目次
- 管理栄養士の仕事は就職先によって異なる
- 管理栄養士とは
- 長く活かせる国家資格
- 高齢化や健康志向で需要が高まり、就職先も多彩に
- 先輩はどうしてる? 管理栄養士の就職先ランキング
- 管理栄養士の主な就職先と仕事内容
- 病院
- 保健所・保健センター(公務員)
- 学校・給食会社
- 福祉・介護施設
- 大学や食品会社の研究機関
- スポーツ施設
- 美容施設
- フリーランス・料理教室主宰
- 管理栄養士と栄養士の就職先の違い
- 栄養士:健康な人への栄養指導
- 管理栄養士:健康な人+配慮が必要な人への栄養指導
- 管理栄養士の就職先による年収の違いは?
- 管理栄養士全体の平均年収
- 経験を積むことでステップアップできる
- 年収でいうと公務員が上
- 管理栄養士の自分に合った就職先の3つの選び方
- ①管理栄養士としてやりたいことを見極める
- ②規模ではなく仕事内容で選ぶ
- ③将来の理想の働き方を考える
- 管理栄養士として活躍できる人の特徴
- 情報収集力があり勉強熱心な人
- チームワークが得意な人
- コミュニケーション力がある人
- 「管理栄養士の就職は難しい」って本当?
- 実際にはほぼ100%の有資格者が就職している
- 理想の就職先を勝ち取るのは難しい場合も
- 管理栄養士の就活を効率的に進めるコツ
- 就活のスケジュール管理を徹底する
- なるべく多くの現場を体験する
- OB・OG訪問で実際に働く人の声を聞く
- 自分にぴったりの管理栄養士の就職先を選ぼう
管理栄養士の仕事は就職先によって異なる
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生から
「管理栄養士の仕事はどんなことをするのですか?」
「管理栄養士の就職先はどんなところがありますか?」
といった質問が寄せられています。管理栄養士は栄養に関する専門的な知識を活かし、人々の健康的な生活をサポートできることから人気を集める職業の一つです。
とはいえ、就職先は思った以上に多様であり、就職先によって仕事内容が異なるのが特徴です。そこでこの記事では、管理栄養士の就職先ランキングや3つの選び方、就職先別の仕事内容、気になる年収などを詳しく解説します。ぜひ参考にしてくださいね。
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管理栄養士とは
管理栄養士とは、栄養・食に関する専門的な知識を提供したり、食事の管理をしたり、調理をしたりと、食に関するさまざまなサポートをする専門職です。社会的需要が高く、「食」を通して社会貢献ができる仕事です。
管理栄養士の大きな特徴は国家資格という大きな強みがあることと、就職先が多彩なことです。
長く活かせる国家資格
管理栄養士は1962年に誕生した国家資格です。管理栄養士の受験資格は栄養士に与えられるため、管理栄養士を目指すにはまず栄養士の資格を取得する必要があります。
ハードルが高い分、管理栄養士の資格を取得していると、妊娠や出産、介護などで一時期離職しなければならなくなっても、資格を活かして再就職や転職が可能です。
キャリアアドバイザー
高齢化や健康志向で需要が高まり、就職先も多彩に
日本では高齢化が進み福祉施設や介護施設が増えるとともに、高齢者の栄養管理をおこなう管理栄養士の需要が高まっています。
高齢者に限らず、社会全体で健康志向が高まっているため、さまざまなシーンで管理栄養士が必要とされています。
- 生活習慣病対策
- 子どもの食育
- アレルギー問題
そのため、管理栄養士の就職先は病院や福祉・介護施設、学校・給食会社など、健康や食育をサポートする職場をはじめ、食に関する研究機関や美容施設などに多彩に広がっています。
キャリアアドバイザーコメント辻 華菜子プロフィールをみる
管理栄養士とは、人の健康維持に欠かせない栄養を管理する仕事です。栄養管理をすることで体調を整え、よりよい生活習慣につなげることができます。近年、腸が睡眠の質やメンタルにも影響を与えるといわれていますよね。摂取した栄養は、体調だけでなく人生そのものにも影響を与えるという面もあります。
管理栄養士としての知見を活かしたアドバイスで、誰かの健康や生活が好転すれば、大きなやりがいにつながります。それだけ、管理栄養士は資格が必要で難易度の高い仕事です。でも、その分やりがいは大きく、社会貢献度の高い仕事といえるでしょう。ぜひ興味のある人は管理栄養士を目指してくださいね。
先輩はどうしてる? 管理栄養士の就職先ランキング
管理栄養士は幅広い就職先がありますが、選択肢が多いゆえ、どの就職先を目指せば良いのか迷ってしまいますよね。
「全国栄養士養成施設協会 R02年度 管理栄養士養成施設卒業生 管理栄養士の就職先内訳」によると、管理栄養士の資格を持つ人の就職先ランキング1くらいは「病院」で33.2%、2くらいは「企業・健保」で24.4%、3くらいが「給食会社など」で15.4%となっています。
続いて「介護保険施設」が4くらいで11.0%、5くらいの「児童福祉施設」が4.7%です。病院や企業・健保が王道の就職先として人気を集めている中、企業など独自の道を選んでいる人も多いことがわかります。
管理栄養士の主な就職先と仕事内容
- 病院
- 保健所・保健センター(公務員)
- 学校・給食会社
- 福祉・介護施設
- 大学や食品会社の研究機関
- スポーツ施設
- 美容施設
- フリーランス・料理教室主宰
管理栄養士の仕事は、食を通して健康をサポートすることが基本ですが、仕事内容は就職先ごとに異なります。必要な知識や技術が異なるケースもあるため、事前に確認しておくことが大切です。
ここで、就職先ランキング上位の病院や福祉・介護施設など、管理栄養士の主な就職先と仕事内容を解説します。気になる職場がある人はもちろん、具体的にどの就職先にしようか迷っている人も参考にしてみてください。
病院
近年、健康増進法や病院法で管理栄養士の配置が義務付けられている病院があるほか、管理栄養士を含む栄養サポートチーム(NST)を設ける病院が増えています。病院における管理栄養士の仕事は、入院している患者さんの食事を管理する「給食部門」と、外来患者に対する食生活の指導をおこなう「臨床部門」があります。
- 給食部門・・・入院患者の献立の作成、食材の発注、調理指導
- 臨床部門・・・外来患者への栄養指導(個別または集団)
給食部門では栄養面だけでなく、食事制限のある患者さんでも食事をおいしく食べられるように味付けや見た目も工夫します。
いずれにしても病院のスタッフや患者さんと接する機会が多いため、コミュニケーション能力の高い人に向いている就職先です。
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保健所・保健センター(公務員)
管理栄養士は行政栄養士とも呼ばれる公務員として保健所や保健センターに就職することも可能です。国家公務員、もしくは地方公務員の採用試験を受けて、地域住民の健康増進をサポートします。
保健所や保健センターでは地域住民を対象とした仕事が多く、乳幼児から高齢者まで幅広い年代の人と接し、多岐にわたる業務を担うことになります。地域住民の健康増進をサポートしたいと考える人に向いています。
- 地域住民に対する栄養相談会や健康増進を目的としたセミナーの開催
- 飲食店の業務許可
- 栄養士免許の申請受付
- 災害時の被災地での栄養に関する個別相談
- 高齢者向け食品、アレルギー対応食品の提供
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学校・給食会社
学校・給食会社では、子どもたちの健康維持と成長を考慮して献立を考えます。
- 給食の献立作成
- 食材の購入・管理、調理
- 給食だよりの作成
小中学校のほか、企業など大人を対象とした給食の場合は、あらゆる体質や年代の人がいることを考慮しなければなりません。
なお、学校給食には「学校栄養職員」と「栄養教諭」の2種類があります。管理栄養士の資格があれば学校栄養職員として就職できますが、栄養教諭は管理栄養士資格に加えて栄養教諭普通免許が必要です。
栄養教諭になると、食育の授業や栄養に関する個別相談を受けることができるようになります。
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福祉・介護施設
障がい者や高齢者向けの福祉・介護施設、児童養護施設で、利用者の健康をサポートする仕事もあります。
障がい者施設や高齢者施設での主な仕事は、栄養ケア・マネジメントです。医師や介護職員とコミュニケーションをとりながら栄養管理や献立作成をし、調理もおこないます。ミキサー食やきざみ食など、利用者に合わせた食事を提供する知識と技術も必要です。
児童養護施設では栄養アセスメントをもとにした献立計画や食材の購入、調理が主な仕事です。子どもの成長を考慮した献立を作成するだけでなく、子どもが施設を退所してからも食生活に困らないよう、練習として料理を一緒に作ることもあります。
キャリアアドバイザー
いずれの施設でも利用者の年齢や状態はバラバラなので、一人ひとりに合った栄養や食事内容を考えることが大切になります。
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大学や食品会社の研究機関
大学や食品会社の研究機関でも管理栄養士が活躍しています。
- 大学・・・研究室での研究活動や学会への参加、論文の作成・発表
- 食品会社・・・レシピ開発や商品設計
- 栄養食品などのメーカー・・・研究開発部門で新商品の企画・開発
開発に携わる商品は就職先によって弁当などの食品のほか、離乳食やサプリメントなどさまざまです。栄養についてとことん研究したい人や、持っている知識を活かして新しい商品を誕生させたいと考える人におすすめです。
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スポーツ施設
スポーツジムやフィットネスクラブといったスポーツ施設では、アスリートやスポーツに取り組む人のサポートをします。たとえば運動能力をアップさせるための栄養指導や、ダイエットを目的とした食生活のアドバイスなどです。
スポーツ施設に就職するほか、スポーツチームや実業団に所属する管理栄養士もいます。ジュニアアスリートチームでは保護者と連携しながらサポートし、実業団などでは選手の栄養チェックや体調管理をおこなうこともあります。
仕事の幅を広げたい場合は、「公益社団法人 日本栄養士会」と「公益財団法人 日本スポーツ協会」が共同認定する「公認スポーツ栄養士」の資格を取得しましょう。
キャリアアドバイザー
公認スポーツ栄養士になると、スポーツ栄養士の専門家としてスポーツに特化した栄養指導をおこなえるようになります。
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美容施設
フェイシャルやボディ、ダイエットなど、利用者の美容をサポートするエステティックサロンでも管理栄養士の知識が活かされています。美容施設では施設を利用する顧客に対して、栄養指導や食生活のアドバイスなどをおこないます。施設によっては、施設が主催するイベントやセミナーで活躍できることもありますよ。
エステティックサロンは外見の美しさをアップするサポートが仕事ですが、必要なのは外側からのアプローチだけではありません。食事で内側からもアプローチをして健康的な美しさを手に入れるサポートをするのが、管理栄養士の大きな役割です。
キャリアアドバイザー
美容関係の仕事がしたい人や、誰かを美しくするサポートをしたい人に向いています。施術の技術も基礎から学べますよ。
フリーランス・料理教室主宰
管理栄養士はフリーランスとして働いたり、料理教室を主宰したりすることも可能です。フリーランスの場合はクラウドソーシングサイトなどを通じてレシピの作成や、ダイエット・健康のための食事に関する記事作成、雑誌で食や料理の知識を伝えるフードコーディネーターなどの仕事をします。
自宅やキッチンスタジオで定期的に料理教室を開催している人や、食・栄養に関するセミナーに登壇する管理栄養士もいます。
キャリアアドバイザー
フリーランスとして働く場合、まずは管理栄養士として就職をしてキャリア形成をしたうえで独立するのがおすすめです。
キャリアアドバイザーコメント清水 沙也香プロフィールをみる
管理栄養士の就職先を解説しました。就職先として、人気の職場や高難易度の職場、ニーズの高まっている職場を紹介しますね。
人気の職場は学校や保育所です。子どもの献立を考えることが楽しかったり、日曜日や祝日に休めたりすることが人気の理由のようですよ。
高難易度なのは、保健所・保健センター(公務員)です。公務員そのものの倍率が高いうえ、管理栄養士としての採用人数が少ないため、狭き門となっています。
また、ニーズが高まっているのは福祉・介護施設ですね。高齢化社会の影響を受けて、施設の利用者が増えています。介護度を視野に入れたうえで献立を考えることのできる管理栄養士は必要な存在です。
管理栄養士はさまざまな就職先から必要とされる士業です。希望とする働き方をイメージして就職先を決めてくださいね。
管理栄養士と栄養士の就職先の違い
栄養士と管理栄養士は、どちらも栄養に関する知識を持つ専門職です。しかし、栄養指導できる対象が異なります。
栄養士養成施設を卒業すると、都道府県知事から栄養士としての免許を与えられるのが「栄養士」です。一方、「管理栄養士」は栄養士の資格を得るだけでなく、国家資格に合格しなければなりません。管理栄養士はより多くの知識を身に付け、資格取得の難易度も高い分、就職先の範囲が広がります。
栄養士:健康な人への栄養指導
栄養士の仕事は、健康な人への栄養指導です。
- 学校・給食会社
- 福祉・介護施設
- 一般企業
なかでも多いのは学校・給食会社や福祉・介護施設への就職です。栄養指導や食生活のアドバイス、献立作成、調理などが主な業務です。一般企業に就職する場合、調理のほか、職場によっては商品開発に携われる可能性もあります。
なお、医療施設へ就職することも可能ですが、仕事内容は献立の作成や調理がメインとなる傾向があります。同じ病院に栄養士と管理栄養士がいる場合、栄養士は調理の業務を任されるケースが多くなります。
管理栄養士:健康な人+配慮が必要な人への栄養指導
管理栄養士は健康な人への対応に加えて、配慮が必要な人への栄養指導も可能です。栄養士の仕事内容にプラスしてケガや病気をした人、通常の食事が難しい高齢者などへの栄養指導もできるようになります。
管理栄養士は配慮が必要な人それぞれの状況に応じた栄養指導ができるため、特定保健指導で生活習慣病のリスクがある人への改善指導をおこなうこともあります。
そのため、栄養士よりも医療施設や介護施設への就職が多い点が特徴です。栄養面はもちろん、入院患者や利用者の食欲がないなど食事に関する問題が発生したときにも対策を考えます。
キャリアアドバイザー
管理栄養士は、さまざまな年代や状態の人や施設の職員とコミュニケーションをとりながら、問題解決に向けてサポートする仕事が多くなります。
管理栄養士の就職先による年収の違いは?
就活生
管理栄養士の就職先はさまざまですが、就職先によって年収にも違いがあるのですか?
キャリアアドバイザー
管理栄養士の年収は、就職先や雇用形態によって異なります。気になる職場がある場合は確認しておきましょう。
「リクナビNEXT」のデータによると、たとえば食品メーカーでも携わる業務によって平均年収は異なります。また、正規雇用の場合と、契約社員や派遣社員として働く場合でも平均年収に差があります。
管理栄養士全体の平均年収
管理栄養士全体の平均年収は、約288.1万円です。ただしこれは非正規雇用も含めた平均であり、正規雇用で働く場合の平均年収は310.5万円、非正規雇用の場合の平均年収は229.2万円から299.2万円です。非正規雇用のなかでも業務委託を受けて働くケースと、契約社員・派遣社員でも平均年収に差があります。
就職先別で見てみると、医療福祉関連企業では270.6万円です。食品メーカーで新商品やメニュー開発に携わる場合の平均年収は311.6万円、食品販売業の平均年収は281.5万円と、就職先によって差があることがわかります。
キャリアアドバイザー
平均年収は企業によっても異なり、福利厚生や勤務時間などもさまざまです。年収だけに注目するのではなく、待遇面も確認してみることが大切です。
経験を積むことでステップアップできる
管理栄養士の資格を取得するためには、栄養士の資格を取得したうえで管理栄養士養成施設で勉強をしたり、実務経験を積んだりしてから受験しなければなりません。必要とされる過程をクリアしていれば、高卒でも大卒でも受験可能です。
一般的に年収は大卒のほうが高いイメージを持ちがちですが、管理栄養士の年収は学歴による差はほとんどないようです。学歴よりもどれだけ経験を積んだかで年収に差がでます。経験を積むと年収アップが期待できるだけでなく、将来転職を考える場面があったときに勤務先の選択肢も広がりますよ。
また、年代が上がるにつれて平均年収も上がります。たとえば20代の管理栄養士の平均年収は267.9万円、50代の平均年収は355.3万円です。
キャリアアドバイザー
初任給だけでなく、資格を活かして長く経験を積めることも意識しましょう。
年収でいうと公務員が上
年収がより高い就職先を選びたい場合は公務員がおすすめです。公務員の場合は、あらかじめ給与や諸手当などの金額が法律で決まっており、一般企業の平均年収よりも高くなっているからです。
管理栄養士として働く公務員の平均年収は351.4万円です。管理栄養士全体の平均年収と比べると、公務員のほうが上であることがわかりますね。
公務員の給与は経験年数や熟練度を示す「号棒」と、職務の難しさを示す「級」によって決まっています。一番低い組み合わせと一番高い組み合わせでは、年収に数百万円の差が出ます。
キャリアアドバイザー
公務員として管理栄養士の仕事をおこなう場合、長く勤務するほど自然と年収も上がるということです。
管理栄養士の自分に合った就職先の3つの選び方
管理栄養士として働ける就職先や仕事内容は多種多様です。選択肢が幅広い点はメリットですが、「人気の就職先だから」「年収が良さそうだから」といった理由だけで就職先を選ぶのはおすすめできません。
人気がある、年収が良いからといって、その就職先が自分に合っているとは限りません。ここで紹介する3つのポイントを参考に、自分に合った就職先を選びましょう。
①管理栄養士としてやりたいことを見極める
自分に合った就職先を選ぶには、管理栄養士としてやりたいことを見極めることが大切です。そのためには、まず自己分析をしてみましょう。自己分析とは、自分のことを客観的に見て分析してみることです。
自己分析をすると、管理栄養士になりたい理由や、管理栄養士としてどのようなことをしたいのかが見えてきます。たとえば「自分の知識を活かして多くの人の健康をサポートしたい」「食を通して子どもたちの成長をサポートしたい」「誰かが美しくなるサポートをしたい」などです。
キャリアアドバイザー
やりたいことや目標が明確になれば自分に合った就職先を選びやすいだけでなく、万が一仕事で行き詰まったときも前向きに考えられるようになります。
マインドマップを使った自己分析方法はこちらの記事で解説しています。
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②規模ではなく仕事内容で選ぶ
就活生
就職先は規模が大きいほど安心できる気がします。
という人もいますよね。確かに、規模が大きな病院や企業は小規模・中規模なところと比較すると、収入面や福利厚生の面で魅力的な部分が多いかもしれません。
しかし、規模が大きく収入面や福利厚生がしっかりしているからといって、楽しく仕事ができるとは限りません。職場の環境が自分の性格とは合わないことや、自分の力が十分発揮できないこともあるからです。
職場の環境が合わなければ仕事を楽しめませんし、力を発揮できなければやりがいを感じられませんよね。もちろん、大規模の職場が合っている人もいますが、規模の小さい職場のほうが働きやすい人もいます。就職先は規模ではなく、どのような仕事ができるのか仕事内容で選びましょう。
仕事を選ぶ10の基準についてこちらの記事で解説しています。
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③将来の理想の働き方を考える
管理栄養士はライフステージが変化しても臨機応変に対応できる、長く活かせる資格です。せっかく管理栄養士になる夢を叶えられたなら、キャリアアップを目指して、なるべく長く続けたいですよね。
そこで、将来的に管理栄養士の資格をどのように活かしたいのか、そのためにはまずどこに就職すれば良いのかを考えてみましょう。就職先によって築けるキャリアが異なるケースもあるからです。
キャリアアドバイザー
将来管理栄養士としてどのように活躍したいのかを考えて、夢をかなえるために必要なプランを立ててみるのがおすすめです。
キャリア形成の考え方についてはこちらの記事で解説しています。
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管理栄養士として活躍できる人の特徴
管理栄養士は食を通して、さまざまな人の健康をサポートする大切な職業です。管理栄養士として働くのであれば、自分の持っている知識と技術を活かして活躍したいですよね。そこで、管理栄養士に向いている人の特徴を解説します。
当てはまらない部分があるからといって、あきらめる必要はありません。自信がない部分がある人は、普段から意識することで成長できますよ。
情報収集力があり勉強熱心な人
食や栄養に関するアドバイスをする立場である管理栄養士は、常に新しい情報を正しく伝えなければなりません。食や栄養に関する情報は、日々変化しています。「管理栄養士の資格を取得したから必要な知識は持っている」と安心するのではなく、情報がアップデートされていないか、こまめなチェックが必要です。
- 食材や栄養学に関する情報
- 調理方法
- アレルギーや疾病に関する情報
あらゆる情報を入手することで管理栄養士としてレベルアップできるはずです。知識が増えるほど、相手や状況に応じて臨機応変なアドバイスができるようになりますよ。
チームワークが得意な人
管理栄養士は職場のスタッフと連携して仕事をするシーンも少なくありません。
- 病院で医師や看護師と連携しながら患者の栄養指導をおこなう
- 福祉・介護施設でスタッフと連携しながらメニューを考案する
- 食品会社で営業や販売職の社員と連携しながら商品開発をおこなう
仕事を進めていくなかで、ほかの人の意見が自分とは異なることもあります。しかし、専門的な知識を持っているからといって、自分の意見を押し通してしまうのは望ましくありません。
立場の違う人同士、お互いに自分とは違った視点で考えたことを取り入れながら仕事を進めることで、より良い結果が得られます。
チームワークを効果的にアピールする方法はこちらの記事を確認してください。
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コミュニケーション力がある人
コミュニケーション力があると、自然とチームワークもできるようになります。コミュニケーション力がある人は、自分の考えや想いをうまく伝えるとともに、相手の考えや想いも聞き出せるからです。管理栄養士は、このコミュニケーション力が必要な仕事です。
- 患者や施設利用者、その家族と話して健康状況や食習慣を聞き取り、状況を考慮して的確なアドバイスをおこなう
- 子どもから大人まで幅広い年代の人と会話し、栄養指導をおこなう
- 料理教室やセミナーで多くの人に向けて食や栄養の大切さを伝える
コミュニケーション力の言い換え表現はこちらの記事で紹介しています。
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企業側が求めている管理栄養士の特徴のなかで、特に重要な要素は「コミュニケーション能力」ですよ。健康に不安を感じている人の悩みや生活習慣をヒアリングする必要があるからです。
健康面に不安がある人のなかには、「この栄養を摂ってください」と一方的にいわれるより、まず自分の悩みや状況を聞いてもらいたいと考えている人もいます。実際に、相手の状況を理解してからのほうが、よりよい栄養指導ができますよね。
そのため、相手の話しを聞いたり、気軽に相談してもらえたりするコミュニケーション能力の高さは重要ですよ。面接などではぜひコミュニケーション能力をアピールしてくださいね。
「管理栄養士の就職は難しい」って本当?
就活生
管理栄養士は国家資格なのに就職は難しいと聞いたのですが……。
キャリアアドバイザー
そんなことはありませんよ。ただし、一部でそういう声があることも事実です。
国家資格を有する管理栄養士は、就職先を見つけること自体は難しくありません。先述したとおり、高齢化や健康志向が高まるとともに需要も高くなっているからです。それにもかかわらず管理栄養士の就職が難しいといわれている理由と、その対策を解説していきます。
実際にはほぼ100%の有資格者が就職している
学校にもよりますが、管理栄養士を目指す学校のホームページを見ると、ほぼ100%の学生が就職していることがわかります。管理栄養士の就職が難しいといわれることもありますが、実際には有資格者のほとんどが就職しています。
管理栄養士や栄養士に関する職業や一般事務職などに就職する人がほとんどですが、なかには上級学部に進学したり、独立したりする道を選ぶ人もいるようです。
キャリアアドバイザー
前述のように、近年、管理栄養士の需要は高まっているため、就職先がなくて難しいということはありません。
理想の就職先を勝ち取るのは難しい場合も
管理栄養士の就職が難しいといわれる理由は、必ずしも希望する就職先に就職できるわけではないからです。管理栄養士の募集はすでに働いている管理栄養士が退職することでおこなわれることが大半ですが、条件の良い職場ほど離職率が低いのが実情です。
また、就職先として人気のある職場や公務員を目指す場合は、倍率が高くなり狭き門を突破しなければなりません。そのため、管理栄養士の国家資格があるからといって、仕事内容や待遇、福利厚生などすべてが理想通りの就職先を勝ち取るのは難しい場合もあるのです。
キャリアアドバイザー
しかし、就活にしっかり取り組んで対策すれば、理想の就職先に就職できる可能性も高まります。
管理栄養士の就活を効率的に進めるコツ
管理栄養士が理想の職場に就職するためには、効率的に就活を進めることが大切です。ここで解説する3つのコツを押さえて、しっかりと対策しましょう。
就活のスケジュール管理を徹底する
管理栄養士の就活で重要なのがスケジュール管理です。管理栄養士を目指す人は学校の授業や国家試験対策に忙しいため、いかに効率的に終活を進めるかが大切になるのです。
表のスケジュールはあくまで一例であり、病院や介護施設は採用時期が一般企業に比べて遅く、募集期間も長い傾向にあり、3月ギリギリに決まることもあります。さらに欠員があったときに募集がおこなわれる場合、募集開始月が決まっていない場合もあります。公務員も志望する人は別途、公務員試験の日程も調べておかなければなりません。
目安として、大学3年の冬頃から、自己分析を繰り返しおこない、管理栄養士としてやりたいこと、将来の理想の働き方などを考えていきましょう。早めに準備を始めることで、学業が忙しい中でも時期を逃さず就活を進められます。
公務員と民間企業を併願する際の注意点やスケジュール管理についてこちらの記事で解説しています。
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なるべく多くの現場を体験する
管理栄養士の多彩な仕事内容について、実際に現場を体験してみてわかることもたくさんあります。なるべく多くのインターンシップや説明会に積極的に参加して、現場を体験してみましょう。
特に、インターンは説明会だけではわからない職場の雰囲気を見たり、働く姿をより具体的にイメージしたりできる貴重な機会です。
管理栄養士が活躍する現場は、就職先によって管理栄養士の人数や求められる業務などが異なります。説明会ではその企業の良い部分をアピールするのが基本ですが、公式サイトなどでは掲載されない、マイナス面をあえて伝える企業もあります。
キャリアアドバイザー
良い部分だけでなくマイナス部分も把握しておければ、就職してから「こんなはずじゃなかった」とならずに済みますよ。
インターンの探し方や参加までのステップはこちらの記事で確認してください。
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効率的なインターンシップの探し方6選|便利なサイトと注意点も解説
インターンの探し方を把握すると手間なく自分に合った企業を選ぶことができますよ! この記事ではインターンに参加するためのステップ、探し方、参加方法、注意点などをキャリアアドバイザーが解説します。 この記事を参考に効率的に希望のインターンを見つけてくださいね!
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OB・OG訪問で実際に働く人の声を聞く
説明会やインターンに参加して自分で現場を体験することも大切ですが、OB・OG訪問で実際に働いている人の声を聞いてみるのもおすすめです。職場ごとの管理栄養士としての将来性や働きやすさなど、実際に働いている人でなければ気が付かない部分を聞けるかもしれません。
貴重な時間を割いてくれる相手のためにも、OB・OG訪問の前に、質問したいことをまとめておきましょう。
- 管理栄養士としての具体的な仕事内容
- 多職種との連携や職場の雰囲気
- 1日の流れ
- 仕事でやりがいを感じる部分
- なぜその企業に就職しようと思ったのか
- 採用までのスケジュール
OB訪問の方法やおすすめの時期、マナーについてこちらの記事で解説しています。
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自分にぴったりの管理栄養士の就職先を選ぼう
管理栄養士は高齢化や健康志向の高まりにともない、需要が増えている職業です。国家資格ということもあり、栄養士よりも就職先の範囲が広く、ライフステージに変化があっても資格を長く活かせます。
仕事内容は就職先によって異なるため、管理栄養士になってやりたいことや将来の理想の働き方なども考慮しながら自分に合った就職先を選びましょう。就活のスケジュール管理を徹底し、たくさんの現場を体験したり、OB・OG訪問で生の声を聞いたりしながら、効率良く就活を進めてください。
キャリアアップしたいときや、ほかに働いてみたいと思える職場が見つかったときなど、転職を考える機会があった場合も、資格を活かして転職することができますよ。