目次
- グループディスカッションが苦手なら経験を積んで慣れよう!
- グループディスカッションを苦手に感じる6つの原因
- ①自分の意見を話すことができない
- ②グループの意見がまとまらず発散してしまう
- ③アイデアが浮かばない
- ④時間が不足する
- ⑤人見知りで緊張してしまう
- ⑥クラッシャーに出会ってしまう
- グループディスカッションが苦手な人が失敗しないために意識すること
- はじめに議論の進め方をグループで決める
- 自分の役割をすぐに決める
- 議論が脱線しないように適度に話をまとめる
- グループワークの苦手を克服するための3つのコツ
- ①企業の評価項目を理解しておく
- ➁事前に対策をおこなう
- ③出題テーマを把握しておく
- グループディスカッションで採用担当者が見るポイント
- 思考力
- コミュニケーション能力
- 協調性
- 発想力
- リーダーシップ
- 積極性
- 傾聴力
- 苦手を克服しよう! グループディスカッションが上達する練習方法12選
- ①練習会に参加する
- ②インターンを活用する
- ③授業やゼミを有効活用する
- ④友だちや家族と議論を交わす
- ⑤就活アドバイザーと実践練習をする
- ⑥OB・OG訪問をする
- ⑦GD用対策本で練習問題を解く
- ⑧自分で動画を撮影して練習する
- ⑨ニュースを見て疑問や意見を持つ癖をつける
- ⑩SNSでさまざまなタイプの意見を集める
- ⑪業界・職種ごとの例題に慣れる
- ⑫実際の選考を受けて場数を踏む
- グループディスカッションでクラッシャーに出会ったときの対策
- やみくもに否定し続けないこと
- 否定的な意見もいったん聞き入れる
- 論点が脱線してきたら軌道修正する
- クラッシャーへの否定はロジカルに
- メンバーは敵ではないと理解する
- グループディスカッションの苦手を克服するために対策しよう
グループディスカッションが苦手なら経験を積んで慣れよう!
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生からよく、
「グループディスカッションが苦手で、選考に通る気がしません」
「採用担当者の見ているポイントがわからず、どんな評価されているのか不安です」
といった相談を受けます。グループディスカッションを苦手と感じる学生が多いのは事実です。そんなグループディスカッションを乗り切るには、経験を積んで慣れることが大切です。
この記事では、採用担当者が見ているポイントや失敗しないために意識すること、練習方法について詳しくお伝えしていきます。記事を読むことで、グループディスカッションに自信を持って挑むことができますよ。
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グループディスカッションを苦手に感じる6つの原因
まず、自分がグループディスカッションで苦手を感じる原因について明確化しましょう。
グループディスカッションに苦手を感じつつも、そのボトルネックがあいまいな状況では、改善すべき点がわからず、適切な対策を取ることができません。苦手な状況から脱却するための第一歩として、原因を明確に把握する必要があります。
グループディスカッションが苦手な原因をこれから解説するので、自分が苦手と感じる原因は何かを考える参考にしてみてくださいね。
①自分の意見を話すことができない
- 自分の意見が否定されたら怖い
- 自分の意見は間違っているかもしれない
- 今まで発言していなかったから急に話し出しづらい
と不安を感じ、グループディスカッションを苦手に感じている人は多いです。しかし、真っ向から自分の意見を否定されることは案外少ないものです。仮に否定されたとしても、そのときにいたメンバーには刺さらなかっただけで、あなたの意見が間違っているとは限らないため、安心して発言してみてくださいね。
また、急に発言すると変に思われるのではないかという不安についても対処法があります。開始前に自己紹介などをおこない、すでに1度は話している状態かつ全員が話しやすい雰囲気作りをおこなうのです。アイスブレイク時は、意見が思いつかないということもないので、話すチャンスですよ。
②グループの意見がまとまらず発散してしまう
複数人で議論をしている際、意見の相違や論点がずれた話へと流れ、なかなか意見がまとまらないことに苦手意識を持っている人もいることでしょう。
1人ではなく、複数人で話をする際、この点は避けられず、会社でおこなう会議でも意見がまとまらないことがしばしばあります。このような状況において、適切に対処できるかが評価対象になり、入社後に活躍できる再現性を採用担当者は見ているのです。
グループの意見がまとまらないときは、以下の視点を提案をして、全員で考えていきましょう。
- 同じような意見をグルーピングする
- 異なる意見が乱立している場合は、それぞれのメリット・デメリットを挙げる
- 挙がっている異なる意見について、それぞれの良い点を組み合わせられないか考える
- 今回の定義を再確認して最適な意見はどれかを考える
③アイデアが浮かばない
アイデアが浮かばずに議論がどんどん進行し、発言することができないと悩んでいる人もいることでしょう。
アイデアが思い浮かばずに困っている人は、必ずしも自分のアイデアを出そうとする必要はないことを覚えておきましょう。他のメンバーの意見や議論の流れを通じて、何かしら思うことはあるはずです。それをグループに還元していけば良いのです。具体的な発言として、以下に示します。
- 具体例や補足説明をしながら同じような意見の人に同意する
- 他の人の意見について自分の言葉で置き換えて確認する
- 議論の途中経過の確認と今後の方向性を提案する
決して新たな自分の意見ではなく、他者の意見への付け足しや議論の方向性への提案ですよね。これらも議論を良い方向へ導くのに大切な働きかけになりますよ。
④時間が不足する
グループディスカッションは、限られた時間の中で、与えられたテーマに基づくグループの結論を出し発表までおこなう必要があります。グループディスカッションの時間は、30分〜1時間程度が一般的ですが、15分程度の場合もあり、企業によってさまざまです。
適切な時間管理ができないと、時間不足で結論まで導くことができません。結論が出せず、発表がおざなりになってしまってはグループ全体の評価が下がってしまいます。
評価として、結果だけを見ているわけではなく、議論の過程を見ていることも確かです。しかし、結論まで辿り着くことは前提条件であり、結論まで辿り着けない過程を高く評価できないのです。
タイムキーパーが時間管理をおこなうとともに、全員が時間意識を持って取り組むことが大切です。
グループディスカッションのタイムキーパーのコツはこちらで解説しています。
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グループディスカッションのタイムキーパーはチームに貢献しながら、自分の能力もアピールできます。 この記事では、タイムキーパーの役割、評価される特徴、注意点などをキャリアアドバイザーが解説します。 実施時間別の適切な時間配分も紹介しますので参考にしてください。
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⑤人見知りで緊張してしまう
グループディスカッションは、初対面の学生とおこないます。気心の知れた友人と1対1であれば議論をすることにも抵抗がないのに、初対面でかつ複数人とおこなうのは緊張してうまく自分の意見が言えないという人は多いです。特に人見知りの人は、憂鬱に感じますよね。
そこで、少し考え方を変えると気楽に挑むことができますよ。たとえば、そのときに会った学生とはその場限りの関係であると考え、割り切って発言してみるのも良いでしょう。その場限りの関係であると考えれば、他の学生に失敗を見られてもその後の生活に影響を及ぼすことはありません。
また、開始前のアイスブレイク時に緊張していることを打ち明けるのも良い方法です。他の学生も同じ気持ちを共有することができ、場を和ませて話しやすい雰囲気づくりをおこなうこともできますよ。
⑥クラッシャーに出会ってしまう
グループディスカッションでは、ときにクラッシャーというその場を乱す発言をする存在に出会ってしまうことがあります。
面接では、自分の回答に基づいて深掘りされるため、ある程度自分でその場をコントロールすることや事前に想定することが可能ですよね。
一方、複数人で議論する際には何を発言するか想定できないうえに、クラッシャーのような存在がいると余計に議論を上手く進めることができず、苦手に感じてしまう人が多いです。
- 他の人の意見を真っ向から否定する人
- 自分の意見ばかりを正当化しようとする人
- 本題とずれた方向へと話を進めようとする人
- 話が長く、他の人の話す時間を奪う人
グループディスカッションが苦手な人が失敗しないために意識すること
就活生
私は人見知りが原因で、グループディスカッションを苦手に感じていることが理解できました。アイスブレイク時に緊張を緩和できるよう、メンバーの人とコミュニケーションを取ってみます。
キャリア
アドバイザー
そうですね。原因を突き止めることで、具体的な行動に移すことができますよね。他にもグループディスカッションで失敗しないために意識するべきポイントがあるので、解説していきますね。
ここで解説することは、特段難しいことではなく、知っているか知らないかで差がつくポイントなので意識して実行しましょう。
はじめに議論の進め方をグループで決める
議論をおこなうにあたって、無計画に行き当たりばったりで進めると、結論にたどりつかないという事態に陥ってしまいます。
はじめに議論の進め方をグループ内で決めて、共有しておくことが重要です。事前に共有しておくことで、メンバー全員が同じ方向性を持って議論を進められるようになります。結果、時間不足で結論が出ないという事態を回避することができますよ。
いきなり意見出しをする人がいたら、まず議論の進め方を決める旨を提案してみましょう。
グループディスカッションの進め方はこちらで詳しく解説しています。
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自分の役割をすぐに決める
議論を進めるにあたり、グループ内での役割を決め、メンバーそれぞれ役割に徹することが大切です。1人1人が自分の役割を全うすることで、グループ全体の生産性を上げることができるからです。
仕事をおこなうにあたっても、1人で完結することは少なく、役割の異なる他者とかかわり合いながら遂行することで、全体のパフォーマンスを上げることができるのです。
自分の役割を全うするには、どんな役割があり、それぞれの役割に求められることを把握する必要があります。一般的にグループディスカッションでは以下の役割があげられます。
- 司会
- タイムキーパー
- 書記
- アイデアマン
- 発表者
グループディスカッションの役割の決め方はこちらを参考にしてみてください。
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ディスカッションの中心である司会
ディスカッションの中心的な役割を担う司会。司会の力量が、議論の良し悪しに影響を与えることもしばしばです。グループディスカッションで評価される思考力やリーダーシップ、積極性など多くのことをアピールすることができる役割でもあります。
しかし、自分ばかり話して周囲の意見を無視した進め方や本題とずれた議論を上手く軌道修正できないと評価が下がってしまいます。司会を担当すれば、無条件に良い評価になるというわけではないことを押さえておきましょう。
自分の意見を言うだけにとどまらず、議論がうまく回るよう、メンバーの意見を引き出し、結論へと導いていくための働きかけをおこなうことが求められます。
時間を管理するタイムキーパー
限られた時間内で結論を導くグループディスカッションにおいて、時間管理をおこなうタイムキーパーはなくてはならない存在です。タイムキーパーとしての役割を全うするには、残り時間や経過時間を伝えるだけでは事足りません。
時間における「管理」という役割を担っているため、時間を伝えるとともに、時間内に結論を導くためにはこの後どう議論を進めていくのが良いのかの提案までおこなう必要があります。
自分の意見を考え発言するのが苦手という方は、時間管理に徹するタイムキーパーとして活躍するのも良い方法です。自分の得意な側面からグループに貢献することが大切です。
意見を整理する書記
出た意見を整理する書記は、メンバー全員がこれまでの議論を振り返り、その後の方向を形成するのに重要な役割です。
オンラインによるグループディスカッション選考の場合、ドキュメントなど書記がまとめるシートを画面共有し、メンバー全員が見えるようにすることがあります。近年、新型コロナウィルスの影響でオンラインによる選考も一般的になってきましたよね。
意見がたくさん出てくるとまとめる作業に苦労して、自分の意見を考える余裕がなくなってしまうことがあります。まとめるときのポイントは、樹形図を用いて同じような意見をまとめたり階層化したりすることでわかりやすくなりますよ。
キャリア
アドバイザー
オンライン選考の場合は、タイピングや操作方法についても、事前にある程度慣れておきましょう。
議論を活性化させるアイデアマン
アイデアマンは、議論を活発化させるようなアイデアを発言することに注力します。「アイデアには自信がある」という方に相性の良い役割ですね。
ただ、アイデアを出すこと自体は、アイデアマンのみならず全員がおこなうことです。アイデアマン以外の人は意見出しを人任せにしてはいけませんし、アイデアマンは「自分があっと言わせるような意見を出さないとダメなんだ」と気負いすぎなくて良いのです。
革新的なアイデアのみならず、今まで出た意見を組み合わせたアイデアが潜在的なニーズを解決する場合もありますからね。発想力やクリエイティブ性が求められる業界や職種の選考を受ける場合は、アイデアマンとして活躍できると高く評価してもらえるでしょう。
プレゼン力をアピールできる発表者
グループディスカッションの最後に、担当者へ意見をまとめて発表をおこないます。
発表者は、話し合いに出た意見をただ伝えるだけでなく、わかりやすく端的に伝えるプレゼン力が試されます。仕事をしていくうえで、人にわかりやすく伝えるプレゼン力は、どの企業でも求められるスキルの1つです。
発表前には、書記のメモを見直して議論を整理します。ほかのメンバーも、発表者にすべて任せて選考が終わった気でいてはなりません。発表しやすいように、議論の要点を振り返り、メンバー全員で目線合わせをすることで、発表者は安心して発表することができます。
議論が脱線しないように適度に話をまとめる
限られた時間の中で結論まで導くことが求められるグループディスカッションでは、議論が脱線しないように適度に話をまとめる必要があります。これは、自分の意見を発言する場合もグループ全体の話の方向を適切に導く場合のどちらにおいても言えることです。
自分の意見を発言する際は、議論に直接関係のないことまで話していないか常に意識しましょう。グループ全体の話の方向性については、これまでの議論の振り返りと話し合いの不十分な部分を明確化し、今後の議論で脱線するといった無駄がないようにします。
これはどの役割の人がおこなっても良いのですが、特に書記の人は意見をまとめてこれまでの流れを明確に把握しているので、積極的に提案してみましょう。
グループワークの苦手を克服するための3つのコツ
就活生
グループディスカッション中に意識することは把握できたので、次の練習から実行していきます。ところで、事前の対策で苦手を払拭できるコツはありますか?
キャリア
アドバイザー
事前にばっちり対策しておけば、本番で自信になりますよね。グループディスカッションの苦手を克服するために、事前にできる対策を解説していきますね。
グループディスカッションの前に、事前対策をしておくことで、本番で焦ることなく余裕を持って挑むことができますよ。
①企業の評価項目を理解しておく
グループディスカッションで採用担当者が見るポイントについて、この後解説しますが、各企業ごとに評価項目が異なることがあります。まったく異なるというよりかは、企業の社風や求める人材像、募集職種から求めるスキルが多少異なるのです。
たとえば、1年目から裁量のあるリーダーを務めるような企業であればリーダーシップ性が評価項目のうち、1番高いポイントになるでしょう。一方、協調性を重んじている企業では、協調性が高い評価ポイントになることもあるのです。
企業が見ている評価項目を正確に知ることはできませんが、以下の方法である程度想定することができますよ。
- 求める人材像から推測する
- OB・OGに選考で評価してもらったと自覚するポイントを聞く
- 就活経験の投稿サイトから予想する
➁事前に対策をおこなう
テーマがその場で提示され、他の学生がどんな発言をするかわからないといった想定しづらいことが多いグループディスカッション。
しかし、事前対策でグループディスカッションに慣れておくことで、議論の流れや自分の得意な立ち回りを把握できます。そのため、グループ内で上手く活躍することができ、良い評価につながりますよ。
グループディスカッションに限ったことではありませんが、事前の対策に時間をかけて丁寧におこなうことで、自分の自信につながります。事前対策としては、さまざまな方法があり、1人で対策をおこなう方法もあります。詳しくは後で解説しています。
③出題テーマを把握しておく
グループディスカッションの出題テーマは、さまざまなものがあります。選考を受ける企業の業界や募集されている職種によってもテーマは異なります。
テーマがさまざまあると、「すべてのテーマに目を通すことは不可能だし、どう対策していったら良いのだろう」と悩んでいる人も多いことでしょう。しかし、さまざまテーマはあるものの、大きく以下の3つの型に分類することができます。
- 自由討論型テーマ
- 課題解決型テーマ
- 選択型テーマ
それぞれのテーマ内容や意識するべきことを解説していきますね。事前に把握しておくことで、当日いきなりテーマが与えられてもスムーズに意見を考えることができるようになります。
グループディスカッションのテーマ例についてはこちらを参考にしてみてください。
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自由討論型テーマ
抽象的なテーマが与えられ、そのテーマに関する解決策や定義の明確化をおこなう自由討論型。具体的な例として以下のものが挙げられます。
- 世界で活躍するビジネスパーソンとはどのような特徴を持っている人か
- 大学に求められる教育は何か
- 地球温暖化を食い止めるにはどうするべきか
与えられるテーマが抽象的であるため、グループ内でのテーマの深掘りと前提条件の共有を丁寧におこないましょう。はじめの前提条件が曖昧だと、最終的な結論が出せなかったり抽象的なものになったりしてしまいます。
明確な正解がなく、グループごとに大きく議論が異なります。間違えを恐れず意見をどんどん出しつつ、お互いの意見を協調し、具体的な結論へと導くことが大切です。
課題解決型テーマ
与えられる課題に関して、解決策を考える課題解決型。具体的な例として以下のものが挙げられます。
- 自社商品の認知を高める施策を考えなさい
- カフェの売上を上げるにはどうするべきか
- 自社が業界トップシェアを獲得するためにできることは何か
課題を解決する方法はさまざまあるため、できるだけ多くの解決策を挙げましょう。そのうえで、課題を解決できる理由や裏付けがあることで、採用担当者に納得させることができます。
たとえば、売上を上げるには「客数×客単価」の公式があり、これらを上げる施策になっていないと、売上が上がるといっても納得させることはできませんよね。このように相手が客観的に納得できる有効的な解決策かどうかという視点を持っておきましょう。
選択型テーマ
いくつかの選択肢から最も適切なものを選ぶ選択肢型。具体的な例として以下のものがあげられます。
- 商品の認知を図る広告を出すには、ネット広告かマス広告か
- 自社により求められるのは、慎重タイプかスピード重視タイプどちらか
- 第2外国語として需要が高いのは中国語・韓国語・ロシア語どれか
前提条件を確認したうえで、選択肢のメリット・デメリットをあげていきましょう。
選択肢を1つに絞るということは、何かの選択を失うということでもあります。機会損失を最小限に抑える選択肢はどれかを考えるには、すべての選択肢におけるメリット・デメリットを可視化することが大切です。
キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
グループワークの苦手を克服するための3つのコツのなかでも、もっとも重要な点は出題テーマを把握しておくことです。社風や評価基準は企業によって千差万別ですが、出題テーマは紹介した3つのなかから選ばれることが基本です。この3つさえ知っていれば、予想外のワーク形式を出題されて慌ててしまう、といった事態を防ぐことができます。
また、テーマによって議論の導き方や求められる答えの出し方が異なるため、事前に知っているか否かで、グループワークへの取り組みやすさが段違いに変化するでしょう。たとえば「自由討論型テーマの場合は、まずは定義を決める」などと流れを把握しておけば、グループワークでも先陣を切って議論を進めることができます。
このように、テーマごとの進め方を事前に頭に入れておくだけで、グループワークの対策にもつながります。また、事前に対策ができていると安心感から、本番の過度な緊張や不安を軽減させることもできるでしょう。
グループディスカッションで採用担当者が見るポイント
就活生
グループディスカッションでは、どんなことが見られているのでしょうか? よくわからず、自分はどんな評価を受けているのか心配です……。
キャリア
アドバイザー
面接とは違って、採用担当者の表情や口調から反応を読み取ることができないグループディスカッションは、どんなことが見られているかわかりづらいですよね。そこで、採用担当者がグループディスカッションで見ているポイントについて解説していきますね。
どんなポイントを見ているのかという採用側の視点を持つことで、それに基づいた適切な立ち振る舞いができるようになりますよ。
思考力
グループディスカッションで、自分の意見を考え、出た意見を結論へと導くには思考力が必須です。論理的な説明をおこなわないと、他のメンバーや採用担当者に理解してもらえず、伝えたいことが伝わりません。論理的な思考力を身につけ、相手にわかりやすく伝えられるようにしましょう。
そもそも論理的とは、情報に漏れがなくかつ因果関係が明確である状態のことを指します。論理的であると客観的に誰もが納得することができるのです。
論理的な思考ができているかどうかは、自分の考えや意見に対して、情報に漏れがなくかつ因果関係が明確であるかを意識して考えます。また、自分の意見のみならず、他者の意見に対しても論理的であるかどうかを吟味してみましょう。論理性に欠けている場合、「〇〇さんの意見には○○も当てはまりますよね」といったフォローもできますよ。
コミュニケーション能力
複数人で1つの結果へと導くには、1人で完結することはなく、必ずコミュニケーションを取る力が求められます。
ダイヤモンド・ヒューマンリソースがおこなった「2022卒採用・就職活動の総括」によると、企業が選考で重視する点の第1位が「対人コミュニケーション力」(86.6%)であり、2位の「仕事への意欲・興味」(64.7%)に20%以上の差をつけています。
企業がいかにコミュニケーション能力を重視しているのかがわかりますよね。
よく自己PRでコミュニケーション力をアピールする学生を見かけますが、面接での受け答えやグループディスカッションでの立ち振る舞いといった実際のコミュニケーション場面で発揮できなければ納得してもらうことはできません。
グループディスカッションで、相手の意見を理解しつつ自分の意見を伝えてコミュニケーション力をアピールしましょう。
コミュニケーション能力をアピールする方法はこちらで解説しています。
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「長所はコミュニケーション能力」で差がつく10個の言い換えとは
「長所はコミュニケーション能力」だけでは差別化は難しい こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。 「就活で長所はコミュニケーション能力、とアピールしようと思っています」「コミュニケーション能力ってほかの学生と被りやす […]
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協調性
「選考に通りたい!」と思うあまり、自分ばかり発言してしまうのは良くありません。また、他者の意見を否定して自分の意見を通そうとするのも避けましょう。グループディスカッションでは、自分の意見を通すことが目的ではなく、メンバー全員で協力して結論を導くことが目的です。
1人で責任を抱えるのではなく、お互いが協力しあって仕事を進めていくため、協調性が求められるのです。協調性がない人を採用してしまうと、場の雰囲気を乱し、本来助け合っていくべき仕事が上手く回らなくなってしまいますよね。
同じグループのメンバーは決して敵ではありません。グループ内のメンバーが全員選考に通る場合もありますし、議論が上手くできなければ全員選考落ちしてしまうこともあるのです。グループで協力してメンバー全員が選考に突破できるようにしようという気持ちで臨みましょう。
協調性をアピールする方法はこちらで解説しています。
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協調性を魅力的に自己PRするには|エピソード別の例文で徹底解説
協調性をアピールする際は、企業が求める主体性や能動的な能力をアピールすると好評価を得られますよ。 この記事では、協調性の意味、好評価を得るポイント、自己PR例文をキャリアアドバイザーが解説します。 動画や例文も参考にポイントを押さえてアピールしてくださいね。
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発想力
論理的な思考力に加えて、他の人とは違った視点からアイデアを提案をすることで、発想力を高く評価してもらえます。特に、発想力が求められる職種や業界では、高く評価されるでしょう。
企業が新卒採用をおこなう理由の1つに、新しい発想を持つ若手を採用することで、社内に新しい風を取り込み、革新することを目的としています。誰もが思いつくようなありきたりな内容よりも新たな視点を加えたアイデアを挙げられると良いでしょう。
「アイデアや発想には自信がないな」という方も諦めないでください。誰もが思いつかないような革新的な発想だけではなく、違った角度からの意見や他の人の意見を組み合わせたアイデアでも新たな視点であり、発想力をアピールすることができますよ。
リーダーシップ
複数人で議論し、結論を導いていくには、リーダーシップを発揮する存在が必要です。仕事で複数人が協業するにあたり、リーダーシップを発揮できる人材が求められます。
リーダーシップがある人材だと高く評価してもらうには、自分が意見を言うだけではなく、グループ全体が良い方向へと進むよう働きかける必要があります。
リーダーシップを発揮するには以下のような行動を積極的におこないましょう。
- 発言できていない人に話を振って、意見を引き出す
- 話しやすい雰囲気作りをおこなう
- 発言に困っている人に助け舟を出す
- 時間を見て話をうまくまとめる
積極性
積極的な姿勢も評価ポイントの1つです。「グループディスカッションは苦手だから」とずっと黙っているような消極的姿勢では高い評価を得ることができません。
仕事をする際に人任せで積極的な姿勢がない人は活躍することが難しく、担当者が採用したいと思わないでしょう。採用担当者に、入社後自分が活躍する姿をいかにイメージさせられるかという再現性を示すことが大切です。
積極的な姿勢を示すために以下のような行動を実践していきましょう。
- 他のメンバーが立候補しない役割を率先しておこなう
- 意見を発言することに躊躇しない
- 自分の役割だけではなく、他の役割のサポートもおこなう
積極性をアピールする方法はこちらで解説しています。
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自己PRで積極性をアピールするときに重要なのは「自分なりの積極性を明確にすること」。今回は、積極性の種類や面接で積極性を伝える時のコツをキャリアアドバイザーが解説します。自己PR例文も紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
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傾聴力
グループディスカッションで採用担当者が見るポイントの1つとして、コミュニケーション力があげられることを先述しました。
高いコミニケーション力は、自分が上手く話をするだけではなく、相手の話を適切に理解する必要があります。また、メンバーが話しやすい雰囲気を作ることで、活発化した議論を展開することができます。
そのためには、相手の話をしっかりと聴く傾聴力が必要です。ただ聞くだけではなく、相手の目を見てうなずきながら聴きましょう。さらに、聴いた後の反応も大切です。否定されなくても、発言した意見について何も反応がなかったら「何か間違ったこといってしまったかな」と不安になるものです。
「〇〇さんの意見は、在宅勤務の増えている昨今でとても需要がありそうですね」といったリアクションを取ることが重要です。
面接本番まで時間がない人は、頻出質問の模範解答だけでも必ず押さえておこう
面接で聞かれる質問に答えられるか不安ですよね。ただ、何を質問されるか分からず対策しようにも出来ない人は多いはず。
そこで、活用したいのが無料の「面接回答集」です。この資料があれば、伊藤忠商事や森永製菓、トヨタ自動車などの人気企業の面接でも実際に聞かれたような質問とその答え方が一目でわかります。
どんな質問が来ても確実に回答できるようになれば、面接はもう怖くありません。今すぐ活用し、面接を突破するのに役立てましょう!
苦手を克服しよう! グループディスカッションが上達する練習方法12選
就活生
グループディスカッションで意識するポイントやコツは理解できました。実際に練習で実践したいのですが、練習する機会がなくて困っています。
キャリア
アドバイザー
実は、日常的にグループディスカッションを練習する機会は散らばっているんですよ。練習方法について解説していきますね。
12の練習方法を以下で解説します。数が多いので、自分の取り組みやすいものから実行していきましょう。
グループディスカッションの練習法はこちらで詳しく解説しています。
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①練習会に参加する
各種就活サイトでは、学生向けにグループディスカッションの練習会を定期的に開催しています。大学のキャリアセンター主催の練習会もありますよね。どちらにしても、1回あたりの定員数が決まっているので、早めに予約をしましょう。
練習会には最低でも10回以上参加し、グループディスカッションの流れや意識すべきこと、つまずきやすいポイントを押さえ、すべての役割も経験しておきましょう。
練習会では主催者側からフィードバックをもらえることが多く、次の機会に活かすというPDCAを繰り返すことでどんどん上手くできるようになります。数をこなすことで、大きな自信につながり、本番では堂々と挑むことができますよ。
②インターンを活用する
インターンシップ(インターン)内で実施されるグループディスカッションを練習の場として活用することができます。
ディスコの「インターンシップ特別調査 〜キャリタス就活2023 学生モニター調査(2022年4月)」によると、学生が参加したインターンの形式はオンラインが7割以上を占めています。さらに、オンラインでのインターンのプログラム内容は、グループディスカッションが1番多い(80.5%)結果となっています。
調査結果からわかるように、インターンではグループディスカッションを経験できる機会が整っています。担当者からフィードバックしてもらえることが多く、企業の評価ポイントを把握する一助にもなります。
しかし、グループディスカッションを実施していない企業もあるので、事前にプログラム内容を調べ、実施している企業に複数社応募しましょう。
短期インターンではグループディスカッションを多く取り入れている企業が多いので短期インターンの特徴をよく理解しておきましょう。
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③授業やゼミを有効活用する
大学の授業やゼミでも、グループディスカッションやグループワークをおこなう時間がありますよね。その時間を有効活用して就活のグループディスカッションに備えましょう。
大学の授業やゼミでは、失敗することを恐れずにどんどん意見を伝え、さまざまな役回りに挑戦する場として最適です。大学以前までの学校教育では、グループディスカッションのようなアクティブラーニングは少なかったものの、大学ではグループディスカッションの授業が多いので、練習しやすい環境が整っていますよね。
就活対策になるうえ、社会人になった後も求められるスキルを身に付けることができます。面倒くさがらずに真剣に取り組みましょう。
④友だちや家族と議論を交わす
友達や家族と議論を交わすのも1つの方法です。緊張感のある環境での練習にはなりませんが、とても身近ですぐに実践できる方法ですよね。
議論を交わす練習をすることで思考力を磨くことができます。制限時間などを設けないで、議論を交わしてみても良いでしょう。制限時間がないことで、より深く思考することができますよ。また、自分の意見に対して、どう感じるかを他者の意見として客観的に知ることにも最適です。
緊張感のある環境でかつ実際の流れを把握したい場合には、練習会や実際の選考を受けるように、自分のレベルや不足している点について把握し、適切な練習方法を組み合わせていきましょう。
⑤就活アドバイザーと実践練習をする
就活アドバイザーと実践練習をするのも有効的な方法です。実践練習を通して就活アドバイザーからフィードバックやアドバイスをもらうことができます。また、親身になって練習に付き合ってくれるのもうれしいポイントですよね。
就活アドバイザーは、企業側の視点や就活について詳しい知見を有しています。企業ごとの評価項目や受かりやすい人の特徴、意識すべきことについて教えてもらうことで、有利にグループディスカッションを進めることができます。
大学のキャリアセンターや就活エージェントの就活アドバイザーなど複数人から多角的にフィードバックをもらえると良いでしょう。
⑥OB・OG訪問をする
OB・OG訪問をして、当時選考を受けたグループディスカッションはどんなものだったか詳しく聞いてみましょう。
- そもそも選考でグループディスカッションがあったか
- グループディスカッションがあった場合、どのようなテーマだったか
- グループディスカッションで意識していたことは何か
- グループディスカッションで自分が評価されたポイントは何だったと思うか
OB OGの方は、その企業の選考を通過している人なので、その人の評価されたポイントや意識したことを聞くことで、その企業が評価される人の特徴を想定することができます。それが把握できれば、自分がその特徴に近づいていけるよう努力していきましょう。
OB・OG訪問のやり方についてはこちらを参考にしてみてください。
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⑦GD用対策本で練習問題を解く
書店では、GD用対策本が多く売られていますよね。業界ごとに出題されやすいテーマや論理的な考え方・伝え方などGDのノウハウを学ぶことができます。やみくもに練習会に参加していても、グループディスカッションに慣れることはできますが成長しづらいのも事実です。
対策本で練習問題を解くことで、思考力を磨くことができます。はじめのうちは、多くの時間をかけてじっくり考えてみると良いでしょう。何回か繰り返すことで、多くの時間をかけずに考えを導き出すことができるようになりますよ。
対策本で知識をつけたうえで、練習会などでアウトプットすることが大切です。学んだ知識を頭の中で眠らせていても忘れてしまいますし、活用してこそ意味を見いだすことができます。
⑧自分で動画を撮影して練習する
自分の意見を伝えている姿を動画で撮影してみましょう。自分の話している姿や伝えている内容について客観的な視点を持つことができるようになります。
- 「なんかボソボソと話しているな」
- 「自分の意見に自信がなさそうな話し方をしている」
- 「1つの意見を述べるのに2~3分かかっていて、このままだと他の人が話す時間が取れなくなってしまう」
- 「意見の裏付けとなる理由がなくて聞いている側は納得しづらいかも」
客観的に見ることで気づくことはたくさんあるのです。話しているときは、考えながらわかりやすく伝えようと神経を張り巡らせているため、なかなか気づきづらいものです。そこで、いったん自分の様子を観察することで、今まで気づかなかったことに気づくようになりますよ。
⑨ニュースを見て疑問や意見を持つ癖をつける
グループディスカッションのテーマとして、日常的なニュースや業界のニュースが取り上げられることが多くあります。ニュースに関する疑問や自分自身の意見を持つ習慣をつけましょう。
普段からこの習慣を身に付けておくことで、いざグループディスカッションの際にも意見が思いつかないという事態を回避することができます。面接でもニュースについての質問を聞かれ、面接対策にもなるので一石二鳥です。
ニュースを見て考える習慣が続かないという方は、「朝食後の15分間はニュースアプリを見て考える時間にする」とあらかじめスケジュールに組み込むことで習慣化しやすくなりますよ。
最新のニュース情報の集め方はこちらを参考にしてみてください。
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⑩SNSでさまざまなタイプの意見を集める
グループディスカッションで他の人の意見を尊重するには、さまざまなタイプの意見を知って、自分の持つ固定観念に囚われないことが大切です。意見を手軽に集めるにはSNSを活用するのが良いでしょう。
自分とは異なる意見を知ることで、視野を広げることができます。あくまで視野を広げることが目的なので、自分の意見を否定し、すべての意見を受け入れる必要はありません。
今まで盲点であったけれど共感できる内容は、1つの意見の引き出しとして参考にすると良いでしょう。
⑪業界・職種ごとの例題に慣れる
業界・職種ごとに出題されやすいテーマが異なります。
たとえば、小売業界において、「プライベートブランドとナショナルブランドのどのような割合で経営をおこないますか?」というテーマが出されたとします。その際に、プライベートブランドとナショナルブランドの意味を知らなかったら、どんなに思考力や伝える力がある人でも、上手く話し合いに参加することが難しいでしょう。
その業界で注目されているニュースや企業の商品・サービスに関するテーマ、各職種に求められる要素などがテーマとして用いられます。自分の受ける業界や職種ごとの出題テーマを把握し、例題に慣れておきましょう。
⑫実際の選考を受けて場数を踏む
グループディスカッションや業界・企業ごとのテーマに関する知識をつけて練習を重ねたら、実際のグループディスカッションの選考を進め、どんどん場数を踏んでいきましょう。
採用担当者の目がある場で繰り返しおこなうことで、緊張感に慣れて、本番でも成果を発揮する力をつけることができます。「練習ではできるのに、本番は緊張から萎縮してしまい、意見が言えない……」という事態を回避できます。
どの企業もグループディスカッションは選考の初期段階にあります。自分の志望度が高い企業の選考前に複数社で選考経験を積めると良いです。1番志望度の高い企業の選考までに、どの役割も経験済みだと本番に焦らず済みますよ。
グループディスカッションでクラッシャーに出会ったときの対策
就活生
この間、グループディスカッションの練習会に参加してきました。
キャリア
アドバイザー
いいですね。うまくおこなうことはできましたか?
就活生
自分の話ばかりしてほかの人の意見を聞かないクラッシャーがいて、ほとんど話すことができずに終わってしまいました。
キャリア
アドバイザー
確かに、クラッシャーがいるとうまく対応することが難しいですよね。クラッシャーに出会ったときの対処法について解説していきますね。
グループディスカッションを上手く進められるか不安なうえに、やっかいなクラッシャーまでいるとやりきれない気持ちになることでしょう。しかし、クラッシャーへの適切な対処法を知っていれば怖くないので、対策を把握して備えましょう。
やみくもに否定し続けないこと
クラッシャーは「自分自身がクラッシャーである」という自覚を持っていない場合がほとんどです。「なんとか選考に通りたいからとにかく自分が目立とう」「発言してれば評価してもらえるだろう」と正しい評価ポイントを理解していないのです。
他者の意見の否定や話の論点がずれたクラッシャーに出会ったとしても、否定してはいけません。クラッシャーの意見を否定していたらあなた自身もクラッシャーとおこなっていることは変わらなくなってしまいます。
クラッシャーが言う意見について他のメンバー誰もが納得していない様子でも、やみくもに否定するという選択は避けましょう。
否定的な意見もいったん聞き入れる
メンバーの意見を真っ向から否定して、自分の意見を通そうとするクラッシャーに対しては、一度その否定的な意見を聞き入れてあげましょう。
就活生
〇〇(クラッシャーの名前)さんのように、子育てをする主婦の方から反対意見が上がることは確かに考えられますよね
とクラッシャーの意見も間違っていない、ちゃんと聞き入れているという姿勢を示します。
そのうえで、「ただ、今回はキャリアウーマンとして働く女性に焦点をあてているため、反対意見よりもメリットの方が多く挙げられそうだと考えるのですが、この点〇〇さん(今までで口数の少ない人の名前)はどう思いますか?」といったように完全にクラッシャーの意見を否定せず、自分の意見を伝えます。そして、さりげなくクラッシャー以外の人に話を振ってクラッシャーの流れを崩すのも1つの方法です。
論点が脱線してきたら軌道修正する
論点とずれた意見を発言するクラッシャーがいると、話がスムーズに進みません。また、クラッシャーがいない場合でも複数人で話していると、段々論点がずれてきてしまうことがあります。
論点がずれて話が進むと、時間内に与えられたテーマに基づく適切な結論を出すことができなくなってしまいます。
話がずれてきているなと思ったら、
就活生
今回は、キャリアウーマンとして働く女性がターゲットなので、女性一般に関することは少し話が飛躍していると思います。残り時間もわずかなので、最初に決めたターゲットで意見をまとめていきましょう
といったように、軌道修正する言葉を掛けます。このような立ち回りができると、採用担当者から高い評価を得ることができますよ。
クラッシャーへの否定はロジカルに
クラッシャーに対して納得させるには、ロジカルにおこなうことが大切です。そうでないと、クラッシャーは他の人の意見をおざなりにして自分の意見で独走してしまいます。
自分が活躍して良い評価を得たいという身勝手なクラッシャーを採用担当者が良い評価をすることはありません。そのうえ、独走するクラッシャーと適切なコミュニケーションを取れなかったほかのメンバーの評価まで下がってしまいます。
感情面に目を向けた意見ではなく、誰もが納得できるようなロジカルな意見を伝えて、クラッシャーに否定される余地がないようにしましょう。
メンバーは敵ではないと理解する
クラッシャーに出くわしたら、「身勝手だな」と思うかもしれません。しかし、クラッシャーに対して否定的な発言や態度を取っても、誰も得しませんよね。先述しましたが、クラッシャーも悪気があるわけではなく、選考に通過したいと思うあまり表れてしまった行動なのです。
メンバーは決して敵ではないので、クラッシャーも含めグループ全体がどうすれば高く評価してもらえるだろうかということを考えた立ち振る舞いをしましょう。結果、その行動に対して高い評価を得ることができます。
「メンバー全員で選考に通過する」というマインドを常に持っておくことが大切です。
キャリアアドバイザーコメント清水 沙也香プロフィールをみる
クラッシャーにも、いろんな種類が存在します。人の意見を全否定するタイプ、話を脱線させるタイプ、自分の意見に固執するタイプ、などさまざまです。もしクラッシャーに出会ってしまった場合、いずれのタイプに対しても重要なことは、焦るのではなく冷静に対処することです。
クラッシャーは多くの場合、目立ったり自分の意見を押し通そうと必死です。そういった相手に対し感情的に接すると、状況をさらにヒートアップさせてしまったり、クラッシャーと同類とみなされてしまうこともあるため注意が必要です。
ただ、クラッシャーもわざと議論を乱しているわけではありません。クラッシャーに対し、クラッシャーの意見よりも他の意見の方が正論であることを理解してもらえれば、議論を良い方向に進めることができます。クラッシャーを説得するには、やはり冷静に状況を俯瞰することが大切です。
クラッシャーに振り回されないよう、客観的な視点を保ち落ち着いて対応すれば、企業からも良い評価を得られるでしょう。
グループディスカッションの苦手を克服するために対策しよう
今回は、苦手に感じる人が多いグループディスカッションで見られるポイントや意識するべきこと、練習方法について詳しく解説してきました。
グループディスカッションは、面接より想定しづらい部分が多いことも確かです。しかし、知識をつけて練習を繰り返すことで自信を持って挑むことができ、選考突破することは十分に可能です。
グループディスカッションは、多くの応募者をふるいにかける初期段階におこなわれることの多い選考です。その後の選考に進めるよう、この記事を何度も読み返してグループディスカッションを突破していきましょう。
キャリアアドバイザーコメント津田 祥矢プロフィールをみる
グループディスカッションを苦手に感じる原因として、チームの足を引っ張ってしまうことが怖いからという場合もあります。グループディスカッションでは、個人だけではなくグループ全体としても評価されるため、変な発言をするとマイナス評価になってしまうと気後れしてしまいがちです。
確かに、グループディスカッションはある程度慣れないと、うまく意見ができなかったり、立ち回れないことも多いです。しかしそれ以上に、まったく発言ができなかったり、チームのために動こうとする姿勢が感じられない方が評価に影響します。消極的な行動が、結果的にグループの足を引っ張ってしまうでしょう。
グループディスカッションが苦手でも、頑張る姿勢を見せることが重要です。発言すること以外にも、タイムキーパーなど重要な役回りはいくつかあるため、自分に合った動き方を事前に考えておきましょう。
そもそも、グループディスカッションに苦手意識をもつ学生は多いものです。積極的に発言しているチームメンバーも、実はグループディスカッションが苦手な可能性もあります。自分だけではなく、周りの学生も苦手ながら頑張っていると思えば、少し気が楽になるかもしれません。