ソフトウェア業界に必要なスキルって? 基本知識や志望動機例まで

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目次

  1. ソフトウェア業界の志望者はまずは基本知識の把握から
  2. まずは「ソフトウェア」とは何か知ろう
  3. オペレーティングシステム
  4. アプリケーションソフトウェア
  5. 知っておくと有利なソフトウェア
  6. ソフトウェア業界とは? 2つのビジネスモデルを押さえよう
  7. ①パッケージ開発
  8. ②受託開発
  9. IT業界の中のほかの業界との違いを把握しよう
  10. ハードウェア業界
  11. インターネット・Web業界
  12. 通信業界
  13. 情報処理サービス業界
  14. ソフトウェア業界の職種と仕事内容を解説
  15. プログラマー
  16. システムエンジニア
  17. ITコンサルタント
  18. 営業
  19. 押さえておきたい! 業界の現状と今後の動向
  20. トレンド①IoTの普及
  21. トレンド②クラウド化の促進
  22. トレンド③ビッグデータの活用
  23. トレンド④セキュリティの強化
  24. 課題①慢性的な人材不足
  25. 課題②労働時間の長さ
  26. ソフトウェア業界の将来性
  27. ソフトウェア業界で求められる5つのスキル
  28. ①パソコンスキル
  29. ②コミュニケーション能力
  30. ③プレゼン能力
  31. ④論理的思考力
  32. ⑤勉強意欲
  33. 身に着けておきたい有利な知識やスキル
  34. プログラミングスキル
  35. システムに関する知識
  36. アプリ開発に関する知識
  37. サーバー開発に関する知識
  38. 文理別で解説! それぞれで気を付けたいポイント
  39. 文系:勉強意欲や対人能力をアピールしよう
  40. 理系:技術+αのアピールが必須
  41. 志望動機で必ず入れたい「why」と「will」
  42. なぜソフトウェア業界で働きたいのか
  43. なぜその企業で働きたいのか
  44. 入社後に何をしたいのか
  45. ソフトウェア業界の5つの志望動機例文
  46. 例文①勉強意欲をアピール
  47. 例文②コミュニケーション能力をアピール
  48. 例文③文系学生
  49. 例文④理系学生
  50. 例文⑤営業職希望
  51. ソフトウェア業界の理解を深めて業界選びに活かそう

ソフトウェア業界の志望者はまずは基本知識の把握から

こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。

業界研究を進めている学生から、

「ソフトウェア業界ってどんな業界なんですか?」
「志望動機を作るのに、もっとソフトウェア業界の知識を付けたいです」

という相談を受けることがあります。

ソフトウェア業界は、IT業界の中に位置していて、学生に人気の業界です。専門的な知識が非常に多いので、「正直あまり理解できていない」という学生も多いのではないでしょうか。

この記事では、ソフトウェア業界のビジネスモデルから仕事内容、求められるスキルまで徹底的に解説していきます。志望動機例もありますので、参考にしてみてください。業界研究を始めたばかりの学生は業界の知識を深めるために、すでにソフトウェア業界に絞った学生はほかの学生と差をつけるために、ぜひ読んでみてくださいね。

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まずは「ソフトウェア」とは何か知ろう

ソフトウェア業界について知る前に、「ソフトウェアとは?」と思っている学生もいるのではないでしょうか。ソフトウェアとは、「パソコンやスマートフォンなどのコンピューターを動かすモノ」です。

たとえば個人向けだと文字入力ソフトや図表作成ソフト、法人向けだと経営管理ソフトなどがあります。ソフトウェアに共通しているのは、自分の作業をさらに良くするために、パソコンやスマートフォンにインストールして使うものだということです。

一口にソフトウェアといっても、さまざまな種類と役割があります。ここでは、代表的な2つのソフトウェアと、ほかに押さえておきたいソフトウェアをいくつか紹介しますね。

オペレーティングシステム

まずはソフトウェアの代表格「オペレーティングシステム(OS)」です。OSとは、スマートフォンやパソコンなどを動かすのに欠かせない基本的なソフトウェアです

たとえば、パソコンのキーボードを打つと文字が入力されますよね。マウスを操作するとカーソルが移動します。当たり前のような動作ですが、これらはすべてOSによって実現されているものなのです。

OSの例
  • Microsoft
  • Mac OS
  • android
  • iOS
  • Linux

アプリケーションソフトウェア

アプリケーションソフトウェアとは、特定の目的のためにOS上で動くソフトウェアのことです。私たちが普段呼んでいる「アプリ」の正式名称ですね。

アプリと聞くとスマートフォンのアプリをイメージしてしまいがちですが、たとえばパソコンでよく使うMicrosoftのWordやExcel、AdobeのPhotoshopやillustratorなどもアプリケーションソフトウェアのひとつです

OSとアプリの関係を、iPhoneを例にして考えてみましょう。iPhoneには、iOSという、Apple社が開発している独自のOSが組み込まれています。タッチに反応して画面が切り替わるなど、iPhoneが正常に動くのはこのiOSのおかげです。

そして私たちは、自分がさらにiPhoneを使いやすくするために必要なアプリをインストールしますよね。たとえばジョルテなどのスケジュール管理アプリ、Simejiなどの文字入力アプリなどをインストールしている人もいるのではないでしょうか。これらのアプリが、OS上で動くアプリケーションソフトウェアです。

知っておくと有利なソフトウェア

ほかにも、「ミドルウェア」「デバイスドライバ」「ファームウェア」というソフトウェアがあります。すべてパソコンやスマートフォンなどをスムーズに動かすために必要なアプリではありますが、OSとアプリに比べると少しマイナーなソフトウェアです。

この2つを正しく理解するだけでも大変かと思いますので、こちらはまずは名前とざっくりした知識だけを覚えておくようにしましょう。志望する企業で取り扱っていることがわかったときに、さらに詳しく調べてみるといいですね。

ミドルウェア
  • アプリケーションとOSの間にあるソフトウェア。OSの機能だけではアプリケーションソフトウェアが動くために必要な機能がカバーしきれない場合があり、そのときにお互いの動きをスムーズにするための補佐をしている。たとえばGoogle Chromeで「検索→検索結果表示」、という流れの中で、この検索結果を表示させているのはWebサーバーソフトウェアというミドルウェア。
デバイスドライバ
  • マウスやキーボード、モニターなどパソコンとかかわる周辺のハードウェアをOSが制御できるようにしてくれるソフトウェア。逆にいうとこういった周辺機器は、デバイスドライバなしには使えない。最近はハードウェアをつなげると自動的にデバイスドライバがインストールされるような仕様になっているため、デバイスドライバの存在はあまり意識されない。
ファームウェア
  • パソコンやスマートフォンなどのハードウェアのICチップやメモリなどにあらかじめ内蔵されているソフトウェア。大きな特徴はその機器以外では動作しないこと。基本的にハードウェアとセットになっているため。有名な例としては「BIOS(バイオス)」があり、パソコンの電源を入れるとOSよりも先に起動する。

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ソフトウェア業界とは? 2つのビジネスモデルを押さえよう

ソフトウェア業界の2つのビジネスモデル

ソフトウェアそのもののことがわかったところで、次はソフトウェア業界まで視野を広げてみましょう。多くの企業があるソフトウェア業界ですが、「パッケージ開発」と「受託開発」の2つに分けることができます。

この2つがどのように分類されるかはそのビジネスモデルの違いにあります。基本的にソフトウェア業界の企業がおこなう仕事は、「企業向けの業務システムをつくる」ことですが、作り方や売り方が大きく違うので、その点を重点的に見ていきましょう。

①パッケージ開発

パッケージ開発の企業は、ユーザーの困りごとや、必要としているソフトウェアの種類などのニーズを自社で汲み取り、直接的なニーズなしにソフトウェアを作り、そしてそれでしっかり利益を得なければなりません

ポイントは直接ほかの企業から「こんなソフトウェアを作ってほしい」と頼まれたわけではないところ。そのため、業界のなかでパッケージ開発をおこなう企業は全体の5~10%とかなり少なく、大手の企業が多いのが特徴です。

また、開発にあたり要件定義から販売までをすべて自社で完結させていることも特徴の一つですね。これには、自社技術を外部に出したくないという狙いもあります。

パッケージ開発をおこなっている企業
  • トレンドマイクロ
  • オービック
  • サイボウズ
  • オラクル

パッケージ開発は採用の難易度が高い

受託開発は企業から依頼されて製品を作るので、成果物に対して必ず利益が入ります。しかし、パッケージ開発はユーザーから依頼されたものではないので、必ずその製品が売れ利益が入るとは限りません。パッケージ開発をおこなう企業に大手が多いのはそのためです。

利益が上がらなくても経営に大きくかかわらないですし、そもそもネームバリューがあるので大幅に売れないことはあまりありません。大手である分、志望者は殺到します。未経験や新卒から入るのは正直難しいと言えるでしょう。

そのため新卒でソフトウェア業界に入る場合は、受託開発の企業に入社することがほとんどです。もし、パッケージ開発に携わりたい場合は、まず受託開発の企業に入り技術を身につけましょう。そしてその後、パッケージ開発の企業に転職する、というキャリアパスを描く人が多くいます。

②受託開発

受託開発は、パッケージ開発と違って、ほかの企業からの「こんなソフトウェアを作ってほしい」という依頼を受託してソフトウェアを開発しています。ほかの企業からの依頼があってソフトウェアを作るところがポイントでありパッケージ開発との違いです。

そのため、大企業から中小企業までさまざまな企業が存在しており、業界の90~95%ほどが受託開発の企業とされています。

受託開発をおこなっている企業
  • NTTデータ
  • 日立製作所
  • 富士通

複数企業で成り立つ階層状のモデル

ソフトウェア業界の階層状のビジネスモデル

たとえば、表計算ソフトを作ってほしいという依頼があったとします。依頼を受けた企業は、まずはどのようなソフトウェアを作るか、それにはどのような機能があるべきか、またできあがったシステムをどのように運用するかなどを検討してソフトウェアの設計図を作ります。

それができると、それを完成させるために、いくつもの企業に協力を依頼します。そして、その依頼を受けた企業も、依頼された分を完成させるために、必要であればさらに別の企業に協力を依頼するのです。

このように、受託開発でつくられるソフトウェアはいくつもの企業の力があって成り立つものが多く、受託開発は階層状のビジネスモデルになっています。

このとき、はじめにソフトウェア開発の依頼を受けた企業を「元請け」、その企業から協力を依頼された企業のことを「下請け」と呼びます。さらに元請けの企業から直接仕事を請けた企業を「一次請け」と呼び、その下に二次、三次…と下請けが続いていくこともあります。

IT業界の中のほかの業界との違いを把握しよう

IT業界の中のほかの業界

ソフトウェア業界は、大分類で見るとあくまでもIT業界の一部です。そしてIT業界の中にはソフトウェア業界のほかにもさまざまな業界があるので、選考では「どうしてソフトウェア業界を選ぶのか」という質問がされることも。

ソフトウェア業界を選ぶ理由をしっかりと固めるために、ほかの業界との違いも理解しておきましょう。

ハードウェア業界

先ほどから何回か話に出てきているハードウェアですが、ハードウェアが何か知らない人もいることでしょう。ハードウェアとは、「パソコンやスマホ、キーボードやマウスなどの機器のこと」です。ソフトウェアが目に見えないモノなら、ハードウェアは目に見えるモノといえるでしょう。ソフトウェアを入れるための箱と考えると良いですね。

ハードウェアは基本的にソフトウェアがなければただの箱です。逆に、ソフトウェアもハードウェアがなければ機能しません。ハードウェアとソフトウェアはお互いがなくてはその役割を発揮できないのです。

そしてそのようなハードウェアの企画や設計、開発から販売までをおこなうのがハードウェア業界です。ハードウェア業界の企業はソフトウェア業界の企業よりは少なく、入り口がせまいため、新卒で入社することは比較的難しいといえます。

インターネット・Web業界

インターネットを利用したサービスやインターネット上でサービスを提供する企業の集まりがインターネット・web業界です。Webサイトやインターネット広告の制作から、SNSやECなどさまざまな企業がこの業界の中に存在しています

トレンドの技術により、インターネット・Web業界の市場は今後もどんどん拡大していくでしょう。また、SNSやソーシャルゲームなどのさらなる発展も期待されています。

ソフトウェアとの違い

ソフトウェアと何が違うのか、あまりピンときていない学生もいるかもしれませんね。大きな違いは「インストールをするかどうか」です。

インターネット上でサイトを作ったり、広告を作ったりするのがインターネット・Web業界です。インストールして初めて使えるものを作るのがソフトウェア業界だと考えると良いでしょう。

TwitterやInstagramなどのSNSもインストールするのでは……と考えている人もいますよね。これらのSNSも、あくまでもWeb上で展開されているサービスで、使いやすくするためにアプリとしてインストールをしているのです。

通信業界

電話やインターネット、光ファイバー、無線など、通信インフラを扱う企業の集まりを通信業界といいます。固定電話に代表される固定通信や、スマートフォンなどの移動体通信、またISP(インターネットサービスプロバイダー)などが通信業界に含まれています。

名前の通り、通信にかかわる業界です。ソフトウェアをスムーズに動かすことにかかわっているものと考えるとわかりやすいかもしれません

通信業界ついてはこちらの記事でさらに詳しく解説しています。

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情報処理サービス業界

情報システムの構築や運用にかかわる企業の集まりが情報処理サービス業界です。ここまで説明したようなITサービスを支えているのが情報システム。電子化が進む現在で、暮らしや仕事においてITサービスは欠かせないものになってきています。

ポイントは、情報システムを設計し作り上げるだけでなく、ユーザーが安定して使えるように保守や運用もおこなっているところです

ソフトウェア業界との違い

ソフトウェア業界との違いをはっきりと理解するために押さえておきたいのが、SI(システムインテグレータ)。SIは情報処理サービス業界に所属する大手の企業がおこなうことが多いですが、企業の依頼に応じて、ソフトウェアやネットワークの開発をしたり、ハードウェアを集めたり、さらにはシステムの運用まですべてをおこないます。

つまり、情報処理サービス業界はIT業界のすべての業界にまたがっていると考えると良いでしょう。ひとつのITサービスをつくるのが情報処理サービス業界であり、その中の機能や要素のひとつであるソフトウェアをつくるのがソフトウェア業界です。

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ソフトウェア業界の職種と仕事内容を解説

ソフトウェア業界の主な仕事はソフトウェアの開発や設計をおこなうことです。多くの企業にあるようなこまごまとした経理や人事といった職種ももちろんありますが、ソフトウェア業界ならではの代表的な職種が4つあります。ひとつずつ解説していきますね。

プログラマー

一般的にプログラマー(PG)は、顧客に依頼されたソフトウェアを開発しています。システムエンジニアがつくった仕様書をもとに、C言語などのコンピューター言語を使ってプログラムを書いています

また、プログラムの中で発生したバグを発見することもプログラマーの仕事の一つです。たとえシステムエンジニアの計画どおりに設計しても、不具合が起こることもあります。さまざまなテストを繰り返しバグを発見・処理することで、完璧な状態で顧客にプログラムを納品します。

システムエンジニア

エンジニアと聞くと、ずっとパソコンとにらめっこしているイメージを持つ人や、そもそもプログラマーとの違いがわからない人もいると思います。

システムエンジニア(SE)は、ソフトウェア開発における一連のプロジェクトの監督のような役割をしています。顧客のニーズをしっかりと把握し、要件定義から開発までの流れを考えます。その後、ソフトウェアの設計図を作り、プログラマーに開発を依頼します。

システムエンジニアはプロジェクトの進行を指揮しています。ここまで聞くとマネジメントがメインの仕事かと考える人もいるかもしれませんが、システムエンジニア自身がプログラミングをする場合ももちろんあります。マネジメント能力に合わせてプログラミングの技術も必要な職種です。

プログラマーとエンジニアは何が違う?

プログラマーとシステムエンジニアの違いがいまいちわからないという人は、「家づくり」をイメージしてみましょう。

家を建てるときは、自ら作業しながらも作業員に指示を出す、現場監督のような人がいますよね。そしてその指示に基づいて必要な作業をおこなう作業員がいます。この場合でいう、「現場監督」がシステムエンジニアで、「作業員」がプログラマーです

ソフトウェア業界における技術者の総称がシステムエンジニアで、開発そのものにだけ携わる人がプログラマーだと考えてください。

システムエンジニアに興味のある学生はこちらの記事を参考にすると良いでしょう。

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ITコンサルタント

IT技術を活用して、企業が抱える課題を解決する仕事がITコンサルタントです。顧客の課題を把握し、その課題を解決するためにITをどのように使えばいいのか、解決方法を提案することで、企業の経営をサポートしています。

ITコンサルタントはシステムエンジニアやプログラマーのように、ものを作ることがメインの仕事ではなく、課題の解決が仕事であることが大きな違いです。

求められるスキルも技術ではなく課題解決力が重要視されるので、システムエンジニアなど他の職種で経験や知識を積んでから、ITコンサルタントになるというキャリアパスを歩む人が多くいます。

営業

ソフトウェア業界にも、ほかの業界と同じく営業職があります。自社のソフトウェアなど、製品の販売のほかにコンテンツなどのサービスの販売をおこなうことが主な仕事内容です。

ITコンサルタントと同じく、ソフトウェアを使って企業の課題を解決することになるので、ITの知識やスキルは一定持っておかなければなりません。

ほかの業界の営業職と大きく違うところは、提携を依頼することも主な仕事のひとつであること。受託開発の企業に多いですが、元請けの企業に、下請けとして仕事を請けるための営業活動もおこなっています。

ITコンサルタントと営業は何が違う?

ITコンサルタントと営業職の違いがよくわからない人もいますよね。この2つの仕事を区別するポイントは、「お金が発生するタイミング」です。ITコンサルタントは、その名の通り「コンサルティング」が仕事になります。つまり提案をすることが仕事になるので、「企業の課題にITを使った解決策を提示するとき」にお金が発生します。

営業は、ITコンサルタントと同じく提案はしますが、あくまでサービスや製品の販売が仕事です。そのため、「製品やサービスを受け取ってもらったとき」にお金が発生するのです。自身の提案を売るか、自社のサービスを売るか、何を売るかに目を向けて考えてもわかりやすいかもしれませんね。

逆に、どちらも顧客が企業であることは共通点といえます。いわゆるB to B、企業間取引をおこなう職種です。B to Bについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて確認しておきましょう。

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押さえておきたい! 業界の現状と今後の動向

IT業界、ソフトウェア業界は毎日目まぐるしく成長をしています。加えて、日常生活においても仕事においても、ITは欠かせない存在になってもいます。ソフトウェア業界に就職するにあたって外せないキーワードを踏まえながら、業界の現状と今後について解説していきます。

トレンド①IoTの普及

IoTとは「Internet of Things(モノのインターネット))」のことです。通信機能を持たないモノ同士が、インターネットを経由して通信することを意味します。

これまでは、インターネットはパソコンやスマートフォンなどのコンピューターをつなぐだけのものでした。しかし、これらのようなハードウェアなしに、これまでインターネットとは縁がないと考えられていたモノに通信機能を持たせて、遠くからでも操作や情報のやりとりができるようにする技術のことをIoTといいます。

スマートウォッチがその代表例です。腕時計に通信機能を持たせて、インターネットに接続したことで、腕時計なのにさまざまな操作ができるようになっていますよね。

また、最近は家電もIoT化が進んできています。たとえば、家で飼っているペットに外出先からいつでも食事をあげられるという家電があります。スマートフォンとその家電をインターネットで結ぶことで、スマホの動作一つでいつでも簡単にごはんがあげられるのです。出張や急な残業など、家を空けなければならないときでも、ペットの健康を守ることができますね。

そしてこのような動きは今後もより加速していくでしょう。ソフトウェア業界も、IoT化の波に対応して変化することが予測されると同時に求められてもいます

トレンド②クラウド化の促進

クラウド化とは、ざっくりいうとインターネットを経由してソフトウェアを利用することです。これまでのソフトウェアは自分でパッケージソフトを買い、パソコンにインストールして使うことが一般的でした。

しかし、たとえばデータ管理の面において、増え続けるデータを自分のソフトウェアにすべて保存することは、セキュリティの面でもキャパシティの面でも無理があります。また、自分の買ったソフトウェアに新しいタイプが出ると、アップデートや買い替えの作業が必要でした。

そこで登場するのがクラウドです。クラウド化するメリットは2つあります。まずはユーザーは最新版のソフトウェアを常に利用できることと、違う端末から利用しても、いつでも共通のデータを使うことができることです。利便性も安全性も高く、今後も拡大していくことが予測できます。

ライバルに差をつける! 専門知識を紹介

もう少し専門的な話も知っておきたい人は、クラウド化に関連してぜひ知っておきたいSaaSという単語も押さえておきましょう。これまではパッケージソフトとして個人で使うために提供されていた機能が、クラウドサービスとして提供されるようになったものをSaaSといいます。興味があればぜひさらに詳しく調べてみると良いですよ。

SaaS業界についてはこちらの記事でも詳しく解説していますよ。あわせて参考にしてみてくださいね。

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トレンド③ビッグデータの活用

ビッグデータは、「従来のデータベース管理システムなどでは記録や保管、解析が難しいような巨大なデータ群。明確な定義があるわけではなく、企業向け情報システムメーカーのマーケティング用語として多用されている。」(IT用語辞典)とのこと。量が多いだけでなく、さまざまな種類や形式を持ったデータの集まりのことです。

これまでよりも大量のデータが解析できるようになったことで、それぞれの顧客に対してもっとも合った情報を提供したり、提案をすることができるようになってきています。それに伴って、ソフトウェア業界では、マーケティングや営業を効率化できるような管理系のソフトウェアの開発が求められることも多くなってきているのです。

トレンド④セキュリティの強化

ビッグデータのように、大量のデータを保持できるようになったことで、データを適切に利用することが今まで以上に求められるようになりました。顧客一人一人に最適なマーケティングをおこなえるようになったということは、それだけ詳細な顧客情報が企業の手元にあるということですよね。こういった顧客や個人情報の流出は、企業の信用を大きく落とすことになります。

そのため、情報をしっかりと管理するための安全性の強化や、サイバー攻撃の対策など、セキュリティは企業にとって非常に重要視されるようになっています。セキュリティソフト市場は今後さらに成長していくでしょう。

課題①慢性的な人材不足

ITは、一人ひとつはスマートフォンを持つなど生活において非常に身近な存在です。また、先ほどお伝えしたIoTやビッグデータ、クラウド化などは、IT業界だけで求められているものではありません。このように、業界の垣根を越えて現在ではさまざまな業界でITの技術が求められるようになっています。

しかし、需要に見合うだけの量の人手がソフトウェア業界だけに限らず、IT業界全体で見てもまったく足りていないのも事実です。そして、少子高齢化の影響で、今後の労働人口はさらに減り続けていくことが予想できます。

人材不足は今後もソフトウェア業界に付いて回る問題でしょう。そのため、ソフトウェア業界では、業界への敷居を低くし未経験からでもプログラマーやエンジニアなどの技術職を積極的に採用しているのです

課題②労働時間の長さ

慢性的な人材不足も影響して、ソフトウェア業界で働く人々の労働時間はほかの業界に比べて長いと言われています。

特にその傾向は受託開発の企業に多く、受託開発にはパッケージ開発よりも厳しく「納期」が決められているからです。パッケージ開発はあくまで自社の中だけで開発をおこなうので、自社の社員だけで仕事が進み、納期についてそこまで厳しくはならないことが多いです。そのため、自然と残業も発生しにくいという傾向があります。それにひきかえ受託開発の場合は、さまざまな企業と提携してソフトウェアをつくるため、納期には非常に厳しく、納期前は特に長時間の残業が発生しやすい傾向があります。

しかし企業によっては「フレックス制」を導入しているところもあり、自分の進捗に合わせて勤務時間を自分で設定するなど、自由な働き方ができる業界でもあることは押さえておきたいですね

ソフトウェア業界の将来性

IT業界全体の発展に伴って、ソフトウェア業界も今後さらに発展していくことが予想されます。近年広まりつつあるテレワークの推奨など、ソフトウェアの導入を通じ、働き方を変革していくような取り組みが今後は増えていくでしょう。

また、スマートフォンの普及により、以前はなかった「android」や「iOS」などの新しいOSが誕生するなど、さまざまな種類のアプリケーションソフトウェアが次々に開発されています。

そのため、今後はどんどんと切り替わる顧客のニーズにすぐに対応できるような、スピード感のある開発が重要視されると考えられます。技術者のスキルが企業の売上や成長に直接的に結びつくような、さらに高度な知識が求められるでしょう。

ソフトウェア業界で求められる5つのスキル

ソフトウェア業界で求められる5つのスキル

「ソフトウェア業界で働くにはやっぱり技術が求められるのかな」といった学生からの相談が多々あります。もちろん技術はある程度求められますが、最近のIT需要により人手が求められているので、企業によっては未経験でも入ることのできる企業が多いのも事実です。それでは、ソフトウェア業界で働くためにはどんなスキルが必要なのでしょうか。ここではまずソフトウェア業界で求められる5つのスキルについて紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

①パソコンスキル

基本的なパソコンスキルはもちろん求められます。ただし、あくまで基本的なものになるので、たとえばブラインドタッチができる、Microsoft WordやExcelをある程度は使える、などといったスキルでかまいません。そのために、事前にMOSの資格などを取っておくとさらに良いですね。

MOSも含めたIT系の資格に関してはこちらの記事で解説しています。

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②コミュニケーション能力

ソフトウェアの開発作業は、どうしても個人作業と思いがち。しかし、実はチームで作業をしているのです。確かに、エンジニアやプログラマーが一人パソコンに向かってこつこつと作業する時間は長いですよね。しかし、個人の作業をまとめ、一つのソフトウェアをつくりあげるのはチームです。 

また、特にシステムエンジニアはソフトウェアの要件定義から仕事が始まります。顧客と向き合ってヒアリングをおこない、ニーズを正しく汲み取らなければなりません。そのため、ソフトウェア業界においてはコミュニケーション能力も欠かせないスキルだといえるでしょう。

しかし、ここで求められるコミュニケーション能力は一般的なものとは少しちがいます。一般的なコミュニケーション能力と、ここで求められるコミュニケーション能力を比較してみましょう。

一般的なコミュニケーション能力
  • 人見知りしない
  • 良好な人間関係が構築できる
  • はきはきと話せる
  • 人前でも緊張しない
ソフトウェア業界で求められるコミュニケーション能力
  • 必要な情報だけを伝える
  • 相手の意図を間違いなく聞き取る
  • そこで必要のないことは伝えない
  • 相手に誤解を与えない

一般的なものが「人と話すこと」に重点を置かれているのなら、ソフトウェア業界では「人の話を聞くこと」「間違いなく伝えること」が重要視されています。

たとえばソフトウェアのどこの部分をどう作るかチームメンバーに指示を出したり、進捗の報告をしたりするときに、必要な情報を確実に伝えることは欠かせませんよね。一般的に言われるコミュニケーション能力の部分に自信がなくても、必要な情報をを100%正しく伝えられることがアピールできれば良いのです。

③プレゼン能力

ソフトウェアと言語化がうまく結びつかない人もいるかもしれません。しかし仕事の中では、言語化をしなければならないことが多くあります。先ほどもお伝えしましたが、ソフトウェアは目に見えないものです。目に見えないものをチームで作り、そして顧客に提案しなければなりません。

言語化が必要になるのは、たとえば、顧客の課題をソフトウェアを使ってどのように解決できるか伝えるとき。また、その解決策であるシステムの設計図を、チームに共有するときなどがありますね。

自分で考えた解決策や設計図について自分がそのシステムや構成などを理解できていても、一緒にソフトウェアを作るチームに伝わるように、わかりやすく説明することができなければスムーズに作成に取りかかることはできません。

そのため、目に見えないものでも相手に理解してもらえるように、イメージや詳細などを言葉できちんと相手に伝える力が求められるのです

④論理的思考力

そもそも論理的思考とは、「ある目標のためには○○という理由で▽▽という作業をしなければならない。そしてその作業には●●という理由でこの材料が必要で、この材料を入手するには~~という理由でA社から購入するのがもっとも良い」と、行動とその理由とを筋道立てて考えること。そして、その行動をおこなうためにかかる時間や手間を考えて、手順を考えることも求められます。

この作業は特にエンジニアにとって非常に大切なものです。たとえば顧客の課題がひとつ見えたときに、エンジニアはまずその課題を解決するための方法を考えますよね。そして、その解決策にはどのような作業が必要かある程度細かくさらに考えます。

ある程度細かくすることで、それぞれの作業にどれだけの費用や時間、技術力が必要か、だんだんと見えてくるものです。そして、設計図を作成し、ほかのエンジニアや必要であればほかの企業へと仕事を分担していきます。

このように、依頼されたものを効率良く、かつニーズ通りに作成するために、論理的思考力はぜひ持っておきたいところです

⑤勉強意欲

ソフトウェア業界に限らず、IT業界はほかの業界よりも日々進化している業界です。技術革新が多く、そのとき最新技術でも、数か月後にはさらに最新の技術が生まれているということもよくあります。そのため、業界の進化に付いていけるよう、常に技術やスキルをインプットし続けなければなりません。ITの勉強が楽しいと思える、知的好奇心があることが求められます。

吉川 智也

キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる

プロジェクトを管理する力も重要なスキルの一つ

コミュニケーション能力が求められる理由は「チーム作業」で「顧客からのヒアリングが必要」だからとお伝えしました。このほかに「他部署と連携して仕事を進めていく」という理由もあることを押さえておきましょう。

ソフトウェア業界では、チームやクライアント以外に、社内の営業や運用の担当者とやり取りする機会が多くあります。営業担当者のなかにはクライアントの希望をそのまま受け入れて持って帰ってきてしまう人もいるので、「できる・できない」を含め、スケジュール調整やリソースの確保などのすり合わせが必要になります。また、すり合わせた条件に合わせてプロジェクトを進行させていくための「プロジェクト管理能力」も求められるスキルの一つです。

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早めに自分に合う仕事・合わない仕事を知って、就活を成功させましょう。

身に着けておきたい有利な知識やスキル

身に着けておきたい有利な知識やスキル

ソフトウェア業界に最低限求められるスキルはお伝えしましたが、ここからは身に着けておくと選考で有利になる知識を紹介します。少し専門的な知識が増えるので、経験者や理系の学生は特に頭に入れておきましょう。

プログラミングスキル

ソフトウェアを開発するプログラマーやシステムエンジニアに、プログラミングは必須のスキルです。もちろん未経験者でも入社できる企業においては、入社後に身に着ける技術にはなりますが、プログラミングを仕事にする以上早い段階から持っておいて損はないスキルですよね。

開発するものによって、プログラミングで使用されるプログラム言語が変わります。主に、Java・PHP・C言語などが一般的。そのソフトウェアの開発に必要な言語を使えることが求められます

システムに関する知識

ここでいうシステムとは情報システムのことです。依頼に沿ったプログラムを書くだけでなく、全体感を見越したプログラムを作ることが求められます。技術は常に進化しているものであり、それに伴ってユーザーのニーズも変わっていくものです。

今後、ユーザーのニーズに沿ってこのプログラムを拡張したり修正したりすることが予想されます。未来に要求されるニーズを予想して、プログラミングに取り組まなければなりません

アプリ開発に関する知識

プログラミングスキルに加えて、アプリ開発の知識も持っておくと良いですね。先ほども説明しましたが、ソフトウェアにはアプリケーションも含まれるので、アプリ開発をおこなっている企業も多くあります。

さらに一口にアプリとはいっても、企業で使う業務に関するものやスマホアプリなど、さまざまな種類がありますよね。また、アプリの種類によって開発に必要な知識が変わってくることも。そのため、アプリ開発に関する知識を少しでも持っておくと、後々役立ちますよ。

サーバー開発に関する知識

サーバーとは、ハードウェアの一つです。サーバーという箱に、サーバーとして機能するためのソフトウェアを入れることで初めてサーバーとして成り立ちます。そのため、特に技術者はサーバーに関する知識を持っておきたいところ。

サーバーは、ユーザーの動作に応じてデータなどを提供しています。ここでは一つ一つを詳しく説明することはしませんが、Webサーバーやデータベースサーバー、アプリケーションサーバーなどさまざまな種類があるので、ぜひ押さえておきましょう。

文理別で解説! それぞれで気を付けたいポイント

ソフトウェア業界を志望するにあたって、文系学生と理系学生ではアピールするべきところが変わってきます。それぞれでアピールしたい部分をまとめたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

文系:勉強意欲や対人能力をアピールしよう

文系学生は基本的に未経験である場合が多いので、知識やスキルについてアピールができずに困っている学生もいるかもしれません。しかし、現在は未経験者を受け入れてくれる企業も多くありますし、技術力以外にも求められるスキルは多くあります。たとえば、コミュニケーション能力など、チームとして動くために必要なスキルは備えているというアピールをするのもいいですね。

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おすすめアピールポイントは勉強意欲です。ソフトウェア業界において学び続けることは欠かせないので、専門的な知識はこれから学んでいきたいというように説明するといいですね。

このときのポイントが2つ。先に業界の知識をいくつかつけておきましょう。先に業界の現状や動向、トレンドなどを押さえておき、自分の中で仮説を作ります。面接などで、「現在ソフトウェア業界は○○な現状ですが~」などというように要所要所で知識を盛り込むと、勉強意欲のアピールに説得力が付きますね。

また、何か資格を持っておくのも良いでしょう。文系の人は一般的に理系よりも暗記系が得意といわれていますから、付け焼刃でも付けておくと有利に進むかもしれません。おすすめはITパスポートです。専門性に特化した資格ではないですが、一定の知識は付けることができます。現在はIT系の企業のみで求められるものでもなくなってきているので、就活全般において活きることもありますよ。

理系:技術+αのアピールが必須

理系の学生は、逆にスキルを持っていることが前提として選考が進みます。まずはこのようなスキルや経験があるとアピールしましょう。その際、自分で何か作ったものや、ポートフォリオなどをまとめておくと良いですね。

前提として技術がある以上、そこに加えてさらに何かアピールをすることが求められます。もちろん、先ほどお伝えした求められるスキルを挙げても良いでしょう。特に、文系に比べて理系は論理的思考が得意な傾向にあるといわれています。文系がおこなう勉強は暗記をすることが多いですが、理系の勉強は、理解をしたうえで問題を解くものが多いので、「問題を理解して解決に導く」ことには慣れていると考えられます。そのため、論理的思考力は強いアピールポイントになりますね。

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「有利に働くスキル」もどれか持っておきたいですね。経験者である以上、即戦力として見込まれている可能性があります。何かしらの知識があることもアピールできれば、企業からの期待も評価も高まりますよ。

理系学生の対策についてはこちらの記事も併せて確認してみてください。

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あなたが受けないほうがいい職業は?
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入社後の早期離職を避けるためには、自分に適性のある職業を選ぶことが大切です。しかし、それがどんな職業なのかが分からず悩む人も多いでしょう。

そんな人におすすめなのが「適職診断」です。40の質問に答えるだけ適性のある職業や受けないほうがいい職業を診断できます

自分に適性のある職業を早めに知って、就活を成功させましょう。

加藤 大智

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文理どちらも「対人能力」は欠かせない!

文系・理系どちらも対人能力のアピールはぜひしておきたいところ。ソフトウェア業界でよく起きるトラブルの原因は「伝えるべきことが伝わっていない」ことです。そのため、人と人の間に入って、しっかり情報を伝達できたり進捗を報告できるスキルはアピールポイントになります。

「人と話すのが苦手なんだよな…」という学生も多いですよね。話すことが苦手でも、メールやチャット、資料などで要点が漏れないように書くことができるのなら、ソフトウェア業界に必要な「コミュニケーション能力がある」とアピールすることができますよ。もし漏れたとしてもその後にフォローできる人は人あたりのよさが魅力です。対人能力の切り口はさまざまなので、さまざまな視点から対人能力を見て、自分が持っているスキルをアピールすると良いでしょう。

志望動機で必ず入れたい「why」と「will」

志望動機で必ず入れたい「why」と「will」

ソフトウェア業界への志望動機を考えるにあたって、絶対に盛り込みたいところを説明します。この「なぜ」と「何」が深掘りできていると、企業にも志望度の高さが伝わるほかに、自分でも志望理由を整理しやすくなります。

志望動機全般に関しては、こちらの記事で解説しています。この内容を踏まえて、ここではソフトウェア業界で使える志望動機について説明していきますね。

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なぜソフトウェア業界で働きたいのか

IT業界にはほかにも業界があるのに、なぜソフトウェア業界を選ぶのかは盛り込みたいポイントです。ITの技術は毎日進化を遂げていますが、それだけでは「ソフトウェア業界」独自の理由にはなりません

ソフトウェアは、コンピュータで処理をおこなうさまざまなプログラムであって、ソフトウェアがなければパソコンもスマートフォンもただの入れ物です。そのため、コンピュータを動かすにあたってソフトウェアは非常に重要な役割を持っています。

また、IoTやクラウド化、ビッグデータなど、業界のトレンドは今後もさらなる発展を遂げるでしょう。特にクラウド化とビッグデータは、ソフトウェアが大きくかかわっているものになります。

このあたりに触れられると、ソフトウェア業界を志望する理由に納得感が付きますね。

なぜその企業で働きたいのか

ソフトウェア業界に限らず、どこの企業を志望するにあたっても、「その企業でなければならない理由」というのはとても大切です。なぜその企業で働きたいのかを言葉にしてみましょう。

たとえば、未経験の人なら、その会社独自の研修制度に惹かれる人もいるでしょう。または、自分もよく利用するアプリケーションを作っているから、というのもその企業を選ぶ理由になります。働く環境に目を向ければ、「最先端の設備が整っているからその企業がいい」という人もいるかもしれません。

今出した例はあくまで一例ですが、「なぜ」がうまく出てこない人は、このような視点で物事を考えてみると、言葉にしやすくなるかもしれません。

入社後に何をしたいのか

ただ「入社したい」と述べるだけでは、今後の意欲があまり感じられないものです。意欲を感じさせるには、入社後にやりたいことを伝えることが欠かせません。

とはいえやりたいこととはどんなことを伝えるといいのでしょうか。いくつかの視点から考えてみましょう。たとえば、自分自身が手を動かしてやりたいこと。人の役に立つアプリを作ってみたい、その道の技術を磨きたいなどがあります。また、就職後の自分がどうなりたいを考えてみるのでもいいですね。業界の最先端でエンジニアとして活躍したい、など、具体的な将来像を話すのでもかまいません。

将来像を考えるときは、こちらの記事を参考にしてみましょう。

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鴨川 未奈

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自分の考えや実績を言葉にして伝えよう

ほかに志望動機には、「IT関連の自己アピール」を入れておきたいところ。企業は志望動機を通じて「なぜ自社に入社したいか」を見ています。IT関連に関する自己アピールを盛り込むことで、入社意欲に説得力をもたせることができますよ。

たとえば、「アプリが作りたいからです」と言うよりも「〇〇という考えで自分でアプリを作っていました。自分のスキルを活かしつつも、質の高いアプリをリリースされている御社でさらにさまざまなアプリを作りたいからです」というように、自分の実績や考えを盛り込んで自分を売り込みましょう。また、技術の高い学生は「差し出がましくならないように、モノを見て自分を判断してもらおう」と考える方もいますが、論理的思考力や言語化能力をアピールするためにも、自分の強みは言葉にして伝えるのがおすすめですよ。

ソフトウェア業界の5つの志望動機例文

それでは実際に、ソフトウェア業界を志望する学生の志望動機例を紹介します。上でお伝えした「なぜ」と「何」の部分に注目しながら、それぞれの志望動機を見ていきましょう。

例文①勉強意欲をアピール

例文

ソフトウェア業界は、クラウド化やビッグデータなど、すべての企業にとって今後重要になる技術を扱っている業界だと考えております。その中でも御社は、特に、教育に力を入れていると考えたために志望いたしました。

現在はITパスポートの資格を取得しようと勉強をしております。そこで感じたのは、自分なりに試行錯誤してみるからこそ、より知識が自分のものになっていくのだということです。これは、御社の「自ら学び、自ら考える」という研修システムに納得するものであり、そのような研修のもとで、詳しくITに関する知識を学びたいと考えるようになりました。

入社後は、自ら学ぶ姿勢を忘れずに、これまでよりも知識の取得に励み、早く一人前のエンジニアになれるよう努めます。また、その知識を活かしてお客様からも信頼されるエンジニアになりたいです。

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資格の取得についても触れられており、勉強意欲がとてもよくアピールできています。教育に力を入れている企業に対し自身の勉強意欲をアピールするのは、その企業ならではの理由にもつながるので、企業選びにも学生の軸が見えますね。

例文②コミュニケーション能力をアピール

例文

御社が掲げている「表面的ではなく根本的な課題から解決する」という理念に共感したため、御社を志望いたしました。私は、人とのコミュニケーションが非常に好きです。その中でも、学生時代のアルバイトを通して、誰かの喜ぶ顔を見ることが私のやりがいになっていると感じております。

エンジニアは、直接的に人の課題を解決し、笑顔になってもらえる職だと思っており、その中でも昨今は特にソフトウェアの技術の革新が進んでおります。さまざまな技術を駆使して、お客様の課題の解決のためにもっとも尽力できるのはソフトウェア業界ではないかと考え、この業界を選びました。

指示通りにプログラミングをするだけではなく、顧客の課題に寄り添い、顧客と並走しながら課題の解決がおこなえるようなエンジニアになりたいと考えています。そのためにコミュニケーション能力を活かして、クライアントの根本的な課題まで解決できるように努力していきたいです。

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その企業を選んだ理由と、自身の経験とがしっかり結びついており、とても説得力のある志望動機になっています。「なぜ」と「何」もすべて組み込まれており、全体的にとても納得感がありますね。

例文③文系学生

例文

御社を志望した理由は、御社が農家や個人経営の食料品店などに特化したサービスを手がけていることに魅力を感じたからです。このような個人経営の方々は、ITを利用し自ら商品をアピールすることができていないのが現状です。

私自身、大学時代には商学部で学んでおり、付近の地域の方と街おこしのイベントを企画・開催した経験があります。そこで、地域や個人が作っている食べ物の魅力に気づかされました。そのため、私が感じたこの魅力を、ITの力を使って広く世に広めたいと考えております。エンジニアとしての知識や技術は現在持っておりませんが、早く御社で学び、知識や技術を幅広く身に着けたいと感じております。学生時代の学びも活かしつつ、一日でも早く御社のエンジニアとして、御社と、顧客に貢献できるよう、技術面でも成長したいです。

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学生時代の学びが企業選びの理由に直結しているのがとても良いです。これなら、文系でもネックになる必要はありませんね。勉強意欲もしっかりアピールできており、高評価をもらえるでしょう。「どのようなソフトウェアを作りたいのか」にさらに言及してみるとより良くなりますよ。

なお、商学部の学生の就職先が気になる人は以下の記事を参考にしてくださいね。

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例文④理系学生

例文

私は、人の役に立つモノを自分で作って、多くの人に届けたいという思いからエンジニアを志望しています。そのため、御社の「自由に自分のアイデアを発信できる」という点に惹かれました。

学生時代には、あるIT企業でインターンに参加し、「神経衰弱アプリ」と「スケジュール管理アプリ」などを開発したことがあります。アプリは、ITの中でも人の生活に大きくかかわるものだと感じているため、ソフトウェア業界を志望しました。開発の際に感じた、0から1を作る達成感や、自分が作ったものが誰かの役に立つことの喜びが、今でも強く印象に残っています。御社では自分の知識も活かしつつ、新たな知識もどんどん吸収して、人の役に立つアプリを生み出したいです。

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学生時代の経験と業界の関連性がしっかりとついており、ただの興味ではなく自分のスキルと照らし合わせた志望動機になっていることがよくわかります。その企業と自分の価値観が合っていることと伝えられているのもとても良いですね。さらに、最後にはしっかりと勉強意欲について触れられていて、非常にまとまりが良いです。

例文⑤営業職希望

おそらくエンジニアなど技術職を希望する人が多いかと思いますが、営業職希望の人もいると思うので、技術職以外の志望動機も用意しました。

例文

私は、さまざまな業界に必要とされる「細かい要望にも応えるソフトウェア」の開発に携われることに魅力を感じ、御社を志望しました。

学生時代のアルバイトでは、売上やスタッフの勤怠などをExcelを使って管理しておりました。しかし、もう少しこのような機能があればいいのに、と思うことが多くありました。そのため、どんな点が使いづらいのか、仲間や店長に細かく聞き込み、全員の求めているものに近い、さらに利便性の高いアプリを見つけることができました。この経験は、御社での営業の仕事に活かせると感じています。

また、御社は、本人のやる気次第で若いうちからさまざまなことに挑戦させてもらえることが魅力だと感じています。困ったことをそのままにしない実行力と、先の経験で培ったヒアリング力を活かして、営業職としてお客様の課題を解決できるよう努力したいです。

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過去に経験した疑似営業体験が、営業職を志望する根拠として非常に強く、魅力的です。また、ソフトウェアがどんなものかしっかりと理解できていることが伝わるので、この業界を選んだ理由もしっくりきますね。

営業職を希望する人は、こちらの記事も併せて読んでおきたいところ。営業職ならではのコツが詳しく解説されていますよ。

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ソフトウェア業界の理解を深めて業界選びに活かそう

ソフトウェアは、パソコンやスマートフォンを使うのに非常に大切な役割を持っています。そのため、それを開発するソフトウェア業界の需要は高く、とてもやりがいのある仕事だといえるでしょう。また、技術の革新に伴い、ソフトウェア業界は今後さらに発展していくと考えられます。

業界の知識から現状や今後の動向まで、ソフトウェア業界をよく知って、業界選びに活かしましょう。

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