目次
- ものづくり業界の志望動機をブラッシュアップするには業界理解が不可欠
- ものづくり業界の特徴を理解しよう
- ものづくりといってもtoBからtoCまで幅広い
- ものづくり業界の職種と仕事内容
- 研究
- サプライチェーンを意識してものづくり業界の企業を知ろう
- 川上産業
- 川中産業
- 川下産業
- ものづくり業界の求める人材
- 協調性がある
- 向上心がある
- チャレンジし続けられる
- 探究心がある
- 0から1を生み出せる人
- ものづくり業界の志望動機を作る8つのポイント
- ①企業研究・業界研究をしっかりとする
- ②なぜものづくりがしたいか明確にする
- ③求められている人物像を把握する
- ④やりたい仕事を明確にする
- ⑤なぜその企業なのかを明確にする
- ⑥自分が貢献できることを入れる
- ⑦将来のキャリアビジョンを明確にする
- ⑧熱意のある志望動機にする
- ものづくり業界の志望動機の注意点
- 「商品が好き」という理由だけでは弱い
- 同業他社との比較をする
- 社会貢献性を全面にアピールしない
- ものづくり業界の志望動機の例文
- 食品メーカーの志望動機
- 自動車メーカーの志望動機
- 化粧品メーカーの志望動機
- 家電メーカーの志望動機
- 衣料品メーカーの志望動機
- 鉄鋼メーカーの志望動機
- 半導体メーカーの志望動機
- 部品メーカーの志望動機
- ものづくりと接点がなくても志望できる! 志望動機のコツ
- 文系学部出身の場合
- ものづくりの経験がない場合
- ものづくり業界の特徴を把握して熱意ある志望動機を作ろう!
ものづくり業界の志望動機をブラッシュアップするには業界理解が不可欠
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生からよく、
「ものづくり業界の志望動機が思いつきません」
「ものづくり業界の志望動機を書く際のコツはありますか?」
といった質問を受けます。就活において、ものづくり業界に就職したいと考えている人は少なくないと思います。ものづくりと一口に言っても、ものづくりには多種多様な仕事があることから、志望動機をブラッシュアップするには業界理解が必要不可欠であるといえます。
当記事では就活に関してよく質問される、ものづくり業界の志望動機作成のコツを徹底解説します。ものづくり業界の特徴や志望動機の例文などもあわせて紹介するので、ものづくり業界を志望したい方はぜひご覧ください。
当記事を読めば、採用担当者の目に留まるような完成度の高い志望動機を書けるようになるでしょう。
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ものづくり業界の特徴を理解しよう
ものづくり業界の志望動機の書き方を学ぶ前に、まずは業界の特徴を理解しておきましょう。ものづくりを担っている企業はメーカーや製造業とも呼ばれており、日本のGDPの2割を占めている国の基幹産業です。
ものづくり業界と聞くと物を製造しているイメージが湧くと思います。それ自体が間違っているわけではありませんが、そのイメージはものづくりの一端を担っているに過ぎません。ビジネスモデルや職種の観点から見ると、ものづくり業界の中には多種多様な仕事があるのです。
採用担当者の目に留まるような志望動機を書くにはこれらの理解が必要不可欠です。以下では「ものづくりのビジネスモデル」「ものづくり業界の職種」をそれぞれ紹介するので、自分の志望先がいずれに当たるのかを考えながら確認してみてください。
ものづくりといってもtoBからtoCまで幅広い
ものづくりの企業は物を作るという点でどこも同じに思えますが、「作った製品を誰に販売するか」によってタイプが2つに分かれます。
- BtoBタイプ
- BtoCタイプ
それぞれのタイプで仕事内容もやりがいも異なります。この違いを理解しないことには志望先が見つからず、まともな志望動機も書けないのは火を見るよりも明らかです。この機会に必ずそれぞれのビジネスモデルを理解しておきましょう。
toBメーカーのビジネスモデル
BtoBとはBusiness to Businessの略であり、企業に向けて製品を作っているメーカーのことです。消費者に接する機会はあまりなく、製品名や企業名になじみのないことが多いですが、皆さんの使用している日用品はいずれもこのBtoBメーカーの工程を経て作られたものです。
BtoBタイプの特徴としては以下の2点が挙げられます。
- 競争率が低い傾向にある
- 経営が安定している
BtoBメーカーは企業間取引であり日常的に社名などを聞かない分、知名度が高くないので就活での競争率は低い傾向にあります。一方、消費者向けのビジネスとは異なり流行などに左右されることが少ないため、経営が安定している優良企業が非常に多く存在します。
toCメーカーのビジネスモデル
BtoCとはBusiness to Consumerの略で一般消費者に対して製品を作っているメーカーを指します。BtoCメーカーの特徴は以下の3つです。
- 知名度が高い
- 実感を得やすい
- 就活でアピールしやすい
BtoCメーカーはBtoBとは対照的に、日常的になじみ深く知名度が高い企業ばかりです。名の知れている企業に入社することで世間的な評価が高くなることに加え、社会的に貢献している実感が湧きやすいので、就活のモチベーションアップにもなりやすいでしょう。
さらに就活の際には、実際に商品を使用していた経験や、ものづくりに興味を持ったきっかけなどを説明しやすいという特徴もあります。
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ものづくり業界の職種と仕事内容
ものづくりには何かを作るイメージがありますが、物を作る前後には消費者からは見えないさまざまなプロセスがあります。ものづくり業界では効率良くものづくりを進めるために、以下の4つの職種に分かれています。
- 企画
- 営業
- 研究
- 開発
志望動機では志望する職種を述べることでやりたい仕事を明示すると、採用担当者に対してものづくりに携わりたい熱意が伝わりやすくなります。それぞれの仕事内容を確認することで、自分がどの業務に向いているのか、何に携わりたいのかを明確にしておきましょう。
企画
企画は消費者にどんなニーズがあるのかを把握し、そのニーズを落とし込んだ製品をどのように生み出すのかを考える、ものづくりの根幹に当たる非常に重要な仕事です。どんな製品も企画の仕事がなければ成り立たず、不安定な企画ではその後の作業工程も不安定な状態で進行していくので、責任重大な役割であるといえます。
しかし、大変な仕事である一方で、自分の考えが企画として採用されたときや、製品として形になり世の役に立ったときには計り知れない達成感を味わえることでしょう。企画の職種に就くには就活当初からずば抜けた企画力が必要ということではないので、興味があれば引っ込み思案になることなく志望してみましょう。
企画職のやりがいについてはこちらでも解説しています。
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営業
営業はより良い製品を生み出すための情報収集や製品が売れるための宣伝を担当する仕事です。営業はBtoBメーカーであれば顧客の要望を上手く汲み取り、BtoCメーカーであれば消費者のニーズを柔軟かつ的確に把握します。そこで得た情報は企画陣営が新たな製品を生み出すための貴重な情報源となります。
また、営業は生み出された製品をどのようにより多くの人に届けるかの算段もしなければなりません。顧客企業や流通に対して相手のニーズにあわせて自社の製品を提案・販売し、新規ルートを開拓することもあります。地道な努力が必要な非常にシビアな仕事ですが、その分やりがいも大きいでしょう。
営業職の魅力についてはこちらでも解説しています。
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研究
研究職は製品を完成させるために必要な技術を研究することを仕事としています。
メーカーは時代の潮流や人々のニーズに従い日々新たな製品を生み出していく必要がありますが、新製品を開発できるだけの技術力がなければ、メーカーは立ち行かなくなってしまいます。そういった意味で研究職はものづくりを根底から支えている、なくてはならない存在であるということができるでしょう。
素材や基礎技術の研究は企業だけでなく業界全体をも成長させます。ものづくりの今後を支えたい、産業の次世代を担いたいと思うのであれば研究職がぴったりでしょう。
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開発
開発職は企業が世にサービスを打ち出すための製品化を務める職種です。企画で生まれた商品のイメージやコンセプトを、実際に製造・販売される「モノ」として形にしています。
具体的には、企画からきた設計における課題点を改善しながら試作品を開発し、それを評価をする過程を繰り返しおこないます。それと同時にその商品に採算性があるのかも突き詰めます。
開発職は決まったアイデアや方向性において試行錯誤を繰り返す仕事なので、粘り強さが必要となるでしょう。
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サプライチェーンを意識してものづくり業界の企業を知ろう
ものづくり業界の仕組みはサプライチェーンを意識すると理解しやすくなります。サプライチェーンとは素材や原材料の調達から製造、在庫管理、配送、販売までの一連の流れのことです。
ものづくり業界にはサプライチェーンの各工程を担当するメーカーがあり、それぞれのメーカーが製造している製品はまったく異なります。それらのメーカーの呼び方はサプライチェーンを川の流れに見立て、「川上産業」「川中産業」「川下産業」の3つに分類されています。
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川上産業
川上産業とは、サプライチェーンを川の流れに見立てた場合、消費者からもっとも遠い川上に位置する素材産業のことを言います。
川上産業は企業名が出ることはあまりないので消費者からの認知度は低い傾向にあります。しかし、川上産業はものづくりの最初の過程に当たり、この存在なくしては商品の製造は成り立たないため、サプライチェーンにおける縁の下の力持ちとして重要な役割を担っています。
素材メーカー
川上産業に位置するメーカーが素材メーカーです。素材メーカーとは製品の元となる素材を購入・加工し、できた材料を次の工程を担う企業に供給することで利益を得ているメーカーを指します。
自働車を例に挙げるとすると、自働車のボディ部分の材料となる鉄鋼産業や窓部分になるガラス産業などが素材メーカーに当たります。他にも化学産業や繊維産業、非鉄産業、パルプ・紙産業なども素材メーカーに含まれます。
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川中産業
川中産業とはサプライチェーンにおいて消費者に届くまでの中間地点に位置する産業です。川上産業から供給した素材から製品の一部となる部品の製造の工程を担当しています。
各部品に不具合があってはその後の工程に大きな影響を及ぼし、製品全体の品質にもかかわってくるため、中継役として非常に重要な役割を担っています。
機械メーカー・部品メーカー
川中産業に当たるのが機械メーカーです。機械メーカーにもさまざまな業種があり、OA機器や建設機器、工作機器、精密機器などを取り扱っています。
自動車業界における川中産業は、素材メーカーでできた鉄鋼やガラスを実際自動車に使用するボディやドア、窓ガラスなどを製造する部品メーカーに当たります。
川下産業
川下産業とは消費者に最も近いところに位置する販売や流通、サービスなどに関連する産業のことです。消費者との距離が近い分、知名度が高くなじみ深いメーカーが多いでしょう。
川上産業や川中産業とは異なり、直接的に消費者と接する産業であり、直に消費者の声を聞くことができるので、苦労ややりがいにつながりやすいといえるでしょう。
最終消費材メーカー
川下産業は最終消費材メーカーと言い、食品メーカーや家電メーカー、衣料品メーカーなどがこれに当たります。味の素やニトリ、ユニクロなどは非常になじみのあるメーカーだと思います。
トヨタ自動車などの自動車メーカーも最終消費材メーカーであり、川中産業でできた部品を供給し組み立て・製造することで世の中に自動車を流通させています。
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仕事の流れは同じものづくり業界であれば共通することがありますが、仕事をするうえでの目線や具体的な仕事内容は異なります。企業によっては川上に特化していることもありますし、川上から川下まで担当する企業で配属先によって担当する仕事が異なることもあります。
たとえば、営業職で考えてみると仕事の目線が異なることがわかりやすいですよ。素材メーカーのような川上産業の営業は、卸売企業に対して原材料や素材などを提案しています。卸売企業は提案された商品の使い道が決まっていないことがほとんどです。川上産業の営業は「どのように素材を活用してもらうか」を説明することが求められています。
一方で、部品メーカーのような川中産業の営業は、商品を販売してもらうように小売業の企業に対して営業をおこないます。川上産業とは異なり完成している部品などの商品を扱いますよね。そのため「商品を使うとどのようなメリットがあるか」を提案する営業をおこないます。
このように同じものづくりの営業であっても、担当する仕事によって視点が異なるのです。就職後にミスマッチが起こらないよう、川上〜川下までの仕事内容もきちんと理解しておくようにしましょう。
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ものづくり業界の求める人材
ここまでものづくり業界の特徴について見てきましたが、ものづくり業界ではどのような人材が求められているのでしょうか。
ものづくりに携わりたいのであれば、業界や企業で必要とされている人材の特徴を理解しておくことが大切です。面接官はどこに着目しているのか、評価ポイントはどこなのかを把握しておけば効果的なアピールがしやすくなるでしょう。
- ものづくり業界の求める人材
- 協調性がある
- 向上心がある
- チャレンジし続けられる
- 探究心がある
- 0から1を生み出せる人
それでは1つずつ確認していきましょう。
協調性がある
どの業界にも言えることですが、ものづくりにおいて重要視されるのは協調性です。
ものづくりは個人で作業を進めることもありますが、最終的にはそれぞれの作業が1つのものを形づくります。たとえば、自動車はドアやボンネット、エンジン部分など各部品を1つに組み合わせてできていますが、それぞれの部品を作るのは個人であっても自動車という1つの製品を作るのはチームです。
周囲との協力なしに成し遂げられるものづくりはないといっても過言ではありません。チームの一員として貢献する気概をアピールできれば面接官に一緒に働きたいと思わせることができるでしょう。
協調性をアピールするコツはこちらで解説しています。
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向上心がある
ものづくりにおいて欠かせないのが向上心。ものづくりは職種によっては人相手ではなく、ものと向き合うことになるので高いモチベーションが必要になります。
向上心がないと自分で工夫をして取り組めないため、作業効率や品質確保への意識が薄くなり、結果的にものづくりに対する意欲がなくなってしまいます。より良いものを生み出していくには現状に満足せず常に上を向いて取り組む姿勢が必要なのです。
向上心をアピールする際は単に「向上心がある」といっても説得力に欠けるので、過去の具体的なエピソードを交えながら伝えるようにしましょう。
こちらの記事で向上心のアピール方法を詳しく解説していますので、あわせて読んでさらに理解を深めてみてくださいね。
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チャレンジし続けられる
ものづくりに携わるに当たって、チャレンジし続けられる要素も非常に重要となります。特に開発や研究職に言えることですが、ものづくりは毎回同じものを作っていれば良いわけではありません。
時代の変化や人々のニーズに柔軟に対応し、そのときにあった製品を提供する必要があります。それを可能にするためには伝統を重んじるだけの保守的な姿勢ではなく、新たなことに挑戦していく気概が必要となります。
チャレンジ精神は企業革新を推進するために必要不可欠な要素であることから、ものづくり業界においては非常に重宝される人材といえるでしょう。
チャレンジ精神をアピールするコツはこちらで解説しています。
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探究心がある
探究心がある学生も、ものづくり業界が探し求めている人材の1つです。探究心とは、取り組んでいる物事に関する知識を深めたり、問題の原因を探ったりすることで粘り強く追求する姿勢のことを指します。
ものづくりにおいてはイレギュラーが発生することがありますが、探究心がないと問題の解決策が見出せず、最後までやり遂げることができません。
自ら探究心を持ってものづくりに臨めば、たとえ過程でつまずいたとしても主体的に原因を究明することで最後までやり抜くことができます。
0から1を生み出せる人
ものづくりは人々のニーズにあったものを創造し、提供することを生業にしています。既存のものを利用するのではなく、新たなものを作り出すことに存在意義があることから、0から1を生み出せる人材は大変重宝されます。
これまでに何かを生み出し成功した経験があるのであれば、発想力や創造力としてアピールするのが効果的です。
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ものづくり業界の志望動機を作る8つのポイント
- 企業研究・業界研究をしっかりとする
- なぜものづくりがしたいか明確にする
- 求められている人物像を把握する
- やりたい仕事を明確にする
- なぜその企業なのかを明確にする
- 自分が貢献できることを入れる
- 将来のキャリアビジョンを明確にする
- 熱意のある志望動機にする
ものづくり業界はIT業界などとは違い、入社当初である程度の知識や専門性が求められることはなく、未経験でも挑戦しやすい業界ですが、当然誰でも採用されるわけではありません。
志望動機は選考において面接官が「将来的に活躍していけるのか」「自社とマッチした人材であるのか」などを判断するうえで参考にされる重要なポイントです。
志望動機を作る際には以下の点に気をつけることで完成度を高められるよう意識しましょう。
①企業研究・業界研究をしっかりとする
志望動機とは、なぜその業界・企業で働きたいかを表す項目であり、説得力を生むためには当然相手の特徴を深く理解していなければなりません。
したがって志望動機作成の第一段階として企業研究と業界研究は必要不可欠であるといえます。相手を知れば百戦危うからずという言葉があるように、選考を通過するにはまず大前提として相手のことを知っておく必要があるのです。
ESや面接では志望動機以外にも多くの質問をされますが、企業研究・業界研究で身につけた知識は後々必ず役に立ちます。自分を効果的にアピールできるよう企業研究と業界研究にはしっかり力を入れておきましょう。
就活ノートを活用して企業研究をうまく進めてみましょう。
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②なぜものづくりがしたいか明確にする
志望動機を書くうえで大切なのは「なぜ」を表す理由の部分を強化することです。志望動機は、書いている側からすると評価のポイントが理解できず内容に迷うことが多いと思いますが、面接官の立場になってみればわかりやすいものです。
たとえば「ものづくりに興味を持ちました」と「ものづくりの〇〇に魅力を感じました」の2つの志望動機を見比べるとどうでしょうか。おそらく後者の理由の部分が明確になっている方に説得力を感じるのではないかと思います。
ものづくり業界への志望度が高くても、その理由を上手く伝えられなければ面接官に好印象を与えることはできないので、できる限り「なぜ」の部分を詳細に説明するようにしましょう。
③求められている人物像を把握する
採用担当者は志望動機を見ることで、応募者と自社がマッチしているのかを判断しています。選考を突破するには、その企業が求める人物像を把握し、「うちでやっていけそうな人材」と思わせなければなりません。
あらかじめ企業が求めている特徴がわかっていれば、アピールポイントを絞ることができ、効果的かつ効率的に自分を売り込むことが可能です。
企業によって求める人物像は異なりますが、ものづくり業界において必要とされる人材の特徴はほとんど変わらないので、前述した「企業が求めている人材」と自分を照らし合わせ、強みを見出し、それを志望動機に落とし込みましょう。
④やりたい仕事を明確にする
志望動機では自分のやりたい仕事を明確にすることも重要です。なぜなら、ものづくりと一口に言っても、ビジネスモデルにおいてはBtoBやBtoC、職種も開発、研究、企画、営業などに分かれており、仕事内容は多種多様だからです。
ものづくり業界を志望している多くの学生がものづくりに興味を持っていると思いますが、どのように携わるのかは人それぞれであり、その部分こそ採用担当者が知りたがっているところです。
しっかり自分のやりたいことを明示できれば志望度も伝わりやすいので、志望動機には、ものづくり業界で取り組みたい仕事、そしてそれを選んだ理由を明確に提示するようにしましょう。
⑤なぜその企業なのかを明確にする
志望動機を書く際に抜けがちなのが志望先の企業を選んだ理由です。多くの学生がものづくりに興味がある理由をしっかり書けている一方で、なぜその企業なのか、他の企業ではダメな理由についてしっかり書けている学生はあまり多くありません。
採用担当者からすれば、数多くあるものづくり企業の中でなぜ自社を選んだのかは非常に気になるところです。詳細な企業研究をおこない、他社との違いや志望先ならではの強みを述べることができれば、志望動機の内容を充実させることが可能となり、採用担当者からの印象も良くなります。
他社と比べたうえでの応募であると判断されれば選考を突破できる可能性も高くなるでしょう。
⑥自分が貢献できることを入れる
志望動機に自分が貢献できることを入れると採用担当者へのさらなるアピールとなります。
企業が新たに人を採用しているのは自社を今よりも成長させるのが目的であり、それを可能にするためには、企業の成長に貢献してくれる有能な人材を確保する必要があります。
特に今の企業に足りない部分を補完してくれる、あるいは今後伸ばしていきたい部分を後押ししてくれる存在であれば、多くの学生の中に埋もれることなく魅力的に映る可能性は高いでしょう。
⑦将来のキャリアビジョンを明確にする
志望動機の最後には将来のキャリアビジョンについても言及しておきましょう。将来的なビジョンはその業界で長く働いていくことが前提であるため、キャリア形成を意識できていることは志望度が高いとも受け取れます。
キャリアビジョンが明確であればあるほど現場で活躍しているイメージが想像でき、成長意欲も見て取れるので、印象に残りやすい志望動機の締めとして述べるのがおすすめです。
キャリアアップを通して自身を成長させることで企業に貢献したいといったスタンスでアピールすると印象が良いでしょう。
キャリア形成の考え方はこちらで解説しています。
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キャリア形成とは仕事の経験やスキルを計画通りに積んでいくことです。このビジョンが明確だと周囲と差別化できますよ。 この記事ではキャリア形成のために必要な力や方法などをキャリアアドバイザーが解説します。 解説動画も参考に、学生のうちから考えを深めておきましょう。
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⑧熱意のある志望動機にする
志望動機のポイントとして最後に挙げられるのは熱意のある文章にすることです。
これまで紹介したポイントは効果的にアピールするためのテクニック的な部分ですが、何より大切なのは仕事に対する熱意を表すことです。
新卒の選考においては、中途採用のように即戦力を期待した能力・スキルを重視するのではなく、あくまで応募者の意欲や今後の成長を加味したポテンシャルを重視する傾向にあります。
周囲の学生よりもスキルが高かったとしても、熱意がなければ内定獲得の可能性は非常に低くなるので、文字が汚い、空白が多いなどによって志望度が低いと判断されないようにしましょう。
熱意を伝えるためには志望動機のしめ方を工夫してみると良いでしょう。
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志望動機のしめの文では、入社してやりたいことをしっかりと伝えることで面接官に熱意を伝えることができます! 今回は熱意の伝わる志望動機のしめ方をOK例文とNG例文とともに紹介していきます。キャリアアドバイザー監修のもと、魅力的なしめを作るポイントも紹介するので参考にしてみてください。
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キャリアアドバイザーコメント加藤 大智プロフィールをみる
ここまで紹介したとおり、ものづくり業界といってもさまざまな産業がありますよね。そのため、ものづくり業界の中でも「なぜその企業なのか」を明確にしなければ、他の産業にも当てはまってしまい志望度の高さが伝わらなくなってしまうのです。
その企業以外には当てはまらない志望理由を考えるときは、自分の過去の経験と結びつけてアピールしましょう。もし企業を志望する理由を「消費者とかかわることにやりがいを感じるから」のように価値観だけで説明しようとすると、この価値観を持っていない人も自分を偽って説明できてしまいます。そのため企業を志望する熱意が他の学生と差別化ができず選考落ちになってしまうのです。
具体的なエピソードを当てはめる例としては、「大学3年生のときにニュージーランドへ留学し、ホームステイ先の5カ国の学生と各国の料理を通じてコミュニケーションが生まれ異文化理解ができた経験があります。グローバルな食品企業である貴社で、日本に海外の食文化を広める一助になりたいと考えています」などが挙げられます。
このように実体験を伝えると志望度の高さを感じますよね。今までの経験を振り返って、他のものづくり企業に当てはまらない志望動機をつくりましょう。
ものづくり業界の志望動機の注意点
ものづくり業界の志望動機を作る際にはいくつか注意するべき点もあります。
これらの注意点を理解せずに志望動機を作ってしまうと、場合によってはマイナス評価を受けてしまうおそれもあるので、必ず目を通し理解しておきましょう。
「商品が好き」という理由だけでは弱い
ものづくり業界の志望動機として、志望先が提供している商品が気に入っていることを理由に挙げる学生は少なくありません。
「商品が好き」という理由で志望するのは決して悪いことではありませんが、その理由のみを志望動機とするのはおすすめできません。なぜなら採用担当者からすれば、「商品が好きという動機だけでやっていけるだろうか」「好きな商品に関係のない仕事に回された場合大丈夫だろうか」などの疑念が湧いてくるからです。
キャリア
アドバイザー
志望動機で好きな商品について述べたい場合は、あくまで企業に興味を持ったきっかけとして紹介し、メインの理由は「やりたい仕事」や「将来的なビジョン」を軸に作ると良いでしょう。
同業他社との比較をする
志望動機を書く際に志望先と同業他社とを比較するのも大切です。他社の特徴を把握していなければ、「なぜその企業なのか」という点を論理的に説明できなくなってしまいます。
たとえば、トヨタ自動車に応募した場合、ESや面接では間違いなく「なぜトヨタを選んだのか」について質問されます。そのときに他社比較をしていなければトヨタ自動車ならではの良さを志望動機に盛り込むことができません。その結果「他の自動車メーカでも良いのでは」と判断され、高評価を得られなくなってしまいます。
志望動機を書く前には必ず同業他社と比較することで志望先の強みを列挙しておきましょう。そうすることで企業の理解度が高くなり、「企業の強み」や「企業を選んだ理由」を明確にすることができるでしょう。
社会貢献性を全面にアピールしない
志望動機の注意点として最後に挙げられるのは社会貢献性を全面に出したアピールです。
ものづくり業界は社会的に非常に影響を与える社会貢献性が高い仕事といえます。社会のためになるからと思い、ものづくりを志望する学生もいますが、社会貢献性に終始してしまう志望動機は、選考上あまり印象は良くありません。
社会貢献性の高い仕事はものづくりに限らず世の中に数多く存在し、ものづくり業界を志望する動機としては不十分だからです。また企業は社会貢献よりもビジネスの観点で採用活動をおこなっているため、社会貢献性のアピールはあまり意味を成しません。
社会のために役立ちたい思いは素晴らしいですが、選考においてそれが評価されることは少ないので、社会貢献性を前面に出したアピールは避けるようにしましょう。
志望動機で社会貢献に触れるコツはこちらで解説しています。
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ものづくり業界の志望動機の例文
ここまでものづくり業界の志望動機を書くコツについて見てきましたが、いざ文章を書くとなるとイメージが湧かず、なかなかペンが進まないこともあるでしょう。そんなときの参考資料として以下では各メーカーの志望動機を紹介します。
メーカーにもさまざまな種類があり、それによって志望動機におけるアピールポイントも変わってきます。自分の志望先となるメーカーを中心に参照することで志望動機の書き方を覚えていきましょう。
食品メーカーの志望動機
食品メーカーは他のメーカーに比べて知名度が高いことから志望する学生が多く、選考が高倍率になりやすい傾向にあります。競争率が激しいということは書類選考も当然難関であり、それを突破するには志望動機の完成度も高くなくてはなりません。
志望動機を書く際に意識したいことは「数多くのメーカーの中でもなぜ食品メーカーを志望したのか」を明確にすることです。食品を選んだ動機の部分が弱いと「他のメーカーでもいいのか」と思われて、評価が下がってしまう可能性が高いので注意が必要です。
食品業界の志望動機のコツはこちらで解説しています。
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例文
私は食を通して人々の健康増進を促進させたいと考え貴社を志望いたしました。
私は学生時代に海外に留学し数ヶ月現地で生活を送りましたが、安全な食品の流通がいまだに滞っており、海外では日本ほど食インフラが整っていないことを実感しました。
私が貴社に魅力を感じた理由は、貴社が食品メーカー業界の中でも品質の管理や向上に力を注いでおり、海外にもその食品を広げる事業を展開しているからです。貴社は世界〇ヶ国において日本の安心安全な食品を提供しており、これまで以上に海外の劣悪な環境に置かれている人々の健康増進を図れるのは貴社しかないと考え志望いたしました。
私は学生時代に飲食店のアルバイトをしており、消費者のニーズを把握し新メニューを提案する業務を任されていました。アルバイトで培った消費者の声に耳を傾ける力と留学で身につけた語学力を活かすことで世界に食を通じた健康を提供する貴社に貢献したいと考えています。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
キャリア
アドバイザー
ものづくり業界の中でも食品メーカーを志望している理由を自分の経験から明確に表すことができています。学生時代に培った自分の強みに関してもしっかり述べられており、企業で活躍できる姿をイメージさせやすくなっています。
自動車メーカーの志望動機
自動車メーカーはものづくり業界の中で非常に人気があり、メーカーと聞くと真っ先に自動車を思い浮かべる人も少なくないでしょう。特にトヨタ自動車のような世界的な大企業を志望する場合は、生半可な志望動機では膨大な応募数の中に埋もれて書類選考の段階で落選してしまうので、採用担当者の印象に残る志望動機の作成を意識する必要があります。
注意点としては自動車が好きな志望動機に終始しないことです。自動車メーカーを志望する以上、自動車に愛着があったり特別な思い入れがあったりする場合が多いと思いますが、その想いはあくまで志望のきっかけであり、メインの動機であってはいけません。
企業が知りたいのは応募者が自動車メーカーで何をしたいのか、なぜそうしたいのかという部分です。志望する職種を挙げつつ具体的に志望動機を述べるようにしましょう。
例文
私が貴社を志望したのは安全機能が向上した新たな自動車の開発・製造に携わることで、人々に安全な自動車を提供したいからです。
現代において自動車を利用する人は非常に多くなり、自動車は生活水準の向上に貢献していますが、普及にともない事故数も増加しています。死亡事故を減らすためにも自動車の安全装置の開発と運用が急務だと考えています。
貴社は自動車メーカーの中でも自動運転化を視野に入れた運転支援システムの開発に力を入れておられるため、私も開発職として自動車の安全性に携わりたいと考え志望いたしました。
キャリア
アドバイザー
自動車の危険性について触れ、そこから安全性に優れている自動車メーカーを志望したことにつなげています。入社後に勤めたい職種を挙げ、成し遂げたいことも明確に示せています。
化粧品メーカーの志望動機
化粧品メーカーは流行や時代により売上が左右され今後の先行きが不透明なところはあれど、女性にとっての日常の必需品であることから知名度、人気ともに高い業界です。
化粧品メーカーの花形と言われるのが商品企画の仕事です。企画職を目指して化粧品メーカーを志望する学生は非常に多いので、周囲と志望動機が被っても埋もれないよう「メーカーの中でも化粧品を選んだ理由」「取り組みたい仕事内容」「成し遂げたいこと」などを明確に述べるようにしましょう。
過去に使用していた商品があれば、化粧品メーカーに興味を持ったきっかけとして述べるのも良いでしょう。
化粧品業界についてはこちらで解説しています。
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男女問わず活躍できる化粧品業界は、業界理解を深めて志望動機を作成すると好印象を得られますよ。 この記事では業界の現状・将来性、メリット・デメリット、向いている人、志望動機のポイントなどをキャリアアドバイザーが解説します。 職種別の例文も参考にしてくださいね。
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例文
私は商品企画に就き、時代のニーズにあった新たな化粧品を作り出すことで女性一人ひとりが胸を張って生きていく後押しをしたいと考え、貴社を志望いたしました。
私は中学生の頃から自分の顔を気にし始め、一時期は外に出たくなくなるほど悩んでいました。そんな自分の顔をコンプレックスに感じていたときに使用したのが貴社の化粧品です。貴社の安価な化粧品は中学生の私でも手が出しやすく、品質も高いことから満足のいく化粧ができ、自信を持って生活を送れるようになりました。
そのような経験から私は女性が求める化粧品を自分で企画し提供することで、化粧品1つで今よりも美しくなれる喜びを一人でも多くの女性に伝えたいと考えています。
私は学生時代にアパレルのアルバイトをしており、販売を通して顧客一人ひとりと接することで、その人が求めているニーズを引き出す力を培ってきました。貴社に入社後は視野を広く持ち、市場で求められているニーズを的確に汲み取ることで化粧品の企画に取り組んでいきたいと考えています。
キャリア
アドバイザー
自身の原体験をもとに志望先の化粧品の強みを述べ、志望度の高さを表しています。化粧品メーカーでやりたい仕事がはっきりしており、根拠も明確になっているので好印象が持てる志望動機になっています。
家電メーカーの志望動機
家電メーカーは洗濯機や冷蔵庫といった家電を扱うメーカーです。家電メーカーの伸び率はあまり芳しくはありませんが、近年のテクノロジーの発展によって事業範囲は拡大し続けています。
家電メーカー業界の最近の動向として押さえておきたいのはloT(Internet of Things)技術です。loT技術が取り入れられたloT家電が最近の流行であり、家電にインターネットをつなげることで、遠隔操作を可能にしたり家電同士を連携させたりとさまざまな機能を家電に付加させることができています。
このような動向を盛り込みながら、自分の実現したいことを明示できれば好印象な志望動機が出来上がるでしょう。
例文
私が家電メーカーを志望した理由は、生活の必需品である家電を世の中に広めることで、人々の暮らしをより充実したものにしたいと考えたからです。
私は学生時代の引っ越しを機に初めて家電を購入しましたが、その多機能ぶりに感銘を受けました。特にloT機能による遠隔操作などは日常生活における手間を省くことで、暮らしの利便性を高めてくれたことを身を以て体感しました。暮らしの利便性は人々に豊かさをもたらしており、家電は人の生活や心を豊かにする最たるものと考えています。
そして長年かけて培った技術やノウハウを持ち、顧客第一主義の理念を掲げる貴社であれば、国内のみならず世界的にイノベーションを提供し続けることが可能であると考え、志望いたしました。
近年loT技術が付加された家電が数多く出回っていますが、いまだその素晴らしさは人々の中に浸透しきってはおらず、販売戦略に検討の余地が残されていると考えています。
学生時代は家電量販店のアルバイトを通して家電に関する知識や顧客とのコミュニケーション能力を身につけました。入社後はこれらを駆使し営業職として顧客の新規開拓などに従事することで貴社に貢献したいと考えています。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
キャリア
アドバイザー
家電メーカーに興味を持ったきっかけ、その企業を選んだ理由、入社後にやりたい仕事をそれぞれ明確に示すことができています。自分の強みを活かせてかつ成し遂げたいことを実現できる営業職を志望していることも評価できるポイントです。
衣料品メーカーの志望動機
衣料品メーカーは主に服に関するものづくりを担う仕事です。近年衣料品ブランドの店舗が数多く立ち並ぶようになり、学生間での知名度が高いことから、衣料品メーカーも人気のある業界です。
衣料品メーカーを志望する場合も自動車メーカーと同様、ファンとしての志望動機を避けるよう意識しましょう。服が好きという理由だけでは志望動機として非常に弱く、企業からすればビジネスとして服に接していく際に「服が好みだから」といった理由だけでやっていけるのかと疑念を抱かせてしまうことにもなりかねません。
ファッションへの興味は衣料品メーカーを志したきっかけとしては十分ですが、志望動機としては不適切であることを覚えておきましょう。
例文
私は自分でデザインした服を世に出し、多くの人々に幸せを提供したいと考え貴社を志望いたしました。
私はファッションに興味を持っており、学生時代はアパレルでアルバイトをすることでファッションの知識を取り入れつつ、自分で服をデザインしネットで売りわずかながらも収益をあげていました。はじめは趣味で始めた服作りですが、買ってくれる方の感謝のコメントを読むうちに、より多くの方に自分でデザインした服を提供したいと考えるようになり、衣料品メーカーである貴社を志望いたしました。
数多くある衣料品メーカーの中でも貴社を志望した理由は、貴社が時代や流行を敏感に察知し、〇〇といった革新的な取り組みをなさっているからです。また、貴社は男女ともに着られるユニセックスなデザインを得意としており、性別にとらわれず自由なファッションを世に提供していることから、より多くの人々に幸せを提供したい私の目的を達成できるのは貴社しかないと考えました。
貴社に入社後は商品企画の職を目指したいと考えています。アパレルでの勤務経験や趣味でおこなっていたファッションデザインのスキルがお役に立てるのではないかと思います。
キャリア
アドバイザー
自分の趣味から衣料品メーカーを志望したきっかけまでを具体的に述べることができています。志望先を選んだ理由や将来的にやりたい仕事についても触れており、志望度の高さが窺える志望動機になっています。
鉄鋼メーカーの志望動機
日本の鉄鋼は世界でも評価を得るほどの品質を誇っていますが、近年は業界内での競争が熾烈になっていることから、多くの鉄鋼メーカーでは海外戦略を進めるなど、挑戦を続けています。海外戦略が今後の生き残りに重要なことから、鉄鋼メーカーにはチャレンジ精神や忍耐力、柔軟性を有する人材が求められています。
「なぜ鉄鋼なのか」「なぜその企業なのか」「鉄鋼メーカーに入ることで何をしたいのか」を明確に述べ、わかりやすい文章構成を意識しましょう。
例文
私が貴社を志望したのは、鉄鋼という身近に溢れている素材に携わることで人々の生活を支える仕事をしたいと考えたからです。
私は今まで鉄鋼に関して何の知識もありませんでしたが、貴社のインターンに参加することで、鉄鋼は私たちが普段から利用している自動車や鉄道、包丁やスプーンなどに使用されるなど日常生活に浸透しており、社会基盤を支えるモノとして生活に欠かせない素材であることがわかりました。
またその際に、私は人々の生活を豊かにするために全力を尽くす貴社の理念に感銘を受けました。粗鋼生産量国内第〇位、世界第〇位を誇る貴社であれば、鉄鋼を通してより多くの人々の暮らしに貢献する目的を達成できると考え志望いたしました。
私は貴社に入社後は営業職として貴社の鉄鋼を各業界のメーカーや建設会社、ひいては外国企業に営業・提案することで人々の暮らしを影から支えていきたいと考えています。
キャリア
アドバイザー
インターンに参加したことで鉄鋼に対する興味が生まれ、人々の暮らしを支える鉄鋼メーカーを志望したことがわかりやすく述べられています。企業の特徴を数字で表すと具体性が加わって良いでしょう。
半導体メーカーの志望動機
半導体メーカーは、電気を通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」との中間の性質を有する半導体を扱う企業です。半導体は近年世界的に需要のある業界であり、各半導体メーカー間での競争も熾烈であることから、求められる人材もそれなりの優秀さが必要となります。
半導体業界は、ITの発展にともない常に変化を求められる業界であり、半導体メーカーでは堅実性というよりは新たなことにチャレンジできる人材を求める傾向にあります。過去にチャレンジしてきた経験を伝えることで、チャレンジ精神や向上心があることをアピールするようにしましょう。
例文
私は近年のIT進化にともない台頭してきた半導体を通して他者に豊かさを提供したいと考え貴社を志望いたしました。
半導体は日常的に使用するスマホやパソコン、冷蔵庫やテレビといった家電、電車や自動車など、日本のインフラにおいて大きな役割を担っています。近年はさまざまな分野でloTやAIによるデジタル化が進んでいることから、半導体の社会的役割は今後も増えていくものと考えています。
貴社は世界的に半導体メーカーの競合がひしめく中、国内のみならず海外への事業展開に挑戦することで、世界的なスケールで社会に貢献しています。長年の実績と技術力を兼ね備えながらも保守的にならず、新たな事業に進んで取り組んでいく姿勢に魅力を感じ、志望するに至りました。
私は学生時代に文系学部でありながらも独学で資格を取得することで積極的にITの知識を身につけました。また塾講師のアルバイトでは既存のやり方にとらわれず生徒一人ひとりにあわせた指導法を確立するなど、主体的に行動する姿勢を養いました。
貴社に入社後はこれまで培ってきた主体性を活かして、半導体を通して多くの人々に豊かさを提供するために、営業職として半導体のルート営業、新規顧客の獲得、新製品の情報収集、設計プランの提案などを通して貴社に貢献したいと考えています。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
キャリア
アドバイザー
半導体が日常生活に与える影響や今後の半導体の展望を述べることで半導体メーカーに携わりたい理由を具体的に言い表しています。半導体業界に求められる主体性やチェレンジ精神についてもアピールできているため、好印象を与えることができるでしょう。
部品メーカーの志望動機
部品メーカーは製品の部品製造を担うメーカーで、自動車分野をはじめ、医療分野、家電分野など多くの分野にまたがって活躍しています。特に自動車部品メーカーや家電部品メーカーの人気が高く、毎年多くの学生が志望することで競争率が非常に高くなっています。
部品メーカーを志望する際の注意点は「部品メーカーである理由」を明確にする必要がある点です。たとえば自動車部品メーカーを志望する場合、「自動車部品メーカーではなく自動車メーカーでも良いのでは」と思われることが非常に多くあります。あくまで志望しているのは部品メーカーなので、部品にこだわる理由についてしっかり述べるようにしましょう。
例文
私が貴社を志望した理由は、貴社の技術力を駆使した自動車部品を広めることで、人々により安全な自動車を使用してもらいたいと考えたからです。
私は高校時代に親の運転する自動車で事故を起こし、人身事故に発展してしまいました。相手の方の命に別条はありませんでしたが、人の人生を奪ってしまう可能性があったことに非常に恐怖を覚えました。その経験から私は将来的に自動車の安全機能に関する仕事に携わりたいと考えてきました。
安全な自動車を製造するのは自動車メーカーの役割ですが、自動車の安全性を生み出すブレーキやシートベルト、エアバック部分を作っているのは部品メーカーです。そして部品メーカーの中でも貴社は大手メーカーでも作れない〇〇のような独自の製品を扱っており、その技術力を武器に海外の顧客開拓にも成功し、事業をどんどん拡大しています。
私は貴社のような世界的に活躍できる環境に身を置き、営業職として安全な自動車部品を世に発信していきたいと考え志望いたしました。
キャリア
アドバイザー
過去の経験から自動車の安全機能に関する企業に就職したいことを述べ、あわせて自動車メーカーではなく自動車部品メーカーを志した理由についても明確に示すことができています。
ものづくりと接点がなくても志望できる! 志望動機のコツ
ものづくり業界を志望するうえで、過去のものづくり経験は大きなアピールポイントとなります。しかし現在ものづくり業界で勤務しているすべての社員がものづくりの経験があって入社したわけではありません。当然未経験で採用された人も数多くいます。
ただ、ものづくり経験がないとアピールの材料が少なくなり内定獲得が難しくなるのは事実。アピールポイントがズレてしまうと、選考上の致命傷になりかねません。
特に「文系学部出身」「ものづくり経験がない」の2つに当てはまる場合は以下の説明を参考に志望動機のコツを整理しておきましょう。
文系学部出身の場合
文系の場合は理系よりもものづくりに関する知識やスキルが劣ってしまうのは覆しようのない事実なので、まずは「なぜものづくりに興味を持ったのか」「何に取り組みたいのか」「将来どうなりたいのか」を明確に伝えることで、やる気を前面に出し周囲に熱量で負けないようにしましょう。
新卒採用はスキルよりもポテンシャルが重要視される傾向にあるので、文系学部出身であっても十分に採用される可能性はあります。
しかし、やる気だけで行動がともなっていなければ説得力に乏しいので、インターンやOB訪問などを積極的に参加するなど、行動力で志望度の高さをアピールすることも忘れないようにしましょう。
ものづくりの経験がない場合
ものづくりの経験がなくてアピールポイントがないと迷ってしまうこともあると思いますが、ものづくりの経験はほんの小さなものでも問題ありません。
たとえばものづくりに興味を持ったきっかけとして、学校時代の自由研究や美術・技術の授業、大学での研究などにおいておこなったものづくりを挙げても良いでしょう。
重要なのは過去におこなったものづくりのスケールや経験などではなく、今後具体的に何をすることで企業に貢献できるのかです。確かに経験は企業での活躍を想起させやすく、周囲との差別化を図ることが可能な武器ですが、企業において活躍できるイメージを持ってもらえれば過去の経験の大小はあまり関係ありません。
キャリア
アドバイザー
大きなものづくりの経験がなくても選考を突破することは可能なので、ほんのわずかな経験があれば自信を持って志望動機に盛り込みましょう。
ものづくり業界の特徴を把握して熱意ある志望動機を作ろう!
ものづくり業界は未経験者でも十分に内定獲得が狙えることから、さまざまな業界の中でも敷居の低い業界ということができます。しかし、ものづくり業界に関する理解度が低かったり、企業の求めている人物像を把握できていなかったりすれば、アピールポイントがズレてしまい選考を突破することは難しくなるでしょう。
ものづくり業界の志望動機では熱意を伝えることが非常に大切ですが、それだけで内定が獲得できるほど甘くはありません。業界知識や志望動機作成のポイントを理解したうえで熱意を伝え、志望度の高さをアピールしていきましょう。
キャリアアドバイザーコメント根岸 佑莉子プロフィールをみる
ものづくり業界は他の業界には少なく、商品を企画から販売まで一連の流れを担当している業界です。たとえば、商社や小売業界では商品を販売することがメインですよね。そのため、一つの職種に特化して仕事したい人だけでなく、将来的に企画やマーケティング、営業などさまざまな仕事にチャレンジしたい人も人事異動などで幅広い経験ができます。
また、この経験は商品や分野が変わっても活かすことができるので、転職が当たり前になっている時代で市場価値が高い経験ができることもポイントですね。自動車などの製造系ものづくりを経験している人であっても、企画から販売までの流れは他分野でも同じですよね。そのため、IT系やクリエイティブ系でも活躍することができるのです。
このように、さまざまな仕事を経験できるチャンスが他の業界よりも多いため、ものづくり業界はおすすめの業界の一つですね。