目次
- 住宅業界とは住宅に関する事業を展開する業界のこと
- 住宅業界の特徴
- ビジネスモデル
- 顧客の要望に合わせた注文住宅を販売
- 全国にモデルルームを展開
- 住宅業界の現状と課題
- 業界規模は2020年から減少
- マンション価格の高騰で一戸建てのブーム
- 海外事業に力を入れる
- 非住宅分野の事業拡大
- 住宅業界の将来性
- スマートハウスの需要が増す
- リノベーションやリフォームの必要性が増す
- 海外進出が進む
- 住宅業界の業種
- ハウスメーカー
- 工務店
- 不動産
- ゼネコン
- 建築設計事務所
- 住宅業界の職種
- 施工管理
- 設計
- 営業
- 住宅業界に向いている人の特徴
- 相手のニーズを把握できる人
- 流行などを素早くキャッチアップできる人
- 臨機応変に対応できる人
- 語学力の高い人
- 住宅業界で働く魅力
- ①人生のなかで一番大きな買い物に関わることができる
- ②顧客の要望に直接応えられる
- 住宅業界を代表するの5つの企業
- 大和ハウス工業
- 住友林業
- 旭化成ホームズ
- 一条工務店
- 住宅業界の選考で差をつけるために事前にできることは?
- インターンシップに参加する
- 資格を取得する
- TOEICのスコアを上げる
- 住宅業界への就職に有利な資格
- 宅地建物取引士
- 住宅ローンアドバイザー
- インテリアコーディネーター
- ファイナンシャルプランナー
- 建築士
- 住宅業界の志望動機に盛り込むべき4つの内容
- ①なぜ住宅業界を志望するのか
- ➁なぜその企業なのか
- ③住宅に関する具体的なエピソード
- ④自分は企業にどう貢献できるか
- 住宅業界の志望動機を書いてみよう!
- 安全な住宅を提供したい
- 高機能で豊かな生活を提供したい
- 自分が設計した住宅を提供したい
- 住宅業界を志望する学生からよくある質問に回答!
- 住宅業界について理解して必要な準備をしよう!
住宅業界とは住宅に関する事業を展開する業界のこと
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生からよく、
「就活で住宅業界を志望しているのですが、業界の将来性が気になります。」
「住宅業界に就職する魅力やメリット・デメリットが知りたいです。」
といった質問を受けます。なかには住宅業界は不況の影響を受けてしまうのだろうかと心配している方もいるかもしれません。
この記事では、住宅業界について解説し、現状や将来性についても触れています。また住宅業界を志望する方に向けて志望動機も例文付きで解説します。ぜひ、住宅業界について正しい知識を身に付け、就活を進めていってくださいね。
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住宅業界の特徴
住宅業界とは、主に一戸建ての建築販売をおこなう住宅メーカーのことを指します。なかには、大規模な集合住宅を手がけるメーカーもありますが、顧客の要望を元に合わせて設計する注文住宅や、メーカーが設計販売をおこなう企画型住宅の販売が中心になります。
住宅業界は不動産業界の一部です。不動産業界には街づくりを手がけるディベロッパーやマンションの売買をおこなう不動産仲介業、戸建住宅などの建築販売をおこなう住宅メーカーが含まれます。
私たちにとって、住宅は生活の基本になる場所です。また、一口に住宅といってもその様態はさまざまあります。住宅を建築し販売を手がける住宅業界は社会基盤の1つを支えているといえるでしょう。
ビジネスモデル
住宅業界の収益には大きく分けて「公共事業」と「民間事業」の2つの仕組みがあります。
- 国や県、市町村といった公共団体からの発注を受ける事業のこと。請負会社は一般的には競争入札で決まり、道路や橋の建設など土木作業を請け負うこともある。
- 企業や個人などの発注を受ける事業のこと。紹介などで直接的に受注を受けたり、相見積もりの結果受注を受けたりします。
一般的には、住宅業界というと後者の民間事業のことを指します。一般の顧客から戸建て住宅やアパートなどの集合住宅の建築受注を受けて、建築の対価として収益を受け取るビジネスモデルです。
顧客の要望に合わせた注文住宅を販売
個人顧客から受注する場合に中心になるのは注文住宅です。顧客の好みや要望に合わせて設計をしていきます。注文住宅には次の2種類があり、自由設計型と企画型では工期や建築コストに差が生まれます。
- 自由設計型:自由に間取りを作っていく
- 企画型:複数の間取りパターンや標準設備から選ぶ
また、住宅会社によって施工方法などで得意な分野があるため、それぞれの強みをアピールして顧客を獲得しているのです。
キャリア
アドバイザー
自由設計型
自由設計型の場合、家を建てる土地の条件に合った範囲内であれば顧客の要望を基本的に何でも実現できます。間取りはもちろんのこと、家の設備や壁紙の素材、ドアノブなどの細かいパーツなど、顧客の要望に沿った形で家を建築することが可能です。
実際の場合は、住宅会社ごとに基本的な使用はある程度パターン化されているので、こだわりのある部分に変更を加えていく形で設計します。また、実際の住宅建築の段階では施工主と大工の連絡を密におこなうため、結果的にできあがった住宅の品質が高くなりやすいです。
自由設計の場合、できあがる住宅は世界でたった1つのものになるので、家が無事に建築できた際の喜びもひとしおでしょう。
企画型
企画型住宅はあらかじめ間取りや仕様の基本パターンが決まっており、設備や建材などをカタログから選択していく形で作り上げる住宅のことです。
住宅会社によっては「提案型住宅」「規格型住宅」と呼ばれることもあります。注文住宅に比べると住宅設計の自由度は下がりますが、基本パターンは事前に生活導線などを考慮したものになるので、間取りを考える手間や打ち合わせに掛かる工数を削減できます。
また、材料費や建築の手間も掛からないように配慮されているため、自由設計の注文住宅に比べると販売価格が低くなりコストパフォーマンスも良いでしょう。
キャリア
アドバイザー
自由設計の注文住宅に比べるとスピード感をもって家づくりができ、最新のトレンドにも対応した住宅の建築が可能になります。
全国にモデルルームを展開
住宅会社は全国、または広い範囲に住宅展示場を設けており、その中でモデルルームを展開し営業活動をおこなっているのです。たとえば、チラシを配布し土日や休日に見学客を集めたり、独自のフェアに取り組んだりしています。
会社によって、住宅建築の方法や設計の自由度、家の耐久性や販売価格は大きく異なります。来訪者に自社のモデルルームを見てもらうことで、自社の魅力を体験してもらおうという意図もあるでしょう。また、すぐに契約に至らなくても見込み客としてコンタクトリストに追加し、営業活動の基盤としています。
ハウスメーカーについてはこちらで解説しています。
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住宅業界の現状と課題
就活生
住宅業界は人気のある業界なのでやはり好調なのでしょうか?
キャリア
アドバイザー
実は、現状としては厳しい一面もあるんですよ。
就活生
そうなのですね?原因は何ですか?
キャリア
アドバイザー
少子高齢化に伴って新築住宅の需要が頭打ちになっていることが挙げられますね。
住宅業界を目指すにあたっては業界の現状や抱えている課題を知ることが大切です。業界全体の傾向を捉えることで求められている人材が理解でき、アピールポイントも見つかるでしょう。
業界規模は2020年から減少
住宅業界の規模は主要企業32社の売上高の合計で測ることができます。2020〜2021年の業界規模は13兆3,536億円です。2013年から2019年にかけてはゆるやかな増加傾向にありましたが、2020年に減少に転じました。
また、業界動向を図る指標として新設住宅の着工戸数があります。直近の住宅着工戸数は、2020年度は前年比8.1%減の812,164戸で、2019年度、2020年度の2年連続で減少で、業界としては縮小傾向にあると言えるでしょう。
マンション価格の高騰で一戸建てのブーム
住宅業界の規模は減少傾向にありますが、一戸建て住宅には注目が集まっています。それは、首都圏のマンション価格が高騰しており、マンションよりも戸建て住宅の方がコストパフォーマンスが良いと考える人が増え、需要がマンションから戸建てへと流れているからです。
国土交通省の調べでは2020年のマンション取引件数は179,610件(前年比8.3%減)、マンションの価格指数は157.7(前年比5.6%増)でした。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、戸建て住宅の方が感染症予防になると判断する方も増えたでしょう。また、テレワークが増え通勤の仕方に変化が出るなど、新しい生活スタイルに対応すべく20〜30代の若い世代を中心に一戸建てへの意向が高まっています。
海外事業に力を入れる
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、住宅会社の営業活動や購入者の購買意欲に変化が現れた結果、近年では住宅会社は業績が振るわない企業も増えてきています。そのため、日本国内の需要だけでなく、海外事業にも力を入れるように方針を転換している企業も多くなっています。
欧米などの先進国はもちろん、東南アジアなどの新興国に向けて、一戸建てやマンションなどの住居を販売しています。また、住宅だけではなくビルや物流倉庫、都市開発などに関わる機会も増えてくることでしょう。
非住宅分野の事業拡大
少子高齢化に伴い日本はこれから人口が減少していく見込みですが、それに伴い住宅需要も低下していくでしょう。実際に2020年にはすでに住宅の数が総世帯数を上回っており、需給バランスが崩れています。
今後はすでに建築された住宅は空き家になる可能性が高いですし、すでに全国の空き家数は過去30年(1988年〜2018年)で394万戸から849万戸と2倍以上増加しているデータもあります。
住宅市場は縮小していくため、住宅業界では非住宅分野の事業にも力を入れ始めています。サービス付き高齢者向け住宅の建設や建築部材の研究開発など、これまでの住宅建築で培ったノウハウを活かしつつ、事業を拡大していく流れが今後強まるでしょう。
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住宅業界の課題を読んで、住宅業界の将来性に不安を抱いた学生もいるかもしれません。しかし、詳細は後述してありますが、少子高齢化などの課題は住宅業界だけではなく日本のあらゆる分野で生じています。
その中で、住宅は「衣食住」という言葉がある通り、人が生活をしていく中で欠かせない基盤です。学生の場合は自分ひとりで家を建てたり借りたりした経験が少ないかもしれませんが、今後一生のうちで何かしら「住宅」と関わる機会が生じる人は多いでしょう。生活をするためには避けては通れない領域であるため、住宅業界にこれから起こりうることをきちんと認識をしておけば、必要以上に恐れる必要はありません。積極的に情報を収集してみてください。
住宅業界の将来性
住宅業界の将来性については厳しい状況にあるといえ、2030年度の新設住宅着工戸数は65万戸、2040年度には46万戸まで減少すると見込まれています。
新設住宅の着工戸数が減る原因は人口の減少だけではありません。他にも次のような要因があって減少していくものと予想されています。
- 移動世帯数の減少
- 平均築年数の伸び
- 持ち家志向の低迷
- GDPの成長減速
このような状況のなかで、今後の住宅業界の方向性を理解していきましょう。
スマートハウスの需要が増す
スマートハウスとは、ITを活用して家庭での消費エネルギーをコントロールする省エネ住宅のことを指します。東日本大震災以降、太陽光発電や蓄電池など自然エネルギーへの意識が高まりました。
また、建築に使用される熱材などの組み合わせを工夫することで気密性を上げて、住宅のエネルギー効率を高めようという動きが活発化しています。新設住宅を建設する際には、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)という戦略に取り組む住宅企業が増えているのです。
ZEHとは高い断熱材やLED照明などを活用した省エネを目指し、かつ太陽光発電などで創エネもおこなう住宅のことを指します。このようなスマートハウスへの参入をしている住宅企業の方が、売上高が良い傾向にあります。消費者の需要に合わせた戦略を取っていくことが求められるでしょう。
リノベーションやリフォームの必要性が増す
すでに空き家の数が増加傾向にあること、新設住宅の建設数については減少傾向にあることから、今後は空き家になっている住宅をリノベーションまたはリフォームして中古販売事業を展開していく必要性が増していきます。そのノウハウを磨いていくことも住宅企業に求められます。
また、少子高齢社会の日本では高齢者が快適に暮らせる住宅へのリフォームなども需要が高まるでしょう。高齢者が安心に暮らせる付加価値を使えることで新たな購入層を開拓していく流れになるでしょう。
海外進出が進む
日本は人口減少に転じますが、海外の多くの国では人口は増加傾向にあります。一般的に住宅市場の動向は人口の増加と関係性がありますので、日本以外の海外市場に展開することで企業としての可能性を広げられます。
たとえば、米国では今も人口の増加が続いており、それに伴って住宅を購入したいという需要が高まっています。また、発展途上国のアジア諸国では今後所得の増加に伴って質の高い住環境を求める消費者が増えることが予想されています。不動産価格も上昇傾向にあるため、要望を満たす住宅の提供ができれば利益の確保が可能です。
住宅業界の業種
住宅業界と一口にいってもさまざまな会社があります。具体的には住宅業界に分類されるのは次の5つです。
- ハウスメーカー
- 工務店
- 不動産
- ゼネコン
- 建築設計事務所
住宅業界に興味がある学生は、特定の業種に絞るよりも幅広く研究していく方が選択肢が広がるので理解を深めましょう。
ハウスメーカー
ハウスメーカーとは、一般的には「全国または広範囲の地域で住宅建設を展開している企業」のことを指し、住宅を建設・販売している一般的な業種です。
ハウスメーカーは全国で事業を展開しているだけあって、TVコマーシャルなどで企業名を知っているという方も多いでしょう。「○○シリーズ」と呼ばれるようなメーカー独自の建設基準を設けており、品質が均一で安定しているという特徴があります。
- 旭化成ホームズ
- 住友林業
- セキスイハイム
- 積水ハウス
- ダイワハウス
- トヨタホーム
- パナホーム
- ミサワホーム
- 三井ホーム
- タマホーム
- 一条工務店
工務店
ハウスメーカーと比較して、店舗を置いた地域に密着して住宅建設をおこなっている業種を「工務店」と呼びます。その地域に根付いて長期間事業を営んでいる会社であれば、地域独自の生活習慣や土地の特徴を活かした住宅建設を得意としているでしょう。
展開範囲が狭くなるため、年間の着工数は数棟〜数十棟程度に抑えられていることが多いです。ハウスメーカーに比べると小規模になる分、発注主とのコミュニケーションを密におこない、要望を適切に捉えた住宅設計を強みとしているのも特徴です。
不動産
不動産業界のなかには「不動産の企画開発」「土地や物件の流通」「不動産の管理」などの業務をおこなっている企業もあります。
そのなかでも「不動産の企画開発」に関わる開発会社、ディベロッパーと呼ばれる企業は、大規模な住宅開発や販売などをおこなっている形です。街づくりの一環として一戸建て住宅を集合的に建設したエリア開発をおこなうことがあります。規模が大きくコンセプトが明確な住宅に仕上がるのが特徴です。
- 三井不動産レジデンシャル
- 三菱レジデンス
- 野村不動産
- 東京建物
キャリア
アドバイザー
近年では大手不動産業者やディベロッパーが注文住宅事業を展開していることもあり、ハウスメーカーとの境界線が薄くなっている傾向があるでしょう。
ディベロッパーについてはこちらで解説しています。
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ゼネコン
ゼネコンはゼネラル・コントラクターの略称で日本語では総合建築業と訳されます。会社の規模が大きく、公共施設や大規模開発など高い技術力を活かした大きな建築物を設計することが多く見られます。
ハウスメーカーや工務店との違いは個人向けの一戸建て住宅や小規模な集合住宅を手がけることはほとんどないということです。しかし、近年ではハウスメーカーである住友林業が中堅ゼネコンである熊谷組と提携するなど、ハウスメーカーとゼネコンの勢力市場にも変化が見られています。
- 鹿島建設
- 清水建設
- 大成建設
- 大林組
- 竹中工務店
建築設計事務所
建築設計事務所とはその名の通り、住宅の設計をメインにおこなう業種のことです。実際の施工は工務店などに依頼するのが通例となっています。住宅のデザインや使用など、依頼主の要望に応じて柔軟に対応します。
形態は事務所ごとに異なり、建築士が1人で業務にあたっている場合もあれば、建築士が複数名在籍して共同で運営している場合や企業として多くの建築士を雇って設計業務をおこなっている場合もあり、さまざまです。
建築の専門家による細やかで時間をかけた設計管理で、依頼主の要望を再現した住宅建築が特徴といえるでしょう。立地条件などを最大限に活かしたオーダーメイドの家づくりに寄り添えるのが設計事務所の強みです。
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どれも魅力に感じる場合や、どれが自分の特性にマッチするかどうかがわからない場合には、「誰と」仕事をしたいかどうかを考えてみましょう。たとえばハウスメーカーは購入する一般顧客と接する機会がありますが、ディベロッパーやゼネコンは対行政や対企業とやりとりをする機会が多くなりがちです。
一概には言えませんが、お客様一人ひとりに寄り添いたい、という志向の場合には前者、チームで大きなことを成し遂げたい、という場合には後者を選ぶと自分の適性と合致しやすくなるかもしれません。
ただし、いずれの業界にしても、複数の人たちと協力をしながら1つの成果物を作り上げるという点は変わりありません。特に目標に向かって行動することにやりがいを感じられる学生は、それぞれの業界を更に調べて業界研究を深めてみましょう。
住宅業界の職種
すでに大学や専門学校で建築について学んでいる学生は住宅業界を志望する方が多いでしょう。一方、これまで建築について学んで来なかったという方でも住宅の販売に興味があれば、自分を適切にアピールすることで活躍できる機会があります。
「施工管理」と「設計」については技術職なので専門的な知識が必要ですが、営業職を志望するのであれば入社後に実務を通して知識を身に付ければ問題ありません。それぞれの職種ついて解説しますので、自分に合ったものを探す手がかりにしてくださいね。
施工管理
施工管理とは住宅建築の作業が図面の通りに進んでいるか、建築スケジュールが当初の計画通りに円滑に進行しているかを確認する仕事です。建築業務全体の監督業務をおこなう、マネジメント的な仕事といえるでしょう。
具体的には段取りを確認したうえで、現場で作業にあたる職人への指示をおこないます。他にも着工前の資材調達や、発注主に対して工事内容の説明をするのも施工管理の仕事です。
施工管理の志望動機のコツはこちらで解説しています。
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施工管理の志望動機で高評価を得る秘訣|企業研究や構成のコツを解説
施工管理の志望動機を書くために、業界の仕事内容を押さえるのは不可欠です。今回は施工管理を目指す就活生に向けて、キャリアアドバイザーが施工管理の志望動機を徹底解説! 構成方法や企業が求めるスキルも紹介するので、志望動機作成の参考にしてみてくださいね。
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設計
設計は購入者の要望などを踏まえたうえで、具体的な図面に落とし込む職種のことです。実際に業務にあたるためには一級建築士免許が必要で専門的な知識が求められます。
細かな業務範囲は企業ごとに異なりますが、建物の設計をおこなうだけの職種ではありません。
- 営業担当と一緒に顧客の要望をヒアリングする
- 建設予定地の地質や地盤を把握する
- 設計した図面を元に顧客にプレゼンテーションをおこなう
- 施工管理とともに、建築作業の進捗状況を確認する
設計者が作成した図面を使って購入者の要望を具現化していくため、住宅建築の要ともいえる職種です。建築に掛かるコストや工期などさまざまな要件を考慮できる知識以外にも、顧客の要望を正確に捉えるコミュニケーション能力も求められるでしょう。
営業
営業は住宅業界の花形ともいえる職種です。それは、顧客の住宅購入をいち早い段階からサポートし、企業の売上に貢献しているからでしょう。
住宅業界の営業職は、自社のモデルルームなどに訪れた見込み客に対して相談に乗り、住宅購入のニーズを引き出していくというアプローチをとることが主流です。住宅を購入しようか迷っている段階から面談をおこなうことで、その要望をくみ取り予算や要望に合わせた最適な住宅を提案していきます。
丁寧なヒアリングスキルで要望を理解し、それを正確に設計に伝達する力が求められるため、住宅業界の中でも特にコミュニケーション能力が重要な職種です。
キャリア
アドバイザー
完成した住宅を引き渡した後も窓口としてサポートをおこなうため、顧客と長い期間関わりもつことになる点も特徴といえるでしょう。
営業職の魅力についてはこちらで解説しています。
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営業に向いてないかどうかは、営業の種類や特徴を理解したうえで適性を考えてみましょう。 この記事では、営業に向いてないと思う人の特徴、営業職の魅力、業界ごとの特徴などをキャリアアドバイザーが解説します。 動画も参考に自分に合った職種を見つけてくださいね!
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住宅業界に向いている人の特徴
就活生
特に建築業界について専門的な知識があるわけではないのですが、営業職志望で住宅業界を目指そうと思っています。
キャリア
アドバイザー
営業は企業の売上と顧客の要望の実現に応えられるやりがいのある職種ですね。良いと思いますよ。
就活生
住宅業界を志望するにあたって、適性のある人はどのような人なのかを知りたいです。
ここからは住宅業界に向いている人の特徴を解説します。紹介する適性と自分の強みがマッチしていることをアピールできると、企業の採用担当者にも魅力的に映るでしょう。
相手のニーズを把握できる人
住宅は高額な商品であり、購入者の住居として長い間生活の基盤となる商品のため、住宅の購入は一生のなかでも大きな意思決定といえます。住宅業界に勤務するのであれば、どの職種であっても相手のニーズを正確に把握する力が求められます。
すべての購入者が自分の願いや理想を明確に言語化できるわけではありません。繰り返し対話をおこなっていくことで、顧客の真のニーズを引き出し、設計に反映させる力が求められるでしょう。
購入者の住宅や将来設計に対する願いを具現化するために、相手を尊重し、傾聴の姿勢で思いを引き出す力がある方は適性があるといえます。
流行などを素早くキャッチアップできる人
消費者が住居に求めるものは時代に合わせて変化をしていきます。そのため、ファッションと同様に時代の流れを適切に読む力が必要です。
家の機能や設備だけでなく、デザインやインテリアなど住居に関するトレンドに興味や関心があり、流行を素早くキャッチアップできる方も住宅業界に向いているでしょう。流行をいち早く取り入れることは、消費者のニーズを理解することにもつながります。
最新のトレンドを掴むための努力は就活の際だけではなく、入社後も継続して求められるものです。建築雑誌やインテリア雑誌を眺めてみて住宅のトレンドにどれほど興味がもてるかを確認してみるのも良いでしょう。
臨機応変に対応できる人
住宅建設は綿密な計画のうえで進められますが、実際に稼働していくうちにさまざまな変更を余儀なくされる場合もあります。
たとえば、購入者の意向が変わって再度プランや設計を変更したり、施工現場で思わぬ事態が発生したりすることもあります。計画通り進めていく力も大切ですが、計画通り進まなかった場合に臨機応変に対応する力も同様に大切です。
ときには上司の協力を仰ぎながら、建築スケジュールを変更したり、トラブル対応をおこなうといったとっさの対応を求められることもあります。想定外の事態が発生しても状況を冷静に分析し、柔軟な対応をおこなって最後まで仕事をやり遂げる対応力を身に付けている方は向いている仕事といえるでしょう。
臨機応変に対応できる力をアピールするコツはこちらで解説しています。
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臨機応変に対応する力は自己PRに向いてる? こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。就活生から最近、こんな声を聞くことが多くあります。 「臨機応変なことって自己PRになりますか?」 「アピール内容を面接官に評価される […]
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語学力の高い人
日本国内の住宅需要が減少傾向にあることから、住宅業界全体が海外事業に注力する流れになっています。そのため、海外事業を展開している企業を志望するのであれば、語学力が高いと大きな強みになるでしょう。
学生時代に留学経験があったり、TOEICでハイスコアを取得している場合などは履歴書でもアピールをすると効果的です。
日本と同様に海外でも住宅を建てようとする顧客層は一定の資産をもっており、社会的な地位が高い方といえるでしょう。そのような方と共通の言語でコミュニケーションをとれると円滑に仕事を進められます。
キャリア
アドバイザー
入社後に必要に応じて語学を勉強することも可能ですが、志望企業が海外事業に力を入れている場合は、就活が本格化する前に学習を進めておくと良いでしょう。
英語力をアピールする方法はこちらで解説しています。
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英語力の自己PRは一歩間違えると逆効果! 効果的に伝える秘訣を解説
英語力の自己PRはエピソードを交えてアピールしましょう。今回は英語力をアピールする前に知っておきたいことやアピールする際の注意点をキャリアアドバイザーが紹介します。また、英語力と併せてアピールできる強みや英語力の自己PRで盛り込むべき要素も紹介していきます。英語力をアピールしたいと思っている人は参考にしてみてください。
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キャリアアドバイザーコメント辻 華菜子プロフィールをみる
紹介した特徴はどれも大切ですが、もしアピールできるエピソードや考えがある場合には流行を素早くキャッチする力を伝えてみましょう。住宅は、一度建てるとその後簡単に取り壊すことが難しい商品です。土地の取得から施工までに数ヶ月から数年を要することもあり、その間に世の中のニーズが変わってきてしまう可能性も否めません。
もちろん、新入社員のうちにアイディアをどんどん出すと「それよりも手を動かす方が先だ」と言われてしまうケースもあるかもしれません。しかし、いつ何時意見を求められても答えられるように「今後の世の中はこのように変化するかもしれない」という自分なりの根拠を述べられる訓練をしておくと良いでしょう。最初はできなくても毎日ニュースに触れる、など努力をすれば培うことが可能です。
住宅業界で働く魅力
住宅業界は業績の伸びは堅調であり業界規模としてもほぼ横ばいといえます。今後も安定した業績を保つためには、少子高齢化社会や人口の減少に向き合って新しい事業を展開していくことが求められ、業界内での競争は激しくなっていくことが予想されています。
そんな住宅業界で働く魅力として挙げられるのは「人生のなかで一番大きな買い物に関われること」と「顧客の要望に直接応えられること」の2つです。
これらは、扱う商材が住宅であるからこそ実感できるものであり、住宅業界ならではといえるでしょう。
①人生のなかで一番大きな買い物に関わることができる
住宅は人生でもっとも高い買い物と言われています。一戸建てかマンションか、購入する地域や広さによっても価格は大きく変わりますが、購入価格は全国平均で土地付注文住宅が4,397万円、建売住宅が3,495万円です。
これだけの高価な買い物は一生に一度あるかないかでしょう。そのため、購入者側の思い入れも強くなるのは当然といえます。また、受け渡した後に実際にその住宅で暮らし、毎日の生活の基盤となることからも住宅の販売に関わる責任は大きいです。
その責任の分だけ営業や設計、建築に関われるやりがいも感じやすい業界といえるでしょう。
住宅は人生三大支出の1つ
人生のさまざまなライフイベントの中でも、金額が大きく事前に準備が必要な支出としては「住宅資金」「教育資金」「老後資金」の3つがあります。
このなかでも、住宅資金は教育資金や老後資金に比べて、予定を立てやすく確実に支払いの見込みが立てられるものです。住宅購入額に関わらず支払いタイミングや支払金額のコントロールが可能なので、顧客のライフプランニングに合わせて計画を立てていくことになるでしょう。
②顧客の要望に直接応えられる
住宅は顧客の要望に沿って住宅設計を進めていきます。とくに注文住宅の場合は、顧客ごとにできあがる住宅のバリエーションに富み、提案の幅も広いため顧客の要望に直接応えられるでしょう。
家は生活の基盤になるものなので、ときには購入者の住宅に対する願い以外にどのような人生や生活を送りたいのかなど、プライベートに踏み込んだコミュニケーションをおこなうことも想定されます。
顧客の隠れた要望に気付き、設計や建築に反映しながら、理想の住宅を造り上げていく過程そのものを楽しめるのも住宅業界の魅力といえるでしょう。
住宅業界を代表するの5つの企業
住宅業界を代表する企業というと、先ほど述べたようなハウスメーカーを思い浮かべる方が多いでしょう。TVコマーシャルで目にする分、大手ハウスメーカーが占める規模が大きいと予想している方もいるでしょう。
しかし、大手ハウスメーカーが占めているのは全体の26%程度です。それ以外の74%については、工務店などの地域に根ざした住宅企業が占めているため、大手ハウスメーカーもまだまだ事業拡大のチャンスがあります。
住宅業界を代表する5つの企業について、それぞれの特徴を紹介していきます。
大和ハウス工業
大和ハウス工業は1947年に設立、従業員数は2021年4月時点で16,712人で、本社は大阪です。一戸建て住宅や賃貸住宅・マンションの建設、各施設の建築事業、都市開発や環境エネルギー事業などに取り組んでいます。
大和ハウスグループ全体の売上高は2020年度で4兆1,267億円であり、これは住宅・建設・不動産業界 第1位です。戸建住宅をコア事業として位置づけ、連続で起こる巨大地震にも耐えうる高い耐震性能をほこるシリーズの展開を開始するなど、先進技術で時代のニーズを先取りする住まいづくりを提案しています。
大和ハウス工業では、人財を最大の財産と位置付けており「事業を通じて人を育てること」を企業理念に掲げており、向上心高く自己研鑽に努められる人材を求めているでしょう。
☆積水ハウス
積水ハウスは1960年に設立、従業員数は2022年1月31日時点で15,017人で、本社は大阪です。戸建て住宅事業、賃貸住宅事業、建築事業やリフォーム事業、不動産フィー事業、都市開発事業をおこなっています。
積水ハウスグループ全体の売上高は2020年度で2兆4,469億円であり、住宅事業が27.9%、不動産フィー事業が22.8%の割合を占めています。累計の建築戸数は2,506,598戸で2021年1月31日時点で世界のハウスメーカーでNO.1の実績を誇っており、近年では「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の普及に力を入れています。
積水ハウスは、企業理念の根本哲学に「人間愛」を位置付けており、相手の幸せを願い、奉仕の心をもって誠実に仕事に取り組める人材を求めています。
住友林業
住友林業は1948年に設立され、東京に本社を置いています。従業員数は住友林業グループ全体で21,254人です。資源環境事業や、木材建築事業、住宅建築事業、生活サービス事業、海外住宅・不動産事業などを手がけています。
木造建築に特化していることが、さまざまなタイプの住宅を提供するハウスメーカーとの大きな違いでしょう。グループ全体の売上高は1兆3,859億円で、木材建築商社としての取扱高は国内No.1の実績があります。
木という再生可能な資源を使って経済や社会、環境に貢献している住友林業では、環境に配慮しながら事業を継続しようという志のある学生を求めています。
旭化成ホームズ
旭化成ホームズは1972年に設立され、従業員数は2021年3月末時点で7,418人、本社は東京です。旭化成ホームズグループは、戸建住宅や集合住宅を手がける旭化成ホームズ、マンション開発や賃貸仲介をおこなう旭化成不動産レジデンス、リフォームを専門とする旭化成リフォームなど、専門性ごとにグループ会社に別れて事業を展開しています。
旭化成グループ全体の売上高は2020年度2兆1,061億円であり、その中で旭化成ホームズグループは全体の30%を占めています。主要5都府県(東京、神奈川、大阪、愛知、埼玉)では5年連続で持家販売数No.1の実績があり、都市圏を中心に事業を展開しているのが強みです。
募集要項では「自ら学び、自ら考え、自ら行動できる人」を求める人財として明記しているため、学生時代にすすんで取り組んだ経験をアピールすることが効果的でしょう。
学生時代頑張ったことを伝えるコツはこちらで解説しています。
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一条工務店
一条工務店は1978年設立、従業員数は2021年3月31時点で約5800人です。2020年度の売上高はグループ全体で約4,082億円とこれまでに紹介した4社に比べると少ないですが、戸建住宅販売戸数では5年連続業界1位を誇っています。
一条工務店は「家は性能」というこだわりをもち、環境に配慮した住宅設計が評価されて「省エネ対象 経済産業大臣賞」を受賞するなど時代のニーズに合った住宅を手掛けていることも特徴的です。
一条工務店の企業理念は「お客様よりお客様の家づくりに熱心であろう」であり、目の前のお客様の立場になって考えられる力があることを上手くアピールできるかが選考通過の決め手になるでしょう。
相手の立場に立って考える力をアピールするコツはこちらで解説しています。
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住宅業界の選考で差をつけるために事前にできることは?
就活生
住宅業界を第一志望にして就活を進めていこうと思っています。今から少しでも就活を有利にするためにできることはありますか?
キャリア
アドバイザー
熱量が高くて素晴らしいですね。住宅業界を志望するのであれば、ここで紹介する3つをポイントにすると良いですよ。
就活生
なるほど。事前にできることがわかると、少し前進できそうですね。
キャリア
アドバイザー
そうですね。それぞれ、どのような利点があるのか説明していきますね。
住宅業界の選考を有利に進めていくためには、少しでも早く動き出すことが大切です。今から自分にできることを見つけていきましょう。
インターンシップに参加する
住まいづくりはただ家を建てることだけではなく、暮らし全体の関わりについて消費者の理想を具現化することです。そのため、ただ「家が好き」「建築に携わりたい」という気持ちだけでは務まらないこともあります。
実際に住宅会社が開催しているインターンシップ(インターン)に参加することで、就活が本格化する前から住まいづくりについての知識を得られます。
たとえば、積水ハウスでは3日間のオンラインインターンを実施しており、2日間の共通プログラムの後、「営業」「設計・施設管理」「総合企画職」「生産技術」の4コースに別れたプログラムを1日体験できます。
他のハウスメーカーでも同様の短期インターンが実施されていますので、応募することで企業の風土や自分との適性を見極められるでしょう。
インターンを充実させるコツはこちらで解説しています。
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資格を取得する
就活が始まる前に、住宅業界での実務に役立つ資格を取得しておくのもおすすめです。具体的に必要になる資格は職種によって異なりますが、次に紹介する「住宅業界に就職するのに有利な資格」の中から選ぶようにしましょう。
資格があることで、知識を身に付けていることが伝えられるだけでなく、資格を取得するほど熱量高く住宅業界を志望していることがアピールできます。
また、取得するまでの努力した過程を伝えることで、入社後もさらに知識をキャッチアップできると予想できるため、企業の採用担当者に魅力的に映ります。
資格をアピールする際の注意点はこちらで解説しています。
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TOEICのスコアを上げる
大手のハウスメーカーは海外事業に力を入れています。TOEICのスコアを取得していることで海外でも国内と同様に顧客や取引先とコミュニケーションを取れるとアピールできるでしょう。
今はまだ海外事業には取り組んでいない企業であっても、これから事業の方向性が変わる事も想定できます。国内の住居需要が減少するに伴い、海外へ進出する流れは必然と言えるので、TOEICのスコアを上げておいて損をすることはないでしょう。
TOEICスコアのアピールするコツはこちらで解説しています。
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住宅業界への就職に有利な資格
志望する職種にもよりますが、住宅業界を志望するなら次のような資格を取得しておくと、就活を有利に進められます。
もちろん、設計を目指すのであれば建築士の資格は取得必須です。一方で営業職の場合は、入社時に取得必須の資格はないですが、上記の資格を保有しておくことで住宅業界への興味関心や熱意をアピールできるでしょう。
それぞれの資格について、資格の内容と保有するメリットを解説しますので、ぜひ取得すべき資格を見つけてください。
宅地建物取引士
宅地建物取引士は「宅建」と呼ぶこともあり、不動産取引をおこなうために必要な国家資格です。住宅を販売する際の重要事項を説明したり、書類に記入をしたりするためにはこの宅地建物取引士の資格が求められます。
試験の実施回数は年1回で合格率は約15%〜18%と難関資格と言えます。ただ、取得することで不動産取引に関連する法律や建設についての知識が身に付きます。住宅業界の営業職を志望する場合には、こちらの資格をもっていることで独占業務がおこなえますので有利になるでしょう。
住宅ローンアドバイザー
住宅は購入金額が大きいため、購入時にローンを組むことがほとんどです。住宅ローンは幅広い金融機関が販売しており、多種多様なローンの中から、購入者に合ったものを選ぶためには一定の知識が必要です。
住宅ローンアドバイザーは民間資格であり、保有しておくことで、購入者に対し住宅ローンに関する条件、リスクなどについて、正確かつ必要十分な情報を提供できることがアピールできます。
インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターとはインテリアに関する幅広い商品知識をもち、快適な住空間を作るためのインテリア計画や商品選択のアドバイスをすることを目的とした資格のことです。
公益社団法人インテリア産業協会が認定している民間の資格で有効期限が5年間と決められています。インテリアコーディネーターの資格取得に向けて勉強することで空間設計の仕方やインテリアが与える心理的な効果についても学べるでしょう。
注文住宅を扱う住宅会社の場合、理想の家づくりが提案できるようにデザイン性の高い設計についての知識も求められます。営業職や設計職を目指す方におすすめの資格です。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー(FP)は理想的なライフプランを実現するための資金計画を立てる役割を担います。投資信託や株式などのお金の運用、住宅ローンや生命保険など、お金を増やしたり借りたりする際の相談に乗ったり、計画を作成します。
FPと聞くと保険業界との関わりをイメージする方も多いでしょうが、住宅の購入という三大支出に関わる住宅業界でも、このFPの資格を保有しておくことで、購入者に対して安心感のある説明をおこなうことが可能です。
建築士
建築士は「建築士法」に定められた国家資格で建物の設計や工事の監理をおこなう建築の専門家です。設計職を志望するのであれば取得が必須になります。資格は「一級」「二級」「木造」の3種類があり、取得資格によって取り扱うことのできる業務範囲が変わります。
1級建築士の合格率は学科試験で約20%、製図試験で約40%、総合で10%前後と国家試験の中でも難易度が高い試験といえます。
一方、若い建築士の確保は業界の課題でもあるので、資格をもっていると有利です。設計職を志す方はぜひ早めに勉強を進めるようにしましょう。
住宅業界の志望動機に盛り込むべき4つの内容
就活を勝ち抜くためには採用担当者に良いイメージをもたせる志望動機の作成が必要です。志望動機はただ、熱意を伝えるだけでなく、自分がどのような思いでなぜその企業を選んだのかを論理的に説明すると良いでしょう。
志望動機を書く前にはきちんと業界研究や企業研究、自己分析をおこない、どのようにアピールしたら良いのかを考えていきましょう。
志望動機の作り方についてはこちらで解説しています。
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①なぜ住宅業界を志望するのか
就活の過程で幅広く業界研究をおこない、他にも魅力に感じる業界があった方もいるのではないでしょうか。そのなかで、なぜ住宅業界を志望しようと思ったのか、他の業界にはない住宅業界の特徴について記載するようにしましょう。
住居は人々の生活に必要不可欠なもののため、その社会的な意義と自分自身の興味関心が一致していることが伝えられると、業界を志望した理由に説得力が増します。
他の業界との比較の中で住宅業界にしかできないことや住宅業界だからできることを記載して、業界を志望する理由にしましょう。
➁なぜその企業なのか
住宅業界には同様の事業をおこなっている企業が複数あります。そのなかでも、なぜその企業を志望しているのかを記載するようにしましょう。この「なぜその企業なのか」が伝えられないと、採用担当者側は「同業他社でも良いのではないか」と感じてしまうため、選考を勝ち抜くことは難しいです。
同じ住宅業界の企業でも会社の規模や理念によって、異なった強みをもっています。志望する企業の採用サイトを念入りに確認し企業研究をおこなうことはもちろん、他企業のホームページも参考にして違いを比較しながら企業研究を進めると、志望企業の特徴が明確になるでしょう。
なぜその企業なのかを伝えるときには、他の企業を否定して優劣をつけるのではなく、自分が主体的に志望した理由を述べるよう意識してください。
③住宅に関する具体的なエピソード
業界や企業を志望する理由を記載する際にはどうしても一般的な内容になってしまい、他の学生との差別化が難しくなることがあります。そこで、志望動機に具体的なエピソードを記載することで、自分だけの志望動機が完成します。
たとえば、自分の祖父母が住宅を購入する際の出来事や、幼いころから住宅に興味をもち自主的に調べ学習に取り組んだ経験があれば、エピソード例としては十分です。
自分や身の回りの人が体験したこと、そこで感じた気持ちが住宅業界を志望することにつながっていることを伝えられると個性ある志望動機になるでしょう。
④自分は企業にどう貢献できるか
企業が求めているのは入社後に自社のために活躍できる人材です。どんなに住宅業界に興味があったとしても、入社後の活躍イメージを描けないアピールでは内定を獲得するのは難しいです。
もちろん、成長意欲が高いことを伝えることは大切ですが、気持ちだけでは仕事はうまくいきません。自分の能力や強みをはっきりと理解したうえで、企業のどのポジションでどのように強みを活かせるか、入社後に貢献できるところを志望動機に記載しましょう。
貢献できることをアピールする際は締め方を工夫しましょう。
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熱意が伝わる志望動機の締め方|作り方・伝え方を例文付きで解説
志望動機のしめの文では、入社してやりたいことをしっかりと伝えることで面接官に熱意を伝えることができます! 今回は熱意の伝わる志望動機のしめ方をOK例文とNG例文とともに紹介していきます。キャリアアドバイザー監修のもと、魅力的なしめを作るポイントも紹介するので参考にしてみてください。
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住宅業界の志望動機を書いてみよう!
就活生
志望動機を書くための業界・企業分析、自己分析は済ませたのですが、やはりいざ書こうとするとなかなかまとまりません。
キャリア
アドバイザー
志望動機は採用担当者の印象に残るために書き方を工夫することが必要ですから、上手な書き方を知る必要がありますね。
就活生
上手な志望動機の書き方を具体的に教えていただきたいです。
キャリア
アドバイザー
もちろんです。住宅業界を志望する方向けの志望動機の例文を紹介します。例文をもとに自分の考えを盛り込めば魅力的に仕上がるでしょう。
住宅業界の就活を勝ち抜くため志望動機の書き方のポイントをお伝えします。
安全な住宅を提供したい
住まいは生活の基盤であり、安心で安全な住宅の提供は住宅会社に求められる社会的な存在意義といえるでしょう。日本は諸外国と比べても自然災害の多い国なので、災害にも耐えうる強い家を提供することは安全な社会の根幹となります。
また、防犯性という視点も欠かせません。万が一、住宅への侵入があれば財産だけでなくそこに住む人の命が脅かされる可能性も考えられます。住宅に対して安心できないと精神的な負荷も大きくなるはずです。
自然災害や犯罪被害を未然に防ぐための住宅設計や設備について興味関心があるという方は安全な住宅を提供するという住宅業界の特徴について志望動機で明記すると良いでしょう。
回答例
私は安全な住宅の提供することで、人々の安心できる生活の実現に貢献したいと考え、貴社を志望しました。
貴社は独自で開発した技術を用いて大きな揺れにも耐えうる住宅の実現に力を入れています。住宅設計の構造も工夫することで耐震性の高い住宅を数多く提供している点に魅力を感じました。
私の両親は、東日本大震災の被災地ボランティア活動に参加しました。私はまだ幼かったですが両親の話を聞いて、住宅の安全性は人々の心理的な安心につながるものだと感じました。地震被害が問題となる中で、一人でも多くの人に貴社の強みを活かした住宅を提供することで、安心できる生活を届けたいと考えています。
入社後は顧客に寄り添った営業をおこない、信用を勝ち取ることで売上にも貢献したいと考えています。
キャリア
アドバイザー
なぜ安全な住宅の提供に興味をもったのか、実体験が述べられているのが良いですね。
高機能で豊かな生活を提供したい
購入者が毎日の生活を快適に過ごすためには、必要な機能を兼ね備えた住宅を提供することが大切です。断熱性、気密性、耐震性、耐久性、省エネ性などをバランス良く満たしている高機能な住宅であれば、補助金の支給や税金の優遇が受けられるといったメリットもあります。
特にゼロエネルギー住宅(ZEH)は家を建てた後のランニングコストが安く、環境にも配慮した設計のため、力を入れている企業への注目が集まっています。今後は住宅設計の標準的な設備になっていくことでしょう。
高機能で豊かな生活を提供するために、住宅会社はそれぞれの強みを発揮した住宅設計をしているので企業研究を入念におこなって志望動機に反映させるようにしましょう。
回答例
私は高機能住宅を提供することで、そこに住む人の生活をより豊かにしたいと考え、貴社を志望いたしました。
貴社は断熱材や窓、オリジナルの住宅設備などを自社グループ内で製造することで高性能・高品質な住宅を安定的に供給しているという強みがあり、さまざまな賞を受賞していることがその実績の裏付けであると考えています。
家の性能にこだわり続けることで住宅業界の競争に勝ち抜いている貴社であれば、今後も購入者のニーズを満たす最先端の住宅提供ができるだろうと魅力に感じています。
私は、大学時代にレストランのホールスタッフとしてアルバイトの経験をしました。接客業を通して培ったコミュニケーション能力を活かして、営業職として顧客の要望を叶える住宅の提供をおこないたいです。
キャリア
アドバイザー
企業研究をして理解した企業の強みを記載できているのが良いですね。
自分が設計した住宅を提供したい
住宅業界の設計職であれば、自分が作成した図面の建築に携われます。実際の設計にはさまざまな条件や法律による規制が入るため、思い通りに進まないこともあるとは思いますが、自分が思い描いた住宅が現実になる喜びを感じられるのは住宅業界ならではでしょう。
自分が住宅に対してどのような思いを抱いているのか、どのような住宅を設計し提供したいと思っているのかを言語化し、同じ方向性の企業を見つければ採用担当者にも魅力的に映るはずです。
自分が設計した住宅を提供したいことを伝える際には、ただ自分の熱意を伝えるだけではなく、購入者のニーズや企業の理念とも合致していて、業績との関連性をアピールするようにしましょう。
回答例
私は、デザイン性の高さで人々に感動を与えるような設計をしたいと思っています。そのために、大学では機能性とデザイン性を両立するための住宅設計の知識を身に付けました。
大学時代にバックパッカーとして世界中を旅することで日本とは異なる家のデザインや特徴に感銘を受けたことが、私の住宅設計に対する考えのきっかけになっています。
貴社は全国的にも知名度が高く、顧客のニーズに応じた柔軟な設計の住宅を数多く建築しています。実用性も兼ね備えており、多くの顧客から高評価を得ている点が素晴らしいと思ったことが貴社を志望した理由です。
貴社に入社できましたら、自主的に研鑽に取り組み常に顧客の幸せと売上の増加に貢献できる住宅を設計したいと考えています。
キャリア
アドバイザー
自分の住宅設計に対する考え方と企業の方向性が一致していることが伝えられているのが良いですね。
住宅業界を志望する学生からよくある質問に回答!
住宅業界にはどのような職種があるのか、将来性はあるのか疑問に思う学生もいますよね。そのような学生の疑問にキャリアアドバイザーが答えます。
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住宅業界に将来性はあるのでしょうか?
今後ますます進む人口の減少による国内需要の減少に加え、若手人材やベテラン技術者、職人の人材不足を見すえて、住宅業界の各企業は変革を迫られています。その一環として企業によっては国内市場だけでなく、人口が増加傾向にあるアメリカや中国、オーストラリア、東南アジアなどの新興国といった海外市場を開拓することによって新たなビジネスチャンスを広げているところもありますよ。
また高齢者向け住宅やスマートハウスの開発、戸建て住宅のみならず集合住宅や商業施設も含む大規模都市開発に取り組む企業も増えつつあります。住宅業界の先行きは決して楽観視できない状況ですが、新たな活路を見出し事業を継続する企業は多いでしょう。
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住宅業界にはどんな職種があるのか教えてください。
住宅業界には営業職のほか、業界ならではの職種がいくつかあります。たとえば設計職や、工程・品質・安全面などから工事全体を管理監督する施工管理職、耐久性や耐震性の実験や高品質住宅の研究をする研究開発職などが挙げられますね。また企業によっては内装やカーテン、照明などを顧客の要望に合わせて提案していくインテリアコーディネーター職があったり、建築後の定期的なメンテナンスを専門におこなう部署を設けているところもあります。
住宅業界について理解して必要な準備をしよう!
住宅業界は人々の暮らしが続く限り、需要のなくならない安定した業界です。その安定性の高さから志望する学生も多くなるため、選考で勝ち抜くためにはしっかりと自分をアピールする必要があります。
住宅業界について正しい知識を身に付けたうえで、自身でも自己分析や業界分析をおこない、採用担当者の目に留まるアピールで住宅業界への就活を成功させましょう。
顧客の立場から考えるとメリットとデメリットが異なるので、住宅会社としてもきちんとした説明をおこない、顧客のニーズに合った方法を提案する力が求められます。