目次
- 鉄道業界の職種や求められる人物像を理解して志望動機を考えよう
- まず押さえたい! 鉄道業界の3つの基礎知識
- 鉄道業界のビジネスモデル
- 鉄道業界の会社分類
- 鉄道業界で活躍する職種
- 鉄道業界で求められる人材とは?
- ①時間管理が得意な人
- ②対応力のある人
- ③責任感の強い人
- ④チームでものごとを進めるのが得意な人
- 例文5選! 鉄道業界の志望動機を職種別に解説
- OK例文①管理・整備
- OK例文②営業・販売促進
- OK例文③サービス開発
- OK例文④サービス提供
- OK例文⑤不動産開発
- 3ステップ! 鉄道業界の魅力的な志望動機の構成
- ①鉄道業界を志望する理由を述べる
- ②なぜその企業が良いと思ったのか説明する
- ③入社後にしたいことや貢献できることを話してまとめる
- 鉄道業界の志望動機を差別化するコツ
- ①鉄道業界のトレンドを押さえる
- ②「安全」への強い意識をアピールする
- ③地域社会への貢献意欲を語る
- 鉄道業界を目指すうえで理解しておきたい業界トレンド
- 非鉄道事業を加速させて多角化経営へ
- 人口減少を見据えて海外展開強化
- 国内はMaaSに注力
- NG例文付き! 鉄道業界の志望動機で注意すべき4つのポイント
- NG例文①インフラ事業は安定している
- NG例文②鉄道が好き
- NG例文③ほかの企業にも当てはまる
- NG例文④自分がどう貢献するか触れていない
- 差別化ポイントをふまえて自分ならではの鉄道業界の志望動機を作ろう
鉄道業界の職種や求められる人物像を理解して志望動機を考えよう
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。就活生から
「鉄道業界に興味はあるものの、志望動機をどのように書けば良いかわからない」
「鉄道会社の採用担当者に響く魅力的な志望動機の作り方を知りたい」
という声を多く聞きます。鉄道業界は学生に人気の高い業界のため、魅力的な志望動機の作り方を知って、差別化を図りたいものですよね。
魅力的な志望動機にするには、まずは業界の理解を深めることが大切になります。そのため、業界の職種や求められている人物像を理解したうえで、志望動機を作成していきましょう。
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まず押さえたい! 鉄道業界の3つの基礎知識

就活生

キャリアアドバイザー
確かにそうなのですが、実は電車や新幹線以外にもさまざまなビジネスモデルが存在していますし、車掌以外の職種も豊富にあります。会社もJRだけではないのです。

就活生
そうだったのですね。てっきり事業や職種の種類が少ない業界なのだと思っていました。

キャリアアドバイザー
意外に感じますよね。鉄道業界を志望するなら、まずはこのような事業内容などをしっかり知っておく必要があるので、まずは基礎知識から学んでいきましょう。
鉄道業界のビジネスモデルや会社分類、職種は多岐にわたります。それぞれ特徴や向き不向きが異なるため、まずは簡単な概要を理解していきましょう。
概要が理解できたら、気になるものをさらにリサーチし、業界理解を深めてくださいね。
鉄道業界のビジネスモデル
- 在来線・ローカル線事業:新幹線以外の鉄道を指す「在来線」や、地方を走る「ローカル線」に関する事業。収益はそれほど多くなく、ローカル線においては赤字路線も存在する
- 新幹線・特急事業:新幹線や特急を利用した事業。鉄道業界の収益の柱だが、ニーズの少ない地域においては赤字になることもある
- 貨物輸送事業:JRグループの路線を利用して貨物を届ける事業。日本貨物鉄道が手がけており、これまでは赤字体質だった
まずは、鉄道事業の概要を紹介します。鉄道業界には、実は旅客輸送や貨物輸送をおこなう事業だけではなく、さまざまなビジネスモデルが存在します。大きく分けると鉄道事業と非鉄道事業の2種類です。
鉄道事業のなかでは新幹線・特急の収益性が最も高い状態です。また、ローカル線においては赤字路線があるものの、地域の人々の生活を支えるために運用が続けられています。
続いて、非鉄道事業のビジネスモデルの紹介です。
- 駅ナカ・不動産開発事業:駅の中や駅周辺などの不動産を開発する事業。通勤・通学時に駅を利用する人が利用するため、収益につながりやすい
- 金融・決済サービス事業:SuicaやPASMO、ICOCAといった交通系ICカードに紐づく事業。駅での決済時だけではなく、駅以外の店舗やインターネットでも利用できるようになったため、その手数料でも利益を得ている
- 旅行代理店事業:新幹線での旅行客を増やす目的で行われている事業。新幹線に空席が発生すると収益が減るため、パックプランなどを提供して利用者を増やしている
非鉄道事業は、鉄道事業に比べて利益が出やすいのが特徴です。また、駅ナカ・不動産開発事業は魅力的な街づくりにもつながるため、鉄道利用者を増やすことにもつながります。

キャリアアドバイザー
鉄道業界は、このようにたくさんの事業で成り立っています。どの事業を志望するかで志望動機が変わるため、あらかじめ担当したい事業をピックアップしておきましょう。
鉄道業界の会社分類
- JR:日本国有鉄道が分割民営化されたときにJRグループが継承したもの。北海道、東日本、西日本などの6つの旅客事業会社と貨物事業会社である「日本貨物鉄道」の総称として呼ばれる。長距離路線があることが強み
- 私鉄:東部電鉄、東京メトロなどJRグループ以外の民間企業が経営している私営鉄道のこと。短距離の路線が中心で、駅や路線周辺で積極的に不動産経営をおこなっているのが特徴
- 第三セクター:国・地方公共団体(第一セクター)、民間企業(第二セクター)が合同で出資している企業である「第三セクター」が運営する鉄道会社。国や地方自治体からの補助金を得やすく、民間企業の経営ノウハウも活かせる
- 公営鉄道:地方公共団体などの公的機関が運営する鉄道路線のこと。ほとんどは大都市の地下鉄にあり、整備コストがかかったり不動産開発がしにくかったりすることから、収益は見込みにくい
鉄道業界の会社は、大きく分けて4つに分類されます。それぞれの会社の特徴を見ていきましょう。

キャリアアドバイザー
鉄道会社ごとの特徴を簡単に理解したうえでそれぞれの企業の研究を進めると、さらに理解が深まります。また、会社の種類ごとの特徴を比較することで「なぜその会社が良いのか」が伝わる志望動機を考えやすくなりますよ。
鉄道業界で活躍する職種
- 管理・整備:車両の保守・点検や信号通信設備の監視、線路や土木構造物の保守・点検、車両の整備計画の立案などをおこなう職種。正確さを大切にできる人に向いている
- 営業・販売促進:鉄道の利用者や駅周辺の施設の利用者などを誘致する職種。具体的には広告を用いたPR活動などをおこなう。企画の発想力やマーケティング力が求められる
- サービス開発:鉄道事業に関係するサービスを企画して検討する職種。利用者のニーズなどを分析したうえで改善をおこなう。相手の立場でものごとを考えられる人に向いている
- サービス提供:運転士や車掌など、実際に鉄道を動かす職種。車両や駅に対して指令を出して管理する人もいる。冷静な判断力が必要となる
- 不動産開発:鉄道の利用者を増やすために、駅や路線の周辺の土地の不動産を整理・開発する職種。資金が巨額になることが多いため、責任感がある人が向いている
鉄道業界には、管理・整備や営業・販売促進などさまざまな職種があります。職種ごとに業務内容はもちろん、必要な資質が異なるため、自分に合った職種を探してみましょう。

キャリアアドバイザー
志望動機では入社後にやりたいことまで伝える必要があります。そのため、志望職種を決めたら実際の職務についてさらに深く研究し、将来のビジョンと結びづけて志望動機を考えてみましょう。
キャリアアドバイザーが読み解く!鉄道業界の理解度を上げるコツ
鉄道会社のパートナーを調べて全体像をつかもう
鉄道業界は幅広くビジネスを展開しているため、全体像をつかむのが難しいと感じる人もいるでしょう。そのようなときは、鉄道会社のパートナー企業を調べてみると良いですよ。
その鉄道会社とパートナー関係にある企業や関連ニュース、出資している事業などを調べてみましょう。鉄道業界に詳しくない学生でもよく知っている身近な企業がかかわっていたりと、鉄道会社がどのような取り組みをしているのかイメージがつきやすくなります。
たとえば、JR西日本を調べると、パートナー企業やスポンサーをしているスポーツチーム、新規事業に参画するベンチャー企業募集記事などの情報が出てきます。このように鉄道会社のパートナーを調べることで、グループ会社や挑戦しようとしている事業などが把握しやすくなり、鉄道業界の理解を深めることに役立ちますよ。
鉄道業界で求められる人材とは?

就活生
鉄道業界の職種って結構幅広いものなのですね。そんな鉄道業界では、どのような人材が求められているのでしょうか。

キャリアアドバイザー
それは気になるポイントですよね。それでは具体的に4つの特徴を解説します。自分に当てはまるものがあったら、それを企業に積極的に伝えてみてくださいね。
鉄道業界を志望する際に大切なのは、鉄道業界で求められる人材を正しく理解することです。知っていれば、自分がどこに合致しているかアピールしやすくなります。
また、ここでは一般的に鉄道業界で求められる人材を紹介するため、ほかにも企業特有の求める人物像があるかもしれません。そのため、下記の記事で解説している方法を参考に、企業特有の求める人物像がないかも確認してみてくださいね。
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①時間管理が得意な人
- 鉄道の運行業務
- 鉄道の運行状況を管理する業務
- 貨物の輸送や鉄道の運用計画を立てる業務
鉄道業界では、時間管理に長けている人が求められます。というのも、鉄道はダイヤが決まっており、その計画通りに電車や新幹線を運行する必要があるからです。
具体的には、細かい時間管理が必要となる業務で時間管理能力を活かせます。
また、時間管理能力をアピールしたいなら、普段の生活のなかでも計画性を大切にして行動していることを伝えるのがおすすめです。さらに「不測の事態で時間が足りなかった場合、自分ならどう行動するか」も伝えられると、時間管理に必要となる臨機応変な対応力もあると感じてもらえるでしょう。

キャリアアドバイザー
時間管理が苦手だけれど選考でアピールしたい人は、1日のスケジュールを細かく決めて行動してみるのも良いかもしれません。今は得意ではなくても、努力する姿勢は選考でも高評価につながりますよ。
また、時間管理能力があることを伝えたいなら、以下の記事を参考に計画性をアピールするのもおすすめです。
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②対応力のある人
- 鉄道の運行中に起きた車内トラブル対応業務
- 鉄道の運行中に起きた事故や故障の対応業務
- 鉄道のホームで起きた利用者同士のトラブルの対応業務
- 高齢者などサポートが必要な人の対応業務
鉄道業界の事業や職種は多岐にわたり、最初に配属された部署で働き続けられるとは限りません。そのため、どの事業や職種でも活躍できるような対応力のある人が、鉄道業界では特に求められます。
またそれだけでなく、鉄道業界の業務はイレギュラーがつきものです。何かトラブルが起きても冷静に対応し、解決していく力が必要となります。
極力ダイヤを乱さず、利用者のスケジュールに影響を与えないようにするためにも、対応力は重要です。

キャリアアドバイザー
「今は対応力に自信がない」という人は、積極的に新しいことに挑戦したり新しい人と出会ったりし、現状とは違う環境に身をおく練習をすると良いでしょう。新しい環境に触れ続ければ、大抵のことに関しては焦らず対応できるようになるはずですよ。
なお、対応力のアピールの仕方は以下の記事で解説しているので、志望動機を作成する際の参考にしてくださいね。
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③責任感の強い人
- 鉄道の運行業務
- 鉄道の運行状況を管理する業務
- 車両の保守・点検業務
- 車両の整備計画の立案業務
- 鉄道の運行中にトラブルが発生したときの指示業務
鉄道業界では、責任感を強く持てる人が必要とされています。
もちろん責任を持って仕事をすることは、どの業界においても重要です。ですが、利用者の命を預かる鉄道業界においては、特に安全に対する意識を高く持つ必要があります。
また、不動産開発事業においても、大きな額の取引がおこなわれるため強い責任感が必要となります。

キャリアアドバイザー
責任感の強さとは、どのような状況でも責任を持って判断を下せる力だともいえます。そのため、責任感の強さに自信がない人は小さなことでも自分で判断を下す習慣をつけ、責任を持つことに慣れることから始めてみましょう。
なお、責任感をうまくアピールする方法は以下の記事で解説しているので、参考にしてみてください。
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④チームでものごとを進めるのが得意な人
- 鉄道の運行業務
- 鉄道の運行状況を管理する業務
- トラブルが発生したときの運転士と車掌、指令員の連携業務
- 事故や故障が発生したときの整備士のメンテナンス業務
鉄道業界で働くためにはチームワークも大切です。鉄道業界の業務にはさまざまな人がかかわっており、鉄道の運行一つとっても運転士・車掌・駅員・整備士などが協力しないと成り立ちません。
チームとして協力し合うからこそ、安全に鉄道を運行することができます。特に以下の業務をおこなう際は、チームでものごとを進めていくことが重要です。イレギュラーな事態が発生したときにも関係者と適切に連携を取り、迅速に行動することが求められます。

キャリアアドバイザー
自分にチームワークがあるか不安な人は、小さなことでも良いので学生時代に複数人で過ごした経験がないか思い出してみましょう。そのとき、周囲のことを考えて行動したことがあれば、チームワークがあると自信を持って良いはずですよ。
なお、チームワークのアピールの仕方については以下の記事で解説しているので、参考にしてみてください。
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キャリアアドバイザーが読み解く!鉄道業界で求められる人物像
「人命を預かっている」という強い責任感が求められる
ここまで鉄道業界で求められる人材について解説してきましたが、そのなかでも特に責任感の強い人材が求められています。
なぜなら、鉄道の仕事に携わる人は「人命」を預かっているからです。人命を守るためには、ただ電車が好きというだけでなく、正確な技術が不可欠です。たとえば、運転士は担当線区の線路の角度や信号機設置場所が書かれた配線図を記憶し、車両の知識を深め、運転ルールも完全に身に付けなくてはいけません。
ほかにも、鉄道運営にかかわる建物を保守する部署では、夜間に貨物列車が動いているなか、保守工事のために鉄道を止めたり電気を止めたりする必要があります。これらは一つ間違えるだけで事故につながりかねない、責任重大な業務です。
責任感の強さは時間管理の徹底にもつながる
また、人々の生活を支えるという点において、鉄道業界は数分の遅れも許されにくいとも言えます。そのため、鉄道業界では強い責任感があり、時間管理が得意な人材が好まれる傾向にあります。
例文5選! 鉄道業界の志望動機を職種別に解説
ここからは、鉄道業界の志望動機の例文を職種別に解説していきます。
ジョブローテーションが多い鉄道業界ですが、エントリーの際に希望する事業分野を選ぶ必要がある企業もあります。この場合、志望する事業に合った志望動機が提出できると魅力的ですよ。
また、管理・整備の仕事のように専門性が高い職種では、理系の特定の専攻の学生のみがエントリーできる場合もあります。それぞれの職種に合わせた例文を参考にして、自分の志望動機をより良いものに仕上げてくださいね。
ほかの業界の志望動機も参考にしたい人は、以下の記事もチェックしましょう。
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業界別の志望動機例文 まずは業界別の志望動機です。業界を大きな15のグループに分類してまとめているので、あなたが目指している業界や、同じジャンルの業界の志望動機をぜひ参考にしてみてくださいね。 サービス 医療・福祉 IT […]
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OK例文①管理・整備
私は、安全な鉄道運行を支える管理・整備の仕事をしたいと考え、御社を志望いたしました。日本の鉄道は秒単位の正確さで運行され、海外からも高く評価されています。この日本の誇るべき鉄道事業に技術の面から貢献したいと考え、大学では機械工学を学びました。御社は、安全・正確な鉄道運行のための車両開発にも積極的に投資していると知り、魅力に感じています。
私も大学で学んだ知識や研究で養った継続力を活かし、まずは整備の現場で車両のことを知りたいです。そして、将来は車両の設計の場で活躍できるよう努力したいと考えています。

キャリアアドバイザー
企業の投資戦略と自分のやりたいことがマッチしていることがよくわかる例文です。今後のキャリアプランが具体的に示されていることで、入社意欲も伝わりやすくなっていますね。
※選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
高評価な志望動機を厳選!「志望動機例文集」
OK例文②営業・販売促進
私は、電車に乗ることの楽しさや魅力を顧客にわかりやすく伝えたいと考え、御社の営業企画職を志望いたします。御社の鉄道はほかの鉄道と比べて、季節に合わせたラッピング電車やご当地アニメ作品とのコラボレーション電車など、旅を楽しくする工夫がたくさん施されています。
このように電車を目的地までただ移動するだけの空間にせず、楽しんでもらおうとする御社の姿勢に、私は強く共感しました。入社後は、演劇サークルで脚本を書いていた経験を活かし、今までにない魅力的な企画を提案して電車の楽しみ方を広めていきたいです。

キャリアアドバイザー
企業の特色をよく調べて理解していることや、自分には何ができるのかまで考えていることから、志望度の強さがアピールできています。同時に志望企業への思い入れも伝わるため、選考で好印象を抱いてもらいやすいはずですよ。
また、営業職志望の人はこちらの記事も参考にしましょう。
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競争が激しい営業職は志望動機の差別化が重要|アピールのコツも解説
営業職は競争が厳しいので、具体性と意欲をアピールした志望動機で差別化を図ることが重要です。 この記事では営業職の志望動機の書き方や例文、アピールになる4つのスキルなどをキャリアアドバイザーが解説します。 動画も参考にぜひ自分なりの志望動機を作ってみてくださいね。
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OK例文③サービス開発
私は、利益よりも利用者の利便性を優先する御社の姿勢に感銘を受け、志望いたしました。私の出身地は高齢者が多く、公共交通機関がないと生活が成り立たない状態です。御社の運行する鉄道のなかにもこのような地域の路線が複数あり、赤字でも運行を続けていると知りました。
このように地域を助ける御社に貢献するために、ぜひ御社にて地域の活性化や鉄道運営の赤字解消につながる施策を提案していきたいと考えています。入社後は私自身がこの問題の当事者であるからこそ持てる熱意や、大学で学んだマーケティングの知識を活かして、必ず結果を出していきたいです。

キャリアアドバイザー
「地方の赤字路線の存続」という難しい問題に、あえて取り組みたいという強い意志が伝わる例文です。信念があるからこそ、困難なことがあっても粘り強く取り組んでくれそうな人材だと感じてもらいやすいでしょう。
OK例文④サービス提供
私は、御社で利用者の安心を大切にする車掌になりたいと思い、志望いたしました。私は御社の運行する〇〇線の沿線に住んでいます。大雨で多くの路線のダイヤが乱れた日に〇〇線に乗車したところ、車掌の方がほかの鉄道会社の路線の運行状況や、今後の天気の情報までアナウンスしてくださり、その親切さや臨機応変な対応に感動しました。
入社後は、カフェでアルバイトしていた際に心掛けていた「相手の気持ちに寄り添うこと」を大切にし、御社の車掌として気持ちの良いサービスを提供していきたいです。そして、利用者の方々に安心を届けたいと考えています。

キャリアアドバイザー
例文のように、鉄道にかかわる実体験をもとに志望動機を考えるのもおすすめです。そうすることで、入社後に目指している人物像がわかりやすく伝わり、熱意も感じてもらえるでしょう。
※選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
高評価な志望動機を厳選!「志望動機例文集」
OK例文⑤不動産開発
私は、御社の不動産開発の部門で地域に根ざした街づくりがしたいと思い、御社を志望いたしました。御社は、主要な駅の周辺だけでなく沿線の地域一帯の価値を向上させるという、鉄道会社だからこそできる長期的な目線での街づくりをおこなっています。そんな「地域の魅力を引き出す開発」をおこなう御社の方針に強く惹かれ、ぜひ御社で活躍したいと感じました。
入社後はボランティアサークルで培ったコミュニケーション能力を活かし、地域の方々の声をよく聞いて、街を成長・発展させていくことに貢献したいと考えています。

キャリアアドバイザー
鉄道業界の不動産開発の特徴をしっかりと理解したうえで志望していることがよくわかる例文です。非鉄道事業を志望する場合は「なぜ鉄道業界でその仕事がしたいのか」を明確にしておくと、入社後のギャップが少なそうだと感じてもらえるでしょう。
3ステップ! 鉄道業界の魅力的な志望動機の構成

就活生
実際に志望動機を作っていきたいのですが、気を付けるべき点はありますか?

キャリアアドバイザー
鉄道業界で評価される志望動機を作成するために、まず気を付けたいのは構成です。これから紹介する構成に沿って、わかりやすく論理的に熱意を伝えましょう。
志望動機を伝えるときは、最初に結論、つまり志望する理由を一文で伝えると話の筋道が明確になります。続いて、鉄道業界や志望企業を選んだ理由を示しながら、自分が企業に貢献できるポイントをアピールしましょう。
そして最後に入社後のビジョンを伝え、志望動機を印象づけられるような構成にするのがおすすめですよ。
業界問わずに押さえておきたい志望動機の書き方のポイントは、下記でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
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志望動機が書けない時の対処法|上手に書くポイントと例文もご紹介
志望動機が書けないと悩む人は多い こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。志望動機は就活の要ですが、「書けない」と悩む人は少なくありません。実際に株式会社ビズヒッツが2022~2023年におこなった調査によると、エン […]
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①鉄道業界を志望する理由を述べる
志望動機を述べる際にまず伝えたいのは、鉄道業界で働きたい理由です。最初に業界の志望理由を述べることで、鉄道業界についてどこまで理解しているのかや志望度の強さをアピールできます。
特に鉄道業界は不動産開発や金融事業も絡むため、鉄道に対する理解があるだけでは業界研究不足と思われてしまうでしょう。そのため、しっかりと非鉄道事業に関するリサーチもおこなったうえでアピールしてくださいね。
また、業界の志望理由を述べるときは以下のような伝え方をするのがおすすめです。
就活生)私は駅を中心とした街づくりをおこなうことで、地域活性化に貢献したいと考えているため、鉄道業界を志望しています。

就活生
私は駅を中心とした街づくりをおこなうことで、地域活性化に貢献したいと考えているため、鉄道業界を志望しています。

就活生
私はどのような地域でも誰もが手軽に移動できる世の中を実現したいと考えているため、鉄道業界を志望しています。
例文のように「なぜ鉄道業界が良く、そこで何を実現したいのか」を明確に述べると、志望動機に説得力が増しますよ。

キャリアアドバイザー
業界の志望理由を伝えるときは、独りよがりな内容にならないよう気を付けましょう。「周囲のためにどのようなことを成し遂げたいのか」という軸で話すのがおすすめですよ。
②なぜその企業が良いと思ったのか説明する
業界に対する志望理由を伝えたら、次にその企業でないといけない理由を述べましょう。そうすることで、企業への志望度の高さや熱意の強さをアピールできます。
その企業が良いと思った理由を考えるときは、志望企業しかおこなっていない事業や戦略、企業特有の考え方に注目するのがおすすめです。
たとえば、他社が都市部の開発に力を入れているなかで、志望企業は地方創生に取り組んでいるとしましょう。この場合、下記のように伝えると企業への志望度が伝わりやすいはずです。

就活生
私が御社を志望したのは、御社はほかの企業がおこなっていない地方創生に注力しており、地方を活性化させたいという自分の考えと同じだと感じたからです。
また、企業特有の考え方に注目するなら、企業理念やミッション・ビジョンなどから共感した部分を伝えると良いでしょう。

就活生
私が御社を志望したのは、御社が掲げる「鉄道で世の中の不便をなくす」という企業理念に強く共感したからです。
上記のように共感や自分の信念を交えて伝え、熱意をアピールしてみてくださいね。なお、企業に対する志望動機だけで鉄道業界を目指す理由がわかる場合は、一つにまとめて伝えても問題ありませんよ。

キャリアアドバイザー
企業の事業内容や方針と志望動機が合っていないと、企業理解が浅いと捉えられたり、企業とのマッチ度が低いと判断されたりします。そのため「本当に志望企業の方向性と自分のやりたいことが合っているのか」を入念に確認したうえで、志望動機を作成しましょう。
企業の理念やサービスに魅力を感じたことを志望動機に取り入れたい場合は、以下の記事も参考にしてみてください。企業理念や商品、会社の雰囲気など、魅力を感じた内容別に例文を紹介していますよ。
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例文6選! 志望動機「魅力を感じた」を刺さる内容にする3つの鉄則
志望動機で「魅力を感じたから」とだけ伝えても熱意は伝わりません。その思いを軸に深掘りし、伝わる伝え方を理解することが不可欠です。この記事ではキャリアアドバイザーが例文とセットで受かる伝え方を解説します。
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③入社後にしたいことや貢献できることを話してまとめる
志望動機の最後では、入社したら実現したいことや、自分だからこそ会社に対して貢献できると思うことを伝えてください。これらを述べることで、採用担当者はあなたの入社後の活躍をイメージしやすくなります。
また「実現したいことがあるからこそ、困難なことがあっても簡単に諦めないでくれるだろう」と感じてもらいやすくなるはずですよ。なお、入社後にしたいことを述べるときは、下記のように「どのようなスキルをどう活かせるか」を伝えてくださいね。

就活生
入社後は学生時代に培った協調性を活かして、あらゆる職種の人と協力しながら安心してご利用いただける鉄道の実現に尽力したいです。
なお、鉄道業界ではジョブローテーションが多いため、下記のようにその特徴を活かした将来の展望を述べるのもおすすめです。

就活生
志望しているのは不動産開発部門であるものの、将来はほかの部門での仕事も経験し、多角的な視野を持って仕事を進めていける人材を目指したいです。
例文のように述べれば、業界理解の深さや、やりたいこと以外にも意欲を示せる人柄をアピールできますよ。

キャリアアドバイザー
入社後に実現したいことは、業界を志望する理由や企業の志望理由と関連する内容を述べるよう心掛けましょう。関連性がないと採用担当者があなたの入社後の活躍をイメージできず、企業とのマッチ度が低いと判断されてしまう可能性がありますよ。
しっかりと熱意が伝わる志望動機を作りたいなら、締めの一文にこだわるのもおすすめです。下記の記事では、熱意が伝わる志望動機にするポイントや締めの例文を紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
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熱意が伝わる志望動機の締め方|作り方・伝え方を例文付きで解説
志望動機のしめの文では、入社してやりたいことをしっかりと伝えることで面接官に熱意を伝えることができます! 今回は熱意の伝わる志望動機のしめ方をOK例文とNG例文とともに紹介していきます。キャリアアドバイザー監修のもと、魅力的なしめを作るポイントも紹介するので参考にしてみてください。
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キャリアアドバイザーは実際にこうアドバイスしています!効果的な鉄道業界の志望動機を作るコツ
志望鉄道会社が日本一の分野を探そう
鉄道業界の志望動機を作成するときは、構成の「②なぜその企業が良いと思ったのかを説明する」ことに力を入れましょう。明確な理由付けをすることで、「他社でなく御社が良い」という熱意がアピールできるからです。
応募先の鉄道会社は、どこかの分野で秀でた特徴を持っている可能性があります。なければ「私鉄のなかで」「九州地方のなかで」といったようにカテゴリを絞って考えてみましょう。企業同士を比較することで、その鉄道会社ならではのNo.1を見つけられると、「なぜその企業が良いのか」という理由に説得力が増しますよ。
鉄道業界の志望動機を差別化するコツ

就活生
ある程度志望動機の内容は固まってきたのですが、ほかの学生と被っているのではないかと不安です。

キャリアアドバイザー
ほかの学生と似た内容の志望動機だったとしても、ここで紹介する3つのポイントを押さえれば、しっかりと差別化を図れますよ。
ほかの学生の志望動機と差別化を図りたいなら、少しの工夫をおこないましょう。たとえば、鉄道業界の最新情報をリサーチしておき、それを志望動機に一文組み込むだけでも「理解度が深い」という印象を残せます。
志望動機の大枠がほかの学生と被っても問題はないので、要所要所に印象づけられる内容を盛り込んでいきましょう。
①鉄道業界のトレンドを押さえる
志望動機を伝えるときは、業界のトレンドを交えて話すと業界理解が深いと感じてもらえ、ほかの学生との差別化を図れます。また、情報感度が高く、入社後も積極的に最新情報を取り入れてくれそうだと感じてもらえるはずですよ。
たとえば、渋谷駅周辺の都市開発が鉄道業界の最新トレンドだったとすると、下記のような伝え方が考えられます。
現在渋谷駅の周辺では鉄道会社による大規模な都市開発が進められており、利用者の需要が高まっていると感じています。私が入社したら、この都市開発のように利用者の需要が高まる不動産開発を地方でおこない、地方にも人が集まり盛り上がる仕組みを作りたいです。

キャリアアドバイザー
知っているトレンドを語るだけでなく、例文のように「そのトレンドを知ったうえで何をしたいのか」まで伝えられると、さらに好印象を持ってもらえるでしょう。なお、鉄道業界のトレンドは記事の後半で解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
②「安全」への強い意識をアピールする
鉄道業界を志望するなら、利用者の「安全」を意識する姿勢が強くあることを伝えましょう。というのも、利用者を事故なく目的地まで送り届けることが鉄道の最重要事項であり、特に運転士や整備士を目指すなら欠かせない問題だからです。
「安全性を確保することは当たり前なのだから、わざわざ言う必要はないのではないか」と考える人もいるかもしれません。しかし、当たり前だからこそほかの学生が言及しない可能性が高いと考えられます。
そこで「自分は基本の大切さを理解している」と主張できれば、差別化が図れるはずですよ。
また「安全」への強い意識をアピールするときは、下記のように伝えるのがおすすめです。
多くの利用者を乗せる鉄道にとって最も重要なことは、安全性の確保だと考えています。そのため、入社後は安全性を第一に考えた運行をおこない、少しでも安全性が疑わしいときは適切な処置を取れる運転士になりたいです。

キャリアアドバイザー
例文のように、安全性が疑わしいときの対処法も述べると、安全性に対する意識がしっかりしていると感じてもらえるはずですよ。
③地域社会への貢献意欲を語る
鉄道業界は人を送り届けるだけでなく、駅周辺の施設を充実させるなどして街づくりをおこなっていくことも大切にしています。
そのため、特に不動産開発事業などに力を入れている企業を志望する場合は「地域に対して積極的に貢献していきたい」という思いを伝えましょう。
そうすれば、事業への理解度の深さや志望度の強さが伝わり、ほかの学生との差別化につながるはずですよ。なお、伝えるときは下記のように志望企業の理念と結びつけて、地域への貢献意欲を語ると良いでしょう。
私が御社を志望した理由は、地域の活性化に貢献していきたいという自分の思いを実現できると感じたからです。「都市部、地方関係なく全国で街づくりをおこない、日本を活性化させたい」という理念を掲げる御社なら、同じ思いで理想を実現していけると感じました。

キャリアアドバイザー
共感している企業理念がある場合はその内容を引用して伝えると、理念を一言一句覚えているほど志望度が高いのだと感じてもらえるはずですよ。細かいところでも志望度の高さをアピールして、加点式でさらに差別化を図っていきましょう。
キャリアアドバイザーは実際にこうアドバイスしています!鉄道業界の志望動機を魅力的にするコツ
原体験とともに「自分ならではのエピソード」を語ろう
鉄道業界の志望動機を作るうえで、自身の過去の経験と結び付け、「自分ならではのエピソード」を具体的に語ることが非常に重要です。
たとえば、「鉄道が好き」という気持ちは大切です。しかし、これだけではほかの学生と差別化できません。そのため、「なぜ好きなのか」といったその背景も具体的に伝えましょう。「幼い頃、一人で電車に乗って祖母の家へ行った経験が心に残っている」といった具体的な原体験を交えることで、志望動機に説得力が生まれるだけでなく、あなたの熱意が伝わりやすくなりますよ。
「好きだから」といった多くの学生が口にするような理由であっても、その根拠となる原体験が明確に伝えられるかどうかで、ほかの応募者と大きな差が生まれます。
鉄道業界を目指すうえで理解しておきたい業界トレンド

就活生
鉄道会社の志望動機を差別化するために、鉄道業界のトレンドを理解しておきたいです。今はどのようなトレンドがあるのでしょうか。

キャリアアドバイザー
直近の鉄道業界では、非鉄道事業や海外への事業展開、MaaSなどへの注力が目立つ印象です。そのため、志望動機を作成する前にこの3つのトレンドについて理解しておきましょう。
鉄道業界の志望動機を作成する場合、トレンドを盛り込むことで他の学生と差別化できると伝えてきました。ここでは、具体的にどのような事業が展開されている傾向にあるのかなど鉄道業界のトレンドを紹介するので、志望動機を作成する前に必ずチェックしておきましょう。
また、併せて志望企業がどうトレンドを取り入れているかリサーチしておくと、さらに業界や企業への理解度が高いことを示す志望動機を作れますよ。
非鉄道事業を加速させて多角化経営へ
- 鉄道と二次交通の連携を強化すること
- 「この地域に住んで良かった」と感じられる「くらしづくり」に挑戦していくこと
- Suicaを利用したワンストップサービスを提供していくこと
近年では、国内の路線はすでに十分と言えるほど発達しているため、新たな鉄道路線を整備する鉄道会社は少なくなっています。鉄道事業での収入は固定化しているので、利益を得るために非鉄道事業を加速させ、多角化経営をおこなうことが一般的です。
実際、JR東日本は2027年までのグループの経営ビジョンとして、上記のような成長戦略を掲げています。
志望企業の経営方針や成長戦略をリサーチし、トレンドを踏まえた施策をおこなっているか、事前に把握しておきましょう。

キャリアアドバイザー
非鉄道事業には、不動産開発や金融・決済サービスに関するもの、旅行代理店としての事業がありますが、どれも鉄道事業と相互に作用して利益を高められる事業です。「非鉄道」と言っても、鉄道にまったく関係のない仕事ではないことは理解しておきましょう。
人口減少を見据えて海外展開強化
現在の日本は、人口減少により鉄道の利用者数や運営側の人手が少なくなってきています。そこで、鉄道事業の海外展開を強化する鉄道会社が増えているのが現状です。
たとえば、国内で東海道新幹線を運営するJR東海では、海外でも高速鉄道システムを展開しています。国内でのノウハウを活かし、鉄道整備に必要な土木技術・運行管理・保守の方法などを提供し、市場規模を拡大して利益を上げようという取り組みです。
また、国土交通省も世界の鉄道市場が成長見込みにあるとして、世界各国での鉄道の整備や運営への参画を推進しています。

キャリアアドバイザー
今後、鉄道事業の海外展開を開始する企業が増えたり、海外展開する事業範囲がさらに広がったりする可能性もあるでしょう。志望企業はもちろん、鉄道業界全体の動きを定期的にウォッチして、最新情報を常に把握しておくのがおすすめですよ。
国内はMaaSに注力
- MaaSとは
Mobility as a Service(サービスとしてのモビリティ)の頭文字を取った言葉
鉄道事業の海外展開を強化する一方で、日本国内ではMaaSに力を入れる鉄道会社が多くあります。国土交通省によると、令和7年度時点では全国で29ものMaaS事業がおこなわれており、普及しつつある状況です。
MaaSが普及すると、利用者は以下のようなメリットを得られ、利便性が高まります。
- バスやタクシーなどのほかの移動手段と鉄道が連携され、MaaSアプリで検索すれば簡単に最適ルートを見付けられる
- 交通機関の混雑具合や運転状況などをリアルタイムで把握できる
- MaaS上でほかの交通機関の予約をおこなったり、決済したりすることができる
さらに、利用者だけでなくMaaSを提供する鉄道会社も以下のようなメリットを得られます。
- アクセスしづらい地域への移動手段を提示することで、鉄道の利用者を増やせる
- 地域を活性化させ、駅や路線周辺施設の利用者を増やせる
- 手数料を設定している場合、MaaSアプリからの予約で収益を得られる
鉄道会社が進めるMaaSの例
鉄道会社がMaaSとして何をおこなっているのか、具体的な取り組みを見てみましょう。JR西日本では、観光型・都市型・地方型の3つのMaaSを進めています。
- ・観光型
瀬戸内エリアへの旅行客誘致を目的に、鉄道を含む多様な交通手段を検索できる「setowa」というアプリを2020年夏に提供開始 - 都市型
関西の大手私鉄などと7社で連携し、2025年の大阪万博に向けて「関西MaaS検討会」を発足。大阪万博の来場者数を確保するため、MaaSアプリを用いた取り組みの検討を重ねていた - 地方型
島根県邑南町と協力した地方型MaaSを計画
ほかにも、東急電鉄からは伊豆エリアの観光情報や交通情報をまとめた「伊豆navi」が、小田急グループからは乗り物フリーパスやイベントチケットが買える「EMot」が提供開始されています。

キャリアアドバイザー
今後、これらのMaaSがどのように発展していくのか注目したいところですね。新しいMaaSアプリがリリースされていないか定期的に確認しつつ、実際にダウンロードして利用してみると良いでしょう。
キャリアアドバイザーが読み解く!押さえておきたい鉄道業界のトレンド
「相互乗り入れ」が増えている
最近の鉄道業界のトレンドとして、「相互乗り入れ」が増えていることにも注目しましょう。相互乗り入れとは、異なる鉄道会社がお互いの路線を使って電車を運行することです。具体的には、途中までは地下鉄、途中からは地上の鉄道会社といったように、路線の切り替えなしで目的地まで移動できる仕組みです。
相互乗り入れのメリットは多岐にわたります。まず、利用者は乗り換えの手間がなくなり利便性が上がります。また、乗り換えの度に乗降する人が減るため、駅の混雑緩和や事故防止にもつながります。さらに「都心まで一本で行けるから便利」といった理由で、沿線の活性化にも貢献しています。
一から新しく線路を作ったり、商業施設を作ったりしなくても、同業他社と協力することで鉄道業界全体が盛り上がる、非常に良い取り組みと言えるでしょう。
NG例文付き! 鉄道業界の志望動機で注意すべき4つのポイント

就活生
鉄道業界の志望動機を作成する際、注意するべきポイントはありますか?

キャリアアドバイザー
独りよがりな志望動機やほかの企業と差別化できていない内容は、避けたほうが無難ですよ。企業から好印象を得られない可能性があります。
ここでは、鉄道業界で志望動機を聞かれたときの4つのNG例文について解説していきます。自分が考えた志望動機に当てはまるポイントがないか比較し、必要に応じてブラッシュアップしてくださいね。
NG例文①インフラ事業は安定している
私が御社を志望した理由は、人々の生活に欠かせないインフラ事業をおこなう鉄道業界の安定性に魅力を感じたからです。公共交通機関のなかでも鉄道は特に、通勤・通学など日々の移動で気軽に利用できる手段だと思います。
また、二酸化炭素の排出量が少なく環境保護の観点から見ても優れた鉄道は、今後も維持されるべき存在です。私も御社の一員として、鉄道を支えていきたいです。

キャリアアドバイザー
「安定した企業に入りたい」という内容は、志望動機としては消極的に聞こえてしまうため、避けたほうが良いでしょう。さらに、例文では鉄道業界についての一般論を話しているだけに聞こえてしまうため、志望企業でなければならない理由や自分のやりたいことを積極的に伝えてくださいね。
NG例文②鉄道が好き
私は小さい頃から新幹線が大好きなので、新幹線の運行をしている御社を志望しました。御社では、もっとたくさんの人に魅力を知ってもらえるよう、自分の知識を活かして新幹線のPR企画をしたいと思っています。

キャリアアドバイザー
「鉄道が好きだから」という志望動機は、独りよがりな内容に聞こえがちなうえ、新幹線以外の事業での活躍は期待できないと思われる可能性があります。「たくさんの人に魅力を知ってほしい」という気持ちはとても良いものなので、新幹線へのこだわりから少し離れて、志望動機を練り直してみてくださいね。
※選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
高評価な志望動機を厳選!「志望動機例文集」
NG例文③ほかの企業にも当てはまる
広報の仕事に興味があり、御社を志望しました。私は学園祭の実行委員を務めた経験があります。学外からの来場者を増やすことを目標に掲げ、PR活動に力を入れました。その際、私が考えたキャッチコピーが採用され、友人たちからも好評でした。この経験と想像力を活かし、御社でも人を引きつける言葉で広報活動をしたいと思います。

キャリアアドバイザー
この例文では、鉄道業界を志望する理由も、志望企業でなければならない理由もわかりにくいでしょう。広報の仕事と志望企業での仕事を関連づけたいなら「志望企業の広報として働いたとき何を伝えたいのか」を考え、盛り込むのがおすすめですよ。
NG例文④自分がどう貢献するか触れていない
私は、スケールの大きな仕事をしたいという希望があり、海外での鉄道整備の事業をおこなっている御社を志望しました。御社はほかの鉄道会社に先がけて鉄道技術の海外輸出を始めておられるため、世界各地に事業所があります。私もその広いネットワークのなかで、海外で働きたいと思っています。

キャリアアドバイザー
この例文では「海外で働きたい」という願望しかわからず、どのような強みがあり、入社後にどう活かせるのかなどがわかりません。また、海外事業に携わりたい理由が「スケールの大きな仕事がしたい」という自分本位なものになっているため、もう少し企業への貢献を踏まえた内容にするのがおすすめですよ。
差別化ポイントをふまえて自分ならではの鉄道業界の志望動機を作ろう
鉄道業界といっても事業内容はや職種はさまざまで、経営戦略も企業によって異なります。さらに、トレンドの移り変わりもある業界のため、差別化を図りたいなら業界・企業研究を徹底しておこなうことなどが重要です。
そのため、鉄道業界で働きたいという熱意は盛り込みつつ、業界や企業への理解度の深さをアピールして、自分ならではの志望動機を作りましょう。そうすれば、鉄道業界の内定に向かって一歩前進できるはずですよ。
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鉄道業界といえば、JRの電車や新幹線事業があって、車掌がいることで成り立っていますよね。