になりたいのか理由やきっかけを書き出す
- ステップ②将来どんなキャリアやライフスタイルをかなえたいかイメージする
- ステップ③仕事において求めることに優先順位をつける
- どの公務員を目指すか絞り切れない……そんなときの3つの対処法
- ①第一志望だけに絞らず併願という形で選択肢を増やす
- ②一度民間企業も受けてみて視野を広げる
- ③「これだけは避けたい」から条件を絞り込む
- いつからどう準備するのがおすすめ? 公務員の難易度別の対策
- 【超難関】国家公務員の総合職などを目指す場合
- 【難関】国家公務員の一般職などを目指す場合
- 【普通】市役所職員などを目指す場合
- 【低め】都道府県職員などを目指す場合
- 公務員を目指すあなたに知っておいてほしい3つのこと
- 難易度の高い公務員を目指す前に自身の力量を見つめ直すことも大切
- 落ちた場合の保険を考えておくことも重要
- 自己分析がうまくできない場合はプロの力を借りるのも一つの手
- 公務員の種類・難易度別の対策をおこない理想のキャリアを手に入れよう
公務員の種類はさまざま! 自分の実現したいことを軸に適職を探し出そう
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。公務員を目指している大学生から、
「公務員にはどんな種類があるんですか?」
「自分に向いている公務員を探す方法を知りたいです」
などの質問や疑問を寄せられることはよくあります。「公務員になりたい」と思っていても、公務員にはどんな種類があるのかを正しく理解していないと選考対策はできませんよね。
公務員は大きく分けて国家公務員と地方公務員の2つがあり、さらに行政系、心理系、福祉系……など分野ごとに分けられます。理想のキャリアを手に入れるためには、自分に合った公務員の種類を見つけたうえで、適切に対策することが欠かせませんよ。
この記事では、公務員の種類やそれぞれの就職難易度を紹介するとともに、自分に合った仕事の見つけ方を解説していきます。公務員について理解を深めて、就活に役立てましょう。
公務員とは? まずは前提を理解しておこう
- 公務員=政府や地方自治体などの公的機関で働く職員のこと
- 公務員になるためには公務員試験を受ける必要がある
就活生
キャリアアドバイザー
もちろん、各都道府県の役所で働いている人も公務員です。しかし、公務員にはもっと多くの種類がありますよ。
ここからは、公務員とは何か、そして公務員になるためにはどのような手順が必要かをわかりやすく解説します。まずは公務員への理解を深め、就活成功への一歩を踏み出しましょう。
公務員=政府や地方自治体などの公的機関で働く職員のこと
公務員とは、国の行政機関(たとえば、内閣府や各省庁)や地方自治体(たとえば、都道府県庁や市役所)などで働く人々のことです。
公務員の仕事には、行政事務、教育、警察、消防などさまざまな分野があります。分類ごとの仕事内容については後ほど詳しく解説しますが、法律の施行、公共サービスの提供、社会の安全と秩序の維持など、私たちの生活を支える重要な役割を担っています。
それぞれの職務内容は異なるものの、すべての公務員に「公共の利益のために働く」という使命があるのが特徴です。
キャリアアドバイザーコメント上村 京久プロフィールをみる
実際に公務員として働いている人は、世の中にどれくらいいるのでしょうか。公務員には国家公務員と地方公務員の2つの種類があります。令和6年の総務省の統計によると、国家公務員が約593,000人、地方公務員が約2,806,000人とされており、合計約3,399,000人が公務員として働いています。公務員全体の約17.5%が国家公務員、約82.5%が地方公務員です。
公務員は人気の職業のため、狭き門のように思われることも多いですが、数だけ見ると決してそんなことはありません。もちろん、公務員の種類によっては難易度が上がりますが、公務員という大きな枠組みで考えると、就職できる可能性は十分あるでしょう。
ただし、公務員を目指すうえでは膨大な試験勉強をこなさなければならないため、根気と覚悟は必要です。裏を返せば、しっかり対策さえすれば誰でも目指すことができる仕事ともいえますよ。公務員として就職したい気持ちが強いのであれば、狭き門と決めつけず、対策を重ねて前向きに就活に取り組みましょう。
公務員になるためには公務員試験を受ける必要がある
公務員になるためには、公務員試験に合格する必要があります。この試験は、国や地方自治体ごとに実施されるもので、受験者の知識や能力を評価するためにおこなわれます。
公務員の種類によって受けるべき公務員試験は異なりますが、いずれの試験も、筆記試験がメインです。仕事内容によって、試験科目が異なることを覚えておきましょう。詳しくは次の「公務員の種類は大きく分けて2つ! それぞれの特徴や試験内容をチェック」で解説します。
キャリアアドバイザー
公務員試験に合格するためには、しっかりとした準備が必要です。記事の後半で公務員試験の対策方法を難易度別に紹介するため、ぜひチェックしてみてください。
自分の強み・適職を知るためにも、まずは自己分析を済ませましょう
就活を成功させるためには自己分析が必須です。しかし、自分自身のことを分析するのは意外と難しいですよね。
そんなときは「自己分析ツール」を活用しましょう。このツールを使えば、簡単な質問に答えていくだけであなたの強み・弱みが簡単にわかります。
無料で使えるので、自分の強みを確かめたい人は今すぐ診断しましょう。
公務員の種類は大きく分けて2つ! それぞれの特徴や試験内容をチェック
就活生
公務員には、国家公務員と地方公務員がありますよね? それぞれなり方は違うのでしょうか。
キャリアアドバイザー
公務員試験を突破するという点は同じですが、国家公務員と地方公務員では試験の内容や難易度が違います。それぞれどんな内容が問われるのか、事前にチェックしておくことが大切ですよ。
公務員は、国家公務員と地方公務員の2つの種類に分けられます。ここからは、それぞれどんな公務員か、なるためにはどんな試験をクリアする必要があるのかを見ていきましょう。
国家公務員|国家機関・行政執行法人で働く人
国家公務員は、おもに中央省庁(内閣の下にある府・省およびその外局である庁)や行政執行法人などの国家機関で働く人々です。国の政策を企画・立案し、全国的な視点で行政をおこなう役割を担っています。
日本国内だけでなく海外を相手に仕事をすることもあり、スケールが大きい仕事に携わりたいという人に向いています。強い責任感は必要になりますが、その分大きなやりがいも感じられるはずです。
国家公務員の試験は、難易度や専門性によって3つの種類に分けられています。
- 国家総合職試験:院卒・大卒程度
- 国家一般職試験:大卒程度
- 国家専門職試験:学歴によって受験できる区分が異なる
国家総合職試験
国家総合職試験 | |
受験区分 | 院卒/大卒程度 |
試験内容 | <一次試験>基礎能力試験・専門試験<二次試験>記述式の専門試験・人物試験(面接)(院卒区分では政策課題討議試験・英語試験、大卒区分では政策論文試験も含む) |
国家総合職試験では、政策の企画・立案を中心とした高度な専門知識と能力が求められます。専門試験では法律、経済、政治国際などの区分に分かれて受験しますが、それぞれ専門性が高く、国家公務員試験のなかでも非常に難易度が高いのが特徴です。
キャリアアドバイザー
難易度が高い分、合格後に従事できる仕事の領域も広くさまざまな経験が積めるため、各省庁の幹部候補としてのキャリアパスも期待できますよ。
国家一般職試験
国家一般職試験 | |
受験区分 | 大卒程度 |
試験内容 | <一次試験>基礎能力試験・専門試験・選択した区分での論文試験と記述式の専門試験<二次試験>人物試験(面接) |
国家一般職試験は、主に事務系・技術系の職務に従事する公務員を対象とした試験です。
国家一般職試験では、専門科目ごとに区分が設定されているものの、受験時点で配属先の官庁が決まっているわけではありません。二次試験合格後におこなわれる「官庁訪問」といわれる面接で、官庁の配属希望を出すことができます。
キャリアアドバイザー
受験する年によっては受験区分が変更になっている場合もあるため、受験を検討している場合は受験要項を事前に必ずチェックしましょう。
国家専門職試験
国家専門職試験 | |
受験区分 | 学歴によって受験可能な区分が異なる 例)財務専門官・国税専門官・労働基準監督官など:院卒・大卒程度/刑務官・入国警備官など:高卒程度 |
試験内容 | 区分によって異なる |
国家専門職試験は、特定の専門分野において高い専門知識を持つ公務員を採用するための試験となります。試験内容は区分によって異なりますが、その専門分野に応じた専門試験と一般教養試験、面接による人物試験で構成されていることが多いです。
キャリアアドバイザー
総合職や一般職よりも専門性が求められることを理解しておきましょう。
国家公務員の種類について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。
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地方公務員|地方機関で働く人
地方公務員は、都道府県や市区町村などの地方自治体で働く人々です。おもに役所に所属し、地域住民に直接かかわる行政サービスの提供や地域の発展に貢献する役割を担っています。警察官や消防官も地方公務員ですよ。
国や海外を相手にする国家公務員と比較するとどうしても仕事のスケールは小さくなりがちですが、その分、地域住民と密にかかわりながら仕事をすることができます。実際、引っ越しや奨学金の手続きなどで役所の職員にお世話になったこともあるのではないでしょうか。
地方公務員の試験は、試験のレベル別に3つの種類に分けられています。ただし、これはあくまでも学力の目安であり、ほとんどの地方公務員試験では、学歴に関係なくどの試験も受けることが可能です。
- 地方上級公務員試験:大卒以上程度
- 地方中級公務員試験:短大・専門学校卒程度
- 地方初級公務員試験:高卒程度
地方上級公務員試験
地方上級公務員試験 | |
難易度 | 大卒以上程度 |
試験内容 | <一次試験>自治体によって異なるが、教養試験・専門試験・論文試験が一般的 <二次試験>自治体によって異なるが、面接やグループディスカッションなどが多い |
地方上級公務員試験は、都道府県や政令指定都市の幹部候補となる公務員を対象とした試験です。
必ずしも「上級に合格したら出世できる」と言い切れるわけではないものの、上級試験に合格していると、待遇面で優遇される傾向にあります。合格後は、政策の企画・立案、行政の管理運営に携わる職務を担う部署に配属されることが多いです。
試験内容は、一般教養試験、専門試験、論文試験、面接試験など多岐にわたり、高度な知識と能力が求められます。
地方中級公務員試験
地方中級公務員試験 | |
難易度 | 短大・専門学校卒程度 |
試験内容 | <一次試験>自治体によって異なるが、教養試験・専門試験・論文試験が一般的 <二次試験>自治体によって異なるが、面接や適性検査などが多い |
地方中級公務員試験は、主に地方自治体の中堅職員を対象とした試験です。一般事務や技術職、福祉職などさまざまな分野での業務を担当します。
ただし、最近は地方中級公務員試験を実施しない自治体も増えてきています。その場合は上級か初級どちらかを選んで受験することになるため、事前にそれぞれの自治体のホームページから実施状況や受験内容を確認しておきましょう。
地方初級公務員試験
地方初級公務員試験 | |
難易度 | 高卒程度 |
試験内容 | <一次試験>自治体によって異なるが、教養試験・論文試験が一般的 <二次試験>自治体によって異なるが、面接が多い |
地方初級公務員試験は、主に地方自治体の現場職員を対象とした試験です。初級公務員試験に合格した後は、窓口業務や現場作業など地域住民に直接かかわる業務を担当することが多いです。
地方初級公務員試験の場合、自治体によっては一次試験だけだったり、エントリーシート(ES)と面接を試験としていたりすることもあります。
地方公務員試験は、いずれも自治体の裁量によって試験内容や科目が設定されています。ここで紹介したものはあくまでも一般的なもののため、詳しくは受験予定の自治体のホームページをチェックするようにしましょう。
公務員の分類7選! 具体的な職種から仕事内容まで詳しく解説
就活生
公務員試験でよく目にする「区分」とは何でしょうか?
キャリアアドバイザー
大卒程度、高卒程度といった受験の難易度を示す「区分」の他に、職種によっても「区分」が異なります。公務員の種類、分類を示す言葉だとイメージするとわかりやすいかもしれません。
公務員にはさまざまな職種があり、その仕事内容も多岐にわたります。ここからは、公務員のおもな7つの分類について、具体的な職種とその仕事内容を詳しく解説します。
行政系:各省庁・市役所などで行政全般の業務に携わる仕事
- 各省庁の職員:各省庁で政策の企画・立案、法律の施行、予算管理などをおこなう
- 都道府県庁や市役所の職員:住民票の発行、税の徴収、社会福祉サービスの提供など、地域住民に直接かかわる行政サービスを提供する
行政系の公務員は、政府の各省庁や地方自治体の市役所などで、行政全般の業務に携わります。具体的には、政策の企画・立案、法律の施行、予算の編成・執行、各種行政サービスの提供などが含まれます。
たとえば、内閣府での政策立案や市役所での住民票の発行などが挙げられます。行政系の公務員は、多くの市民と直接的にかかわる機会が多く、国民の生活に直結する仕事をしています。
キャリアアドバイザー
私たちが普段役所でお世話になっているのは行政系の公務員ということですね。
心理系:心理学の知識や技能を活用した業務に携わる仕事
- スクールカウンセラー:学校で生徒の心理相談を担当し、心のケアをおこなう
- 臨床心理士:児童相談所や矯正施設で、子どもや受刑者の心理カウンセリングをおこなう
- 精神保健福祉士:地域の保健所や精神科病院で、心の病を持つ人々のサポートをおこなう
心理系の公務員は、心理学の知識や技能を活用して、メンタルヘルスケアや心理相談をおこなう仕事です。おもに、児童相談所や学校、矯正施設などで働きます。
たとえば、スクールカウンセラーとして学校で生徒の相談に乗ったり、矯正施設で受刑者の心理カウンセリングをおこなったりします。個々の心の健康をサポートすることで、社会全体の発展に寄与しています。
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福祉系:児童相談所や福祉事務所などでケースワーカーとして働く仕事
- ケースワーカー:生活保護の申請受理や生活困窮者の支援をおこなう
- 児童福祉司:児童相談所で児童虐待の対応や、家庭支援をおこなう
- 社会福祉士:高齢者や障害者の支援をおこない、福祉サービスの提供を調整する
福祉系の公務員は、児童相談所や福祉事務所などで、ケースワーカーとして働きます。社会的に弱い立場にある人々を支援し、福祉サービスを提供するのが主な仕事です。
福祉系公務員の仕事は人々の生活の基盤を支えるものであり、社会のセーフティーネットとして重要な役割を果たしています。
また、他の公務員と比べ、国家公務員より地方公務員としての採用が多いという特徴がありますよ。社会福祉士や児童指導員などの資格を持っていると受験できる区分が広がるため、福祉系の仕事に携わりたい場合は資格取得も検討してみましょう。
児童相談所の仕事内容については、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
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専門職系:外務省・財務省・国税庁などで専門的な知識を活かす仕事
- 外交官:外務省で国際関係業務や外交交渉を担当する
- 国税専門官:国税庁で税務調査や納税指導をおこなう
- 財務専門官:財務省で国家予算の編成や財政政策の立案をおこなう
専門職系の公務員は、外務省、財務省、国税庁などの専門的な知識を必要とする職場で働く人のことです。たとえば、外交官として国際関係業務を担当したり、国税専門官として税務調査や納税指導をおこなったりします。
これらの職務には、高度な専門知識とスキルが求められます。そのため、受験段階から職種を絞って応募するケースが多いです。
技術系:土木や建築などを通して暮らしやすい社会作りをおこなう仕事
- 土木技術者:道路や橋の設計・施工管理をおこなう
- 建築技術者:公共施設の設計・建設・修繕を担当する
- 環境技術者:環境保護のための調査・対策をおこない、持続可能な社会作りを推進する
技術系の公務員は、土木や建築などの技術分野で働き、インフラの整備や維持管理をおこなう人のことです。具体的な仕事内容としては、道路や橋の設計・施工管理、公共施設の建設・修繕、環境保護のための対策などが挙げられます。
技術系公務員の仕事は、私たちの生活を支える基盤を作り、暮らしやすい社会を実現することです。「都市の発展と安全を守りたい」「常に最新の技術と知識を駆使して社会に貢献したい」という方に向いているといえます。
キャリアアドバイザー
「理系公務員」とも呼ばれ、実際に理系学部出身者の人も多い職種ですよ。
公安系:警察官・消防官など住民の命や財産を守る仕事
- 警察官:犯罪の予防や捜査、交通安全の確保などをおこなう
- 消防官:火災の予防・消火活動や災害救助を担当する
- 自衛官:防衛省で国の安全保障や災害救助活動をおこなう
公安系の公務員は、警察官や消防官などとして、住民の命や財産を守る仕事をします。たとえば警察官なら犯罪の予防や捜査、交通安全の確保など、消防官なら火災の予防・消火活動や災害救助などを担当します。
公安系公務員には、高い責任感と体力が求められます。
また、地域住民や社会全体の安全を背負っているともいえる公安系公務員は、非常時には迅速に対応できるよう、日々厳しい訓練を受けているのが特徴です。体力や気力は必要になるものの、それだけやりがいも感じられる仕事といえますよ。
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資格免許職:看護師・栄養士など資格を必要とする仕事
- 看護師:公立病院で患者の看護をおこない、健康管理をサポートする
- 保健師:地域保健活動を通じて、住民の健康増進や予防医療を担当する
- 栄養士:学校や保健所で、児童生徒や地域住民の食事指導や栄養管理をおこなう
- 教師:公立学校で、生徒に勉強や社会のルールを教えたり、進路指導等をおこなう
資格免許職の公務員は、看護師や栄養士など、特定の資格を持つ専門職です。たとえば、公立病院で看護師として患者の看護をおこなったり、学校で栄養士として児童生徒の健康管理や食事指導をしたりします。
これらの職務には、専門資格とそれに基づく専門知識が必要です。その分勉強は必要になるものの、免許さえもっていれば、引っ越しなどで住む場所が変わっても働き続けられるのが魅力です。
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多種多様な公務員のなかから適職を探すカギは「実現したいこと」の深掘り!
ここまで、公務員の種類(国家公務員・地方公務員)と職種による分類7つを紹介しました。これを見るとわかる通り公務員とひとことにいっても種類や職種はとても幅広いです。これだけ選択肢が多いと、「自分には何が合っているのだろう……」と悩んでしまいますよね。
多種多様な公務員のなかから適職を探すためには、「なぜ公務員になりたいか」の深堀りが欠かせません。また、どんな働き方をしたいかを言語化することで、より自分に合った職場を見つけることができますよ。
ここからは、適職を見つけるための具体的な方法や職種を絞り込みきれないときの対処法を解説していきます。一つひとつ実践して、自分にぴったりな仕事を探し出しましょう。
自分には何が向いている? 公務員の適職を見つけるための自己分析3ステップ
就活生
自分に合った職種を見つけるためには、具体的にどうすれば良いのでしょうか?
キャリアアドバイザー
自己分析は、「なぜ公務員になりたいのか」「どんな働き方を理想とするか」の2軸で考えることが大切です。一つひとつステップに沿って一緒にやってみましょう。
公務員を目指すうえで、自分にとって本当に適した職種を見つけるためには、しっかりとした自己分析が欠かせません。ここからは、適職を見つけるための自己分析を3つのステップに分けて解説します。
ステップ①なぜ公務員になりたいのか理由やきっかけを書き出す
まずはなぜ公務員になりたいのか、その理由やきっかけを明確にしましょう。単なる安定志向や親の勧めだけでなく、自分の価値観や経験に基づいた動機を掘り下げることが大切です。
- 役所の方に助けてもらったことがあり、自分も同じように地域に役立つ仕事がしたい
- 親や親戚が公務員をしていて、生き生きと働いている姿を見て興味を持った
- 小さい頃に見たドラマの影響で警察官になりたいとずっと思っていた
理由やきっかけを書き出す際のコツは、「なぜ?」を繰り返すことです。たとえば、社会貢献性に魅力を感じている場合、「なぜ社会の役に立つ仕事をしたいのか?」を考えていきましょう。具体的なエピソードが出てくるとベストです。
志望理由が具体的になればなるほど、志望先を選ぶ際の指針になりますよ。
理由やきっかけを探すために自己分析は欠かせません。こちらの記事も参考にして、自己分析をしてみてください。
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ステップ②将来どんなキャリアやライフスタイルをかなえたいかイメージする
次に、将来のキャリアやライフスタイルについてイメージを広げてみましょう。自分がどんな働き方をしたいのか、どんな生活を送りたいのかを具体的に想像することで、適した職種が見えてきます。
具体的に思いつかない場合は、以下の軸を参考にしながら考えてみてくださいね。
- どのような部署で働きたいか、将来的にはどのような役職を目指したいか
- バリバリ出世したいか、ライフワークバランスを重視したいか
- 都会での生活を希望するか、地方でゆったりとした生活を送りたいか
これらを具体的に考えることで、自分の理想の働き方や生活スタイルに合った職種を見つける手助けになります。
ステップ③仕事において求めることに優先順位をつける
最後に、仕事において自分が求めることに優先順位をつけましょう。どんな仕事でも全ての希望を満たすことは難しいため、何を一番大事にするかをはっきりさせることが重要です。
- 安定性:長く安定して働けることを最優先する
- やりがい:自分が情熱を持って取り組める仕事であることを重視する
- 収入:給与や福利厚生の充実度を重視する
- 勤務地:勤務地の希望が最優先である
これらの優先順位を明確にすることで、自分にとって妥協できる部分とできない部分が見えてきます。
たとえば、勤務地を重視するのであれば、国家公務員ではなく地方公務員のほうがストレスなく働けるかもしれません。また、安定性を最重視する場合は、公務員のなかでも定年まで働きやすい職種を選ぶのがおすすめです。
キャリアアドバイザーコメント加藤 大智プロフィールをみる
公務員試験を受けずに民間企業を受ける場合や、公務員になった後に転職することになった場合でも、自己分析は非常に重要です。もしかすると、自己分析をおこなった結果「自分にとっての適職は公務員ではない」と思う可能性もゼロではありません。自己分析をせず、公務員として就職した後に合わないと感じて苦しむよりも、今から自己分析を重ね、最初から自分がいきいきと働ける仕事に就職するほうが良いですよね。
自己分析をおこなうときは、自分の過去と未来に焦点を当てることを強く意識するようにしましょう。過去の経験から公務員になりたいと思った理由を見つけ、未来に対する意識から自分の将来の理想像が明確になります。過去と未来に対する分析がしっかりできていないまま仕事に求めることの優先順位づけをすると、そもそもの優先順位が間違っており、入社してから合わないと気付くという事態になりかねません。
手っ取り早く仕事への優先順位を考えたくなるかもしれませんが、自己分析のステップを確実に踏み、就活を進めるための土台をつくることが重要です。
どの公務員を目指すか絞り切れない……そんなときの3つの対処法
就活生
自己分析をしてみたけれど、どの公務員を目指すか絞り切れません……。
キャリアアドバイザー
最初から無理に絞り込む必要はありません。視野を広げたりいろいろな観点から職種を見たりしてみることで、「これかも!」という職種に出会えることもありますよ。
ここからは、公務員を目指しているものの、具体的にどの職種を選ぶべきか悩んでいるときに役立つ対処法を3つご紹介します。「なかなか職種を絞り込めない……」という場合にぜひ試してみてくださいね。
①第一志望だけに絞らず併願という形で選択肢を増やす
公務員試験は競争率が高く、必ずしも第一志望の職種に合格できるとは限りません。そのため、第一志望だけに絞らず、併願という形で複数の選択肢を検討することが重要です。
たとえば、国家公務員試験と地方公務員試験を同時に受けることで、合格の可能性を高めることができます。また、行政系公務員と技術系公務員など、興味のある職種を複数選んで受験する人も少なくありません。
併願して受験するということは、それだけ公務員について調べる機会が増えます。そうすることで自分の適性や興味に合った職種を見つけやすくなり、合格のチャンスも広がりますよ。
キャリアアドバイザー
なかには強い意志を持って専願で受験し、不合格になった場合は就職浪人をするという学生もいますが、就職浪人は思っている以上にメンタルに影響を与えます。心の平穏を保つという意味でも、併願は効果的ですよ。
②一度民間企業も受けてみて視野を広げる
自分の視野を広げるためには、公務員だけにこだわらず、一度民間企業の就職活動も経験してみるのもおすすめです。民間企業での選考プロセスや働き方を知ったり実際に働いている人と話してみたりすることで、公務員との違いや自分の適性をより深く理解することができます。
実際に面接まで受けなくても、インターンシップに参加したり企業説明会に行ってみたりするだけでも効果的ですよ。
キャリアアドバイザー
これまでなんとなく公務員にこだわっていたけれど、民間企業を検討してみたら特定の会社に興味を持ち、自分のやりたいことが見つかったという人も少なくありません。
公務員と民間企業の併願について、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。
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キャリアアドバイザーコメント長尾 美慧プロフィールをみる
視野を広げるために民間企業を受けてみる方法もありますが、学生によっては選択肢が増えることで、逆に迷ってしまうこともあるかもしれません。公務員と民間企業では、それぞれメリットとデメリットが異なるため、迷わないよう自分なりの判断基準をもっておくことが重要です。
たとえば、公務員は働いている地域や国をより良くするために働くため、社会貢献性が高いです。民間企業の場合はまず利益を出すことが重要で、利益を出したうえでの社会貢献性が求められます。また、公務員は安定性が高いですが、年功序列のため昇格や昇給は仕事の成績ではなく働いた年数で決まりやすいです。一方、民間企業の場合は倒産するリスクはありますが、仕事の結果が給与や昇給に反映されやすい傾向にあります。社会貢献性や安定を大事にしたい場合は公務員、自分の頑張りが結果に反映されることにやりがいを感じる場合は民間企業のほうがいきいきと働ける可能性が高いといえますね。
このように、公務員と民間企業のどちらが合っているかは人によって異なります。民間企業にも視野を広げるときは、事前に自分なりの判断基準を明確にしておくことで、後々迷わず意思決定がしやすくなるでしょう。
③「これだけは避けたい」から条件を絞り込む
公務員にかかわらず、自分にとって「これだけは避けたい」と思う条件を明確にすることで、自然と適した職種が絞り込まれていきます。ネガティブな要素から逆算することで、自分に合った仕事を見つける手助けになるのです。
たとえば、「遠方への転勤が多い職種は避けたい」ということであれば、特定の市役所や県庁で働く地方公務員が向いているといえます。さらに「特定の分野ではなく幅広い業務に携わりたい」なら、地域の活性化や観光振興など幅広い業務にかかわることができる行政系の職種がおすすめです。
キャリアアドバイザー
「これが良い」を考えるのは難しくても「これは嫌だ」は案外思いつきやすいものです。ぜひ試してみてくださいね!
- プライベートの時間を大切にしたいので残業が少ない職場で働きたい
- 体力に自信がないため、身体的負担の少ない職場で働きたい
- チームワークを重視したいので、人間関係が良好な職場で働きたい
いつからどう準備するのがおすすめ? 公務員の難易度別の対策
就活生
公務員を目指すなら、試験に向けた対策が大切ですよね? いつから、どう対策すれば良いのでしょう……。
キャリアアドバイザー
受験する公務員試験の難易度によって、対策の方法は異なります。まずは自分の目指す公務員の種類を明確にして、どう対策すれば良いのかを考えましょう。
ここからは、公務員試験への対策方法を、試験の難易度別に紹介します。どんな職種がどんな難易度にあたるのかも紹介するので、併せてチェックしてみてくださいね。
【超難関】国家公務員の総合職などを目指す場合
- 国家公務員総合職
- 裁判所職員
- 外務省専門職員
など
国家公務員の総合職は非常に競争が激しく、合格までに高度な知識とスキルが求められます。そのため、長期間にわたる計画的な学習が必要です。勉強時間の目安としては、1,500時間以上といわれています。
まずは、日々の学習を通じて基礎学力を固めましょう。試験日まで日程が少ない場合には、予備校や通信講座を活用して効率的に勉強することが重要です。
また、過去問を繰り返し解くことで、試験の形式に慣れることも欠かせません。模擬試験を活用して、実戦的な対策をおこないましょう。
キャリアアドバイザー
国家公務員を目指す学生のなかには、大学入学時点からすでに勉強を始めている人も多くいます。生半可な気持ちでは合格しない試験だということを理解しておきましょう。
【難関】国家公務員の一般職などを目指す場合
- 国家公務員一般職
- 地方上級
- 国税専門官
- 財務専門官
など
国家公務員の一般職は、総合職ほどではないものの、依然として高い競争率を誇ります。特に国家公務員試験は基礎力が重要になるため、できるだけ早めに準備に取り掛かることが重要です。
国家公務員一般職試験や地方上級公務員試験は大学入試レベルといわれていて、1,000時間程度の勉強時間を経て受験する人が多いです。専門科目の勉強から模試・過去問演習まで一通りおこないましょう。
地方自治体の場合は面接を重要視するケースもあるため、面接対策も欠かせませんよ。
【普通】市役所職員などを目指す場合
- 市役所職員
- 警察官
- 消防官
など
市役所職員の試験は、国家公務員よりもやや易しいですが、自治体によっては高い競争率です。自分が受ける自治体や試験の例年の倍率は必ずチェックしておきましょう。
また、地方公務員試験は自治体によって試験の内容や形式が大きく変わります。「一般的な問題は完璧だから……」という油断は禁物です。必ず過去問や模試を活用して、試験の内容や形式に慣れるようにしましょう。
また、警察官や消防官の場合は筋力や瞬発力を測る体力試験があるケースも多いです。日頃から筋力トレーニングをおこなったり、体調管理を意識したりしておいてくださいね。
【低め】都道府県職員などを目指す場合
- 地方初級
- 入国警備官
- 刑務官
- 自衛官
など
都道府県職員などの公務員試験は、他の職種と比較するとやや易しめな傾向があります。就活が始まってから勉強を始め、合格したという人も少なくありません。
しかし、難易度が低いからといって勉強せずに誰でも簡単に合格できるわけではありませんよ。特に勉強し始めたのが遅かったという場合は、短期間で効率よく学習することが大切です。
基礎力を固めるというよりも、自分の苦手分野を克服するイメージで勉強に取り組みましょう。まずは過去問をいくつか問いてみて、何度も間違った箇所を集中的に勉強するのがおすすめです。
キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
公務員試験の難易度はあくまで一般論であり、学生個人の得意分野や不得意分野によって難易度は変化します。一般的に難易度が高いといわれている試験でも、自分にとって得意分野だと簡単に感じますし、試験の難易度が低いといわれていても、自分の苦手分野だと難しいと感じるでしょう。
特に避けたいのは、一般的に難易度が低いとされている試験に対して、油断してまったく勉強しないことです。試験の合否は点数で決まるため、数点の差でも結果に大きく影響します。もし対策をまったくせず試験に挑み、数点足りずに合格できなかったら、非常に悔しいですよね。
時間は限られているため、すべての試験に対して同じだけ時間をかける必要はなく、自分の得意不得意に合わせて勉強することは問題ありません。しかし、一般的に難易度が低い試験だからといって「勉強しない」と決めつけるのではなく、一旦勉強に取り組んだうえで自分にとっての難易度を把握し、対策にどれほどの時間を費やすか決めると安心ですね。
公務員を目指すあなたに知っておいてほしい3つのこと
就活生
公務員について、よくわかりました!早速、勉強や面接対策を始めたいと思います。
キャリアアドバイザー
ちょっと待って!公務員を目指す道は決して簡単なものではなく、ときには苦しくなることもあるでしょう。そんなあなたに、知っておいてほしいことがあります。
最後に、公務員を目指すうえで知っておいてほしいことを3つ紹介します。対策を進めるうえで落ち込みすぎないためにも、ぜひ覚えておいてくださいね。
難易度の高い公務員を目指す前に自身の力量を見つめ直すことも大切
公務員試験には、難易度の高い試験から比較的易しい試験までさまざまです。国家公務員総合職や上級地方公務員の試験は特に難易度が高く、相応の準備と知識が求められます。
「せっかく目指すのであれば難易度が高い試験に臨みたい」という気持ちもわかりますが、まずは、自分の現在の実力を冷静に見つめ直すことが重要です。高すぎるハードルは、勉強のモチベーションを下げてしまいかねません。
キャリアアドバイザー
まずは模試や過去問を解いてみて、自分の学力を客観的に評価しましょう。そのうえで目指す公務員試験を選ぶことで、無理なく合格を目指すことができますよ。
落ちた場合の保険を考えておくことも重要
公務員試験は競争が激しく、必ずしも全員が一度で合格できるとは限りません。そのため、万が一不合格になった場合に備えて、保険を考えておくことが重要です。
たとえば、複数の公務員試験を受けることで、合格のチャンスを広げられます。また、並行して民間企業の就職活動をおこなうのも一つの方法です。あるいは、学部卒業後に大学院に進学することで、さらに専門的な知識を深め、次のチャンスに備えることもできます。
保険を考えておくことで、不合格のリスクを軽減し、安心して試験に集中することができます。
キャリアアドバイザー
毎年、公務員試験を受ける人のなかには、併願したにもかかわらず全部が不合格となり、自分の将来に絶望してしまうという人も一定数います。自分のメンタルを守るためにも、落ちた場合の保険は考えておきましょう。
自己分析がうまくできない場合はプロの力を借りるのも一つの手
公務員試験においては、自己分析によって自分の適職を見つけることが非常に重要です。しかし、自己分析が苦手な方も多いと思います。そんな場合は、プロの力を借りるのも一つの方法です。
たとえば、キャリアカウンセラーに相談することで、自分の強みや適性を客観的に見つけてもらえます。また、公務員試験対策予備校では、専門の講師が自己分析のサポートをしてくれます。模擬面接やESの添削など、具体的な対策もおこなってくれますよ。
自宅で手軽に就職エージェントなどが提供している自己分析ツールを活用するのもおすすめです。
公務員の種類・難易度別の対策をおこない理想のキャリアを手に入れよう
ここまで、公務員の種類やそれぞれの就職難易度を紹介するとともに、自分に合った仕事の見つけ方を解説してきました。
公務員には大きく分けて国家公務員と地方公務員の2種類があり、さらに行政系、心理系、福祉系など、仕事内容によってさまざまなジャンルに分類されます。就職活動を後悔なく終えるためには、自己分析を徹底し、自分に合った適職を見つけることが欠かせません。
また、公務員になるための試験は難易度が高いものから易しめのものまで幅広くあります。自分が目指す公務員の難易度によって適切な対策をおこない、合格を目指しましょう。
公務員=役所で働いている人というイメージがあるのですが、合っていますか?