目次
- 社会学部の就職先は多岐にわたる
- 社会学部とは
- 社会学部で学べること
- 社会学部の主な専攻
- 社会学部のメリット・デメリット
- メリット:幅広い知識が得られる
- デメリット:知識が広く浅く中途半端になりやすい
- 社会学部は就職に不利?
- 社会学部卒業生の就職率は高い
- 新卒では学部が影響することは少ない
- 学んだことを生かした就職は難しい場合も
- 直接関係なくても知識が生かせることは多い
- 大学・業界別! 社会学部の就職先ランキング
- 一橋大学
- 立教大学
- 法政大学
- 関西学院大学
- 社会学部の学生に人気の業界
- 製造業
- IT業界
- マスコミ
- 教育
- 社会学部の学生に人気の職種3選
- マーケティング
- 公務員
- 社会学部の就活に役立つ資格は?
- 社会調査士
- 教員免許
- 学芸員
- 認定心理士
- 司書
- 社会学部で学んだ事を就活に生かす4つのコツ
- ①自己分析を徹底する
- ②インターンに参加する
- ③興味あるビジネス分野に関連するゼミに入る
- ④早い段階から学部の先輩に話を聞く
- 社会学部の就職先について学生からよくある質問に回答!
- 社会学部での学びを生かして理想の就職先を見つけよう
社会学部の就職先は多岐にわたる
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。社会学部に所属する学生から、
「社会学部の卒業生はどのような企業に勤めていますか」
「社会学部の場合、就活に不利ということはありせんか」
といった質問を受けることがよくあります。
実際のところ、社会学部卒業生の就職先にこれといった偏りはなく、多岐にわたる分野で活躍しています。就職で不利に働くという点も、あまり気に病む必要はありません。
とはいえ、納得する材料がないと本当にそうなのかは信じ難いですよね。そこでこの記事では、社会学部の概要や学べること、メリット・デメリット、社会学部卒業生の就職率、就職先ランキング、人気の業界、就活を進めるうえで押さえるべきコツなどを解説します。
就活を控えた社会学部の学生や、これから就職を見すえて社会学部を目指したいという人は、ぜひ目を通してみてください。
社会学部とは
社会学部という言葉は漠然としていて、具体的に何を学び、何を専攻しているのかなどの明確なイメージはあまり見えてこないかもしれません。
社会学部はその名前のとおり、社会について研究する学部です。私たちが生活している社会をさまざまな角度からとらえて構造や仕組みを理解し、社会で起こっている現象や課題などを分析・考察します。テーマによっては社会問題の解決にまで研究内容に含めることもあります。
社会学部で学べること
社会学は社会そのものをさまざまな視点から掘り下げて探究していく学問なので、多岐にわたる領域を学べるのが特徴です。研究対象である社会も、個人と個人の関係からグローバル社会にいたるまで、さまざまな形や規模のものが存在し、かつさまざまな物事から影響を受けるため、絶え間なく進化し続けています。
- 心理
- 科学
- 環境
- 歴史
- 地理
- 経済
- 国際関係
- 地域
- ジャーナリズム
- 文化
- 情報
- IT
- 医療
- 福祉
調査ではデータを扱うので統計やITなどの知識も必要になります。研究テーマによってはフィールドワークなどで国内、あるいは海外に出て調査をおこなうこともあります。
社会学部の主な専攻
社会学部での専攻は、社会学部を設置している大学ごとに区分けや名称が異なりますが、主に次のような専攻分野があります。
- 社会学専攻
- 国際社会学専攻
- メディアコミュニケーション専攻
- 社会心理学専攻
- 社会システムデザイン専攻
- 社会文化システム専攻
- 社会福祉専攻
社会学部のメリット・デメリット
社会学部は、幅広い方面の知識が身に付く点がメリットです。また、周囲で起こっている現象や問題を多角的に捉える力も身に付きます。
デメリットは、カバーするエリアが多岐にわたる分、知識が広く浅く、中途半端になりやすい点です。一つの専門領域を極めたい、特定のスキルを身につけたいなどのニーズには対応しきれない場合があります。
これらのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
メリット:幅広い知識が得られる
社会学部で学ぶことの大きなメリットは、幅広い知識が得られる点です。そもそも「社会」という定義が幅広く、かつ社会をさまざまな角度からとらえて探究していくため、多方面の領域を学ぶ必要があります。結果、幅広い知識が身に付くため、大学で学びたいことが決まっていない人や、幅広い知識を身に付けたい人には最適です。
一つの領域にとらわれない分、多方面から物事を客観的に見つめ、発想する力が養われるのも大きなメリットです。身近な日常からグローバルな局面まで、周囲で起こっている現象や問題を読み解く力が身に付きます。
キャリアアドバイザー
デメリット:知識が広く浅く中途半端になりやすい
社会学部で学ぶことで指摘されがちなメリットは、カバーするエリアが広範囲に及ぶ分、学部の勉強では知識が広く浅く中途半端になりやすい点です。そうならないためには、学生時代に何か一つ、好きな分野・専門領域を自分で決めて探究し、知識を深めていくのがおすすめです。
また、大学生活で専門的なスキルや資格取得を目指したい場合には不向きです。社会学部では社会そのものを扱うため、法律や経済学などの実学を身に付ける場ではありません。そのため、弁護士や税理士になりたい、プログラミングや会計のスキルなどを身につけたいなどのニーズには対応していません。
社会学部で学びつつ何らかの技能や資格、専門性を身に付けたいなら、社会学部で取得可能な資格を狙う、あるいはスクールに通うなど、独学で学ぶ必要があります。
キャリアアドバイザーコメント津田 祥矢プロフィールをみる
繰り返しになりますが、社会学部は、経済学部や法学部で扱う数字や決め事だけでは捉えることが難しい曖昧な社会について学ぶためにできたと言われています。
そのため、「数字などで物事を割り切ることが苦手そう」「考えすぎていてわがままかもしれない」などのネガティブなイメージを持っている人もまだまだいるかもしれません。しかし、学生の皆さんもご存じの通り、現代社会は複雑化しており、昔なら通用した「こうすればこうなる」という法則通りにはいかなくなっているのも事実です。
社会学は、このような現代社会においてさまざまな角度から物事を捉える力を養うことができる学問です。企業に与えるマイナスの側面は、「常識にとらわれない考え方ができる」などプラスの意味合いに言い換えることもできます。自信を持って就職活動に取り組みましょう。
社会学部は就職に不利?
就活生
社会学部は専門性が身に付かないから、就職に不利という声を聞くのですが……。
キャリアアドバイザー
結論から言えば、そんなことはまったくありませんよ。
就活生
あ、そうなのですね?
キャリアアドバイザー
自信を持って就活できるよう、事実を確認していきましょう。
専門性がないからといって就活が不利ではないことは、社会学部の学生が卒業後、社会のさまざまな分野で活躍していることからも明らかです。実際の就職率と、不利といわれる理由を解説します。
社会学部卒業生の就職率は高い
実際のところ、社会学部を卒業した学生の就職率は決して低くはありません。
一例として東洋大学が公開しているデータで見ると、2022年度の社会学部の就職率は97.9%です。一方、文学部は97.8%、経済学部は98.3%、経営学部は98.3%、法学部は97.8%と、同じ文系の他学部と比較しても決して引けを取りません。
他の大学の公開データを見ても、社会学部の就職率は決して低くはなく、しかも幅広い業界・業種で就職している傾向が伺えます。
新卒では学部が影響することは少ない
新卒の場合、社会学部出身であることが就活の成果に影響することは少ないのが現状です。これは社会学部だけでなく、商学部、経済学部など他の文系学部にも共通して言えることです。
新卒採用の場合、採用担当社が注目するのは、出身学部や学生時代の専攻科目よりも、学生の人物像と、自社とのマッチ度です。
どのような価値観の持ち主か、自社への志望意欲はどの程度か、コミュニケーション能力は高いか、論理的思考力があるか、協調性はあるか、今後も成長が見込めるかなどを見極めようとします。それらの視点から得られた情報をもとに、自社とのマッチ度が高い人材かどうかを判断します。
キャリアアドバイザー
企業にとっては、長く現場で活躍してくれる人材を採用することが最優先事項であり、社会学部出身である点が新卒採用で大きく影響することはあまりありません。
こちらの記事では経済学部生におすすめの職業を紹介しています。
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学んだことを生かした就職は難しい場合も
ではなぜ社会学部の就職が難しいと言われることがあるのかというと、学んだことを直接生かされる就職先を見つけるのは簡単ではないからです。分野を絞り込むとなるとそれだけ業種や企業の選択肢も狭まり、同じ志望を持つ他学生との間で限られた採用枠をめぐり激しい競走になります。
この点は、専攻内容が就職に活かせる理学部や工学部、農学部、また専攻内容がそのまま職種に結びつく医学部や薬学部、看護学部などと比べると、社会学部を含む文系学部の弱い部分です。
社会学部で学んだことを仕事でもフルに生かしたい場合は、大学院に進んで特定の領域をより探究し、専門性を深めるのも手です。
キャリアアドバイザー
とはいえ、社会学部の大学院で専門性が深まれば就職により有利かというと必ずしもそうでもなく、ケースバイケースなので注意が必要です。
直接関係なくても知識が生かせることは多い
社会学部の学生が就職する業界・業種は多岐に亘りますが、中には社会学そのものと直接関係がない分野でも、身に付けた知識を活かせる機会は多くあります。
たとえば、マスコミ関係や出版社、新聞社などであれば、幅広く世の中のさまざまな情報や傾向、流行などを敏感にキャッチする情報感度の高さが重要視されます。マーケティングや企画職も、リサーチ力やデータ収集、分析、統計などのスキルが生かされる分野です。
大学で学んだことをそのまま仕事に直結させなければいけないと考えず、幅広い視野で捉えれば、社会学部出身者が活躍できるフィールドは広いといえます。
キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
ここまで見てきたとおり、社会学部だから就活に不利ということは決してありません。ただし、何度もお伝えしている通り社会学部というのは非常に曖昧な学問です。そのため、自分がなぜその学部を選んだのか、どのようなことになぜ興味を持って学んできたのか、などを初めて聞く人にもわかりやすく伝える必要があります。
社会学は領域が広い一方、社会の問題に焦点を当てているため、説明の仕方次第でその人の価値観や個性が如実にわかる学問だとも言えるでしょう。どんな企業も、社会の何らかの課題を解決するために存在しています。つまり、自分と企業の課題意識や興味領域が重なっていると企業とのマッチ度をあげていきやすい学問とも言えます。その特徴を活かして、ぜひ自分に合った企業を見つけてください。
大学・業界別! 社会学部の就職先ランキング
社会学部出身者が多く就職する業界には実際にはどのようなものがあるのか、また学校によって傾向に差はあるのかを見ていきましょう。
社会学部が設置されている一橋大学・立教大学・法政大学・関西学院大学それぞれの公開データをもとに、就職先上位5業界のランキングと傾向を解説します。大学ごとにランキング上位の組み合わせに違いがあり、それぞれに強みが生かされる業界が見て取れます。
一橋大学
一橋大学の社会学部は6つの研究分野に分かれています。一橋大学が公開している卒業生の就職先のデータは平成27年度のものです。それによると、就職先上位5業界は以下のとおりです。
- 1位:製造業(30%)
- 2位:建設・不動産・運輸(11%)
- 3位:サービス業(10%)
- 4位:情報・通信(9%)
- 4位:マスコミ(9%)
- 5位:銀行・証券/保険(8%)
1位の製造業だけで卒業生全体の約3分の1を占めます。一方、2位の建設・不動産・運輸が全体の約11%、3位から5位もさほど変わらない割合のため、一橋大学では製造業への就職率が突出して高い傾向を示しています。
参照元:一橋大学
平成27年度卒業生学部別進路状況(人)
立教大学
立教大学が公開している2020年度卒業生データによると、就職先上位5業界は以下のとおりです。
- 1位:サービス(18.2%)
- 2位:教育(18.0%)
- 3位:金融・保険(12.1%)
- 4位:卸・小売(10.9%)
- 5位:製造業(10.2%)
立教大学ではキャリア支援プログラムを通じて学生の就職を支援しており、社会学部の就職率は89.4%の高さを誇ります。経済学部の82.8%、経営学部の85.3%、文学部の81.4%、法学部の80.1%などと比べても極めて高い数字といえます。
社会学部卒業生は上位5業界に加え、メディア、公的機関、NPO、公務などの分野で活躍しています。
参照元:立教大学
学部別進路決定状況 2022年度
法政大学
法政大学が公開しているデータによると(具体的年度は不明)、就職先上位5業界は次のとおりです。
- 1位:サービス(17.3%)
- 2位:金融・保険(17.0%)
- 3位:製造(13.4%)
- 4位:卸・小売(12.0%)
- 5位:マスコミ(10.1%)
法政大学では、1位のサービス業と2位の金融・保険がほぼ同じ割合を示し、3位から5位に差をつけています。学生の間ではテレビ局や広告代理店などのマスコミ系企業が人気です。就職に強い大学として定評があり、就職希望者決定率では全国平均を常に上回っています。
参照元:法政大学
社会学部の進路・就職・資格情報
関西学院大学
関西学院大学が公開している2020年度のデータによると、就職先上位5業界は以下のとおりです。
- 1位:教育・公益・そのほかのサービス業(20.0%)
- 2位:製造業(16.7%)
- 3位:保険業・金融業(13.0%)
- 4位:情報通信業(10.4%)
- 5位:卸売業(10.1%)
関西学院大学では、教育や公益・そのほかのサービス業に就職する学生の割合が最も多く、製造業がそれに続きます。同大学では、中学校一種(社会)の教員免許、高校一種(地理歴史・公民)の教員免許に加え、博物館学芸員過程、学校図書館司書教諭、国際バカロレア教員認定証、社会調査士、認定心理士なといった資格の取得を支援しています。
なお、社会学部の2021年度の就職率は91.6%で、法学部の87.1%や経済学部の90.5%、商学部92.2%など、他の実学を専攻する学部と比較しても、決して低い数字ではありません。
参照元:関西学院大学
2021年度 学部卒業生 学部別 進路登録・決定状況
社会学部の学生に人気の業界
就活生
製造業やサービス業などが社会学部出身者に人気なのですね。
キャリアアドバイザー
そうですね。
情報系やマスコミ、教育関係に進む学生もいますよ。
次に、社会学部の学生の間では、どのような業界が人気なのか見ていきましょう。それぞれどのような特徴や傾向があるのかを解説します。
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製造業
製造業(メーカー)は社会学部の卒業生に人気の就職先です。実際、先に紹介した4つの大学でも上位5位以内にランクインしています。
ひと言で製造業といっても、食品や電子機器、自動車、アパレル、素材、おもちゃなど多種多様な領域が存在し、膨大な数のメーカーがあります。モノづくりの会社ですが、社会に向けて販売するという点では広い意味で社会学部に関係します。
社会学部の学生は特定の専門領域を持たない分、卒業生の希望に合わせて就職先も多岐にわたります。文系出身なので、営業や商品企画、宣伝・広告などの職種に配属されます。
日本は全体的に製造業の技術レベルが高く、唯一無二の技術を持つものづくり企業も決して少なくありません。自分が好きな製品ジャンルのものづくりに携われるのは、大きなやりがいがあります。
キャリアアドバイザー
グローバル展開により世界各地に拠点を持つメーカーも数多く存在し、国際的に活躍したいという志望を持つ社会学部の学生には魅力的な就職先です。
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IT業界
IT業界、またの名を情報通信産業は、成長著しい分野として社会学部の学生の間で人気が高い業界の一つです。通信インフラを扱う通信サービスや、業務用の情報システムを開発・運用する情報処理系など、いくつかの分野に分かれています。
IT業界といえば真っ先に思い浮かぶのが、プログラマーやシステムエンジニアなどの技術職ですが、それ以外にも営業やマーケティング、コンサルタントなど、文系出身者がかかわれる職種も多く存在します。特にマーケティングは統計や調査、分析のスキルが生かされる職種なので、社会学部の学生に適しています。
IT業界は、あらゆる業界でDX推進が進んでいるなどの関係でニーズが高い一方、深刻な人材不足に直面しています。問題の解決に向けて、政府主導でのデジタル人材育成の取り組みも進行しており、学習用のポータルサイト(マナビDX)も公開されているため、関心のある人は積極的に学んでみましょう。
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マスコミ
世の中にさまざまな情報を発信するマスコミ関係は、社会学部の学生の間では特に人気が高い就職先の一つです。マスコミ関係の企業には、テレビ局やラジオ局、新聞社、出版社、広告代理店などが含まれます。
社会学部で身に付けたメディア関係の知識、社会のトレンドや問題をキャッチする高い情報感度、調査やデータ収集、分析などさまざまなスキルや能力が活かせるため、社会学部との相性が良いエリアです。特に、メディア系を専攻している学生はマスコミ系への就職を希望する学生が多い傾向があります。
ただし、製造業などと比べると企業数は限られるため、実際の就職活動では激しい競争となります。
出版
「本を出版する」というイメージが強い出版業界ですが、ひと口に本といっても雑誌や文庫、新書などいろいろな種類があります。また、漫画や小説、学習参考書、専門書、児童書などさまざまなジャンルがあります。
出版社は社会学部で培ったスキルが生かされる人気の高い就職先です。編集や校正、進行管理、営業など、さまざまな職種で社会学部出身者が活躍しています。
インターネットやスマートフォンの普及などによる活字離れから、日本の出版業界は年々市場規模が縮小する一方で、倒産を余儀なくされる出版社も少なくありません。一方で、出版に携わりたい人は少なくないため、就職活動時の倍率はかなり高くなります。
キャリアアドバイザー
将来性が危ぶまれる半面、電子書籍のニーズも徐々に拡大しており、いかに人々に必要とされる新しいビジネスモデルを生み出せるかが、今後の生き残りの鍵となります。
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テレビ局
マスコミ業界の華やかなイメージを反映するテレビ局。社会学部では人気の就職先の一つであり、世の中の流行や傾向をキャッチする力や情報収取力などが求められる面でも相性が良い職場です。
一方、志望者数に対して企業数が絶対的に少ないため、マスコミ業界の中でも正社員として採用されるのが特に困難です。新卒でうまくいかず、第二新卒での入社にチャレンジする人もいます。テレビ局に入局できない場合は、番組制作会社に入社して番組制作に携わるというルートもあります。
社会学部の学生が就く職種としては編成・制作、ディレクター、報道記者、アナウンサー、営業、人事や総務などの一般職などが挙げられます。採用されるのが本局か地方の支局かでも、職種の選択肢や業務内容が変わってきます。
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現在はインターネットやスマートフォン、SNSの普及により、若い世代を中心にテレビ離れも進行しており、時代に呼応する新たな視点が求められています。
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新聞社
国内や世界、地域などのさまざまなニュースを日々発信し続けるのが新聞社です。まさに社会について考え続ける仕事であり、社会学部では人気の就職先です。広範な知識や物事を多角的な視野から捉える能力、調査スキルなど、学生時代に身に付いた能力やスキルが大いに活かされる分野です。
学生の間で特に人気が高いのが花形の記者職ですが、競争率が高く、並大抵の努力では採用は叶わないため、筆記試験の準備など早めに取り組むのがおすすめです。記者以外には企画、編集、制作、校閲、営業、販売、経理、広報などの職種があり、選択肢は豊富です。
以前は定期購読で利用する顧客が多く経営が安定していた新聞社も、人々の新聞離れが進み、リストラがおこなわれるなど、経営状態は以前よりも厳しくなっています。新聞社を志望する際は将来性の面も考慮に入れて検討する必要があります。
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教育
教育関係は、社会学部の出身者が幅広く活躍できる分野として人気があります。教職を目指す場合は、教員資格に必須の科目を履修して教育実習をおこない、教員採用試験を受けて合格する必要があります。
社会学部では、教員のほか、教育・学術関係の資格として、博物館学芸員の資格課ほど、社会教育主事・社会教育士、学校図書館司書教諭の資格取得に必要な履修科目も設けられています。
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小中高の教員
教員は、地域社会や家庭、子ども、心理、福祉など、社会学部で幅広く身に付けたさまざまな知識やスキルが役立つ職種です。
教員を目指す学生は、小学校や中学校、高校など、志望する教職に合わせて必須の履修科目の単位を取得し、教育実習をこなし、さらに教員採用試験に向けて勉強する必要があるため、一般の学生よりもかなり多忙になります。そのため、2年・3年時から早めに着手する必要があります。
教員採用試験は筆記試験と面接に分かれています。たとえば高校の地理歴史の1種でも、就職したい都道府県ごとに採用試験を受ける必要があります。採用試験の倍率は各都道府県によって異なり、特に人気のある高校の教職などは、倍率が10倍を超えるエリアもあります。
キャリアアドバイザー
資格取得が過酷なうえに適性や体力、精神力が求められる現場ですが、子どもたちの成長にかかわれる非常にやりがいのある仕事です。
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保育士・幼稚園教諭
保育士や幼稚園教諭も、社会学部の学生が目指せる進路です。特に児童福祉や児童心理、あるいは保育・幼稚園を専門とするコースの設置がある場合、そこで学んだ学生は知識や経験を生かしやすい現場です。ただし、子どもが好きなこと、根気強さ、タフさなど、性格面も適性に大きく左右します。
社会学部では幼稚園教諭免許の1種を取得できますが、小学校・中学校・高校の教職と同様、必要な教職課程を修了する必要があります。小学校教諭免許との抱き合わせで取得するケースもあります。就職先としては、公立・私立の幼稚園や認定こども園、幼児教室、児童福祉施設などがあります。
保育士の場合は、4年生大学の卒業生であれば保育士試験の受験資格が与えられ、年2回おこなわれる保育士試験に合格すれば資格を取得できます。
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大学教授
社会学部では大学教授の道も目指せます。毎年、卒業生の数%は同じ大学、あるいは他大学の大学院へと進学しています。修士課程では2年間、次の博士課程では3年間にわたり専門領域の研究をおこない、論文を書き続ける生活を送り、研究者としての研鑽を積んでいきます。研究内容が認められれば修士号、博士号が授与されます。
博士号を授与したからといってすぐに教授職に就けるわけではなく、就職活動をして空きがある大学でポストを得る必要があります。通常は助手や講師からスタートして准教授、そして教授職を目指します。上を目指すプロセスでは一定の研究成果を挙げていく必要があります。
キャリアアドバイザー
大学の社会学部教員のポストは空きに限りがあるため、他の学術・研究機関や企業の研究職など、外に機会を求めることもできます。
自分が研究職に向いているかどうかこちらの記事でチェックしてください。
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社会学部の学生に人気の職種3選
- マーケティング
- 企画
- 公務員
社会学部の卒業生は多岐にわたる企業や職種での就職をはたしています。その中でも特に人気が高い職種として、マーケティング、企画、公務員の3つがあります。
マーケティング
マーケティングは、商品やサービスの売れる仕組みを考えるのが仕事です。市場調査をおこない、ターゲットとなる顧客像を描き、認知拡大や集客向上、売上増加などを目的にさまざまな施策を実施して成果につなげていきます。現在はWebサイトやブログ、SNSなどのデジタルチャネルを利用したマーケティング活動が主流です。
仮説を立てて検証をおこない、傾向を把握していくなどの点で、マーケティングと社会学には共通点があります。
- 情報収集スキル
- データ収集スキル
- 分析・統計スキル
今はB2CだけでなくB2Bなど、さまざまな企業でマーケティング部門が設けられているため、多種多様な業界でマーケティング職を目指せます。
マーケティング職の志望動機で差をつけるコツはこちらの記事で解説しています。
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マーケティング職の志望動機で重要なのは、綿密な企業研究です。今回はマーケティング職の志望動機を作成する際にアピールすべき強みを紹介し、志望動機の構成を解説していきます。キャリアアドバイザー監修のもと、志望動機の例文も紹介していくので、参考にしてみてくださいね!
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企画
企画職も情報収集力や分析力が求められる仕事であり、社会学部生の間で高い人気を誇ります。企画職には大きく分けて商品企画・広報企画・営業企画の3つの分野があり、就職先の企業の業種や扱う商材によっても業務内容が異なります。
- 商品企画:新しい商品やサービスを生み出すのが仕事・市場動向や顧客のニーズなどに基づいて新たな商品やサービスを企画・開発する。既存の商品・サービスのリニューアルをおこなう業務もある。
- 広報企画:商品やサービスを世の中やターゲットの顧客に浸透させるための企画を担当。テレビや雑誌などでのメディアを通じた露出の企画、記者発表イベントの立案・開催、プレスリリース記事の作成も手掛ける。
- 営業企画:商品やサービスが売れて営業活動が円滑に進んで商品やサービスが売れるよう、営業担当者向けにさまざまな戦略を立案して支援する。
企画職はマーケティングや広告・宣伝などの職種と大きくかぶる部分もあり、企業によっては企画職が幅広く網羅することもあれば、業務エリアがきっちり細分化されている場合もあります。
企画職のやりがいや向いている人はこちらの記事で確認してください。
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企画職を希望するなら、仕事内容を理解して会社で活躍するイメージを伝える力が重要になります。 この記事では企画職の仕事内容、やりがい、必要なスキルなどをキャリアアドバイザーが解説します。 解説動画も参考に自分に合った仕事なのか考えてみてくださいね。
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公務員
経済的に安定し、福利厚生が充実している公務員も、社会学部生の間で人気の職種です。公務員の職種や業務は多岐にわたるため、社会学部での学びで身に付いた広範な知識が生かせます。
公務員は大きく分けて国家公務員と地方公務員の2種類があります。政府の省庁など、中央官庁に勤務したい場合は、国家公務員試験に合格する必要があります。国家公務員も、総合職や一般職、専門職などの違いに応じて試験が設けられています。
地方自治体への勤務を希望する場合は地方公務員試験を受験して合格する必要があります。公務員の業務は、治安や税金、農業、工業、労働、厚生、社会福祉、教育、文化など、配属先の省庁や役所、機関により異なります。
キャリアアドバイザー
教職や警察官、自衛官、裁判官なども公務員ですが、地方公務員や国家公務員とはまた別の資格取得のルートが設けられています。
公務員と民間企業を併願する場合はこちらの記事でスケジュールを確認しておきましょう。
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公務員と民間の併願で注意すべき点|スケジュールやメリットも解説
公務員と民間の併願はメリット・デメリットを理解し、自分に合った対策を練る必要があります。 この記事では就活スケジュール、併願を成功させる秘訣、対策などをキャリアアドバイザーが解説します。 事前準備が重要なので解説動画も参考に対策を講じてくださいね。
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キャリアアドバイザーコメント根岸 佑莉子プロフィールをみる
企業は社会学部出身の学生に対して、机上の空論ではない多面的な考えを持っていると考えることが多いです。たとえば、「今どきの若者は○○らしい」という情報が世の中に出回っていたとします。社会学部では、単にそのままの情報を鵜呑みにするのではなく、一度疑って、実際にフィールドワークとして若者にインタビューをしてみたり、真反対の意見を唱えている情報と比較したりして、自分の足を使って物事を捉えるのではないでしょうか。
企業が期待していることはまさにこの力です。将来がどのようになるのかが曖昧な世の中において、情報を自ら取得して自分の力で考える力を身につけているとアッと驚くサービスが思いつくかもしれません。社会学部でおこなってきたことを働き始めてからも活かすことで、会社に貢献をしていきましょう。
社会学部の就活に役立つ資格は?
- 社会調査員
- 教員免許
- 学芸員
- 認定心理士
- 司書
社会学部の就活では、明確な知識やスキルが示しにくい分、資格があると有利に働く場合があります。そこで、社会学部で取得可能な5つの資格を紹介します。
履歴書への資格の書き方はこちらの記事で解説しています。
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社会調査士
社会調査士とは、社会調査の知識や技術を用いて、世論や市場、社会事象などを調査する能力があることを証明する資格です。社会調査士には特に試験などは設けられておらず、社会学部で必要な科目を履修して単位を取得すれば、資格が付与されます。
特に調査機関に就職する以外の場合でも、民間企業でアンケート調査・市場調査などのリサーチをおこなう機会が増えているため、情報収集や分析に長けた人材であるとの証明になります。社会調査士の取得プロセスで得たガクチカは、就活でのアピールにもつながります。
キャリアアドバイザー
社会調査士には、大学院で専門教育を受けて条件を満たせば与えられる「専門社会調査士」というさらに上の資格もあります。
教員免許
教員を目指す場合は教員免許の取得が必要になります。あるいは、将来的に教員になる可能性がある場合に備えて取得するのもおすすめです。
- 中学校の「社会」の1種
- 高校の「地理歴史」「公民」「商業・情報」の1種免許
- 小学校の教員免許(学部内の教職課ほどだけでなく、教育学部、場合によっては別途通信教育で単位を取得する必要あり)
前述のとおり、実際に教員として採用されるには、各都道府県が実施している教員採用試験に合格する必要があります。教員免許取得を目指す場合の学生生活はかなり忙しくなります。大学卒業後に教員を志して勉強しようとしてもなかなか大変なので、在学中に取得しておくのがベターです。
学芸員
学芸員は、主に博物館の専門職員として勤務するのに必要な国家資格です。
社会学部在学中に必要な科目を履修して単位を取得すれば、博物館学芸員資格の認定が受けられます。博物館などで任用されれば、学芸員や学芸員補として活躍できます。
- 博物館資料の収集や整理、保管
- 企画展示の考案、実施
- 調査研究、教育普及活動
知的好奇心が強く、自然科学、歴史などの分野に深い関心があり、学術的な分野で働きたい場合は、博物館学芸員も魅力的な仕事の一つです。
自分の好きなジャンルで知識を探究でき、調査・研究した成果を、展示として発表・公開できるほか、貴重な資料の保存にも貢献できるなど、さまざまなやりがいを感じられる仕事です。
認定心理士
認定心理士とは、心理学に関する基礎知識や技能があることを証明する資格です。在学中に必要な科目を履修して単位を取得し、公益社団法人日本心理学会に申請して合格すれば取得できます。
認定心理士という職業そのものは存在しませんが、社会学部の学生で人気の高い職種、たとえば人間関係の構築が重要な営業や教員、社会福祉関連の職種、また消費者の心理にかかわる業務をするマーケティングや企画・宣伝などの業務に役立ちます。
本格的に心理学の知識・技能を活かして働きたい場合は、大学院に進学して臨床心理士を目指す道もあります。臨床心理士になれば、病院や企業、学校などの現場で心のケアに携わることができます。
司書
図書館という文化的かつ落ち着いた環境で書籍に直接携われる仕事として、司書は社会学部の学生にも人気です。書籍の貸し出しや管理だけでなく、書籍に関する展示の企画や、おはなし会そのほかの行事の企画・実施など、図書に対する市民の関心を高めるためのさまざまな業務に携わります。
司書の資格を得るには、社会学部の在学中に必要な科目を履修して単位を取得する必要があります。また、実際に公立図書館で働く場合は地方公務員試験、学校の図書館の司書として働く場合は教員採用試験に合格する必要があります。
キャリアアドバイザー
司書職は業務がデジタル化された関係で採用枠が非常に少なく、非正規職員として働くケースも多いのが現実ですが、やりがいのある仕事です。
そのほか、就活に有利な取りやすい資格はこちらの記事で解説しています。
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社会学部で学んだ事を就活に生かす4つのコツ
社会学部は社会や人間にかかわるさまざまな事柄を探究できる有意義な学びの場です。しかし、充実した楽しい学生時代はあっという間に過ぎるもの。就活時に「学んだことをどう生かせばいいかわからない」と慌てずに済むよう、早めに準備をしたいものです。
社会学部で学んだことを生かし、就活を有利に進めるために役立つ4つのコツを紹介します。
①自己分析を徹底する
就活での第一歩は、徹底した自己分析を通じて、自分の人物像を知ることです。社会学部で学んだ分析力を生かして、ぜひ自分自身を分析してみましょう。自分について理解を深めることが、社会学部で学んだことが身に付いていることを企業に示すことにもつながります。
- 自分の今までの人生を振り返って、心に残る思い出やエピソードを紙に書き出す
- エピソードに対し頑張ったことや楽しかったこと、大変だったことを書き出す
- 「なぜそう感じたのか」と自問自答を繰り返し、徹底的に掘り下げていく
- 自分がどんなことやどんなときにやりがいや喜びを感じるのか分析する
自己分析の効果的な方法についてこちらの記事でも解説しています。
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②インターンに参加する
社会学部では広く浅くさまざまなことを学べる分、知識だけで実際が見えていない場合があります。そこで、学問だけでは足りない分を補うため、自分とのマッチ度が高い業界、興味がある業界に基づいて、企業が募集しているインターンシップに参加しましょう。
インターンは業界や企業に対する理解を深めるとともに、自分がその企業や業界に本当に合っているのかの適性を確認するうえで格好の機会です。また、本格的な就活に備えた練習の場としても活用できます。
1日のみで終了するような短期のインターンもありますが、できれば長期のインターンに参加したほうが、その企業の雰囲気や社風をつかみ、さまざまな側面から全体像を理解できます。
キャリアアドバイザー
本当に志望したい業界・企業を絞り込むためにも、できるだけ多くのインターンを経験するのがおすすめです。
インターンの目的や効果についてこちらの記事で確認しておきましょう。
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③興味あるビジネス分野に関連するゼミに入る
社会学部では学びが浅く中途半端になりやすい面も否めません。学業を通じて得た知識や経験が浅いと、就活時にアピールしたいポイントも曖昧になります。
打開策として、自分が興味のあるビジネス分野、できれば将来役立つ具体的なビジネススキルが身に付く領域のゼミに入り、その分野の探究を深めましょう。これにより、学びが中途半端になりやすいというデメリットを補うことが可能です。
また、フィールドワークや調査などの機会が得られるゼミに入れば、実際の経験が得られるだけでなく、視野を広げることができます。
キャリアアドバイザー
ゼミでの研究に一生懸命に取り組むことで、ガクチカなどで語るエピソードも充実します。
「学業で力を入れたこと」を効果的にアピールする方法はこちらの記事で解説しています。
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④早い段階から学部の先輩に話を聞く
すでに就活を経験した学部の先輩に話を聞き、情報収集をおこなうのも有効な対策です。業界や企業について、自分以外の視点から見えてくる特徴や側面、社会学部生として有利に働いた点や苦労した点などが分かります。
自分が会社訪問、あるいはインターンを経験できる企業数には限りがあるため、先輩からの企業情報はとても貴重です。
キャリアアドバイザー
特に、自分が入社を志望している企業に就職した先輩と会う機会があれば、積極的に体験談を聞き出し、社会学部生としてどのような点をアピールするべきかアドバイスを得ましょう。
OB訪問の方法や用意しておくべき質問内容はこちらの記事で確認してください。
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社会学部の就職先について学生からよくある質問に回答!
社会学部出身の先輩はどのような業界に就職したのか、社会学部で学んだことは就活にどのように活かせるのか悩む学生も多いでしょう。そのような学生のよくある悩みにキャリアアドバイザーが回答します。
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社会学部を卒業した人の就職先はどのようなところが多いですか?
社会学部を卒業した学生はさまざまな業界に就職していますよ。社会学部は政治や経済、心理など学びの幅が広いため、業界や企業選びの選択肢も広いといえます。中でも製造業やサービス業が人気の職種です。ほかにもIT業界やマスコミ、教育の仕事に就く人も多くいます。公務員を志望する学生もいますね。
選択肢が広いため自分が何をやりたいのか、何に向いているのかをしっかり理解して就職先を決めることが大切です。
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社会学部で学んだことを就活に活かす方法を教えてください。
社会学部では情報収集や調査、分析に関するスキルを学びます。これらのスキルは入社後市場リサーチやデータ分析などの仕事に活かすことができ、マーケティングや企画の仕事で発揮しやすいですよ。また調査ではフィールドワークも多いので、行動力やチームワーク力も身につくでしょう。
ほかにも、心理学で人間関係の築き方やコミュニケーションについて学んでいることもあり、職場の人や顧客からの信頼も得られやすい点をアピールして就活に活かすことができます。
社会学部での学びを生かして理想の就職先を見つけよう
社会学部では物事を多角的な視点から見つめ、考察する力が養われる一方、身に付く知識が広く浅い点が就活上不利に働くのではという不安の声もあります。
しかし、実際には社会学部の就職率はかなり高く、社会学部出身者は社会のあらゆる方面で活躍しています。社会学部で学んだことを生かしてマーケティングや企画、マスコミ系など人気の職種に就いている人も数多くいます。
この記事で解説したポイントを参考に、社会学部での学びを生かし、効率的な就職活動で理想の就職先を見つけてくださいね。
多極化・グローバル化が進む今の時代だからこそ、求められるスキルともいえますね。