百貨店の志望動機でライバルに差をつける3つのコツ|例文6つ

この記事のアドバイザー

目次

  1. 百貨店の選考突破には志望動機の深掘りが重要
  2. まずは百貨店を取り巻く状況を押さえよう
  3. 昔から学生に人気のある小売業界の花形
  4. 時代の変化により業界規模は縮小傾向
  5. EC化や売り場の変革で新たな道を模索
  6. 人気の理由は?百貨店で働く3つの魅力
  7. スケールメリットを活かしたやりがいがある
  8. ジャンルを超えた高品質な品ぞろえが可能
  9. 世界を舞台に活躍できる
  10. 百貨店で求められる人物像とは
  11. 協調性がある
  12. モノやコトに好奇心旺盛
  13. 創造性とチャレンジ精神がある
  14. 百貨店の職種と仕事内容をチェック
  15. 販売
  16. バイヤー
  17. 販売企画
  18. 営業
  19. 百貨店の志望動機の作り方
  20. 結論から述べる
  21. なぜ百貨店業界なのかを盛り込む
  22. なぜその百貨店なのかで締める
  23. 百貨店の志望動機をさらに深掘りするための3つのコツ
  24. ①強みをどう活かせるのか明確にする
  25. ②百貨店で成し遂げたいビジョンを述べる
  26. ③目標達成にはその百貨店でなければならない理由を語る
  27. 百貨店の志望動機例文
  28. 販売
  29. バイヤー
  30. 販売企画
  31. 営業
  32. 百貨店の志望動機の注意点とNG例文
  33. 憧れだけに終始することは避ける
  34. NG例文①
  35. どの百貨店でも通用する志望動機にしない
  36. NG例文②
  37. 自分らしい百貨店の志望動機で熱意を伝えよう

百貨店の選考突破には志望動機の深掘りが重要

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。

百貨店への就職を目指す学生から

「百貨店の就活でライバルに差をつけるにはどうしたらいいですか?」
「百貨店の志望動機はどのように深掘りしたらいいでしょうか?」

といった質問が多く寄せられています。百貨店は学生人気も高く、選考を突破するには志望動機の深掘りが不可欠です。

百貨店はそれぞれ特徴が異なるため、百貨店ごとの歴史や文化なども踏まえた上で志望動機を完成させることも大切です。

この記事では、百貨店業界の現状から詳しい仕事内容、他の学生と差がつく百貨店の志望動機作成のコツなどについて詳しく解説していきます。ぜひ参考にして、百貨店の選考を突破して下さいね。

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まずは百貨店を取り巻く状況を押さえよう

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就活生

百貨店に就職したいのですが、近年は下火だと言う人もいますよね

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キャリアアドバイザー

全盛期に比べたらそうかもしれませんが、スケールメリットを活かした新しい道も模索されています。

百貨店に限らず、志望企業の選考を突破するには、その企業が属する業界が現在どのような状況に置かれているのかを正しく理解しておく必要があります。

完成度の高い志望動機を作るためにも、まずは百貨店業界の現状について詳しく見ていきましょう。

昔から学生に人気のある小売業界の花形

百貨店は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどと同じ、小売業界の1業態です。その中でも歴史が長く、食品だけでなく衣・食・住のさまざまなものを取り扱える百貨店は、就活生にも人気が高い小売業界の花形といえます。

対面での販売を基本とし、質の良い高級商品で信頼を得る百貨店では、トレンドを踏まえた、良質な品を仕入れることが非常に重要です

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キャリアアドバイザー

百貨店業界は他の業界に比べてそもそもの企業数が少ないことも特徴の一つ。そのため、百貨店の内定を得るのは簡単なことではありません。

時代の変化により業界規模は縮小傾向

しかし、最近ではインターネットの普及により若年層が百貨店を利用する機会が少なくなっていること、国内における海外旅行者からの売り上げが減っていることなども影響し、百貨店の顧客離れが深刻になりつつあります。

地方店舗の閉店や経営統合なども進み、業界規模自体は縮小傾向にあります。

小売業界では品質の良さで群を抜いていた百貨店業界ですが、近年ではスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどがこぞってプライベートブランドを持ち始め、順調に売り上げを伸ばしていることも、百貨店にとっては打撃となっています

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このような時代の変化やライバル企業の出現に対して、今度どのような対策を練っていくかが、百貨店業界の大きな課題といえます。

EC化や売り場の変革で新たな道を模索

業界の変化を踏まえ、最近では百貨店が展開するサービスにも変化が見られるようになってきました。

従来の百貨店は、「消費者が直接店舗に足を運んで買い物を楽しむ場所」というイメージが強かったと思います。しかし、最近では時間帯を選ばずに気軽に買い物を楽しめるネットショッピングが主流になってきたこともあり、各社が自社のECサイトを強化するようになってきました

「百貨店の商品なら間違いない」というブランド力を活かした百貨店のECサイトは、贈答品やアパレルなどを中心に売上を伸ばしています。顧客データや在庫データを連携して一貫性のあるサービスを提供するオムニチャネルやオンライン接客などを取り入れる百貨店も増えています。

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また、近年ではエステやヨガなど、モノよりコトを重視する「体験型の消費」のニーズが高まっており、体験型店舗を拡充する百貨店も多くなっています。

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辻 華菜子

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気になる今後の採用人数は増える? 減る?

そごう西武、高島屋、三越伊勢丹、大丸松坂屋の過去3年間の新卒採用数を見てみると、コロナ禍の2021年卒生と2022年卒生は各社ともコロナ前より大幅に人数を減らしていましたが、2023年卒生は前年より若干人数を増やしているようです。とはいえ、コロナ禍以前よりも採用人数が絞り込まれていることには変わりありません。

ここ近年、売上が右肩下がりになっていることから安定性と将来性を不安視し、百貨店業界を避ける学生も見受けられますが、就職希望者は相変わらず多く、採用人数が減っていることもあり、競争倍率が高いことは変わらないことでしょう。

コロナの影響を大きく受けている百貨店業界ですが、この苦境を打破すべく新たな取り組みや戦略が実施されており、それだけに伸びしろがある業界でもあります。志望する百貨店が今後の展開をどう考えているのか、それに対して自分がどんな貢献ができるのか、企業研究と自己分析を念入りに行い、多くのライバルと差のつく志望動機につなげていきましょう。

人気の理由は?百貨店で働く3つの魅力

百貨店で働く3つの魅力

百貨店には、具体的にどのような魅力があるのでしょうか?百貨店で働く3つの魅力について、それぞれ具体的に解説します。

スケールメリットを活かしたやりがいがある

「スケールメリット」とは、企業や事業の規模拡大にともなって生まれる効果の総称を意味します。

先ほどもお伝えしたように、近年では百貨店の業界規模が縮小していることにより、業界内では同業種企業との合併や経営統合などが活発化しています。「百貨店低迷期」と言われることもあり、一見すると百貨店業界はマイナスな要素が多く見られるように思えますが、実は百貨店の合併や統合には数多くのメリットがあるのです。

その代表的なものの一つが、「スケールメリットが生まれる」ということ。複数の百貨店が集まって大きな組織となることで、サービスや活動の範囲が拡大し、これまでにはない百貨店のカタチを顧客に提供することができます

このようなスケールメリットを活かして働くことができるのは、百貨店ならではのやりがいといえるでしょう。

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大丸と松坂屋が合併してできた大丸松坂屋百貨店が、松坂屋銀座店跡地にGINZA SIXを開業したことなども、スケールメリットを活かした百貨店の取り組みの一つです。

ジャンルを超えた高品質な品ぞろえが可能

「衣・食・住にまつわる商品を取り扱っている」という点は、大型スーパーも同様です。しかし、百貨店と他の小売業界に属する企業との大きな違いとして、「扱っている商品の質の高さ」という点が挙げられます。

百貨店で扱っている商品は、どれも非常に高品質でグレードの高いものばかり。国内外から最先端の高級ブランドが集まります

ジャンルを超えた質の高い品物に囲まれながら、華やかな環境で働くことができるのは、百貨店で働く魅力の一つといえるでしょう。

世界を舞台に活躍できる

「百貨店=国内で働く販売員」というイメージを持つ人も多いかもしれませんが、実は百貨店社員は世界を舞台に活躍することも可能です。

海外に日本の百貨店のノウハウを指導しに行く機会もあれば、国内の人気商品を海外に売り込みに行くこともあります。海外の売れ筋商品を自ら買い付けに行く機会もあるでしょう

どの百貨店に就職するか、またどの職種に就くかによっても具体的な仕事内容は異なりますが、百貨店は非常にグローバルな働き方ができる業界です。

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「学生時代に培った英語力を活かしたい」「国内にとどまらず世界を舞台に働きたい」という夢を持っている人は、百貨店であればその夢を叶えられるかもしれません。

百貨店で求められる人物像とは

百貨店で働く3つの魅力

百貨店の選考に通過する志望動機を作るには、百貨店で求められる人物像についてもしっかり把握しておく必要があります。

自分の強みと通じるポイントがあれば、積極的にアピールしていきましょう。

協調性がある

百貨店にはさまざまな職種がありますが、いずれの仕事も基本的にはチーム単位で行われます。そのため、「自分1人の力で仕事を成し遂げたい」というタイプの人には、百貨店にはあまり向いていないかもしれません。

チームで円滑に仕事を進めるためにも、百貨店社員には協調性が求められます。

百貨店で求められる協調性の例
  • どんな人とも上手くコミュニケーションを取ることができる
  • チームで助け合いながら成果を上げられる
  • 人の話を聞き、チームの意見を取りまとめながら仕事を進めることができる

協調性をアピールするときのポイントはこちらの記事で解説しています。

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モノやコトに好奇心旺盛

百貨店で扱う商品は、ただ単に高品質なだけでなく、トレンドの最先端であるものが多いです。そのため、実際にその商品を扱う社員も、常に流行に敏感である必要があります

流行は終わりがあるものではなく、常に新しく生まれ変わっていくものです。そのため、モノやコトに好奇心旺盛な学生であれば、これからの百貨店を担う存在として期待される可能性が高いでしょう。

百貨店で重宝される好奇心の例
  • 国内外でどんなモノが流行っているのかリサーチするのが好き
  • 流行っているものはとりあえず自分でも体験するようにしている
  • 若者に人気の新しいサービスはどんどん試してみたい

好奇心旺盛の正しい意味と特徴についてこちらの記事で確認しておきましょう。

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創造性とチャレンジ精神がある

日本で愛され続けている老舗百貨店の多くは、伝統を重んじながら、常に変化を続けてきました。新たな事業展開のためにさまざまなことにチャレンジしてきたからこそ、競争が激しい百貨店業界で今もなお活躍することができているのです。

そんな伝統と革新を大切にする百貨店業界では、創造性とチャレンジ精神に溢れる学生が重宝されます。他の人にはない斬新なアイデアを生み出すことができる人や、失敗を恐れずに常に新しいことに挑戦できる人であれば、常に変化を求められる百貨店業界でも活躍することができるはずです

チャレンジ精神をアピールするコツはこちらの記事で解説しています。

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清水 沙也香

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百貨店の選考では「視野の広さ」をアピールすることもおすすめ

ここで紹介した以外にも、「視野の広い人」も百貨店には向いていますよ。トレンドなどに敏感に気づくことももちろんですが、それに加えて顧客の少しの表情、声の変化に気づき行動に移すことができる人は顧客からの信頼を勝ち取りやすい人材だといえます。特に百貨店の場合は新規顧客の獲得など、顧客の創造がこれからのカギを握ります。こういった視野の広さを活かした信頼関係の構築のうまさなどもアピールのポイントです。

百貨店でもとめられる人材は「〇〇な視点」を持っている学生

また視野が広い人はマネジメントラインに上がっても部下の変化に迅速に気づきフォローができるため、キャリアアップもしやすいでしょう。自己PRには、自分に備わっている長所やスキルの中から、これら百貨店で求められる人物像に重なるものをアピールするといいでしょう。ただし、百貨店の従業員には、常に顧客の立場に立った視点が欠かせません。

そのため、アルバイトでのお客様やサークル活動での仲間たちなど、周囲の人々とのかかわり合いの中で、「百貨店で求められる力」が発揮され、かつ「相手の視点でのものの見え方」が見えるエピソードを選ぶことがおすすめです。採用担当者は、自分の実績のみのPRに終始した学生よりも、自己PRから周囲の人間とのかかわり方も見えてくる学生に、より好印象と興味を抱きやすいことでしょう。

百貨店の職種と仕事内容をチェック

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就活生

百貨店というと販売職のイメージが強いですね。

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キャリアアドバイザー

そうかもしれませんね。しかし、バイヤーや営業などバックヤードでも多くの社員が活躍していますよ。

百貨店は売り場に立って商品を販売する他にも、さまざまな職種があります。どの職種を希望するかによって志望動機の書き方も変わってくるため、まずは各職種の仕事内容について理解を深めていきましょう。

販売

百貨店の仕事では、最も身近な存在といえるのが販売員です。百貨店の販売員は、主に店頭に立って接客と販売を行います。商品知識を深めるだけでなく、常に顧客のニーズを汲み取った商品提案をすることが求められる職種です

また、販売だけでなく、その仕事内容は意外と多岐にわたります。

百貨店の販売職の主な仕事内容
  • 各フロアごとに配置されたレジの担当
  • クレーム対応
  • 出店している企業のスタッフ教育
  • 商品の発注や在庫管理、伝票処理

裏方の仕事も多くこなす必要があるため、販売員として経験を積むことで、幅広い百貨店業務をこなせるようになります。

販売職の業務ややりがいはこちらの記事で確認してください。

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バイヤー

百貨店で販売するための商品を仕入れたり、ブランド側と交渉して新規開拓を行ったりするバイヤーも百貨店では重要な職種の一つです。

バイヤーは自身で「売れる」と思った商品を見極めて仕入れる必要があるため、常にトレンドや顧客のニーズに敏感でなければなりません。それだけでなく、ブランド側との価格交渉や、どの時期にどれだけの商品を仕入れるのかなど、店舗の売上や利益のことも考えながら動く力が求められます

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百貨店によっても異なりますが、販売員としての実績を積み、実力や適性を評価された社員がバイヤーに抜擢されるケースが多いようです。

販売企画

「販売企画」は、百貨店によっては「店舗企画」や「販売支援」という呼び方をされることもあります。

販売企画の主な仕事
  • 物産展などの通常イベントの企画・運営
  • 人気アニメとのコラボなど新しい顧客層にアピールできる新規イベントの企画・運営
  • 売れやすく機能的なフロアや売り場作り

モノが良いだけでは売上につながらないこともあります。企画力によって百貨店の売上に貢献できる販売企画は、百貨店にとって非常に戦力となる存在です

営業

百貨店の営業は、主に「内勤営業」と「外商営業」の2種類に分けられます

「内勤営業」とは、百貨店に来店した顧客に対して、商品やサービスの説明をおこなうのが主な業務です。一つのブランドに限らず、百貨店で扱っている全ブランドの多岐に渡る商品を取り扱う必要があるため、幅広い商品知識が必要になります。

一方「外商営業」は、顧客の元に自ら出向いて商品の販売や注文を受けるのが主な業務です。外商営業には個人顧客への対応を主な業務とする「顧客外商」と、法人や団体への対応を主な業務とする「法人外商」があります。

顧客外商は、毎年一定金額以上の買い物をする顧客を対象に、店舗の外で商品の販売を行います。法人外商は、企業のノベルティや制服などの販売・注文を一括して請け負います。

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百貨店の営業職は企業の売上にダイレクトに影響を及ぼす職種なので、一見華やかですが非常に重要で責任の重い仕事といえます。

営業職の志望動機はこちらの記事で紹介しています。

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百貨店の志望動機の作り方

百貨店の志望動機の作り方

百貨店業界の特徴や、百貨店の各職種への理解が深まってきたところで、次は実際に百貨店の選考を受ける際の志望動機の作り方について見ていきましょう。

結論から述べる

採用担当者は数多くの学生の志望動機を聞いています。そのため、印象に残る百貨店の志望動機を作るには、「結論から述べること」が非常に大切です。最も伝えたい「なぜ百貨店を志望するのか」ということを、最初に明確に伝えましょう。

結論を後回しにした志望動機は、要点が見えにくくなり、採用担当者に「論理的に物事を伝える能力がない」と思わせてしまいます。また、物事を伝える際に結論から述べるということは、就活だけの問題ではなく、社会に出て働く上で非常に重要です。

私はここぞというときに顧客に寄り添い、信頼していただける商品を提供できる百貨店で働くことを強く希望しています。

なぜ百貨店業界なのかを盛り込む

百貨店の志望動機を作る際の2つ目のポイントとして、「なぜ百貨店業界を志望しているのかを明確に伝える」ということが挙げられます。

スーパーやコンビニエンスストアなど、百貨店が属する小売業界にはさまざまな企業があります。その中で、「なぜ百貨店業界なのか?」という理由を明確に採用担当者に伝えることが重要です。

これまでに触れてきましたが、百貨店とその他小売業界に属する企業の違いとしては、ジャンルにとらわれない商品レパートリーの多さや、経営規模の大きさなどが挙げられます。この他、百貨店でしか経験できない業務や百貨店ならではの価値を、自身のエピソードと結び付けて考えることで、自分らしい志望動機が作れます

私は小さい頃から、人や地域のよりどころとなる百貨店で働きたいと考えてきました。大切な人にモノを贈るときも、家族のお祝いをするときも、いつもそこに百貨店があったからです。

なぜその百貨店なのかで締める

百貨店の志望動機を作る際に最も大切なのが、「なぜその百貨店を志望しているのか」ということを、他の百貨店との差別化をしながら伝えることです。

三越伊勢丹ホールディングスや高島屋など、現在日本には複数の百貨店が存在します。それぞれの百貨店が異なる歴史を持ち、経営状況や店舗数などの特徴も違います。

そのため、いくら百貨店への就職を強く希望していたとしても、すべての百貨店で同じ志望動機を作成していては採用担当者の心には残りません

その百貨店ならではの特性や魅力を自分なりに分析し、「他の百貨店ではなく、絶対にその百貨店で働きたい」ということをアピールすることが、百貨店の内定を勝ち取るための第一歩です。

私は百貨店の中でも、メンズ館をはじめメンズファッションに定評を持つ貴社で働きたいと願っています。他の百貨店にはない、時代に即した斬新な提案力を持ち、トレンドを生み出すことのできる百貨店だと思うからです。

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百貨店の志望動機をさらに深掘りするための3つのコツ

百貨店の志望動機をさらに深掘りするための3つのコツ

上記でお伝えしたポイントを踏まえながら、さらに内容の濃い志望動機を作成するには、3つのコツを参考にするのがおすすめです。ライバルと差をつけるために、ぜひ参考にしてください。

①強みをどう活かせるのか明確にする

たくさんの応募者が百貨店を志望する中で、あなたを採用するメリットがどこにあるのか、採用担当者にわかりやすくアピールする必要があります

まずは自分にどのような強みや能力があるのか、しっかりと自己分析をすることが重要です。そして、百貨店にはどのような仕事があるのか、企業研究を入念に行い、自分の強みをどう活かせるのか掘り下げてみましょう。

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仕事への再現性を細かに伝えられると、入社後のイメージがつきやすくなり、印象に残りやすくなります。

強みを見つける方法はこちらの記事で解説しています。

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②百貨店で成し遂げたいビジョンを述べる

百貨店に入社することを目標にしていると、「長く働いてくれないのではないか」と疑われる危険性があります。あなたならではの明確なビジョンを述べることで、面接官にあなたの熱意を伝えましょう。

ここで重要なのは、あなたのビジョンだけでなく、百貨店側のビジョンも事前にリサーチしておくことです。自身の成し遂げたいビジョンと企業側のビジョンが一致している志望動機を作成できれば、より選考を通過できる可能性が高くなります。

まずはニーズに細やかに沿ったご提案でお客様に感動を与えられる販売員になりたいです。そして、幅広いお客様に「あの百貨店なら安心」と感じてもらえるような、最先端かつ洗練された顧客体験を提供できるよう、日々勉強し、その知識を他のスタッフにも共有できる売り場のリーダーになりたいと考えています。

③目標達成にはその百貨店でなければならない理由を語る

一見するとどの百貨店も似ているように思えますが、しっかりと企業研究を重ねることで、それぞれの企業の相違点が見えてきます

たとえば三越伊勢丹ホールディングス株式会社は、三越と伊勢丹が統合合併した国内最大級の百貨店です。そのため、スケールメリットも他にはない規模を誇ります。「他の百貨店ではなし得ない、スケールメリットを活かした仕事がしたい」という学生にはぴったりの企業といえます。

自分のやりたいことや目標を定め、志望する百貨店の特徴に結びつけることで、その百貨店でなくてはならない説得力をもたせましょう。

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実際に百貨店のインターンに行ってみたり、OB・OG訪問を重ねたりすることでも、各企業の特徴が見えきます。

目標の定め方についてはこちらの記事を読んでください。

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堀内 康太郎

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企業研究に加えて「自分ならではの意見」を説明できるようになろう

百貨店の企業研究には、HPでの社長のコメント、企業理念、求める人物像、サスティナビリティへの取り組みなど、隅々まで目を通すことは言うまでもありません。

加えて志望百貨店だけでなく各百貨店を巡り、季節ごとのイベント、ショーウインドーや店内の飾りつけ、各店舗の商品の見せ方、フロアごとの特徴、立地、接客の仕方、客層などを観察し、ノートにリストアップするといいでしょう。加えて、お客様視点での感想と社員を目指す立場でのコメントもメモしましょう。

このように各店舗を訪ねその違いを見える化して比較することで、各百貨店の特徴と違いが浮き彫りになってきます。そこから「なぜその百貨店でなくてはならないのか」との志望動機へつなげていきましょう。

さらにIR情報には、経営計画や方針も示されており、各百貨店の将来展望を知ることができます。そこに自分が社員として、どう貢献していけるのか、顧客や地域とのかかわり方をからめたあなたの将来ビジョンを盛り込んで、志望動機を締めくくるのもいいでしょう。自らのPRのみを押し出すことに終始せず、他者の立場での視点を示しつつ、「周囲との関わりの中での強みの発揮」が重要ポイントですよ。

百貨店の志望動機例文

ここからは実際に百貨店の志望動機例文を職種ごとに紹介します。ここまでのポイントを踏まえた内容になっているので、ぜひ参考にして下さい。

販売

例文

私は家族の思い出が詰まったこの百貨店で、貴社の社員として多くのご家族に特別な思い出が残る体験をご提供したいと考えています。

私がまだ小さい頃、我が家では誕生日やクリスマスなどのお祝い事があると、両親がいつも貴社の◯◯店に私を連れて行ってくれました。おもちゃ売り場では販売員の方が優しく接客してくれ、レストランでは普段食べられない美味しいお料理を食べ、貴店に行くといつも自分が特別な存在になったような気分になれました。

今もなお、その時の思い出は私を幸せな気持ちにしてくれます。その恩返しをするべく、社会に出たら貴社の販売員としてお客様に特別な体験をご提供するのが昔からの私の夢でした。貴社の接客は、他のどこよりも洗練されていて真心がこもっていると思うからです。

私はファッションへの関心が高く、国内外の情報をリサーチして、常に最先端の知識をインプットするようにしています。学生時代のアパレルの販売員のアルバイトでは、その知識を活かしながらも、あくまでもお客様のニーズを聞き出し、お答えする接客を心掛けてきました。

入社後は年齢や性別を問わず、多くのお客様に「この百貨店にまた来たい」と思ってもらえるような接客がしたいです。

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自分ならではのエピソードを交えつつ、自分の強みと実現したいことを端的に述べることができています。ファッションの知識がありつつ、それを鼻にかけるのではなく、顧客の目線に立った接客を心掛けてきたという点も好感が持てます。

バイヤー

例文

私は分析力、企画力のあるバイヤーとして貴社の売上に貢献したいと思い、◯◯百貨店を志望しています。

私は大学時代に女性向け洋服店の販売員としてアルバイトを続けてきました。昨年そのブランドのバイヤーが海外から買い付けたTシャツが若者世代に大ヒットし、店の売上が例年の1.5倍に伸びたことがありました。

この経験から私はバイヤーという仕事に強い興味を持ち始めました。また、バイヤーの仕事をやるからには、国内だけでなくグローバルな活躍がしたいと思っています。貴社はトレンドを先取りした若い女性向けのファッションに強みがあり、積極的に海外進出事業も行っています。

そんな貴社であれば、自身の販売員としての経験を活かしながら、世界をまたにかけて仕事がしたいという自身の夢も叶えられると思います。

私は好きなことにはとことんのめりこむ性格で、海外のファッションサイトを読んだり、実際に海外でショップを回るうちに、英語力に自信が持てるようになりました。TOEICも860点を取得しています。

最初は現場の販売員として経験を重ね、いずれは貴社の売上に貢献できる敏腕バイヤーとして活躍の場を広げていきたいです。

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キャリアアドバイザー

具体例や数字を出すことで、バイヤーとしての素質を感じさせる志望動機になっています。英語力や行動力もアピールできていますね。

就活で英語力をアピールするコツについてこちらの記事で解説しています。

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販売企画

例文

私は貴社の販売企画として、売上が伸びない店舗へのバックアップを行っていきたいと考えています。

学生時代、私は貴社の◯◯店の食品売り場で、ケーキ店の販売員としてアルバイトをしていました。昨年の冬、クリスマスケーキの販売状況が思わしくなく、店長や社員さんとどうするべきか悩んでいたところ、貴社の販売企画として働く社員さんが店舗にさまざまなアドバイスをくれました。

ケーキの陳列の仕方やお客様への声掛け方法など、頂いたアドバイスを元に店舗一丸となって努力した結果、無事にクリスマスケーキの予算を達成することができ、クリスマス当日は百貨店の社員さんを含め皆で大喜びしました。

あの時の体験が忘れられず、私も百貨店の販売企画として各店舗のフォローをしてみたいと思うようになりました。そこで、販売企画の方の言葉を参考に、たくさんの店舗を見て歩いたり、書店に並ぶ関連書籍をすべて読んだりして勉強を重ねてきました。

また、ケーキ店での私の人生を変えたといっても過言ではない体験は、想いを一つにする仲間たちの存在があったからです。ぜひ感動体験を与えてくれた貴社の環境で、販促や企画・運営の知識を活かしていきたいです。

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キャリアアドバイザー

実際にその百貨店で働いた経験をエピソードとして活かした志望動機です。常に知識をアップデートする必要がある販売企画職にふさわしい、努力家な一面もアピールしています。

営業

例文

私は貴店の法人営業職として、売上と地域の活性化に貢献したいと考えています。

私は学生時代に地域都市論ゼミに所属し、「人々の心の拠り所になるような都市や地域を作りたい」という思いを抱くようになりました。貴社の◯◯店は私の実家のすぐ近くにあり、幼い頃から度々訪れる機会があったため、とても慣れ親しんだ場所です。

ゼミに入って本格的に街づくりについて学び始めると、◯◯店だけでなく、貴社の店舗はどこも全国的に地域の活性化に大きな影響を与えていると感じ始めました。このことから、私は貴社に非常に強い興味を持ち、貴社であれば自身が社会人として成し遂げたい夢を叶えられると思いました。

百貨店の法人営業職は、日々扱う数字の桁も大きく、さまざまな企業や団体と接することから、会社の売上にダイレクトに影響を及ぼす職種だと考えています。貴社の売上に貢献することで、将来的にその地域の活性化にもプラスの影響を与えたいと思っています。

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キャリアアドバイザー

大学で学んだことを強みとしてアピールしている志望動機です。自分の目標と志望する百貨店の特徴を関連づけて、この百貨店であるべき理由を伝えています。

百貨店の志望動機の注意点とNG例文

百貨店の志望動機を作る際は、これから解説する注意点に気をつけることも大切です。2つの注意点を挙げつつ、それぞれのNG例文についても紹介するので、自分が作成した志望動機と照らし合わせてみてください。

憧れだけに終始することは避ける

百貨店業界は華やかな印象が強いため、ただ単に「憧れ」という感情だけで選考に挑んでしまう学生が例年多くみられます。

もちろん、「憧れの業界で働きたい」と思うことが悪いわけではありません。ただし、「なぜその業界に憧れ、なぜその百貨店で働きたいのか」というところまで志望動機を深掘りしないと、倍率の高い百貨店の選考を通過することはかなり厳しいといっていいでしょう

NG例文①

例文

私が貴社を志望したきっかけは、質の高い品物に囲まれて自身のセンスを磨きたいと感じたためです。

百貨店では他の小売業にはないようなクオリティの高い商品を多数扱っていて、買い物に行く度にいつも素敵な空間だなと感動しています。販売員の皆さんのセンスも素晴らしく、「私もこんな風になりたい」といつも思っています。

誰もが憧れる百貨店という環境で、顧客を満足させられる一流の販売員になりたいと思い貴社を志望しました。

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キャリアアドバイザー

百貨店への「憧れ」という気持ちが全面に出てしまい、具体的な志望動機が練れていない例です。「自分がどうしたいか」だけでなく、自分がどう貢献できるかなどを盛り込みましょう。

どの百貨店でも通用する志望動機にしない

これまでにもお伝えしたように、百貨店を志望するからには、各百貨店の個性を自分なりに研究することが重要です。

百貨店への就職を目指す学生は複数の百貨店の選考を受ける人が多いと思いますが、どの百貨店にも当てはまる志望動機を作ってしまっては、採用担当者にあなたの熱意を伝えることはできません

そのため、「顧客目線で心のこもった接客をしたい」など、その百貨店でなくても当てはまる志望動機は避けるべきです。オリジナリティのある、その百貨店特有の志望動機を作りましょう。

NG例文②

例文

私は貴社で多くの顧客に足を運んでもらえるような店舗作りがしたいと考えています。

私はスーパーで販売職のアルバイトをしていたことがあるのですが、そこではさまざまな年齢層の顧客と接する機会があり、扱う商品も多岐に渡っていました。自身が提案した商品を選んで頂ける喜びはとても大きく、その経験から、将来は接客業に就きたいと思うようになりました。

百貨店は小売業界の中でも扱う商品の数が多く、来店される顧客層もさまざまです。販売職としてのやりがいを強く感じられるであろう百貨店であれば、アルバイト時代の経験を活かすことができ、店舗の売上アップにも貢献できるのではないかと思っています。

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キャリアアドバイザー

「その百貨店で働きたい」と感じられる要素がなく、印象に残りにくい内容です。その百貨店でのエピソードなども盛り込むと、より良い志望動機が作れるはずです。

自分らしい百貨店の志望動機で熱意を伝えよう

学生人気の高い百貨店の選考において、ライバルと同じような志望動機を述べていては、採用担当者に熱意を伝えることができません。今回解説したような志望動機作成時のポイントを押さえることで、採用担当者も思わず注目するような、あなたならではの志望動機を作成しましょう。

自己分析や業界・企業研究などを徹底することで、憧れの百貨店で働ける可能性はぐっと高くなるはずです。今回の記事を参考にしながら、ぜひ内容の濃い印象的な百貨店の志望動機を完成させてくださいね。

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