目次
- 業界研究を深めて放送業界に就職しよう!
- 放送業界は大きく2つの業種に分類される
- テレビ業界
- ラジオ業界
- 放送業界の特徴
- 市場規模
- ビジネスモデル
- 放送業界の動向
- インターネット広告市場の成長
- ネット利用時間増加によるテレビ離れが加速
- VODなどの新プレイヤーの台頭
- 放送業界の将来性
- 非テレビ事業の可能性
- 動画配信サービスなどのインターネット分野の強化
- 放送業界の職種
- 編集・制作
- 技術職
- アナウンサー
- 営業
- 放送業界の魅力
- さまざまな業種の人との出会いがある
- 最新のトレンドを追える
- 放送業界に向いている人の特徴
- 好奇心が旺盛な人
- マルチタスクができる人
- コミュニケーション能力がある人
- 体力がある人
- 放送業界を代表する企業5選
- フジ・メディア・HD
- 日本テレビHD
- 日本放送協会(NHK)
- 読売テレビ
- WOWWOW
- 選考で差をつけるポイント
- インターンシップに参加する
- マスコミの就職イベントへ出席する
- OB・OG訪問をする
- 筆記試験対策をする
- 志望動機に盛り込むべきポイント
- なぜ放送業界なのか
- なぜその企業なのか
- なぜその職種なのか
- 放送業界における自分の将来像
- 職種別の放送業界の志望動機例文
- 制作職
- 技術職
- アナウンサー
- 営業
- 放送業界への理解を深めて就活を有利に進めよう!
業界研究を深めて放送業界に就職しよう!
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生からよく
「放送業界の動向や仕事内容について知りたいです」
「放送業界の志望動機にどのようなことを書いたら良いのか教えてください」
といった質問を受けます。放送業界は、日常的に触れる機会が多いことや華やかで楽しそうな業界とイメージを持っている人が多いこと、有名企業が多数あり平均年収が高いことなどから学生に人気が高い業界です。そのため、就職難易度が高く、他の学生と差をつける就職活動の進め方で悩んでいる人が多いのではないでしょうか。
この記事では、放送業界の特徴、動向、将来性、職種、魅力から放送業界を代表する企業5選、選考で差をつけるポイント、志望動機に盛り込むべきポイントなど放送業界について徹底解説します。業界研究を深めて他の学生に差をつけ、放送業界への就職を目指しましょう。
放送業界は大きく2つの業種に分類される
放送業界とは、無線や有線の通信設備を使用し、多くの人へ情報を発信する放送事業を運営する業界のことを指し、大きくテレビ業界とラジオ業界の2つの業種に分類されます。
- テレビ業界
多くの人が身近に感じている映像、音声、文字などを用いて報道、バラエティ、ドラマなど多種多様な情報を届けています。 - ラジオ業界
音楽やパーソナリティのトークなど音声で楽しめる情報を発信しています。近年は、スマートフォンのアプリやパソコンからラジオを聞く人が増えているだけでなく、災害時に情報を得られやすいため人気が高まっています。
テレビ業界
テレビ業界といえば、大手テレビ局への就職を目指している人が多いと思いますが、テレビ局は番組を放送することが主な仕事です。テレビ番組の制作を主な仕事としているのが、テレビ番組制作会社で、テレビ局では定時のニュースや報道番組など一部の制作をおこなっています。
テレビ局で放送されている番組は、テレビ局内で制作されているのではなく局外の番組制作会社に依頼している場合がほとんどです。そのため、テレビ番組を作る仕事はテレビ局だけでなく番組制作会社に就職することでも叶えることができます。
テレビ業界についてはこちらで解説しています。
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ラジオ業界
ラジオ業界は、AM放送、FM放送、短波放送とありますが、多くのラジオ局は新聞社やテレビ局と系列関係にあります。事業を始めるために許認可が必要な免許事業であることから、少数の決まった局による独占状態が続いています。
軽快なトークでリスナーを魅了するパーソナリティやDJ、台本を書く放送作家やディレクター、音声を操作するミキサーなど1本のラジオをオンエアするために、さまざまな役割を持つ人がかかわっています。番組の規模によっては、1人2役を担う場合もあります。
近年は、高い聴取率を確保するためにインターネットでラジオが聴けるWebサービスやアプリが登場したり、Google Homeといったスマートスピーカーから聴けるようになったりと、時代に合わせてラジオ業界も変化しています。
ラジオ業界についてはこちらも参考にしてみてください。
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放送業界の特徴
放送業界は、さまざまなコンテンツの消費活動に大きな変革が起きている現代において、市場競争が激化しています。デジタル化が加速する中で、インターネットやスマホと共存し、いかに視聴者やリスナーにとってより良いコンテンツを生み出し続けられるのかが、放送業界の今後にとって重要なポイントであるといえます。
ここからは、放送業界の特徴について、市場規模とビジネスモデルをそれぞれ詳しく解説していきます。
市場規模
業界動向リサーチによるとテレビ業界の主要対象企業31社の売上高は、2013年〜2018年までは緩やかに上昇していましたが、2018年以降減少傾向にあり、2020年〜2021年の売上高は2兆2,424億円となっています。
続いて収益の柱となっている広告費は、2011年〜2016年までは緩やかに上昇していましたが、2016年をピークに4年連続の減少となっています。2020年は前年比12.7%減少の1兆2,744億円で、減少幅がどんどん広がっている現状があります。
一方、ラジオ業界は、231社を対象にした売上高推移は、2017年〜2019年の3期連続で減少傾向にあり2019年は前年比2.3%減少の1,136億3,000万円となっています(株式会社帝国データバンク)
上記のように放送業界の売上高は少しずつ減少している現状があります。インターネットの利用時間の増加や動画配信サイトの普及によるテレビやラジオ離れが進んだことによる広告費の削減などが要因として挙げられます。
ビジネスモデル
テレビ業界のビジネスモデルは、放送局が制作費を支払い番組制作会社に番組の制作依頼をおこないます。番組制作会社は依頼に応じて番組を作り、放送局が視聴者に向けて番組配信をおこないます。
また、広告を出したいと考えている企業などの広告主とCM枠取引を広告代理店を通しておこなうことで広告収入を得る仕組みです。
ラジオ業界のビジネスモデルは、収入源が大きく放送収入と放送外収入に分かれます。放送収入とは、ラジオで流れるCMで広告を放送することによりスポンサー企業から直接収入を得る仕組みです。
基本的に聴取率の高い時間帯は広告料が高く設定されていましたが、近年のラジオ離れにより各局放送収入が減少しているため、イベントやグッズ販売などの放送外収入を増やしていく戦略を進めています。
広告収益モデル
放送業界は、広告収益モデルというスポンサー企業から支払われる広告料が収益の柱であるビジネスモデルで成り立っています。
広告料を受け取ったテレビ局は、番組の途中でスポンサー企業のCMを流すことで、テレビの視聴者に商品やサービスの情報を提供します。また、収益が上がればその分番組制作に力を入れることができるため、多くの視聴者が求める質の高い番組やドラマを制作ができるようになるという相乗効果が生まれます。
定額課金モデル
放送業界のビジネスモデルには、定額課金モデルという月額決まった金額を利用料として支払った契約者だけが、登録した有料放送コンテンツを視聴することができるいわゆるサブスクリプションがあります。
定額課金モデルは、「お金を払ってでも見たい」と視聴者に思わせる番組やドラマをどれだけ制作できるかが大切です。有料放送コンテンツは、利用者の数で収益が決まるため、過去の人気作品やそこでしか見れないオリジナリティのある作品などを提供する必要があります。
近年は、新型コロナウイルスが拡大し自宅での時間が増えたことやスマホの普及によりTVよりもネット動画を見る視聴者が増えたことから有料放送コンテンツの人気が高まっています。
放送業界の動向
長きにわたり多くの人に、ニュース、バラエティ、ドラマなど情報を発信してきた業界ですが、近年さまざまな変化が起きています。
インターネットやスマホの普及により、動画配信サイトが急速に浸透したことから、スポンサー企業が広告費用をテレビ業界からインターネットへと以降しておりインターネット広告市場が成長し続けています。
またネット利用時間増加によるテレビ離れが加速している点も深刻な問題として挙げられます。そのほかにもVODなどの新プレイヤーの台頭もあり各社競争が激化しています。
インターネット広告市場の成長
放送業界の動向として、インターネット広告市場の成長が挙げられます。電通の調査によると、2021年のインターネット広告費は、2兆7,052億円、テレビとラジオの広告費は合わせて1兆9,499億円とインターネット広告費が大幅に上回っています。
スポンサー企業がインターネット広告に媒体をシフトしているということが数字から分かります。
上記の理由として、近年スマホやネット環境の発展で動画配信サイトが急速に浸透したことや若年層だけでなく50代以降の中年層もネット利用が増えていることなどの変化が大きな打撃を与えています。
放送業界は、まだ大部分が広告収益モデルで収益を得ており、定額課金モデルも取り入れているものの、さらに時代に合わせた新たな戦略を練り高い収益を維持する方法を模索する必要があります。
ネット利用時間増加によるテレビ離れが加速
総務省によると国民の平日のテレビ視聴時間は徐々に減少している一方でネット利用時間が増加傾向にあり2020年はテレビ視聴率を初めて抜く結果となりました。
視聴者がメディアに触れる場合、スマホやタブレットなどのデジタルメディアの使用が上昇しており、テレビを自宅に置いていない家庭もあります。また近年は、スマホやテレビで動画配信サイトを見る視聴者が増えています。
ネット利用時間増加によるテレビ離れの加速ついて、強い危機感を抱いているテレビ業界は、手元にあるスマホやタブレットで番組やドラマを見れるようなサービスを展開しています。
VODなどの新プレイヤーの台頭
放送業界の動向として、VODなどの新プレイヤーの台頭が挙げられます。VODとは「ビデオオンデマンド」の略称でNetflixやHuluなどに代表されるようにインターネットを利用し、定額で映画やドラマを見れるサービスを指します。
既存のテレビ局もVODのサービスを展開していますが、扱っているコンテンツの質や量の差もありNetflixやHuluなどVOD専門業者の方が人気が高いことから各社視聴者獲得に向けた競争を激化させています。
放送業界の将来性
就活生
放送業界の特徴や動向について理解が進みました。
キャリア
アドバイザー
良かったです。放送業界は人気が高いため、他の学生と差をつけるためにもしっかりと業界研究をおこないましょう。
就活生
はい。放送業界にはさまざまな課題がありますが、やはり気になるのは将来性の部分です。
キャリア
アドバイザー
そうですね。就職を目指す業界の未来は気になりますよね。では解説していきましょう。
放送業界の将来性は、テレビ以外の事業の強化と動画配信サービスなどのインターネット分野の活性化で高めることができます。
非テレビ事業の可能性
近年テレビ業界はインターネットの動画配信サイトやVODなどの台頭で、スポンサー企業からの広告費の減少は今後も加速していくことが予想されます。
また、実際のテレビ視聴者とスポンサー企業が求める視聴者層との乖離が生まれています。番組内容がスポンサー企業の求めるものでなければ、広告費用が減るのは当然のことです。
上記の現状を踏まえて、大手テレビ局は不動産など非テレビ事業の強化を進めることで事業を多角化させ収益の増加を狙っています。
動画配信サービスなどのインターネット分野の強化
放送業界は動画配信サービスなどのインターネット分野を強化し、幅広い視聴者に気軽に映像コンテンツを楽しめる環境を提供していく必要があります。
なぜならテレビの視聴者が減っている一方で、インターネットの動画配信サイトやVODの人気は高いことから、映像コンテンツを見たいと思っている視聴者が多く存在しているからです。
映像コンテンツを見たい視聴者に対して、テレビ局が積極的にインターネットを使用し、テレビだけではなくデジタルメディアでも気軽に楽しめるようにすることが今後の業績に大きくかかわっていきます。
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ここまで読むと、「将来的にはテレビはなくなってしまうのではないか」と不安になった学生もいるのではないでしょうか。ですが、将来的に地上波放送がなくなってしまうことはありませんよ。これからの時代に放送業界で求められていることは、テレビ放送とインターネット放送を使い分けることです。
若者はインターネットをみていますが、若者以外の層はまだテレビを視聴しています。番組を視聴してほしいターゲット層が使う媒体が異なるため、テレビとインターネットを使い分けることで、番組を届けることができるようになりますよね。また、放送する番組を変えなくても、番組内容によっては視聴者を獲得することもできます。たとえば、NHKは2020年から「NHKプラス」という配信サービスをはじめており、テレビで放送している番組の同時配信と見逃し配信ができるようになっています。
このように配信サービスを使い分けるために、市場が求めている番組や配信方法を考えるマーケティング思考が必要になるとも考えられますね。
放送業界の職種
放送業界では、番組やドラマを制作するためにさまざまな職種の人がかかわっています。コンテンツを1つ作り上げるのに多くのアイディアや労力が必要であり、お互いに支え合わないと成り立たない業界です。
まずは、放送業界の職種について理解し、どの役割で放送業界にかかわっていきたいのか自身の中に落とし込みをすることが就活を進めるうえで大切です。
ここでは、編集・制作、技術職をそれぞれ掘り下げ、加えてアナウンサー、営業についても解説していきます。
編集・制作
放送業界の編集・制作は、コンテンツ制作のすべてにかかわる仕事を担当します。一般的に、バラエティ、ドラマ、情報番組、スポーツ、報道に分かれており、それぞれの番組に編集・制作スタッフが配置されています。
編集・制作スタッフは、番組制作の全体をまとめる責任者であるプロデューサー、現場監督をおこなうディレクター、制作に必要なあらゆる雑務を担当するAD(アシスタントディレクター)にわかれます。
プロデューサー
- 番組制作の全体を指揮
- 企画立案と制作予算の設定や獲得
- 資金の調整と管理
- スポンサーや出演者との交渉
プロデューサーは番組制作のすべての権限を持つ統括責任者で、番組を0から放送できる状態まで作り上げる重大な責任をともなう仕事を担っています。そのため、新卒で入社後すぐにプロデューサーになれるわけではありません。まずは入社試験を突破しアシスタントディレクターとして現場で働きスキルを磨いてキャリアアップを目指す必要があります。
アシスタントとして何年も下積み生活を送ることになるため、テレビが大好きで良い番組を視聴者に届けたいという強い想いや制作現場を楽しめる気持ちがないとプロデューサーになるまで続けることが難しい仕事です。
ディレクター
- 現場監督として番組の構成と演出
- 撮影や収録に必要なものの手配
- ロケや取材
- 技術職のカメラマンや照明への指示出し
- 撮影後の編集
ディレクターがどこまで仕事を担当するのかは、企業規模や人員配置によって異なり、アシスタントディレクターに指示を出して対応を促す場合もあれば、ディレクター自身で対応する場合もあります。
ディレクターもプロデューサー同様0からコンテンツを生み出すセンス、リーダーシップ、他にも特にディレクターは番組制作のために対応すべき仕事が多く、支えてもらう必要があるため人に好かれる人間性などが求められます。
AD(アシスタントディレクター)
- 撮影場所の許可取りやロケハン
- スタッフや出演者のお弁当の手配
- 情報収集や裏どりスケジュールなどの資料作成
- データ取り込み
AD(アシスタントディレクター)は、ディレクターの助手として番組制作に必要なありとあらゆる雑務を一手に引き受けるため、ディレクターから指示されたことに臨機応変に対応していく必要があります。
視聴者に求められる素晴らしいコンテンツを制作するためにスタッフ1人1人がプロとして真剣に仕事をしてます。ときに大変な状況で仕事を進める必要もあり、決して楽な仕事ではありませんが自身がかかわったコンテンツが世の中に出たときは大きな喜びを感じることができるでしょう。
技術職
番組制作を技術面でサポートする技術職は、さまざまな種類がありそれぞれ役割が異なります。番組の撮影をおこなうカメラマン、出演者のマイクや収録中の音を拾う音声、人や物の光の調整をおこない美しく見せる照明、撮影した映像を編集するスタッフなどが挙げられます。すべての技術職が、番組制作に必要不可欠な存在です。
技術職は、それぞれ専門職であるため他の分野を担当することはなく、決められた分野でのみ仕事をします。また専門性を求められるため、豊富な知識、高いスキル、重い機材を運ぶための体力などが求められる仕事です。
カメラマン
- テレビ番組で放送するドラマ、バラエティ、生放送、実況中継などの撮影
カメラマンは、ドラマやドキュメンタリー撮影での長期の撮影もあれば、報道番組で突発的に起きた事故現場に赴いて撮影することもあります。スポーツや歌番組の撮影では、カメラを通して通常では見ることができない世界を経験できる魅力的な仕事です。
しかし近年一般人がスマホで簡単にカメラ撮影ができるようになったため、プロのテレビカメラマンとして誰も真似できない高いテクニックや優れたセンスが求められます。またカメラマンとしての専門的な知識も兼ね備えている必要があります。
音声スタッフ
- 撮影中の音声を拾い調整
- マイクの位置を効果的な場所にセット
- 撮影後の編集で効果音などを加える作業
特に歌番組では音声スタッフの力量が試されます。常に良い音を響かせるために、マイクの種類や設置場所を決める必要があり高い技術力、判断力、センスが求められます。多くの機材を上手に扱いながら、音のバランスを整えたり調整したりする工学的なスキルも必要です。
音声スタッフになるためには、音響関係の専門学校で学ぶか、電気や音響系の学科のある大学で基礎を学ぶことで目指せます。
照明スタッフ
- さまざまな照明機材を使用し、人や物に効果的に光を当てることで見やすい番組作りに貢献
- 単純に光を当てるだけでなく、光の色彩や角度などを微調整してどうすれば美しく見えるのか計画を立てて、照明器具の準備から操作をおこなう
- 撮影終了後の撤収作業までおこなう
照明は使い方次第で、喜怒哀楽を表現したり、場の雰囲気を変えたりする力を持っています。そのため、照明スタッフは、光の特徴、照明器具の知識や扱い方など専門性、柔軟性、集中力が求められる仕事です。
照明スタッフになるためには、照明の専門的スキルが必須であり、映像、美術系の大学や専門学校で知識を得てから就職する人がほとんどです。
編集スタッフ
- 撮影した映像の編集作業をおこなう
- 映像の素材をつなぎ合わせたり、テロップやタイトルを入れたりするオフライン作業
- 映像の色調整やモザイクなどの加工、効果音、音楽を入れ込み映像を完成させる本編集
ディレクターの指示に従いながら、映像のつなぎ合わせをおこなったり、決まったタイミングでテロップを入れたりと時間と手間がかかる作業であるため、根気強さや意図を読み取る力が求められます。
また誰でも編集ができる時代であるからこそ、プロの編集スタッフとしてのセンスや日々変わる映像ソフトを使いこなす高い技術が求められます。
アナウンサー
アナウンサーは、テレビやラジオを通して、その日の事件、時事ネタ、現場での取材、スポーツ実況、バラエティの司会など自身の声で情報をお茶の間に届ける仕事です。
主に「ニュース原稿のチェックと読み上げ」「番組の司会」「実施取材」の3つを担当し、世の中で起きている最前線のネタを提供します。正しい情報を伝えるために、原稿の下読みやイントネーションのチェックや政治や時事ネタなどの事前学習も欠かすことができません。
番組の司会では台本を読み上げるだけではなく、臨機応変にアドリブを加え場を盛り上げるスキルも必要です。他にも清潔感や親しみやすさ、高いコミュニケーション能力など求められる資質が多いです。
アナウンサーの仕事についてはこちらを参考にしてみてください。
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営業
営業職は、番組の合間に流すCM放送の権利をスポンサーとなる企業にPRし販売する仕事です。放送業界と聞くとアナウンサー、プロデューサーなどを思い浮かべる人が多いと思います。
しかし、番組制作に携わる社員のお給料や良い番組を作るために、営業がスポンサーになる企業を見つけ交渉し、広告費を確保することが必要不可欠です。
放送業界の営業は、比較的昔ながらの営業スタイルで、新規開拓よりも既存の顧客へのルート営業や広告代理店からの紹介される案件に対して営業をおこなう場合が多いといえるでしょう。
営業の魅力についてはこちらを参考にしてみてください。
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放送業界の魅力
放送業界は、ドラマ、報道、バラエティなどさまざまなジャンルをテレビやラジオで多くの人に情報を発信する仕事です。華やかで楽しそうな仕事であるのと同時に基本的にハードワークな厳しい世界でもあります。
業界研究を進めるうちに、放送業界の理解が深まってきていると思いますが、加えて魅力についても理解しておくことで志望動機作成などに役立てることができます。
また、就活を前向きに進めたり、モチベーションをアップさせたりすることができるようになるため、放送業界の魅力を知っておくことが大切です。
さまざまな業種の人との出会いがある
放送業界の魅力は、さまざまなな業種の人と出会えるチャンスが多いことが挙げられます。番組制作は、アナウンサー、ディレクター、カメラマン、出演者など自身と違う職種の人と一緒に仕事ができます。
番組の内容によっては、普段はなかなか話す機会のない人への取材ができたり、憧れの芸能人、スポーツ選手、ミュージシャンなどと話す機会があります。
また、放送業界はクリエイティブなスキルも求められるため、さまざまな業種の人とかかわることが良い刺激となってアイディアが生まれやすくなります。
放送業界はさまざまな業種の人との出会いの中で、視野を広げ、人間力を向上させたいと考えている人にはとても魅力的な業界です。
最新のトレンドを追える
放送業界の魅力は、時代の流れをいち早く捉え番組制作にいかす必要があるため、最新のトレンドを追うことができ流行に強くなる点です。
テレビの視聴者やラジオのリスナーに、これから人気が出ると予想れる情報を提供し、実際にブームを作ったり、現状の社会問題を取り上げて世論や政治家を変えるきっかけを作り出したり、メディアを通して多くの人に影響を与えるきっかけを生み出すことができる仕事です。
そのため、常に世の中の新しい情報や考え方などアップデートし続ける必要がありますが、もともと最新のトレンドを追うのが好きな人や多くの人に新しい情報を提供したいという情熱を持てるのであればとても魅力のある業界でやりがいを感じることができるでしょう。
キャリアアドバイザーコメント上原 正嵩プロフィールをみる
紹介されているとおり最新トレンドを追うことも放送業界で働く魅力ですが、トレンドをつくるのもテレビやラジオ、インターネット放送です。そのため、メディアを通じて影響を与えたい人は放送業界での仕事にやりがいを感じることができます。
たとえば、自分が注目している最先端の技術がある人が放送業界で働くと、世の中に素晴らしい技術を広めることができますよね。他にも、自分が携わった番組がきっかけで新しいトレンドを生み出す可能性も十分にあります。もちろん番組制作に直接かかわる仕事ではなくても、営業活動を通じてスポンサー契約を取ることで間接的に新しい番組企画を支援することもできます。
このように新しいトレンドをつくるきっかけを生み出せる仕事なので、発信をすることを仕事にしたい人はおすすめの業界ですね。
放送業界に向いている人の特徴
就活生
華やかな業界である一方で仕事内容は厳しい面もあると感じました。放送業界にはどのような人が向いているのでしょうか?
キャリア
アドバイザー
なるほど。良い質問ですね。では放送業界に向いている人の特徴をお伝えしましょう。
放送業界は、仕事を通してさまざまな業種の人に出会えたり、最新のトレンドを追えたり魅力的な仕事である反面、番組を作るために多くの時間と労力が必要なハードワークです。
ではここから放送業界に向いている人の特徴を4つ解説します。ご自身に当てはまっているか確認しましょう。
好奇心が旺盛な人
放送業界に向いている人は、何事にも好奇心旺盛な人です。番組制作はとにかく幅広いジャンルを担当することが多いからです。
みんなを笑顔にするお笑い、政治や国際社会を取り扱ったドキュメンタリー、ヒューマンドラマ、通販、毎日放送されるニュース番組など千差万別です。割り振られた番組のジャンルに興味がないからといって適当に仕事をすると誰からも信頼されなくなります。
そのため、自身の好きなジャンルではなくても自ら興味や関心を持ち前向きに仕事に取り組む姿勢が大切です。元々物事に対しての好奇心が旺盛で、知らないことを知っていく過程を楽しめる人や常にアンテナを張って新しい情報に飛びついていく気概がある人は放送業界は天職の仕事といえます。
好奇心旺盛さをアピールする方法はこちらで解説しています。
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好奇心旺盛な性格をアピールする場合は、言葉の意味を正確に理解したうえで、ポイントを押さえたアピールが必要です。 この記事では、就活でアピールしたい好奇心旺盛の特徴や注意点などをキャリアアドバイザーが解説します。 例文や解説動画も参考に、働く上で活躍するポテンシャルを伝えましょう。
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マルチタスクができる人
放送業界は、マルチタスクができる人が向いています。さまざまな仕事を同時並行で進めないと納期に間に合わせることが難しく、多くの人に迷惑をかけてしまう可能性があります。そのため、短期間で複数の作業を切り替えて仕事ができる人が現場で重宝されます。
たとえば、テレビのADは、一つの番組だけでなく掛け持ちで仕事を担当する場合があります。Aという番組の資料集めをしている途中でBという番組のディレクターから指示を出されてアポ取りをするなど多々生じます。
マニュアルが存在するわけではないので、それぞれの仕事の優先順位を考え進めていく必要があります。ときにはスケジュール通りいかないこともありますが、予期せぬ出来事も臨機応変に対応するマルチタスク能力が高いと上手に切り抜けることができます。
コミュニケーション能力がある人
放送業界で働くうえで、コミュニケーション能力は必ず求められます。1つの番組を制作するために、制作スタッフ、技術スタッフ、スポンサー企業の担当者、出演者など多くの人がお互いを支え合いながら仕事を進めていきます。番組の規模によっては数百人単位のチームで動くこともあります。
コミュニケーションを取りながら仕事をすることで、情報共有が円滑になり早い段階でミスに気が付くこともできますし、お互い気持ち良く仕事をおこなうことができます。またコミュニケーションを取ることで信頼関係を築くこともできます。
誰とでも垣根を超えて話せる人や周囲の人と積極的にかかわることが苦でない人は放送業界向きであるといえます。
コミュニケーション能力をアピールする方法はこちらで解説しています。
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「長所はコミュニケーション能力」だけでは差別化は難しい こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。 「就活で長所はコミュニケーション能力、とアピールしようと思っています」「コミュニケーション能力ってほかの学生と被りやす […]
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体力がある人
放送業界に向いている人は、体力がある人です。かつては放送業界=家に帰れない、お風呂に入れない仕事というイメージがありましたが、働き方改革で少しずつ労働環境が見直されています。
しかし基本的に拘束時間が長く休みも不定期になってしまうことが多いです。担当する番組によっては、深夜から収録の準備を始めることもありますし、収録が長引いて終わらない、遠方地で何日もロケに行き帰ってきてすぐに編集作業をするなど考えている以上にハードワークです。
忙しい中で多くのタスクをこなす必要があり、睡眠や食事が不規則になりがちです。また、現場ありきなので、自身で時間のコントロールができずストレスが蓄積されやすいため、肉体的な体力と精神的にもタフな人が生き残れる業界といえるでしょう。
放送業界を代表する企業5選
放送業界には多くの企業があり、それぞれに特徴や強みを持っています。特にテレビ業界では、各局ごとに視聴率を取れるように違った特色を出しています。ただNHKは民間企業ではないため、他の民間放送局とは少し違う特徴や役割を持っています。
ここからは、NHKも含めた放送業界を代表する5つの企業を紹介します。主要企業の事業内容、求める人物像、放送されている番組などを具体的に知ることで、就活にいかしていきましょう。
フジ・メディア・HD
フジ・メディア・ホールディングスは、放送事業を中心に、都市開発、観光事業、ITシステムの構築、人材ビジネスなどさまざまな分野の事業を展開しています。
テレビ事業は、フジテレビジョンが継承し運営し、「サザエさん」など代表的な番組を放送しています。また、CSデジタル放送として「フジテレビONE/TWO/NEXT」の有料チャンネル、ネット動画配信サービスとして「FOD」の事業展開も有名です。
フジ・メディア・HDは、クリエイティブな事業が多いため、チャレンジ精神を持ち、自主的に行動できる人、地道に努力できる人、多様性がある人を求めています。
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日本テレビHD
日本テレビホールディングスは、テレビ放送を中心に、「正しく速やかな報道、質の高い映像・情報の提供を、テレビという枠を超えた多彩な文化の創造により、国民生活を豊かなものにする」ことを理念として事業を展開している企業です。
テレビ放送においては、11年連続で個人視聴率三冠王を取得しており、「笑点」「24時間テレビ」「箱根駅伝中継」などが代表的な番組として挙げられます。
日本テレビHDは、テレビやコンテンツの力で新たな時代や文化を創っていくため、チャレンジ精神に溢れ、主体的に行動できる人材を求めています。
行動力をアピールする方法はこちらで解説しています。
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日本放送協会(NHK)
日本放送協会(NHK)は、民間放送局とは違い、一部政府からの支出もありますが、主に国民の受信料によって成り立っている公共の企業です。1953年に日本で初のテレビ本放送となる総合テレビの放送を開始させました。
東京の渋谷と全国の都道府県庁所在地などに54局の基地を持ち、テレビ・ラジオなどの国内放送や国際放送、その他放送に関する進歩に必要な研究などをおこなっています。
NHKは、視聴者・社会・地域の方から信頼され、必要とされる公共メディアを目指すため、公共性を持った人、新しいことにチャレンジできる人、幅広い視点で創造できる人、主体的に動き協調性を持って仕事ができる人を求めています。
協調性をアピールする方法はこちらで解説しています。
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協調性をアピールする際は、企業が求める主体性や能動的な能力をアピールすると好評価を得られますよ。 この記事では、協調性の意味、好評価を得るポイント、自己PR例文をキャリアアドバイザーが解説します。 動画や例文も参考にポイントを押さえてアピールしてくださいね。
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読売テレビ
読売テレビ放送は、放送事業を中心に、番組の企画・制作および販売をおこなう企業です。大阪に本社を構え、東京支社、国内では名古屋・京都・神戸、海外ではパリ・上海・ニューヨークに支局を置いています。
関西に本社を置いていることもあり、地域密着の番組制作をおこない、関西の視聴者の生活に広く浸透している点も特徴です。
読売テレビは、おもしろいコンテンツを作り、信頼されるニュースを伝え、世の中に役立つビジネスを生み出すため、「テレビ」で実現したいことがある人、チームで仕事ができる人、新しいことに挑戦できる人材を求めています。
WOWWOW
WOWOWは、東京に本社を置き、BS放送やCS放送、映画、音楽を配信するメディアコンテンツ事業、デジタルマーケティング支援やコンタクトセンター受託運営などをおこなうテレマーケティング事業を展開している企業です。
中心となるメディアコンテンツ事業では、2021年より動画配信サービスの「WOWOWオンデマンド」を開始させました。テレビを持たない視聴者でもWOWOWのサービスを利用でき、オリジナルドラマ・海外ドラマ、アーティストのライブ、地上テレビでは放送のないテニスやサッカーなどのスポーツ中継など、独自の強みを持っています。
WOWOWは、エンターテインメントで人を幸せにしたい、文化創造に貢献したいという思いがあるため、コンテンツに対する愛情がある人、共創力がある人、多角的な思考力を持っている人を求めています。
選考で差をつけるポイント
放送業界は、大手テレビ局で仕事がしたい、テレビが好き、給与水準が高いなどの理由から毎年多くの学生が志望する人気の高い業界です。
そのため、他の学生よりも一歩抜き出た就活対策をおこなう必要があります。放送業界についての業界や企業についての研究を徹底するのはもちろんのこと、選考で差をつけるためにやらなければいけないことがたくさんあります。
では、具体的に選考で差をつけるポイントについて4つ解説します。ライバルに勝つためにも選考に向けた準備をしていきましょう。
インターンシップに参加する
就職倍率の高い放送業界の選考で差をつけるために、インターンシップに参加しましょう。学年が指定されていない場合は、大学1・2年でも参加可能なものもあるため、就活が忙しくなる前に、実際にインターンに参加することがおすすめです。
- 実際の業務体験や社風を肌で感じることで自身への向き不向きを判断できる
- インターン中の能力が認められ採用担当者の目に止まると、本採用で有利になることがある
- インターンへの参加を自己PRに盛り込むことで本気度や熱意の高さを伝えることができる
上記の理由からインターンに参加し、就活を少しでも有利に進めていきましょう
インターンに参加するメリットについてはこちらでも詳しく解説しています。
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マスコミの就職イベントへ出席する
放送業界の選考で差をつけるために、マスコミの就職イベントへ出席しましょう。
- 今後の就活対策に役立つ
- 知らなかった企業に出会える
- 複数の企業を比較検討できる
- 企業の雰囲気が分かる
- 他の学生から刺激を受ける
イベントで企業から話を聞くと、自身に足りない点が見えてくるため、就活対策が明確になります。また、知らない企業に出会えて選択の幅が広がる可能性がありますし、多くの企業の中から比較検討したり、雰囲気を肌で感じ自身に合った企業を見つけたりすることもできます。
他にもイベントに参加しているほかの学生から大きな刺激を受けて就活のモチベーションにつなげることができるため、マスコミの就職イベントへは積極的に参加しましょう。
OB・OG訪問をする
放送業界の就職は難易度が高く、狭き門を突破する必要があります。そのため、多くの学生との差をつけ選考を乗り切るためにも、OB・OG訪問をしましょう。
放送業界で就職している先輩たちに、どんな対策が必要か、志望動機、面接や筆記試験対策、仕事内容、良い点悪い点など積極的に相談してください。また自身の志望動機や応募書類を見てもらい客観的なアドバイスをもらうこともおすすめです。
インターネットや書籍でもある程度情報収集は可能ですが、実際に働いているOB・OGを訪ねて現場の生の声を聞くことで、放送業界の理解がさらに深まり就活に大いに役立てることができるでしょう。
OB・OG訪問をした際のおすすめ質問はこちらでまとめています。
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筆記試験対策をする
Webテストとは別に企業独自の一般常識や時事問題を問う問題を筆記試験として用意している企業が多いため、筆記試験対策をすることは放送業界の選考で差をつけるポイントの1つです。
企業によっては、前年度と異なるテストの形式や種類を用いる場合もあるため、正確な予測は難しいものの過去の傾向から筆記試験対策をしておくことは重要であるといえます。
志望動機や面接対策を一生懸命しても、筆記試験をパスできなければ選考を前に進めることができないため、筆記試験対策は必ずおこないましょう。
筆記試験の対策についてはこちらを参考にしてみてください。
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志望動機に盛り込むべきポイント
放送業界の志望動機には、なぜ放送業界なのか、なぜその企業なのか、なぜその職種なのか、放送業界における自分の将来像の4つが盛り込むべきポイントです。
人気の高い業界であるからこそ、選考で勝ち抜くために具体的で明確な志望動機を考える必要があります。
それでは詳しく解説していきます。
なぜ放送業界なのか
放送業界の志望動機には、なぜ放送業界なのかを盛り込むことが大切です。採用担当者は、数多くある業界の中でなぜ放送業界を選んだのかを知ることで、学生の業界理解度や本気度を確認したいと考えています。
もし情報を発信したいという理由であれば、放送業界である必要はなく、広告や出版など他にもたくさんの業界でも実現可能です。
放送業界でなければならない理由や放送業界で成し遂げていきたいことが必ずあるはずです。深掘りした内容を盛り込むことで納得感のある志望動機を作成することができます。
なぜその企業なのか
放送業界の志望動機には、業界内で、なぜその企業を選んだのか理由を伝えられるようにしましょう。数多くある企業の中からその企業を選んで応募した理由を採用担当は知ることで、学生の企業研究度や熱意を確認することができます。
たとえば、TBSであればドラマ、テレビ東京であれば旅番組、ニュースや教育番組であればNHKなど各企業それぞれ強みがあります。また近年は非テレビ事業や動画配信サービスなどのインターネット分野に力を入れている企業が増えています。
企業によって異なる強みや特徴を把握し、比較分析をおこなうことで、その企業でなければならない理由を明確にし、採用担当者の心に響く志望動機を作成していきましょう。
なぜその職種なのか
放送業界の職種には、制作職、技術職、アナウンサー、営業などがありますが、なぜその職種を選んだのかは志望動機に盛り込むべきポイントです。その職種を選んだ理由から、選んだ職種への熱意を採用担当者は把握したいと考えています。
放送業界の仕事は華やかである一方で、視聴者やリスナーに飽きられない番組作りのために、日夜情報をかき集めて番組制作をおこなっているためかなりのハードワークです。
そのため、なぜその職種を選んだのかで本気度や熱意を把握し、すぐに離職せず長く働く覚悟があるのかも同時に確認しています。自身が選んだ職種への想いを具体的なエピソードを加えてアピールすれば、採用担当者に良い印象を持ってもらえるでしょう。
放送業界における自分の将来像
放送業界における自分の将来像を志望動機に入れアピールしていきましょう。採用担当者としては、入社後のキャリアプランを明確に描けている人材は、本気で放送業界で働いていく覚悟ややる気を感じ取れとても好印象です。
企業は長く働きながら貢献してくれる人材を探しています。つまり採用担当者に自身の将来像を伝えることで自社で活躍できる資質があると思わせることが重要です。
職種別の放送業界の志望動機例文
放送業界の志望動機には、「なぜ放送業界なのか」「なぜその企業なのか」「なぜその職種なのか」「放送業界における自分の将来像」を徹底的に深掘りして考えることが大切です。
上記を踏まえて他の学生に差をつけるためにも、具体的なエピソードが入っている明確な志望動機を作成してください。採用担当者の目に止まる志望動機で自身の魅力を存分にアピールしていきましょう。
では、放送業界の志望動機例文を制作職、技術職、アナウンサー、営業にそれぞれ分けて解説します。
制作職
制作職の志望動機を作成するにあたり、まず放送業界が求めている人物について考えてみてください。たとえば、「テレビを見るのが大好きなこと」と「大好きなテレビを多くの人に広めたい」のどちらの視点を持つべきかは明白です。
アナウンサーや芸能人と働きたい、楽しそうだから有名なバラエティ番組にかかわりたいなど、ミーハーな気持ちだけで選考をパスできるほど甘くはありません。採用担当者は多くの学生に会っている経験値からすぐに見抜くことができます。
放送業界は、視聴者やリスナーに求められる番組を制作し続ける必要があります。テレビやラジオが好きなことは大前提であり、想いを形にして何をしたいのかという意気込みや熱意を志望動機に盛り込むことが重要です。
例文
私が放送業界を志望したのは、映像や音楽を通して多くの視聴者に笑顔や感動を届けたいと考えたからです。幼い頃からテレビは常に私の身近にあり、今でもなくてならない存在です。
〇〇というバラエティ番組で元気をもらい、××というドラマを見ては涙を流し、報道番組やドキュメンタリーで社会について多くのことを学んできました。
御社は、幅広い世代や性別の視聴者に合わせた番組制作をしており、いつ見ても飽きない工夫や番組制作に対してのセンスをとても感じます。
御社に入社したら、多くの人にテレビが身近で魅力のある存在であることをもっと伝えられるような番組を制作し視聴率アップに貢献していきたいと考えています。
キャリア
アドバイザー
シンプルですが、制作職に対する意気込みや熱意を感じることができる内容になっています。
技術職
技術職は専門的な職種ですが、他の志望動機作成と同様に、なぜ放送業界なのか、なぜその企業なのか、なぜその職種なのか、放送業界における自分の将来像を深掘りして明確に考えることが大切です。
また、技術職の場合は、専門的な知識を持っているのであればアピールポイントになります。他にも、次々出てくる新しい技術に対して向上心を持って学び続けられること、チームワークやコミュニケーションスキル、重い機材を持ち運ぶ機会が多いため体力に自信があるなどの強みがあれば志望動機に盛り込んでください。
例文
私は、番組制作技術のカメラマンとなり、人や物の魅力を最大限引き出し視聴者に多くの感動を届けたいと考えています。
大学時代はカメラを持ちバックパッカーとして世界中を旅をしてきました。最初の頃は自身が目にした感動をそのまま撮影するだけで良いと考えていましたが、帰国後友人に見せても大きな感動を伝えることできず、悔しい経験を何度も繰り返しました。
そんなときに御社の〇〇という冒険番組を見て感銘を受けました。もちろん使用している機材も撮影しているカメラマンさんもプロであり、私とは違うことは理解しています。ただ映像から伝わるリアリティが私と大きく異なっていることに、番組に釘付けになりました。
このときの経験から、カメラを通して多くの人に感動や臨場感を伝えられるようなカメラマンになり、貢献していきたいと強く思い御社を志望いたしました。
キャリア
アドバイザー
実体験をもとに、なぜ放送業界なのか、その企業なのか、また技術職に対する情熱や将来性が伝わる良い志望動機になっています。
アナウンサー
アナウンサーの仕事は、放送業界の仕事の中でも花形のポジションであり、競争率が高いです。たとえばアナウンサーを目指して有名大学に入学し、アナウンサー養成スクールへの同時通学をしてもアナウンサーとして採用される人はほんの一握りです。
番組の顔となるアナウンサーは、視聴者やリスナーに大きな影響を与えるポジションであり、採用担当者も厳しい目でジャッジをするのは当然のことです。
アナウンサーには、ポジティブな印象を与えられるような表情や声の出し方、見た目の清潔感、頭の回転の速さ、謙虚さ、高いコミュニケーション能力など求められる資質は多いです。
アナウンサーの志望動機には、放送業界がアナウンサーに求めている技術面や人間性の部分も合わせてアピールできると良いでしょう。
例文
私はアナウンサーの仕事を通して、多くの人に元気やパワーを与えられるようになりたいと考え御社を志望しました。
高校時代は陸上部に所属し毎日朝早く起き練習に向かう日々を送っていました。うまく結果が残せなかったり、人間関係で悩んだりするときは、どうしても行きたくないと感じる朝もありました。
しかし〇〇という番組のアナウンサーの方が毎日ハツラツとお話されている姿に「私も頑張ろう」と背中を押されることがたくさんあり、何度も助けられました。
そのときの経験からアナウンサーを目指すようになり、大学時代は放送部に所属し、企画、取材、発表をおこなう中で夢を叶える努力をしてきました。
御社に入社後は、学生時代の経験をいかしつつ、持ち前の明るさと熱意で多くの人を元気づけられるアナウンサーになりたいと考えています。
キャリア
アドバイザー
アナウンサーを目指すきっかけや夢を叶える努力を惜しまない本気度が伝わってくるエピソードがとても好印象で分かりやすい志望動機です。
営業
放送業界は、アナウンサーやプロデューサーなど華やかな仕事に目が行きがちですが、営業の仕事は、スポンサーとなる企業を見つけ出し、番組制作にかかわる費用を確保する重要な役割を担っています。
近年はインターネットに広告費用を割くスポンサー企業が増えてきていることもあり、営業職の力量が試される時代です。責任も重い仕事ですが、その反面多くのやりがいがあります。
採用担当者は、営業志望の学生がどの程度のコミュニケーションスキルを持っているのかを知りたいと考えているため、エピソードに対人スキルをアピールする内容をに盛り込むことが重要です。
例文
私は、御社で番組制作を支える柱となり多くの人から「あなたとなら一緒に仕事がしたい」と言われる存在になりたいと考え御社を志望しました。
大学時代は接客業のアルバイトをしながら、「どうしたら商品の購入につながるか」を考え、顧客に商品の素晴らしさをアピールしました。結果目標を達成したことで、やりがいや達成感を感じ、営業職に興味を持つようになりました。
近年の放送業界はインターネットと人気を二分するようになっており、スポンサー企業獲得のために今までにないアイディアや行動力で信頼を勝ち取っていく必要があります。多くの素晴らしい番組を制作されている御社だからこそ、もっと多くの人に価値提供できるようにすべきだと考えています。
そのために私は、アルバイトで培ったコミュニケーション力、ヒアリング力、提案力を御社で発揮し、一緒に働く仲間や営業先の人から信頼してもらえる存在となることで、御社の番組制作の根底を支える存在になっていきたいです。
キャリア
アドバイザー
放送業界の営業として成長していくことで、企業に貢献していきたい気持ちが伝わってきます。具体的にアルバイトで目標を達成したエピソードはとても良いですね。
放送業界への理解を深めて就活を有利に進めよう!
放送業界は、華やかで楽しそうなイメージから就職したいと考える学生が多い業界です。社会に情報発信をすることで多くの人に影響を与えられるやりがいのある仕事であり、とても魅力的ですが、一方で社会に対する責任が大きいことやハードワークであることを念頭に置いておきましょう。
ライバルよりも一歩抜き出るためにも、就活準備は早めにおこない先手を打つことが狭き門を突破するために必要なことです。この記事を活用して放送業界への理解を深めて就活を有利に進めていきましょう。
キャリアアドバイザーコメント辻 華菜子プロフィールをみる
解説されているとおり、配信業界の市場規模は減少傾向にあります。この売上が減少していることを防ぐために、配信事業だけでなくほかの事業へ参入して売上を担保している企業もありますよ。
たとえば、不動産業や都市開発事業へ新たに参入をしたり、フィットネスクラブなどまったく別事業の企業をグループ会社にしたりして、売上の窓口拡大を図っています。また、企業によっては国内で事業拡大をおこなうだけではなく、グローバルな市場へ参入して収益拡大もしていますよ。
このように新しい事業に参入することで企業の売上を分散化させて、放送業界で安定してサービス提供をする工夫がされています。新しい挑戦をすることはこれからも予想されるため、チャレンジ精神がある学生にはおすすめの業界とも言えますね。