目次
- 「食品メーカーはやめとけ」の理由とその実態を知ろう!
- 「食品メーカーはやめとけ」と言われる8つの理由
- ①成果が給与に反映されづらい
- ②社外で武器になるスキルが身に付きにくい
- ③ベテラン社員が多く「現状維持」の姿勢が優先されがち
- ④全国転勤や夜勤により希望のライフスタイルを維持しにくい
- ⑤希望通りの職種や勤務地になれないリスクがある
- ⑥思い描く仕事内容とギャップを感じる可能性がある
- ⑦食品を扱うことのプレッシャーが大きい
- ⑧国内市場の縮小に直面してしまう可能性がある
- 食品メーカーへの勤務が向いている人・向いていない人の特徴
- 向いている人
- 向いていない人
- 食品メーカーへの勤務が向いているか判断する4ステップ
- ①「働くこと」に対する価値観を整理する
- ②地道で堅実な作業にも向き合えるかを確認する
- ③将来のキャリアプランと照らし合わせる
- ④実際に働く社員の声をもとに判断する
- 「食品メーカーはやめとけ」に惑わされず自分の適性を見極めよう!
「食品メーカーはやめとけ」の理由とその実態を知ろう!
SNSやネット上で「食品メーカーはやめとけ」というネガティブな声を目にすることもあり、不安を感じている学生も多いことでしょう。
安定した人気の裏には特有の激務さや給与面でのギャップ、配属のリスクといった現実が存在し、そうした一面が「やめとけ」という声につながっているのも事実です。
なぜそう言われてしまうのか、具体的な理由とその実態を詳しく解説します。業界のリアルな実態や厳しさを正しく理解し、後悔のない企業選びに役立てましょう。
「食品メーカーはやめとけ」と言われる8つの理由
学生から高い人気を誇る食品メーカーですが、実際に働いている人や業界を知る人からは「やめとけ」と言われることもあります。
華やかで安定して見える業界にも、働くうえでの厳しさや注意点が存在するのが事実です。
入社してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、まずは「やめとけ」と言われる理由を一つずつ見ていきましょう。
①成果が給与に反映されづらい
食品業界には、商品を安く大量に販売して利益を出す「薄利多売」のビジネスモデルをとる企業が多く存在します。
そのため企業全体の利益率が低くなりやすく、個人の給料が急激に上がるケースは多くありません。大きな成果を出しても、インセンティブとして給与に還元されにくい傾向があります。
年功序列で少しずつ昇給していく企業が多いため、若いうちから稼ぎたい人には物足りなく感じるでしょう。
食品業界についてはこちらの記事でも解説しているので、業界理解を深めるためにぜひ活用してください。
食品業界の就活で押さえておくべき業界知識|アピールのコツも伝授
②社外で武器になるスキルが身に付きにくい
食品メーカーの営業は、すでに付き合いのある問屋やスーパーを担当する「ルート営業」が中心になりやすい傾向があります。
新しく顧客を開拓する力や、時代に合わせたデジタルスキルを使う機会はそれほど多くありません。
さらに、その企業だけでしか使えない独自のルールや業務手順も多いため、他業界でも通用するポータブルスキルを身に付けるのには苦労しやすい環境です。
どのような環境でも成長できる人は、毎日のルーティン業務のなかで「数値データをどう分析するか」「どうすれば店舗の売り上げが伸びるか」を自発的に考えて行動しています。
将来の転職を見据えるなら、企業任せにせず自分から主体的に工夫して実績を作る意識が大切です。
③ベテラン社員が多く「現状維持」の姿勢が優先されがち
食は生活に欠かせないもの。だからこそ食品業界は倒産のリスクが低く、長く働く人が多いため、離職率が低いというメリットがあります。
しかしその反面、社内のメンバーや考え方が固定化しやすいです。
新しいアイデアを出しても「今までこのやり方でうまくいってきたから」と拒否される場面に出くわすかもしれません。
積極的に新しい挑戦をしたいタイプの人にとっては、変化の少なさに退屈さを覚えてしまう可能性があります。
閉鎖的な環境に思えるかもしれませんが、見方を変えれば「落ち着いた環境でじっくり仕事に取り組める」ということです。
どうしてもチャレンジングな環境で働きたい人は、既存事業だけでなく新規事業開発や海外開拓に力を入れている企業を中心に選考を受けると良いでしょう。
④全国転勤や夜勤により希望のライフスタイルを維持しにくい
食品メーカーは全国各地に工場や営業所、物流拠点を持っています。そのため、自分の希望していない地域への転勤が決まるケースも珍しくありません。
また、工場勤務や生産管理などの職種に就くと、工場を24時間動かすための夜勤シフトや休日出勤が発生する場合があります。
自分が思い描く生活リズムや休日スタイルを保つのが難しくなる点には注意が必要です。
勤務地や働き方のリスクを減らすには、応募するコースをしっかり確認するのが一番の近道。
最近では「エリア限定職(転勤なし)」を採用している企業も増えています。
選考の段階で、全国転勤の有無や工場のシフト体制について確認しておきましょう。
一方で、全国転勤にはメリットもあります。詳しくはこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
全国転勤のメリット・デメリット大解剖|適応できる人の3つの共通点
「エリア総合職」の採用形態が気になる人は、以下の記事で詳細を確認してみましょう。
エリア総合職を完全網羅! 総合職との違いや働くメリットを解説
⑤希望通りの職種や勤務地になれないリスクがある
入社時の採用枠が「総合職」の場合、配属先や勤務地を自分で選ぶことは基本的にできません。
そのため、希望していない場所や職種で働かなければならない可能性も十分に考えられます。
- 商品企画やマーケティングがやりたかったのに地方の工場で品質管理を担当することになった
- 土日休みのオフィスワークだと思っていたら交替制勤務の工場配属になった
やりたい仕事と実際の業務が大きくズレてしまうと、働くモチベーションを保つのが一気に難しくなってしまうかもしれません。
「配属ガチャ」を避けるためには、職種別採用(ジョブ型採用)をおこなっている企業を探すのが効果的です。
また、初期配属の決め方や過去の配属事例について、OB・OG訪問や説明会で先輩社員に質問しておくと、入社後のミスマッチを未然に防げます。
事前に配属面談をおこなう企業もあります。希望をかなえるコツはこちらの記事で解説しているので、チェックしてみてください。
配属面談で希望を叶えよう! 希望を通すコツや対策を例文付きで解説
⑥思い描く仕事内容とギャップを感じる可能性がある
「食べるのが好き」「このメーカーの商品が好き」という熱意だけで入社すると、現場の地道な作業とのギャップに苦しみやすいです。
- 店舗や問屋との価格交渉や商談
- 工場でのマニュアル通りのルーティンワーク
商品への好きという気持ちだけでは乗り越えられない壁があることを、あらかじめ知っておくことが欠かせません。
「好き」という気持ちは強い志望動機になりますが、それだけで選考を勝ち抜くのは難しいのも事実。
インターンシップに参加したり企業研究を深めたりして、「商品が好き」から一歩踏み出し「企業のビジネスをどう動かしたいか」までイメージを広げておきましょう。
「できるだけ好きなことを仕事にしたい」と考える人は、以下の記事もチェックしてくださいね。
好きなことを仕事にする方法4選|「好き」の具体化が適職発見の近道
⑦食品を扱うことのプレッシャーが大きい
人の口に入る商品を扱うため、食品メーカーには衛生管理や品質管理において非常に厳しい基準が求められます。
万が一、異物混入や賞味期限の印字ミスといったトラブルが起きると、対象商品をすべて回収しなければなりません。
自分のたった一つのミスが企業全体の信用を失わせる恐怖や、トラブル対応時の精神的なストレスは想像以上に重くのしかかります。
責任が重い仕事だからこそ、無事に商品を届けて多くの人に喜んでもらえた瞬間のやりがいは格別です。
細かいチェック作業が得意な人やルールをきっちり守って慎重に仕事を進められるタイプの人であれば、このプレッシャーを逆手にとり活躍できますよ。
⑧国内市場の縮小に直面してしまう可能性がある
食品メーカーは安定性が高いとはいえ、日本の現状としては少子高齢化が進んでおり、国内の人口減少にともなって食の市場規模そのものが小さくなっています。
国内の仕事だけに頼っていると、企業としての成長がストップしてしまう危険性と隣り合わせです。
生き残りをかけて海外へ進出したり同業他社と合併したりする動きも加速しており、将来に対する漠然とした不安を抱えながら働くことになるかもしれません。
国内市場が厳しいのは事実ですが、海外市場への進出に成功している企業や健康志向の新しいフードテクノロジーに投資している企業は堅調に伸びています。
企業を選ぶ際は「海外売上高比率が高まっているか」「新しい市場を開拓しているか」をチェックしてください。
企業研究のやり方はこちらの記事を参考にしてくださいね。
就活の企業研究を効果的にする4ステップ! 見本つきで実施法を解説
テンプレ付き|企業研究ノートを使った企業分析のやり方3ステップ!
キャリアアドバイザーが読み解く!ぶっちゃけ食品メーカーは「やめとけ」と思う?
「企画がやりたい」だけならやめたほうが良いかも
私は一概に「やめとけ」とは思わないです。しかし、入社前のイメージと現実のギャップが非常に大きな業界であることを理解したほうが良いでしょう。
私の経験ですが、食品メーカーを志望する学生の6〜8割ほどが将来的に「商品企画に携わりたい」と話します。しかし、新卒から商品企画に配属されることはほぼ不可能。
新卒で配属されても、企画や開発を担当するのは、理系で栄養学などの研究をしてきた人が大半です。
実際の配属は、スーパーや問屋への営業、あるいは工場周辺にかかわる営業職が中心となります。
華やかなイメージとは異なる現場が多いため、「食品の企画がやりたい」という動機しかないのなら、「やめとけ」と感じてしまいますね。
食品メーカーへの勤務が向いている人・向いていない人の特徴
食品メーカーで満足して働けるかどうかは、個人の考え方や求める働き方によって大きくわかれます。
ここからは、食品メーカーへの勤務がどのような人が向いていてどのような人が向いていないのかを紹介します。
就職したあとに「自分には合わなかった」と後悔しないためにも事前に把握しておきましょう。
向いている人
- 決まったルールを守りながらコツコツ確認する作業が得意な人
- いろいろな立場の人と気持ち良くコミュニケーションが取れる人
- 変化の激しさよりも暮らしに根ざした安定感を重視したい人
万が一のトラブルが人々の健康に直結するからこそ、現場では「ミスをゼロに抑える慎重さ」が何より求められます。
また、商品の企画から店頭に並ぶまでには、製造現場の職人や配送業者、スーパーの担当者など、多くの人とかかわります。
周囲に配慮しながら誠実に調整を進められる人が長続きする職場環境です。
日々の当たり前を正確に守り続けることに価値を感じられるかがポイントです。
選考では「コツコツ継続して成果を出した経験」や「周囲と協力して信頼を得たエピソード」を具体的に伝えると、高い適性をアピールできますよ。
向いていない人
- 若いうちから個人の成果でどんどん給料を増やしたい人
- どの企業や業界でもすぐに使える専門スキルを身に付けたい人
- 常に新しいことに挑みながらスピード感のある環境で働きたい人
食品メーカーには、歴史が長く基盤がしっかりしている企業が多いため、個人の目立った活躍よりも「チーム全体で計画通りに進めること」が重視されやすい文化があります。
そのため、個人の売り上げや成績によってボーナスが大きく変動するような仕組みはあまり期待できません。
また、社内特有の決まりごとに詳しくなる機会が多いので、どこにでも通用するスキルを一から磨きたい人には物足りなく感じてしまうでしょう。
もし「若手からガンガン稼ぎたい」「スピード感を持ってスキルアップしたい」という希望があるなら、IT業界やコンサルティング業界などを視野に入れるのがおすすめです。
それでも食品にかかわりたい場合は、スタートアップ企業やEC中心の食品企業を探すとミスマッチを防げますよ。
食品メーカーへの勤務が向いているか判断する4ステップ
食品メーカーに興味があっても、自分に本当に向いているのか判断するのは難しいと感じるかもしれません。
憧れやイメージだけで決めてしまうと、入社したあとに「こんなはずではなかった」と後悔するおそれがあります。
自分の適性を正しく見極めるには、段階を踏んで自分の考えや業界の実態を整理することが大切です。ここからは、自分に合っているかを確かめるための手順を解説します。
①「働くこと」に対する価値観を整理する
まずは、自分が仕事をしていくうえで何を一番大切にしたいのか、優先順位を明確にしましょう。
次の3つの質問に対して、自分が【A】と【B】のどちらに近いか考えてみてください。
| テーマ | 価値観の選択肢(【A】または【B】) |
|---|---|
| 給与や役職の上がり方の価値観について |
|
| 安定感やスキルに対する価値観について |
|
| 仕事で評価されたいポイントに対する価値観について |
|
質問に対して【A】を選ぶ項目が多かった人は、食品メーカーの風土や働き方にマッチする可能性が高いと言えます。
多くの学生を見ていると、「安定」を求めつつも「成果もしっかり評価されたい」と欲張ってしまい、軸がぶれてしまうケースをよく見かけます。
食品メーカーの多くは年功序列で雇用を守る組織構造のため、まずは自分が「変化」と「保守」のどちらにストレスを感じにくい人間なのか、本音の部分をさらけ出して自己分析することが大切です。
仕事に対する価値観についてはこちらの記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
「仕事に対する価値観」の3つの見つけ方|面接での回答方法と例文
価値観の例30選×4例文|3段階の絞り込みで価値観は言語化できる
②地道で堅実な作業にも向き合えるかを確認する
食品メーカーの実際の業務には、地道で堅実な作業が多く含まれています。
そのため商品の企画や開発といった華やかなイメージだけで入社を決めるのは危険です。
- スーパーなどの店舗を何軒も回って商品を並べ替えたり広告を貼ったりする
- 工場で厳しい衛生ルールを守りながら毎日同じ手順で品質を確認する
- 毎日決められた書類や報告書を間違いなく作成する
こうした裏方の仕事やルーティン作業に対して「これならできる」と思えるかどうかが、大事なチェックポイントです。
華やかな商品企画やマーケティングの部署に配置される社員は、実は企業全体のほんの一握りに過ぎません。
新人の多くは店舗回りや工場での品質管理からスタートします。
好きな商品を陰で支える地道な作業に価値を見出せる人ほど、入社後のギャップに苦しまず、結果的に社内でも重宝される傾向にありますよ。
③将来のキャリアプランと照らし合わせる
食品メーカーで得られる知識や経験は、どうしても「その企業独自の決まり」や「食品業界ならではのノウハウ」に偏りがちです。
他業界へ転職するときに直接役立つ技術やノウハウは、手に入りにくい側面を持っています。
そのため、「食品のプロとして同じ業界で長くキャリアを築きたいのか」、それとも「いろいろな業界を渡り歩けるスキルを身に付けたいのか」をしっかり考えておきましょう。
10年後にどのような自分になっていたいかを思い描くことが重要です。
食品業界からまったく異なる業界への転職は、年齢が上がるにつれてハードルが高くなるのが現実です。
だからこそ、新卒の段階で「この業界に居続ける覚悟があるか」あるいは「数年後に別の道へ進むためのポータブルスキルを個人で学ぶ意欲があるか」まで見据えておく必要があります。
キャリアプランについてはこちらの記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
思いつかないときの対処法:
例文11選付き|キャリアプランが思いつかないときの5つの対処法
面接での答え方:
例文付き|面接で聞かれるキャリアプランの答え方・作り方を解説
④実際に働く社員の声をもとに判断する
自分のなかでの整理がついたら、最後に「現場で働いている社員のリアルな声」を集めて最終判断を下しましょう。
求人票や公式ホームページに載っている情報だけでは、実際の職場の雰囲気や大変さまで把握することはできません。
説明会での質問やOB・OG訪問などを活用し、「働いていて一番大変だと感じる瞬間はどこか」「どのような人が社内で活躍しているか」を直接確かめてください。
生の声を聞くことで、働く自分の姿をより具体的にイメージできるようになります。
ホームページに書いてあるような綺麗な言葉ではなく、先輩社員がふと漏らした苦労談にこそ業界の本質が詰まっています。
そのため「仕事で一番つらかった経験」と「それをどう乗り越えたか」を質問してみてください。
答えを聞いて「自分も同じようにふん張れそうだ」と共感できたら、自信を持って進んで大丈夫です。
説明会での質問例やOB・OG訪問のコツが気になる人はこちらの記事を参考にしてくださいね。
会社説明会の質問例65選|質問の考え方・伝え方・マナーを徹底解説
OB・OG訪問の質問リスト一覧|質問力アップの秘訣やNG例も解説
キャリアアドバイザーが読み解く!食品メーカーの適性を見極める方法は?
商品に愛着が持てるかがカギ
大前提として、「そのメーカーが扱う製品や食品自体が好きであるか」が重要です。
どのような仕事に配属されたとしても、そのメーカーの製品にかかわることからは逃れられません。
だからこそ愛着を持って、製品に向き合い、良い点を活かしたり伸ばしたりしたいという思いがある人は、適性を感じますね。
現場で活躍するイメージが持てるとベスト
そのうえで、食品メーカーが持つ華やかなイメージにとらわれず、努力を重ねられるかがポイントです。
仮に希望の職種に配属されなくても、地道に勉強し、現場で成果を出していく覚悟を持ち、その姿を描ける人は、その力を十分に発揮できると思います。
「食品メーカーはやめとけ」に惑わされず自分の適性を見極めよう!
「食品メーカーはやめとけ」という噂だけであきらめてしまうのはもったいない選択です。
確かに給与の上がりやすさや勤務地などの注意点は存在しますが、身近な食を支えるやりがいや雇用の安定感といった魅力も備わっています。
重要なのは周囲のネガティブな評判に振り回されず、自分自身の働く価値観や将来の理想像と照らし合わせながら、本当に向いているか見極めることです。
業界のメリットとデメリットの両方を正しく理解したうえで後悔のない判断を下し、納得のいく就職活動を進めていきましょう。
食品メーカーは急激に稼ぐのが難しい反面、景気に左右されにくく雇用や給与が安定している特徴があります。
もし若手から成果に応じた収入を得たい場合は、評価制度が実力主義の企業や、基本給が高めに設定されている大手企業を狙うとギャップを減らせますよ。