目次
- 倉庫業界は物流業界の中に分類される1つの業界
- 倉庫業界の特徴
- 市場規模
- 倉庫業界のビジネスモデル
- 倉庫業界の動向
- インターネット通販拡大のための需要増加
- 物流施設の自動化の増加
- 倉庫業界の競争拡大によるM&Aの増加
- 倉庫業界の将来性
- 人手不足や高齢化のためIT化が進む
- 供給過剰のため新サービスが鍵
- 倉庫業の種類
- 普通倉庫業
- 冷蔵倉庫業
- 水面倉庫業
- 倉庫業界の職種
- 倉庫管理
- ロジティクスエンジニア
- 倉庫事務
- 荷役業務
- 保管業務
- 倉庫業界の魅力
- 社会インフラに携われる
- グローバルに活躍できる
- 倉庫業界に向いている人の特徴
- 物流や倉庫に興味がある人
- 社会インフラを支える仕事に興味がある人
- 責任感が強い人
- 単純作業が苦にならない人
- 倉庫業を代表する企業6選
- 近鉄エクスプレス
- 郵船ロジスティックス
- 上組
- 三井倉庫ホールディングス
- キューソー流通システム
- 日新
- 倉庫業界の選考で差をつけるポイント
- 業界研究を深める
- OB・OG訪問をおこなう
- インターンシップに参加する
- 倉庫業界の志望動機の作成時に盛り込むべき要素
- なぜ倉庫業界なのか
- なぜその企業なのか
- 企業にどう貢献できるか
- 倉庫業界の志望動機例文
- 自分の強みを活かして貢献したい
- 社会インフラを支える仕事がしたい
- 英語力を活かしグローバルに貢献したい
- 倉庫業界の研究を深めて就活を有利に進めよう!
倉庫業界は物流業界の中に分類される1つの業界
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生からよく、
「倉庫業界の特徴や動向を教えてください」
「倉庫業界に興味があるのですが、向いている人や代表する企業を知りたいです」
といった質問を受けます。倉庫業界は物流業界の中に分類される1つの業界で、物流業界の一部を支えている必要不可欠な存在です。近年、インターネット通販が当たり前になっており、需要の高まりから今後も成長が期待できる業界といえます。
しかし、倉庫業界に興味があるけれど、業界や仕事内容などあまりイメージが湧かない人が多いのではないでしょうか。
今回は、倉庫業界の特徴、動向、将来性や倉庫業界の種類や魅力、倉庫業界に向いている人や代表企業、倉庫業界の選考で差をつけるポイントや志望動機例文など倉庫業界について詳しく解説していきます。
倉庫業界の特徴
倉庫業界は、主に農作物、鉄鋼製品、ガソリンなどの商品や物資を安全に保管する事業をおこなっています。物流業の中でも重要な役割を担っており、生産者と消費者を結ぶ生活の基盤を支えている公共性の高い産業であるといえます。
また、近年パソコンやスマートフォンの普及によりインターネット通販市場が成長しているため、倉庫業界の需要が増えたことから業績が堅調で、これからも成長が見込まれている業界です。
ここからは、倉庫業界の市場規模やビジネスモデルなどの特徴について解説していきます。
市場規模
業界動向リサーチによると、過去の推移は2009年の減少から一転、2013年頃を区切りに2018年までは上昇傾向にありました。2019年以降はほぼ横ばいで推移しており、安定した売上高を維持しています。
成長を遂げている要因は、インターネット通販の利用者が増え商品や物資の量も増加したことで倉庫の需要が拡大している点が挙げられます。倉庫は配送拠点としての重要な役割を担っているため、倉庫業界にとって追い風であり、今後も一定の需要がある業界であるといえます。
倉庫業界のビジネスモデル
倉庫業界は、物流業界の中に分類される1つの業界として、運送業界と連携したビジネスモデルで成り立っています。
- 【倉庫業界】
商品や物資の管理業務をすべて担当する - 【運送業界】
陸運:トラックなどを利用する陸上輸送
海運:船舶を利用する海上輸送
空運:航空機を利用する航空輸送
鉄道:貨物列車を利用する貨物輸送
上記のようにそれぞれ領域が分かれています。倉庫業界は、物流業界の一部として顧客へ届ける商品や物資を倉庫で管理、保管する重要な役割を担っています。
倉庫業界は、委託された商品や物資を輸送する前後の倉庫内で、安全に管理、保管するのが主な仕事です。ほかにも、情報システムを活用した在庫管理や仕分け、梱包、検品などの流通加工などもおこないます。
また、サードパーティ・ロジスティクス(3PL)という荷主から保管・荷役・運送などの物流業務の全工程を一括して請け負う仕組みの展開を進めてる企業も増えています。
海運業界についてはこちらで詳しく解説しています。
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従来の倉庫事業モデル
従来の倉庫事業モデルは、荷物の保管を主な事業とする保管型物流施設が主流でした。倉庫業界と聞くと、広い場所に段ボールに積まれた荷物が大量に置かれているというイメージを持つ人が多いのは保管型物流施設時代の名残です。
近年は、倉庫業界に新規参入する企業が増えているため、施設の供給過多が進み倉庫業界の競争が激化しています。そのため、倉庫を多様化し、付加価値を付けた配送型物流施設が一般的になっています。
たとえば、高機能な設備を導入することで、商品の特徴に合わせた適切な温度や空気に調節が可能な施設や、商品の保管だけでなく物流の加工をおこなうなど顧客のニーズに合わせた施設の開発を積極的におこなっています。
外資系物流会社による不動産ビジネス
倉庫業界は、物流量と所管面積のバランスが重要です。つまり簡単にいうと、売上高は同じ所管面積で物流量が多ければ増加、物流量が少なければ減少するといえます。物理的な所管面積を増やすためには、多額の投資が必要で、新規参入が難しい産業といわれてきました。
しかし、2000年以降の規制緩和で外資系物流会社による不動産ビジネスが開始され、いち早くプロロジスが、不動産賃貸事業に近いビジネスをスタートさせました。
物流施設を専門に開発、所有、管理をおこない、企業に物流センター機能を提供する代わりに施設の賃料を収受するビジネスモデルを採用している点が従来の日本の倉庫ビジネスと大きく異なります。
倉庫業界の動向
倉庫業界は、新型コロナウイルス拡大の影響による巣ごもり需要でインターネット通販が急増し需要が増加しました。ただ一方で、人材不足であった倉庫業界に対して物流量が増えたため、手が回らない状態に陥ってしまいました。
そのため、人員を増やすだけでなくIT技術を駆使して、自動化を増加させる取り組みが積極的に進められています。また、倉庫業界が増えたことによるM&Aの増加もおこっています。
ここからは、倉庫業界の動向についてそれぞれ解説していきます。
インターネット通販拡大のための需要増加
倉庫業界は、近年インターネット通販拡大のための需要増加が顕著です。パソコン、スマホの急速な普及でインターネットで買いものをすることが一般的になったからです。また、新型コロナウイルス拡大による巣ごもり需要もあり、商品や物資の量が増えたことにともない倉庫の数も増加しています。
たとえば、Amazonや楽天市場は、全国の顧客へ1秒でも早く荷物を届けられるように在庫を保管、管理する倉庫を建設しています。
今後もインターネット通販拡大のための需要が増加することが予想されます。そのため、外資系や商社が倉庫市場に参入したり、従来の保管型倉庫も高機能施設の新設や所管面積の拡大をおこなったりと新たな取り組みを積極的に進めています。
物流施設の自動化の増加
倉庫業界の動向として、物流施設の自動化の増加が挙げられます。自動化が進んだ背景は、インターネット通販が一般化したことによる貨物量の増加に対して、慢性的な人員不足が続いており、需要と供給のバランスが悪くなっているからです。
そのため、各企業倉庫内での人手不足を解消するために、オートメーション化による作業効率の向上やロボットの導入などによるIT技術の活用などを積極的に進めています。たとえば、無人物流センター、ピッキングや梱包などの完全自動化、ロボット台車の活用などで課題解決をおこなっています。
しかし、大規模な倉庫では対応が可能でも、小規模な倉庫ではIT技術導入をすることでコスト面に問題が生じてしまい、自動化を進めることが難しい現状があります。
倉庫業界の競争拡大によるM&Aの増加
倉庫業界は、競争拡大によるM&Aの増加が著しいです。理由として、インターネット通販の拡大にともない倉庫業界の需要も伸びており、当面続くことが予想されるため、新規参入者が相次いでいるからです。
拡大する市場規模に合わせて自社の事業拡大を進めている企業も多数存在しており、新規参入者と双方の戦略としてM&Aを進めているということです。
たとえば、従来の倉庫業ノウハウを兼ね備えた企業が、3PL事業(物流業務の一括受託)やITシステムの導入の強化に向けたM&Aをおこなったり、国内外のグローバルネットワーク強化を図って海外の物流に強い企業とのM&Aが活発化したりしている状況です。
倉庫業界の将来性
就活生
倉庫業界の特徴や動向を理解できました。
キャリア
アドバイザー
良かったです。業界の理解は就職活動で必須ですからね!
就活生
はい。就活を進めるうえで、倉庫業界の将来性が気になるので教えてください。
キャリア
アドバイザー
良い質問ですね。では、解説していきましょう。
倉庫業界の業績は堅調に推移しており、今後も商品や物資が増えていくことが予想されるため、成長が期待できる業界の1つと考えられます。
ここからは、倉庫業界の将来性について2つ解説します。
人手不足や高齢化のためIT化が進む
倉庫業界の将来性として、人手不足や高齢化のためIT化が進むことが挙げられます。インターネット通販の拡大にともなう倉庫の需要の高まりに対して、働き手が足りない状態が続いているからです。今後は高齢化社会が加速することもあり、さらに人手不足が懸念されます。
各社は現状を打破するために、IT化を進め早期実現を目指しています。たとえば、倉庫内作業にかかる人員コストを削減するために、在庫や人員配置を最適化する計算ソフトが現場で活用され始めています。限られた人数で安全かつ効率的に作業ができる環境を整えることは、従業員の働きやすさ向上にもつながります。
しかし、IT化が進むと従来人の手でおこなっていた作業が不要になるため、人員削減やコスト削減も同時に加速していくでしょう。
ITの進化によって10年後なくなると言われている仕事はこちらで解説しています。
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供給過剰のため新サービスが鍵
倉庫業界の将来性は、供給過剰のため新サービスが鍵になります。倉庫業界に新規参入する企業が増えているため、ただ商品や物資の管理、保管だけをするのでは生き残っていけません。他社と差別化されたサービスを展開する必要があるということです。
近年の倉庫業界は保管以外にも、本来工場でおこなう組み立てや梱包、各種事務処理、生産者の代理で顧客対応をするコールセンターなどさまざまな業務をおこなっています。
また、多店舗展開をする外食チェーン店では、倉庫内の貨物の入出庫実績、出荷高等の物流データと受注、発注の商流データを分析し可視化することで業務の見直しに活用しています。クラウドを使用し、従来の倉庫としての機能以上に新しい付加価値を提供することが今後生き残っていくための鍵となります。
倉庫業の種類
倉庫業は生産者と顧客と結び、私たちの生活基盤を支えている公共性の高い重要度が業界です。委託された商品や物資は、他人から預かった貴重品であり、大切に保管する必要があります。
また、倉庫で保管する商品や物資は、原料、冷凍品や冷蔵品、危険物など多種多様であり、安全に保管する役割も担っており、それぞれ取り扱う商品や物資によって倉庫の種類も異なります。
倉庫の種類は、倉庫業法施行規則によって定められた施設の設備基準で分類されます。ここからは、倉庫業の種類を3つ解説します。
普通倉庫業
普通倉庫業とは、もっとも幅広い用途に使用される倉庫で、主に農業、鉱業(金属・原油・天然ガス)、製造業(食品・繊維・化学工業・紙など)、企業や個人の顧客の財産(家財、美術品、骨董品など)が保管されます。
また、法律上は下記のように分類分けされ、普通倉庫と総称されます。
- 1類倉庫:一番ハイグレードな倉庫で、さまざまな貨物の保管が可能。
日用品、繊維、紙など。 - 2類倉庫:防火、耐火性能が不要であるため、1類倉庫に比べて保管できる貨物が
制限される。でん粉、塩、肥料など。 - 3類倉庫:防火、耐火性能、防湿性能も不要。そのため、燃えにくく湿気に強い
貨物のみ保管が可能。ガラス類、陶磁器など。
ほかに野積倉庫、貯蔵槽倉庫、危険品倉庫、トランクルームがあります。
冷蔵倉庫業
冷蔵倉庫業は、水産物、農産物、冷凍食品、畜産物などを摂氏10度以下で冷蔵・冷凍し、貨物の保管をおこないます。取り扱う商品によって保管する温度が異なり、野菜などの生鮮品は0度前後、冷凍食品などはさらに低い温度で管理する必要があるため、それぞれの特性に応じて倉庫を準備する必要があります。
冷蔵倉庫に使用されている特定フロンの製造が2020年から禁止になったため、自然冷媒への切り替えが進んでいます。しかし、高額な費用がかかったり、一時的に倉庫が稼働できなかったりと問題が生じています。
そのため、環境省は自然冷媒への切り替えに向けたサポートをおこない、メーカーは環境に配慮した冷蔵倉庫の開発を進めています。
水面倉庫業
水面倉庫業は、原木を水面に浮かべて保存、管理をおこなう場所を指します。山間で切り出した木材を、海や川などの河口付近の貯木場に原木を浮かべて保管をする「水面貯木庫」とも呼ばれる倉庫です。
原木を水上で保管する理由は、木材が乾燥しにくくなり品質の低下を防ぐことができるからです。また、水分を含んだ状態で保管をすることで、高い品質を保ったまま使用することができます。
水面倉庫業は、大量の原木を安全に取り扱うために、下記の設備基準が整っている必要があります。
- 周囲を築堤などで防護する
- 災害などで原木が流失しないように防止する
- 照明装置の設置をし防犯対策をする
倉庫業界の職種
倉庫業界は、生産者と顧客の間に立ち、貴重な商品や物資を預かり無事に手元に届くようにするために必要不可欠な存在です。私たちの生活基盤を支えている重要な仕事であるといえます。
問題が生じないように安定した運営をしていくためにも、倉庫業界は多くの職種で成り立っています。ここからは、倉庫業界の職種を5つ解説していきます。自分がどの立場でかかわっていきたいのかの落とし込みをしっかりおこない、就活を進めることが大切です。
倉庫管理
倉庫管理は、倉庫内で発生する入出庫作業や在庫管理、および人員や設備管理をおこなう仕事です。倉庫内での作業がメインとなる職種であり、「検品」と「梱包」の大きく2つに分けられます。
検品は、荷物の場所や個数を確認し、傷や破損がないかの確認をおこないます。直接顧客の荷物にかかわる仕事のため、正確さや集中力などが求められる重要な仕事です。
梱包は、荷物を次の出荷先へ送るための荷造りをおこなう仕事です。輸送時の破損や事故を防ぐため、丁寧かつ迅速な作業が必要になります。
倉庫内におけるどの作業もミスは許されないため、集中力や周囲と協力するためのコミュニケーション能力、責任感が求められる仕事です。
ロジティクスエンジニア
ロジスティクスエンジニアは、倉庫のレイアウト設計、設備導入計画の策定、新規倉庫の設計などをおこなう仕事です。倉庫内作業における効率化は非常に重要で、荷物の配置や通路など時間短縮に少しでもつながる要素を洗い出し、作業効率や保管効率の向上のためのレイアウトを設計します。
また、新たに必要な設備やツール・デバイス・ソフトウェアなどの導入計画を立て、社内外への提案もおこないます。
ロジスティクスエンジニアの仕事は、投資対効果を考えたり必要なデータを集めたりすることが多いため、数学スキルが求められます。倉庫内においての効率化の重要性を考えると、ロジスティクスエンジニアの仕事は重要な役割を担っているといえるでしょう。
倉庫事務
倉庫事務は、倉庫業にかかわる事務作業を担当します。たとえば、入庫された荷物の種類や個数チェック、配置の指示、伝票などの書類手続き、支払い管理、電話やメール対応など仕事内容は多岐に渡ります。
倉庫内で作業する従業員が効率良く働けるように管理・補佐する役割でもあり、頼りにされる職種といえるでしょう。
業務内容が幅広く、倉庫内外でさまざまな職種の人とかかわるため、多くの場面で縁の下の力持ち的な役割が求められます。そのため、細やかなコミュニケーション能力や作業の正確性や迅速さ、優先順位をつけて効率的に取り組むスキルなどが重視されます。
荷役業務
荷役業務は、荷物の積み下ろし、倉庫内での持ち運び、倉庫への格納などの仕事をおこないます。荷物の持ち運びの際にフォークリフトを使用することもあるため「フォークリフト免許」などの資格が求められる場合があります。
また、荷物を規則正しく積み上げたり、積み上がっている荷物を崩したりする「はい作業」の指揮や管理に従事する際には「はい作業主任者」の資格が必要です。
ほかにも、運搬の際に、人力やフォークリフトだけではなくコンベアやショベルローダ、移動式クレーンなどが使用されたり、国際物流をおこなっている企業では、通関手続きも一緒におこなったりする場合もあります。
保管業務
保管業務は、主に商品や物資を保管する倉庫や配送センターで、出荷、集荷、仕分けなどの物流や在庫の管理、棚卸表、配送手配、スケジュールの作成などを担当する仕事です。
保管業務には、作業効率を上げたりコストを削減したりする重要な役割があります。たとえば、在庫の保管場所が分からなくなると、無駄を生んでしまったり、効率が悪くミスにつながったりする可能性が高くなります。そのため、作業動線が整えるのも大切な仕事の1つです。
入庫から出庫までの流れをスムーズにおこなうために、在庫がどこにいくつあるのかを把握し、品質も維持できるよう正しい環境設定をおこなう必要があります。
倉庫業界の魅力
倉庫業界の魅力は、人とモノをつなぐ架け橋となり、多くの人の生活を根底から支えている点が挙げられるでしょう。社会インフラに携わることでやりがいを感じることができます。
また、国内だけではなく海外に進出している企業も増えているため、グローバルに活躍できる点も魅力の1つです。
自分が働きたいと考えている業界の魅力を理解しておくことは大切なことです。ここからは、倉庫業界の魅力について詳しく解説します。
社会インフラに携われる
倉庫業界は、社会インフラに携われる点が魅力の1つです。生産者が作り上げた商品を顧客に届ける過程で倉庫は必ず必要になります。経済活動の中でも重要な役割を担っており、多くの人の生活の利便性につながっているため、やりがいを感じる場面が多いでしょう。
また、倉庫業界は商品や物資の管理や保管以外にも、災害時などの緊急事態に重要な役割を持っています。たとえば東日本大震災の際には、倉庫会社が援助物資や支援物資の管理をおこない、流れを調整しながら適切なタイミングで災害現場に届ける重大な業務を遂行していました。
キャリア
アドバイザー
倉庫業界は私たちの生活に必要不可欠な存在であり、日本の経済を支える公共性の高い業務にかかわる一員としての醍醐味を感じることができる仕事といえますね。
グローバルに活躍できる
倉庫業界の魅力は、グローバルに活躍できることです。倉庫を利用する主要な顧客である日系企業は、国内だけでなく海外へ進出しているため、各倉庫会社はグローバル化への対応が求められているからです。
また、倉庫会社は、商品や物資の管理や保管だけではなく、同業他社との差別化を図るべくさまざまな取り組みをおこなっています。たとえば、国内外問わず物流のグローバルネットワークを強化することで、世界を相手にビジネスを進めている企業へサービスを拡大していく動きが盛んになっています。
海外に拠点を持つ倉庫会社は今後も増えていくことが予想されるため、語学力を活かしたい、海外でチャレンジしたいという高い志を持った人には、とても魅力のある業界であるといえます。
キャリアアドバイザーコメント清水 沙也香プロフィールをみる
倉庫業界に興味ある人の中には、ビジネスで必要なモノの動きに興味がある人もいるのではないでしょうか。倉庫業界は、さまざまな企業が取り扱っている商品を目にすることになります。そのため、モノの動きを通して世の中の変化やトレンドを日々の仕事で感じることができますよ。
倉庫業界と聞くと「ビジネス市場や社外とのかかわりが少ない」と感じる人がいるかも知れませんが真逆ですよね。流行は商品の流れに初めに現れるため、トレンドの最先端で仕事をしているとも言えます。また、ECサイトが一般的になり顧客の多様化傾向があるため、さまざまな形状や性質をもった商品を扱うために接点を持つことも多いです。
このように商品の流れを通してトレンドをつかみたいと感じている人は、やりがいに感じる業界ですし、倉庫業界の魅力のひとつです。
倉庫業界に向いている人の特徴
就活生
倉庫業界の職種や魅力を知って、就活に対する意欲が湧いてきました。
キャリア
アドバイザー
それは良かったです。興味を持つことは就活のモチベーションにつながりますからね。
就活生
はい! 倉庫業界への就活を進めるうえで、向いている人の特徴が知りたいので、教えてください。
キャリア
アドバイザー
良い質問ですね。では、解説していきましょう。
倉庫業界は、倉庫や社会インフラを支える仕事に興味がある人はやりがいを持って働くことができるでしょう。また、顧客から預かった商品や物資の取り扱いに最後まで責任を持てる人や現場での単純作業が苦痛でない人も向いているといえます。
では、倉庫業界に向いている人の特徴を詳しく解説します。
物流や倉庫に興味がある人
倉庫業界には、物流や倉庫に興味がある人が向いています。倉庫業界は人とモノとつなぐ中間の役割としてなくならない仕事であり、学生から人気の高い業界の1つです。
採用担当者は、多くの応募者の中から仕事に興味を持って働ける人材を探しているため、「安定してそう」「なくならない仕事だから」などの理由で志望しても見抜かれてしまいます。やはり大前提として私たちの生活に欠かせない「モノの流れ」について関心があることは重要であるといえます。
顧客に届くまでにどんなルートを辿るのか、倉庫がどの立ち位置にあるのかなど、モノの流れを通して世の中を知りたいと感じられる人は興味を持って仕事に励むことができるでしょう。
物流の大手企業についてはこちらで解説しています。
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社会インフラを支える仕事に興味がある人
倉庫業界に向いている人は、社会インフラを支える仕事に興味がある人です。倉庫の仕事は華やかさはないですが、人とモノとつなぐ私たちの生活に必要不可欠な存在です。
食料品も日用品もいつでも好きなときに購入できるのは、物流の仕組みが正しく機能して
いるからです。近年新型コロナウイルス拡大により物流がマヒした時期があったため、モノが安定して流れている社会がどれほど重要なのかを実感した人が多いと思います。
倉庫業界も物流の一部として、重要な役割を担っているため、社会を支えていきたいという使命感や顧客へ無事にモノを届けることにやりがいを感じられる人は、天職であるといえます。
責任感が強い人
倉庫業界は、責任感が強い人が向いているといえます。どの仕事でも責任感は重要ですが、倉庫業界に関してはさらに強い責任感が必要になります。なぜなら、顧客から預かる商品や物資はすべて大切に取り扱う必要があり、替えが効かない場合もあるからです。
そのため、強い責任感を持って管理や保管をし、無事に届けることを意識して仕事をおこなう必要があります。責任感を持てず適当に仕事をしていると、商品の破損や紛失、現場での事故につながる可能性もあります。
顧客のために目の前の商品を丁寧に取り扱うことができたり、正確にやり遂げたり、自分の仕事に責任を持って働ける人に適性がある業界であるといえます。
責任感をアピールする方法はこちらで解説しています。
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単純作業が苦にならない人
倉庫業界に向いているのは、単純作業が苦にならない人です。特に倉庫管理の仕事は、検品や梱包など、1人で黙々と単純作業をおこなう場合がほとんどです。もちろん周りとある程度のコミュニケーションは取りますが、基本的には決められた流れ作業を1人で取り組む作業が多いです。
単純作業は誰でもできると思っている人が多いですが、実は違います。一定の場所でずっと集中して作業を続けたり、同じ作業を繰り返したりするため、体力、精神力、根気強さなどが必要になります。
そのため、目の前の仕事に没頭でき、単純作業が苦にならない人には倉庫業界での仕事に向いているといえます。
倉庫業を代表する企業6選
倉庫業界を志望するうえで、業界についての知識を深めることはもちろん、各企業についての研究も重要です。業界は同じでも各企業によって特徴や強みなどはさまざまだからです。自分に合った企業を見つけるためにも、企業の情報を知り分析することが重要になります。
ここからは、倉庫業界を代表する主な企業を6つ解説します。業界内の企業について理解を深めていきましょう。
近鉄エクスプレス
近鉄エクスプレスは、主に運送業、通関業、倉庫業をおこなっている企業です。海外との取引をいち早く開始させ、ヨーロッパ・アジア・オセアニアと拡大し、国際物流を軸に事業展開しています。2007年には中国の上海に大型倉庫を開設し、中国ビジネスを拡大させる足掛かりにしています。
また、ロジスティクス部門では、310を超える自社倉庫・物流施設を持ち、最新のテクノロジーを導入し顧客に高水準なサービスの提供を継続的におこなっている企業です。
近鉄エクスプレスは、さまざまな場面で英語を使用する機会があるので、英語が話せると就活に有利になります。ただし、国内での仕事も多々あるため、英語能力だけではなく顧客のニーズを満たすために必要なスピード感ある対応や、諦めずにやり抜く姿勢が必要です。
求める人物像としては、何かに一生懸命になった経験がある人、自分で考え行動できる人、国際的なフィールドで活躍したい強い想いがある人が挙げられます。
英語力をアピールする方法はこちらで解説しています。
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英語力の自己PRはエピソードを交えてアピールしましょう。今回は英語力をアピールする前に知っておきたいことやアピールする際の注意点をキャリアアドバイザーが紹介します。また、英語力と併せてアピールできる強みや英語力の自己PRで盛り込むべき要素も紹介していきます。英語力をアピールしたいと思っている人は参考にしてみてください。
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郵船ロジスティックス
郵船ロジスティックスは、47の国と地域に約263万平米の倉庫拠点を持ち、貨物輸送、在庫管理、流通加工などを一括で請け負う事業を展開している1955年に設立された企業です。
倉庫業においては、コントラクトロジスティクスとして、倉庫サービス、在庫出荷管理、集荷および配送手配、梱包仕分けなどの加工サービスを一括提供しています。
郵船ロジスティクスが求める人物像として、
- 顧客のためにほかの仕事とのつながりを考えながら取り組める
- より良くするために物事を考えられる知的好奇心を持っている
- 課題解決能力がある
- 共通の目的に向かって一体感を持って行動ができる
を掲げており、上記の要素を持って最後までやり切る人材が必要だと考えています。
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上組
上組は、港湾運送、倉庫、国内国際運送などの物流事業を展開する企業です。
特に港湾物流のリーディングカンパニーとして、神戸や東京にある自社運営のコンテナターミナルをはじめとした豊富な港湾インフラを保有していることが特徴です。
国際物流の拡大にも力を入れており、中国やシンガポールなどアジアを中心に約30カ所の拠点を置いています。
上組が求める人物像は、「真摯に仕事に取り組む姿勢」を持った人です。採用担当者は今までの人生において一生懸命に取り組んだ経験や成長したことを存分にアピールして欲しいと考えています。さまざまな経験を通して自分を成長させたいという意欲にあふれる人材を求めているからです。
仕事を進めるうえでの姿勢をアピールする方法はこちらで解説しています。
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三井倉庫ホールディングス
三井倉庫ホールディングスは、陸海空問わず国内および海外の物流に携わる総合物流企業です。100年あまりの実績を持ち、倉庫保管、港湾運送、陸上および航空貨物運送など多岐に渡るサービスを展開しています。また、海外にも200を超える拠点を持ち、国際物流にも力を入れています。
三井倉庫ホールディングスは、国際物流にも力を入れている企業です。採用時に語学力は必須事項ではありませんが、入社後には必ず使いこなせるようになる必要があることを覚えておく必要があります。
現時点での語学力よりも、海外勤務をしたい、国内外を含めグローバルに活躍したい、学びを楽しみ成長したいという情熱を持った人を求めています。
キューソー流通システム
キユーソー流通システムは、食品物流のリーディングカンパニーとして食品物流領域を軸に3PL事業の先駆者として事業展開をおこなう企業です。ライフラインである食品を安定供給するための物流事業をおこなっています。
倉庫事業においては、食品物流に不可欠な温度管理を維持するための倉庫を複数持ち、全国に65カ所以上の拠点を展開しています。食品を扱うため品質管理を大切にしており、食品ごとに最適な温度維持管理を徹底しています。
キユーソー流通システムは、食品物流において新たな価値創造が必要と考えており、そのために自ら考え、行動に移すことができる力を重視しています。笑顔、責任感、謙虚、挑戦の姿勢を大切にし、自分の考えを持った食品物流のプロフェッショナルを目指す人を求めています。
日新
日新は、倉庫事業、国内および国際運送、引越し、不動産事業などを幅広く展開する企業です。倉庫事業においては、入出庫管理、保管サービス、構内での在庫管理、梱包仕分けなどのサービスとさらに文書情報の引取、保管、抹消処理をおこなう文書情報管理サービスも提供しています。
アジア、欧米諸国など海外拠点は24カ所あり、世界中で活躍している企業です。そのため、国内の倉庫業界の中でも高い位置にいる企業の1つであるといえます。
日新は、人が必要とする「モノ」は物流があってこそと考えており、物流から社会を変えることを使命としています。そのため、何事も積極的に取り組み、協力し合える人や高い向上心を持ち、新しいことに挑戦できる人を求めています。
また、グローバルに事業展開している企業であるため、語学力が必要な要素です。採用時に必須ではありませんが、入社後には必ず必要になります。
倉庫業界の選考で差をつけるポイント
就活生
倉庫業界で働きたい気持ちが大きくなってきましたが、人気のある業界なので事前準備を徹底すべきだと感じました。
キャリア
アドバイザー
その通りです。就活は早めに準備を始めて損はありませんよ。
就活生
はい! 1つ質問なのですが、倉庫業界の選考で差をつけるポイントはありますか?
キャリア
アドバイザー
もちろんありますよ。では、倉庫業界の選考で差をつけるポイントを解説しましょう。
倉庫業界は、将来性がある業界で仕事がしたい、安定した業界に就職したいなどの理由から毎年人気が高いです。
ここからは、倉庫業界の選考で差をつけるポイントを解説します。多くのライバルに勝つためにも、準備を怠らないようにしていきましょう。
業界研究を深める
倉庫業界の選考で差をつけるために、業界研究を深めることがポイントです。業界について理解すると、志望動機に深みを出すことができたり、就職のミスマッチを防げたりします。
業界研究は下記の3ステップを順番におこなうとスムーズに理解を深められます。
- 業界の全体像を把握
倉庫業界の全体を把握し、どのような企業があるか、どんな顧客がいてどういう職種があるのかなど業界の概要を理解していきましょう。 - 業界の深掘り
倉庫業界について、各企業の違い、業界内での業績推移、顧客の形態などを把握すると、自分が目指す企業が明確になっていきます。 - 業界の動向を知る
業界の動向について詳しく調べると、倉庫業界の各企業のそれぞれの状況を知ることができます。各企業の現状を把握し、具体的な志望企業と職種を絞り込んでいきましょう。
上記3つで倉庫業界についての業界研究を徹底し、ライバルに差をつけていきましょう。
効果的に業界研究を進めるには業界研究ノートの活用がおすすめです。
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OB・OG訪問をおこなう
倉庫業界は、インターネット通販の市場拡大にともない業績が堅調であること、社会インフラに携わる仕事がしたいなどの理由から人気のある業界です。就職するためには、狭き門を突破する必要があり、多くの学生に差をつけるためにもOB・OG訪問をおこなうようにしましょう。
OB・OG訪問をすることで、実際に倉庫業界に就職し働いている先輩たちからアドバイスをもらうことができます。どんな対策をしたのか、志望動機や面接対策、仕事内容、本音の部分など積極的に質問するようにしてください。
情報収集はインターネットでできる時代ですが、実際に現場で働いている先輩たちからの率直な意見や気持ちを聞くことで就活に役立てることができます。
OB・OG訪問でおすすめの質問はこちらで解説しています。
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インターンシップに参加する
倉庫業界の選考で差をつけるポイントは、インターンシップに参加することです。学年指定がない場合は、なるべく早めに参加をすることをおすすめします。
インターンに参加すると、倉庫業界の仕事を体験できたり、社風を知れたりします。自分で実際に経験すると向き不向きを感じ取ることができます。働き始めてから向いていないと気が付いても遅いので、判断材料として活用してください。
また、インターン中に採用担当者の目に止まると、その後の選考が有利に進む場合もあります。ほかにもインターンの経験を自己PRに盛り込んでアピールする材料にすることも可能です。
上記のようにインターンに参加するメリットは多いため、積極的に参加していきましょう。
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キャリアアドバイザーコメント上原 正嵩プロフィールをみる
他の学生と差をつけたい人は、インターンシップに参加することが最もおすすめですよ。紹介しているとおり、仕事を体験して働くイメージを持つことができます。また、インターンに参加するだけで、ESと面接だけでは伝えられない自分の強みをアピールすることができるのです。すると選考に有利になりますし、企業との接点が長くなるためミスマッチをなくすことにもつながりますね。
「インターン情報を調べたが参加できる企業がなかった」ということもありますよね。そのような人は、OB・OG訪問をするだけでも他の学生と差がつけられるのでおすすめです。
実際に働いている人から話を聞くことで、企業との接点を持つことができるので、面接でのアピール材料にもなりますよね。採用担当者の目線では、「OB・OG訪問で社員と会ってくれるほど志望度が高い」と感じてもらえるのです。
インターンとOB・OG訪問をうまく活用して、他の学生と差をつけましょう。
倉庫業界の志望動機の作成時に盛り込むべき要素
倉庫業界の志望動機を作成するポイントは、採用担当者の目に止まる魅力あふれる内容にすることです。多数の応募者の中から選んでもらうためにも、具体性に欠けていたり、使い回したりしている志望動機は使用するのはやめましょう。
ここからは、倉庫業界の志望動機を作成する3つのポイントを詳しく解説します。ポイントを正確に押さえて納得感のある志望動機を作成し、自分のやる気や熱意を採用担当者に存分にアピールしていきましょう。
なぜ倉庫業界なのか
倉庫業界の志望動機を作成するポイントは、なぜ倉庫業界なのかを盛り込むことが大切です。採用担当者がなぜ倉庫業界なのかを質問する意図は、学生がどれだけ業界研究をしたのかを把握して、業界理解度や本気度を確認するためです。
倉庫業界は物流の一部であり、運送業界も含まれます。人とモノをつなぐ仕事をしたいのであれば倉庫業界以外にも業界は存在しているため、なぜ倉庫業界なのかを明確にしていきましょう。
倉庫業界でなければならない理由や倉庫業界でやりたいことを深掘りし、自分の中に落とし込んでから志望動機を作成すると、採用担当者も納得感が持てる志望動機を作ることができます。
なぜその企業なのか
倉庫業界の志望動機には、数多くある倉庫を取り扱う企業の中で、なぜその企業を選んだのかを明確に伝えられるようにすることが大切です。採用担当者は、なぜ自社が選ばれたのかを確認することで、応募者がどれくらい企業研究をおこなったのか知ることができるからです。
各企業それぞれ特徴や強みなどが異なるため、どの点に魅力を感じたのか、志望する企業で何をしていきたいのか、などその企業でなければならない理由を具体的にしていきましょう。
採用担当者としては、安定して長く働き続けてくれる人材を採用したいと考えています。そのため、企業研究を熱心におこないやる気や熱意をアピールし、企業で長期的に活躍していける人材であると思ってもらえるようにしていくことが大切です。
企業にどう貢献できるか
倉庫業界の志望動機を作成するポイントは、企業にどう貢献できるかを盛り込むことが重要です。採用担当者は、企業にどう貢献できるかを考えられる学生から、本気で倉庫業界で活躍していきたいという意思や覚悟を感じ取ることができるからです。
たとえば、自分の強みを活かして成し遂げたいことや将来のキャリアプランを伝えても良いでしょう。企業の求める人物像が合っていれば、採用担当者に自社で長期的に働き、活躍できる人材であると判断してもらえる可能性が高くなります。
業界や企業研究を徹底的におこなったうえで、自分が企業にどう貢献していけるのかを具体的にし、ほかの学生よりも印象に残る志望動機を作成していきましょう。
倉庫業界の志望動機例文
倉庫業界の志望動機には、なぜ倉庫業界なのか、なぜその企業なのか、企業にどう貢献できるかを盛り込むことが大切です。また、倉庫業界の志望動機を考えるうえで、人とモノを結ぶ私たちの生活の根底を支えている企業はどのような人材に働いて欲しいと考えているのかを理解する必要があります。
上記を踏まえ、倉庫業界でなければならないやる気や熱意が伝わるような志望動機を作成していきましょう。加えて、自分のエピソードを添えた志望動機を作成すると、より具体的で採用担当者に納得感を持ってもらえる仕上がりになります。
自分の強みを活かして貢献したい
自分の強みを活かして貢献したい場合は、自分の強みを企業にどのように活かせるのかを明確に伝える必要があります。抽象的で漠然とした志望動機だと採用担当者の印象には残らないため、仕事への再現性を具体的にアピールすることが重要です。
伝え方次第で、実際に働いている姿をイメージしてもらえるため、自分の強みがどんなことで、仕事に活かすことで企業にどんな貢献ができるのかを考えてください。
各企業が求める人物像や目指している方向性をしっかりとキャッチし、過去の経験を踏まえ、自分の強みを活かして成し遂げたいことを具体的に伝えられる志望動機を作成していきましょう。
回答例
私は、人一倍強い責任感を活かして御社に貢献していきたいと考えています。大学時代はボランティア団体に所属し、ある川の大清掃をするプロジェクトのリーダーを勤めた経験があります。100人以上いるメンバーを統括しながらプロジェクトを成功させるための戦略や計画を立てました。
実際に繰り返し下見をしたり、天候不良やトラブルが起こった際のリスクヘッジをしたり、本番まで手を抜かずにリーダーとしての役割をこなしました。自分では当たり前のことをしたつもりでしたが、周囲からは「責任感がある」と褒めていただく機会が多くありました。
倉庫の仕事は、顧客に商品を届けるためになくてなならない存在であり、社会的にも責任のある仕事だと理解しています。そのため、御社に入社したら私の責任感の強さを活かして仕事に邁進し、貢献していきたいと考えています。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
キャリア
アドバイザー
自分が経験した具体的なエピソードで強みを存分にアピールできています。また、倉庫業界について理解している点も好印象です。
社会インフラを支える仕事がしたい
社会インフラを支える仕事がしたい場合は、なぜほかの業界ではなくインフラ業界なのか、その中でもなぜ倉庫業界なのかを明確にする必要があります。
インフラは一定の需要がありなくならない業界であるため、学生から人気の高い業界です。そのため、インフラである理由が不明確であると採用担当者からは「インフラである理由が分からない」と思われてしまい良い評価にはつながりません。
今までの人生経験の中で、何かしらのインフラ業界を選んだ理由と倉庫業界でなければならない理由があるはずです。具体的になるまで考えて明確にすることで、ほかの学生に差がつく良い志望動機を作成してください。
回答例
私は、高校生の頃に大雨の影響で実家のある地域が被災した経験があります。不安な日々を過ごした中で、支援物資が届いたときは本当に感動しました。目の前に食料品や日用品があるのは当たり前のことではなく、誰かが保管や管理をして運んでくれているのだと感じるきっかけになりました。
後から、倉庫業界が災害時に活用できるように物資を管理、保管していることを知りました。いつでも好きなときに買いものができる時代を支えている、人とモノをつなぐ中間的役割を果たす倉庫業界で、私もインフラを支える仕事をしたいと考えるようになりました。
私は顧客の皆様の安心や生活の安定を根本を支える仕事をしていくために、御社を志望いたしました。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
キャリア
アドバイザー
自分の辛い経験から学び、仕事にしていきたいと考えたエピソードが分かりやすいです。インフラである理由や倉庫業界に惹かれている理由が明確で良い志望動機になっています。
英語力を活かしグローバルに貢献したい
留学経験があり語学が堪能であるため、英語力を活かしグローバルに貢献したいと考えている人は多いと思います。倉庫業界はグローバル化が進んでいるため、英語ができることは良いアピールポイントになります。
ただし、注意すべきポイントはほかの学生とどのような点で差別化して伝えるかを明確にすることです。英語が話せる学生は多くいるため、英語力に何かプラスして企業にとって魅力に感じる点を具体的にしていくと良いです。
たとえば、「私は高い英語力を持っています」ではなく「私は高い英語力を活かして御社の〇〇に貢献していきたいと考えています」と伝えるだけで印象が大きく異なります。せっかくの英語力を無駄にしないためにも、採用担当者に英語力を活かして貢献してくれる人材と感じてもらえるように工夫をしていきましょう。
回答例
私は、世界中に拠点を持つ御社で英語力を活かし、グローバルに多くの人の生活を支える仕事をしたいと考えています。近年御社は、海外進出を進めている日系企業に合わせてさまざまな国と地域でビジネスを展開しており、今後も、加速していくことが予想されます。
現在は世界中さまざまな場所から好きな商品を購入できる時代であり、根本部分を支えているのは倉庫業界が保管や管理を徹底しているからです。
御社は世界中にネットワークを広げ多くの人の生活を支えていきたいという理念の元、事業を拡大していこうという熱意を強く感じさせてくれる企業です。
そのため、私も大学時代にイギリスへ1年間の交換留学をした経験を通して培った英語力や努力する力を活かして貢献していきたいと思い志望致しました。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
キャリア
アドバイザー
志望企業の研究をおこない魅力を感じている部分に対して、自分がどのように英語力を活かして貢献できるのかが記載されています。単純に英語ができることをアピールするよりも、英語を活かして何ができるのかが具体的で良いですね。
倉庫業界の研究を深めて就活を有利に進めよう!
倉庫業界の特徴、動向、将来性や倉庫業界の種類や魅力、倉庫業界に向いている人や代表企業、倉庫業界の選考で差をつけるポイントや志望動機例文など倉庫業界について詳しく解説しました。
倉庫業界は、生産者から顧客へ無事に商品や物資を届けるために、管理や保管をおこなうスペシャリストです。社会を支える重要インフラの1つとしてなくてはならない存在であり、責任重大な産業である代わりに安定した需要があるため人気の高い業界です。
ほかの学生に差を付けて選考を勝ち進んでいくために、倉庫業界の研究を深めて就活を有利に進めていきましょう。
キャリアアドバイザーコメント辻 華菜子プロフィールをみる
説明されているとおり、導入にコストがかかるためすべての倉庫で自動化がされるにはハードルが高いです。ですが、大手物流倉庫業界ではすでに導入されており、業界の動向としてきちんと把握しておくべきですよ。たとえば、アマゾンやニトリ、アスクルの物流倉庫ではすでに自動化されており、作業効率アップなどの事例がありますよ。
倉庫の自動化には主に3つのシステムがあるので、最低限これだけは覚えておきましょう。一つ目は「自動搬送ロボット」で、言葉のとおり自動で商品の搬送をおこなっています。二つ目は「自動ピッキングシステム」で、必要な物品を集める作業を自動化しています。三つ目は「倉庫管理システム」で、在庫の状況を常に把握することができます。
また、近年では自社の倉庫に自動化システムを導入するのではなく、自動倉庫をレンタルするサービスもあります。すると自動化導入の初期費用を抑えて、自動化をすることができますね。
このトレンドを押さえておくことで会社の事業戦略やビジョンを深く知るきっかけになりますよ。