目次
- SI業界は世の中のDX推進には欠かせない業界!
- SI業界の特徴
- SIとは
- 情報サービス業の市場規模は約18兆円
- SI業界の業界構造
- SI企業の4つの分類
- 外資系
- メーカー系
- ユーザー系
- 独立系
- SI業界の現状と課題
- IT業界の売上は増加傾向
- DX導入の動き
- 少子高齢化の人材不足
- SI業界の将来性
- 2025年の壁での需要増加
- DX導入企業の増加
- 業界・業種のビジネス領域が広い
- SI業界の職種
- SE
- ITコンサルタント
- 営業
- SI業界のSEの仕事内容
- 企画
- 要件定義
- 設計・開発
- 運用・保守
- SI業界の魅力
- 将来性がある
- 独立や起業できる可能性がある
- さまざまな案件を経験できる
- SI業界に向いている人の特徴
- ITに興味がある人
- 論理的に考える人
- コミュニケーション能力がある人
- 変化に柔軟に適応力できる人
- 分類別で解説! SI業界の代表的な企業
- 外資系
- メーカー系
- ユーザー系
- 独立系
- SI業界の選考で差をつけるポイント
- IT業界の専門知識を身につけるために情報収集をおこなう
- プログラミングスキルを身につける
- インターンシップに参加する
- SI業界の志望動機のポイント
- なぜSI業界のSEなのか明確にする
- なぜその会社なのかを明確にする
- その企業でどう貢献できるかを説明する
- SI業界の志望動機例
- スキルを活かして貢献したい
- 強みを活かして貢献したい
- 会社のサービス開発に携わりたい
- 過去のエピソードからSI業界で働きたい
- 大規模なシステム開発に携わりたい
- 業界研究を深めてSI業界に就職しよう!
SI業界は世の中のDX推進には欠かせない業界!
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生からよく、
「SI業界ではどのような仕事をするのでしょうか?」
「SEとSIの違いを教えてください」
といった質問を受けます。就職活動をしていると、「SI」という言葉を見かける機会も多いでしょう。 学生生活にはあまりなじみのない言葉のため、どのような業界か検討がつかないかもしれませんね。
SI業界の特徴や仕事内容を知れば、就活の幅も広がるでしょう。この記事では、SI業界の特徴はもちろん、市場規模や今後の動向についても詳しく解説します。SI業界に興味のある学生は、業界研究を深め、企業選びや面接対策の参考にしてください。
SI業界の特徴
「SI業界」と聞くと、SIについてまったく知らない人にとっては難しそうな印象を受けるでしょう。「IT業界は聞いたことあるけど、SI業界はわからない」という人も多いのではないでしょうか。
SI業界は、IT業界を細分化した中にある業界です。それではSI業界について、より詳しくみていきましょう。
SIとは
SIとは、「システムインテグレーション」の略です。インテグレーションには「統合、統一」といった意味があり、IT分野ではコンピュータやソフトウェア、ネットワークなどを一本化し、目的に適した情報システムを構築することを指します。
IT業界では「SIer(エスアイヤー)」と表記されることもありますが、どちらも同じ意味です。SI事業の最大の特徴は、顧客の問題解決にワンストップで対応することです。顧客が抱える課題や問題をヒアリングし、情報システムの設計・開発、さらには評価・検証、運用・保守までおこないます。
一方、自社で開発したパッケージを販売している企業は、SI企業に該当しません。SI企業の主な顧客は、非IT企業全般です。医療機関や金融機関、学校なども顧客になります。ITを導入し、課題解決を目指すすべての企業が顧客になり得るのです。
SIとSEの違い
SIとSEは混同されやすいワードです。 どちらもIT用語なので、同じ意味だと思っている人も多いでしょう。実は、SIとSEはまったく別物です。
SIは、ITシステムを用いて顧客の課題解決をする会社や事業を指します。一方、SEは「システムエンジニア」の略で、顧客の課題解決をする人を意味します。SEはIT分野における技術職全般を指すことが多く、SI企業以外で活躍している人もたくさんいます。つまり、SIはSEが勤める企業のひとつということです。
情報サービス業の市場規模は約18兆円
情報サービス業の市場規模は約18兆円です。なかでも受託開発ソフトウェア業の売上高は、情報サービス業界全体の46.7%にあたる8兆7千億円にものぼります。次いで情報処理サービス業が24.4%にあたる4兆5千億円の売上高を記録しています。
つまり、受託開発ソフトウェア業と情報処理サービス業の2つだけで、全体の7割の売上高を占めているということです。受託開発ソフトウェア業とは、顧客のニーズをヒアリングしてシステムを開発する事業を指します。一方、情報処理サービス業は顧客の課題解決のためのシステムを企画から構築、保守・管理をする事業です。
受託開発ソフトウェア業と情報処理サービス業はどちらもSIであり、情報サービス業界の売上高の7割はSI事業が占めていることになります。
SI業界の業界構造
SI業界を研究していくうえで、欠かせないのが業界構造です。IT業界では多重下請け構造が形成されており、その様子を「ITゼネコン」と呼んだりします。
ゼネコンと聞くと不動産業界をイメージする人も多いでしょう。ITゼネコンも不動産業界でいうゼネコンと同じです。システム開発における元請企業があり、その下に下請け企業がピラミッド式に続きます。
下請け企業では文系の学部や情報学部以外の理系出身の学生を採用するケースが多く、基礎知識がなくてもチャレンジしやすい環境ともいえます。基本的な技術を身につける意味では、いいチャンスになるでしょう。
発注者
発注者はシステム開発を依頼する顧客を指します。多重下請け構造のピラミッドでいえば、三角形の頂点に位置します。発注者は契約を結んだ後、システムが完成するのを待つだけと考えている人も多いでしょう。
実はSI事業におけるシステム開発では、発注者は契約後もSI企業と綿密なやりとりを繰り返しながらシステム開発をおこなっていきます。
たとえば社内用語や企業独自のルールは発注者にしかわからないですよね。発注者は開発者が知り得ない情報を提供し、自社にとって役立つシステム開発をサポートする必要があるのです。
一次請け
一次請けは「元請け」とも呼ばれ、発注者と直接契約を結ぶ企業を指します。SI業界ではほとんどの場合、大手IT企業が一次請けに位置します。
一次請けは顧客と直接打ち合わせをするため、対人スキルや専門的知識が求められます。多くの顧客はIT知識が浅いため、専門知識をかみくだいて説明しなければなりません。
さらに大枠のスケジュールや費用も決めていくため、仕事の幅が広くプロジェクトの司令塔とも言えるでしょう。
二次請け
二次請け企業は、一次請け企業から依頼を受け、開発業務をおこないます。大きなプロジェクトの二次請け企業は、大手IT企業の子会社やグループ会社であるケースがほとんどです。
主な仕事は、仕様書や設計書の作成、プログラミングやテストです。しかし、二次請けでもベテラン社員にもなると、直接顧客と打ち合わせをしたり意見を交わしたりする機会があります。
二次請け企業だけでは対応しきれない業務は、三次請け、四次請け企業へと依頼します。
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SI企業の4つの分類
SI企業は「外資系」「メーカー系」「ユーザー系」「独立系」の4つに分類されます。同じSI事業を展開していても、分類が違えばプロジェクトの内容や働き方、企業の特色も大きく異なります。SI業界を知るうえで、4つの分類を押さえておくのはとても重要です。
次はSI企業の4つの分類について、それぞれ詳しく解説します。
IT企業全般についてはこちらも参考にしてみてください。
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外資系
外資系とは、グローバルにSI事業を展開している企業のことです。主に日本法人を持つ大手企業を指します。たとえばIBMやオラクルなどが外資系の大手どころです。
これまではアメリカに本社を持つ企業が主流でしたが、最近はインドのSI企業の成長も目覚ましく日本法人を持つ企業も増えています。
外資系企業の多くは、完全実力主義。年功序列文化がなく、実力さえあれば若手社員でも多額の収入を得られます。しかし、当然ながら実力がともなわなければ、収入は減ります。競争社会で揉まれて実力をつけたい人や、若い頃から稼ぎたい人には向いているでしょう。
メーカー系
メーカー系とは、もともとハードウェアを製造していた企業のことです。たとえばコンピュータの製造をしているNECや富士通、日立製作所がメーカー系にあたります。
メーカー系のSI企業は、基本的に規模が大きくSI事業を専門におこなう子会社やグループ会社を持っています。親会社が持つハードウェア開発のノウハウを活かし、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせた提案ができるのが大きな強みです。
働く側としては、親会社が大手企業のため福利厚生や社内制度が充実している点がメリットになるでしょう。
一方、メーカー系SIerは顧客先に常駐することがほとんどです。顧客が変わるたびに人間関係を再構築したり、PC環境に再適応したりしなければなりません。人によってはデメリットに感じるかもしれませんね。
メーカー系SIerについて詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてみてくださいね。必要なスキルや仕事内容についても紹介しています。
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ユーザー系
ユーザー系とは、通信や金融、商社などの大手企業の情報システム部門が独立し、SI事業をおこなうようになった企業を指します。代表的なユーザー系企業には、野村総合研究所や伊藤忠テクノソリューションズ、住友商事を親会社に持つSCSKなどがあります。
ユーザー系のSI企業は、通信系や金融系など専門分野を持っているケースが多いのが特徴です。親会社が長年培ってきた経験と実績を引き継いでいるため、専門分野に特化している強みを持っています。
親会社から案件をもらえるため、働く側は安定的に仕事が得られます。同グループ企業内でのプロジェクトが多いため、無理なスケジュールが組まれる可能性が低く、余裕を持った働き方ができるでしょう。
一方、上流工程に携わることが多いため、プログラミングなどの実務に触れる機会が少ない可能性があります。スペシャリストを目指す人にとっては思うように実践スキルが積めず、デメリットに感じるかもしれませんね。
独立系
独立系とは、親会社やグループ会社を持たず、SI事業だけを専門にしている企業のことです。代表的な独立系SI企業には、大塚商会や日本ユニシス、オービックなどがあります。
SI業界のほとんどは独立系SI企業であり、中にはITベンチャー企業も含まれます。独立系の定義が「親会社やグループ会社を持たないSI企業」とかなり広いため、多くのSI企業が独立系にあてはまるのです。
独立系SI企業の1番の魅力は、自社で案件を選定できることです。親会社の制限がないため、顧客に応じた幅広い提案ができます。ITスキルを身につけるためにはとても適した環境だといえるでしょう。
一方で、親会社やグループ会社を持たないため、メーカー系やユーザー系企業と比較すると案件の安定性には不安が残ります。さらに、人材不足や過密スケジュールにより激務になる可能性があるので留意しておきましょう。
独立系SI企業についてはこちらの記事で詳しく解説していますよ。
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SI業界の現状と課題
SI業界のおおまかな全体像は理解できたでしょうか。SI業界には有名な大企業が多く、華やかな世界に見えるかもしれませんね。一方、課題を抱えている企業も少なくありません。SI業界をより深く理解するためには、業界の現状と課題にも目を向けてみましょう。
IT業界の売上は増加傾向
(出所:経済産業省「特定サービス産業動態統計調査_2.情報サービス業」)
IT業界の売上高は年々増加傾向にあります。一時はリーマンショックや東日本大震災の影響を受けて売上が低迷した時期もありましたが、大幅に下落することなく回復を遂げました。
近年では新型コロナウイルス感染拡大によってマイナス影響が懸念されましたが、テレワークの環境整備や業務システムの導入などによって売上が増加しました。特にこれまでIT化を図ってこなかった企業でも需要が生まれ、幅広い業界におけるIT化、DX推進の加速が追い風となったのです。新しい生活様式が定着した今、さらなる成長に期待が持てるでしょう。
DX導入の動き
DXとは「Digital Transformation」の略です。直訳すると「デジタルによる変容」という意味ですが、これだけではイメージしづらいですよね。
経済産業省はDXの定義を以下のように定め、社会に推進しています。
“企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること ”
(「DX 推進指標」とそのガイダンス 令和元年 7 月 経済産業省)
つまり「業務をデジタル化することで生産性を向上させ、企業の収益増加、人々の豊かな生活を目指しましょう」ということです。DX導入によって業務の効率化や生産性の向上、収益増加など多くのメリットを得られますが、DX導入の必要性を感じていない経営者が多いという課題があります。
実際に経営者や現場の理解が不足しているため、DX導入に消極的な企業も少なくありません。仮に導入できたとしても、有効的に運用するためには経営者や現場がDXの必要性を理解し、業務に活用する姿勢が必要です。現段階では導入するだけで効果的に運用できていないケースも多く、まだまだ課題が残っています。
少子高齢化の人材不足
SI業界における大きな課題の1つが慢性的な人材不足です。現在の日本は少子高齢化により、多くの業界で人材が不足しています。特にSI業界は、システム開発の需要向上によって人材の取り合いが発生しているのです。
さらにSI業界では大手企業と中小企業の人気格差も大きな問題となっています。親会社の基盤が整っているメーカー系やユーザー系企業は人気ですが、中小企業が多い独立系はブラックなイメージが強く、避けられる傾向にあります。今後は人材を採用するだけでなく、労働環境の改善や人材育成も同時に求められるでしょう。
SI業界の将来性
SI業界は他の業界と比べると、まだまだ若い業界です。「この先、本当に成長するのか」と心配になることもあるでしょう。新しい業界だからこそ、不透明な部分が多く不安になってしまいますよね。
2011年から現在まで右肩上がりの成長を遂げているIT業界ですが、今後も変わらず成長し続けられるのでしょうか。次はSI業界の将来性について詳しく解説します。
2025年の壁での需要増加
「2025年の壁」とは、経済産業省で設置された研究会がDXレポートの中に記載している言葉です。DXレポートでは、日本がこのままDXを推進できなければ、最大年間12兆円もの損失があると算出しています。
日本の多くの企業では過去の技術や仕組みで構築されたシステム(レガシーシステム)を使い続けています。このままレガシーシステムを使い続ければシステム障害によるデータ損失やシステムダウンの危険があり、大きな損失を被る可能性があるのです。
現在は経済損失を防ぐために、急ピッチでDXを進めています。しかし、DX推進が十分でない企業も多く今後の需要増加が期待できるでしょう。
DX導入企業の増加
現在、DX導入企業の数は年々増加傾向にあります。もともと日本のDXは世界的に見てもかなり遅れており、世界デジタル競争力ランキングで日本は27位です。同じアジア圏の韓国が8位、台湾が11位、中国が16位の位置付けからも遅れていることがわかりますよね。
1位のアメリカ、2位のシンガポールでは約9割の企業がDXを推進しているのに対し、日本国内の企業でDXを推進しているのはわずか36.5%です。
しかし、2018年に経済産業省が発表したDXレポートや新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、日本国内のDX導入企業は増加の一途をたどっています。これまでは情報・通信サービスや建設・不動産業、金融業で積極的に導入されてきましたが、近年は学校や小売業、医療の分野でもDX導入が進んでいます。
業界・業種のビジネス領域が広い
SI事業は業界・業種のビジネス領域が広いため、安定した成長が見込めます。実際にSI企業の顧客は金融や不動産、流通、官公庁など幅広い業界に存在し、ほぼ全業界のシステムの対応が可能です。
近年はこれまでDX導入に消極的だった業界でもDXを進める動きが見られます。今後、さらなる需要も期待できるでしょう。
さらにエンジニアとしても、いろいろなプロジェクトに携われるのはスキルアップの面で非常に役立ちます。特に独立系SI企業は幅広い業界のSIを請け負っているため、最新技術に触れる機会も多くスキルアップしやすいでしょう。業界の成長度だけでなく、エンジニアとしての将来性も期待できます。
キャリアアドバイザーコメント鴨川 未奈プロフィールをみる
さまざまなニュースなどで見聞きしたことがあると思いますが、IT業界は今後も成長する領域です。そして、大切な点は経営者が自社のITの推進を先導するケースが多いことです。
DXの推進など未知の領域に関することは、さまざまな部署がああでもないこうでもないと議論を重ねることだけではなく、経営者が舵を取って皆を引っ張っていく重要性も指摘されています。
経営者が何かを始めるとニュースで取り上げられることもありますし、それを見た他の会社の経営者が「それであればうちも」と、後に続くこともあります。このようにして日本全体でITに関する興味関心が高まることによって、ますます需要は増していくでしょう。
SI業界の職種
SI業界と聞くと、技術職をイメージする人も多いでしょう。これまで解説した内容も技術職に寄った内容が多かったかもしれませんね。しかし、SI業界の職種はSEだけではありません。
それではSI業界にはどのような職種があるのでしょうか。次はSI業界の職種について詳しく解説します。それぞれの職種と仕事内容の理解を深め、働くイメージやキャリアビジョンを明確にしていきましょう。
SE
SEは「System Engineer(システムエンジニア)」の略で、顧客の要望をヒアリングし、どのようなシステムを作るか大まかな枠組みを決める職種です。予算や人員、進捗管理などのマネジメント業務もあり、システム開発における上流工程を担当します。
SEと聞くと、プログラミングを連想する人も多いでしょう。プロジェクトによってはSEがプログラミングをすることもありますが、主な仕事は顧客の要望に応じたシステム設計です。SEがまとめた設計をもとにプログラミングをするのはPG(プログラマー)にあたります。
プログラマーからSEを目指す人も多く、新卒で入社した場合はプログラマーからスタートし、SEを目指すキャリアパスもあります。
プロジェクトのまとめ役であるSEは、専門的知識だけでなく「コミュニケーション力」や「マネジメント能力」も必要です。ときには顧客に開発内容や状況を説明することもあり、専門性と対人能力の両方が求められます。
SEについてはこちらで詳しく解説しています。
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ITコンサルタント
ITコンサルタントとは、顧客のITに関する課題に対してアドバイスやシステム導入を支援する職種です。顧客の課題解決を提案する点では、営業職と似ていますよね。しかし、ITコンサルタントは自社商品や技術ではなく「知識」を提供します。
具体的には、ITコンサルタントは顧客の課題解決をするための解決策や企画の立案、実行のサポートをおこないます。システム導入の有無に関係なく、ITコンサルタントのアドバイスに対して価値が発生するのです。
企業の相談役であるITコンサルタントは、専門知識やコミュニケーション力はもちろん、企業経営と戦略立案に必要なロジカルシンキングが求められます。リサーチや資料作成などの業務が多く、激務になりやすいポジションです。
ITコンサルについて詳しく知りたい人はこちらを読んでおきましょう。。
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営業
SI企業の営業は「IT分野のコンピュータ技術」を商材として販売します。求人広告にはSI営業のほかに、「システム営業」や「ソリューション営業」と表記されるケースもあります。
SI営業の主な仕事は、顧客の課題をヒアリングし、課題解決のための自社のソフトウェアや開発技術をセールスすることです。ITコンサルタントとは異なり、ソフトウェアや開発技術といった明確な商材を取り扱います。
営業職である一方、専門知識も求められるポジションです。システムの仕組みを理解していなければ、顧客に具体的な提案ができませんよね。最適な提案をおこなうためには、自社商品だけでなくIT分野やシステム全般の知識も必要です。
IT系の営業の特徴についてはこちらで解説しています。
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SI業界のSEの仕事内容
SI業界のSEの仕事内容は、主に次の4つに分類されます。
- 企画
- 要件定義
- 設計・開発
- 運用・保守
企画から運用・保守まで順を追って開発を進めることを「ウォーターフォール型」と言います。ウォーターフォールは日本語で滝を意味し、上流工程から下流工程へと順番に移行していく様子を滝の流れに見立てた言葉です。
企画や要件定義、設計を上流工程、開発、運用・保守を下流工程と呼びます。SI業界では、大手SI企業が上流工程を担当し、中小企業が下流工程を担当するケースが多い傾向にあります。
それでは企画、要件定義、設計・開発、運用・保守の仕事内容をより詳しく解説します。
企画
企画とは、システムの概要や開発期間、開発費用を決める工程です。まずはシステム開発によって、どのように顧客の課題解決ができるかを分析します。現状と課題を調査・分析した結果をもとに、システム開発の目的と概要を設定します。
次に開発スケジュールを立てます。開発順序や開発にかかる期間だけでなく、システムの移行や設定期間、システムを有効に運用するための研修期間なども含めて計画を立てなければなりません。
さらにシステムの開発体制も企画段階で決めます。システム開発はさまざまなポジションの人がチームを組んでおこなうため、大規模なプロジェクトほど携わるメンバーも多くなります。企画工程ではシステム企画の目的だけでなく、費用や人員、スケジュール、システム開発における費用対効果などをうまく調整してまとめる難しさのある工程です。
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要件定義
要件定義とは、実装するべき機能や性能を分析し、業務要件とシステム要件を明確に定義することを指します。簡単にいえばシステム開発をおこなうための地図作りです。
要件定義をおこなうためには、顧客へのていねいなヒアリングが大切です。顧客の中にはITに詳しくない人もいるため、ときには抽象的な要望ばかりになってしまうこともあります。SEは顧客の要望に矛盾や欠陥がないか確認し、開発が可能な範囲に要望を落とし込まなければなりません。
顧客へのヒアリングが終わったら要件を組み立ていきます。システムに必要な機能要件やユーザビリティ、セキュリティなどにかかわる非機能要件をそれぞれ組み立てていくのです。
最後に組み立てた要件を要件定義書にまとめて顧客と確認し、次のフェーズへ移ります。
設計・開発
要件定義が決まったらいよいよ設計・開発工程に移ります。設計とは要件定義書をもとにシステムの設計をおこなう工程です。設計はハードウェア設計やデータベース設計、業務設計などさまざまな分野にわかれています。それぞれの設計をおこなうのがSEの主な仕事です。
そして開発では、設計工程で作成した設計書をもとにプログラムをつくっていきます。主にプログラマーが担当しますが、企業やプロジェクトによってはSEが開発に携わることもあります。
SEと聞いて真っ先に思い浮かべやすいのは、設計・開発の工程かもしれませんね。
運用・保守
運用・保守とは、システムを継続して最適な状態での稼働を維持するための管理作業です。システム開発は開発して終わりではなく、開発後も問題なく運用できているかチェックしなければなりません。
システム障害や不具合への対応はもちろん、運用していくうえで新たな課題や問題の改善も運用・保守に含まれます。顧客がシステムを有効に活用するためにも、欠かせない工程です。
SI業界の魅力
SI業界にはどのような魅力があるのでしょうか。SI業界とIT業界は同じIT分野のため、混同されがちです。しかし、志望動機を明確にするためにはSI業界とIT業界の違いを理解する必要があります。
特に志望動機では「なぜSI業界に魅力を感じたのか」という「Why」の部分を重視されます。新卒採用において志望動機は、入社後のモチベーションに深くかかわるため具体的な差別化が重要です。SI業界にしかない魅力を理解することで、志望動機も考えやすくなるでしょう。
それでは、次はSI業界の魅力について詳しく解説していきます。
将来性がある
受託開発ソフトウェア業の売上高は8兆7千億円にのぼり、年々増加傾向にあります。近年は新型コロナウイルス拡大により、企業のDXが加速したことで需要が高まりました。
一方、日本企業のDX推進は世界的に見ても遅れを取っており、企業のDX推進が大きな課題となっています。最近はIT投資をおこなう企業も増えているため、今後ますます需要が高まるのが期待できるでしょう。
市場規模と社会的重要性から見ても、SI業界は将来性がある業界といえます。AIによってSI事業の需要が下がるという懸念の声もありますが、AIがSIに代わるまでにはまだまだ時間がかかるため、現時点ではしばらくSIが必要だと考えられています。
独立や起業できる可能性がある
専門的スキルを身につけて独立や起業できるのもSI業界の魅力の1つです。実際にSI企業のSEから独立して起業する人も少なくありません。
SI企業では顧客の課題解決に対するシステム開発をおこなっています。顧客ごとに求められるシステムが変わるため、さまざまな実務経験が積めます。ときには最先端技術に携わることもあり、常に新しい世界が見られる環境も技術者にとってメリットとなるでしょう。
特に独立系SI企業はさまざまな分野のSIをおこなっているため、幅広い知識と経験を得られます。SEとして培ってきた知識と経験は廃れないため、最大の武器になるでしょう。独立や起業を目指す際に役立つはずです。
さまざまな案件を経験できる
SIは顧客のシステム開発を請け負っているため、常にさまざまなプロジェクトを経験できます。実務経験だけでなく、顧客の要望を叶えるために自分自身がバージョンアップし続けなければならず、環境面でも成長しやすい業界だといえるでしょう。スキルアップを目指すうえで、実務経験の数や専門知識の有無は重要なポイントです。
前項でも説明したとおり、特に独立系SI企業はさまざまな業界のプロジェクトを請け負っているため、幅広い知識と経験を得られます。技術者として専門的スキルを磨きたい人にとっては魅力ある環境でしょう。
キャリアアドバイザーコメント上村 京久プロフィールをみる
転職を前提で就職活動をおこなう人は少ないかもしれません。しかし、たとえば家庭の事情などやむを得ない事情で仕事を変えることになってしまうなど、働いているとさまざまなことが起きる可能性があります。そのときに、どの会社でも需要が高まっている領域の知識や横展開できるスキルを身につけていると、あまりネガティブにならずに自分のキャリアを考えていくことができるでしょう。
もちろん、転職や独立に限らず同じ会社の中でもキャリアアップを目指せる点も魅力の1つでしょう。ITの領域は変化のスピードが速いため、「自分はこういうことに挑戦をしてみたい」と手を挙げればチャレンジをさせてくれる環境も多いしょう。自分の成長を実感することができるため、前向きに業務に取り組むことができるはずです。
自分が働くときにどのようなことを大切にしたいかを考えながら、業界や仕事を選んでみてくださいね。
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SI業界に向いている人の特徴
SI業界は、文系や情報学部以外の理系学生でもチャレンジしやすい業界です。プログラミング経験のない学生でも、SI業界に入社して活躍している人がたくさんいます。実際に多くのSI企業では新卒採用において卒業学部は重視されません。学生が持つ人となりやモチベーションを重視している傾向にあります。
SI業界に向いている人の特徴は以下の4つです。
- ITに興味がある人
- 論理的に考える人
- コミュニケーション能力がある人
- 変化に柔軟に適応力できる人
次はSI業界に向いている人の特徴をそれぞれ詳しく解説します。
ITに興味がある人
SI業界では、SE以外のポジションでも専門的知識が求められます。挑戦する前からプログラミングが嫌いだったり、ITに興味がまったくなかったりする人は難しいでしょう。
しかし、逆にいえばITに興味さえあれば挑戦しやすい業界でもあります。実際に文系や情報学部以外の理系出身者が活躍しているケースも多く、特別な知識がなくても挑戦できます。
論理的に考える人
顧客の求めるシステムを構築するためには、ただ言われたことを遂行すればいいわけではありません。顧客の要望をヒアリングし、最適なシステムはどういったものなのか試行錯誤して導き出します。どのポジションにおいても考える業務が多く、論理的思考が求められます。
ほかにもシステムは納品したら終わりではなく、適切に稼働しているか調査・分析しなければなりません。不具合があればすぐ原因を分析し、改修する必要があります。さまざまな可能性を考え、分析するのが好きな人には、とても向いている仕事だといえるでしょう。
コミュニケーション能力がある人
SIの仕事は、顧客とのやりとりがとても多いです。顧客の要望をていねいにヒアリングしたり、システムについてわかりやすく説明したりする必要があります。専門知識を持っていても、相手に伝える能力がなければうまくいきません。
さらにプロジェクトを円滑に進めるためには、チーム内のコミュニケーションも大切です。プロジェクトをまとめる立場になれば、メンバーの特徴を正確にとらえ、適切に仕事を割り振らなければなりません。
キャリア
アドバイザー
逆にいえば、周囲とコミュニケーションを取らずに黙々と仕事をしたい人にはあまり向いていないかもしれませんね。
コミュニケーション能力をアピールする方法はこちらで解説しています。
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変化に柔軟に適応力できる人
IT業界は常に進化を遂げています。新しい技術や知識が求められるため、古いやり方に固執していては成長できません。変化に柔軟に対応できる抵抗力が求められます。
SI業界で働くためには、能動的に学ぶことも大切です。上司や先輩に教えてもらうのを待つのではなく、新聞やニュースサイト、専門書から新しい知識を取り入れる必要があります。
さらにトラブルが起きた際にも柔軟な適応力は必要です。あらゆる可能性を考え、一つひとつ検証していくことでトラブルを解決できます。最初から「こんなはずではない」「こんなことありえない」というスタンスではミスも見つけられません。
キャリア
アドバイザー
新しいことが好きな人や、常にアップデートしながら成長したい人には向いている仕事だといえるでしょう。
適応能力をアピールする方法はこちらで解説しています。
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分類別で解説! SI業界の代表的な企業
SI業界は年々売上高が増加しており、将来性のある業界です。そんなSI業界にはどのような企業があるのでしょうか。
次はSI業界の代表的な企業について詳しく解説します。
外資系
外資系とは、グローバルに展開している海外企業の日本人法人を指します。主に本社が進行しているソリューションサービスの日本展開やITコンサルティング業務、システム開発をおこなっています。
外資系SI企業は大手企業が多く、年収水準も高い傾向にあります。さらに残業も少なく、非常にホワイトな環境だといえるでしょう。一方で、完全実力主義で自分の力だけでキャリアアップしなければいけない厳しさもあります。
日本国内の代表的な外資系SI企業には、以下2つの企業があります。
日本IBM
IBMはアメリカ本社を中心に、世界170カ国以上でビジネス展開をしているグローバルIT企業です。日本IBMではテクノロジーを駆使し、社会や企業の課題解決を幅広くおこなっています。小売や金融、スポーツ、さらには宇宙産業にいたるまで、あらゆるフィールドで輝かしい実績を積み上げてきました。
たとえば大規模なプラットホームの構築や運用監視、ウェブアプリケーションの開発、AIを活用したシステム構築などがあります。ほかにも国内大手企業においてデジタル人材育成の研修もおこなっています。
日本IBMの求める人物像は、常に新しい知識やテクノロジーを学び続ける人材です。SI業界は変化が激しいため、変化やチャレンジを楽しめる人材を求めています。
日本オラクル
オラクルもアメリカに本社を置くソフトウェア会社であり、日本オラクルはオラクルの日本法人です。オラクルの主な事業はデータベース管理システムを中心とした企業向けシステムの開発や販売です。高い世界シェアを誇り、ソフトウェア会社としてはマイクロソフトに次ぐ世界2位を記録しています。
オラクルの強みは、プラットフォームからアプリケーションまで、クラウドソリューションを提供できることです。日本では企業のDX実現が大きな課題となっており、オラクルでも独自の強みを活かし、顧客のDXを推進しています。
日本オラクルでは、高いリーダーシップを発揮できる人材を求めています。各部署が連携しながら業務をおこなっているため、周囲の人々と協力し合うことが大切です。さらに顧客対応の点では、関係者と信頼関係を構築する力や課題やニーズを引き出し、解決に導く力も求められます。
メーカー系
メーカー系とは、自社でハードウェアを開発している企業のソフトウェア部門がSIとして独立した企業がほとんどです。特にコンピュータメーカーは今後の需要も見込まれるため、安定した働き方ができるでしょう。
さらに親会社の基盤がしっかりしているのもポイントです。自社のソフトウェア開発もあるので案件に困らないメリットがあります。
代表的なメーカー系SI企業には、以下3つの企業があります。
富士通
富士通は日本の総合ITベンダーです。富士通が製造しているパソコンやスマートフォンを使っている人もいるかもしれませんね。富士通は自社でハードウェアを製造しており、さらに顧客のIT課題解決に必要なシステム構築もおこなっています。
富士通はICTサービス市場において国内シェア1位、世界シェア8位を記録しています。得意のICTシステムを活かした顧客の課題解決を得意としている企業です。
富士通では、富士通のパーパスである“イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく”に共感し、信頼を構築しながら挑戦し続けられる人材を求めています。
NEC
NECは住友グループの電機メーカーです。NECといえばパソコンやタブレットをイメージする人も多いでしょう。他にも放送映像機器の製造もおこなっています。
現在は、ICTソリューションに力を入れており、特に官公庁へのシステム導入で高い実績を持っています。他にもインフラ産業へのソリューション提供も得意な企業です。
NECでは、自ら行動し、成長し続けられる人材を求めています。成長するためにはチャレンジ精神も欠かせませんね。さらに相手の立場になって考え、チームプレイができることにも重きを置いています。
日鉄ソリューションズ
日鉄ソリューションズは、大手鉄鋼メーカーの日本製鉄を母体に持つSI企業です。製造業におけるITソリューションを得意とし、顧客の課題解決をおこなっています。
自社で研究組織を持っており、最先端の実証・検証をおこない、技術力の研鑽を怠りません。近年ではSI事業にも注力しており、大手企業の顧客を多く持っています。母体である日本製鉄で培ったノウハウを活かし、製鉄業界だけでなく、製造業や物流業、金融業でも高い信頼を得ています。
日鉄ソリューションズの求める人物像は、仲間と力を合わせて何かを成し遂げることに喜びをみいだせる人です。ITだけに興味があるのではなく、さまざまなものに興味を持ち、社会に役立ちたいと考える人材を必要としてます。
ユーザー系
ユーザー系とは、商社や金融、保険会社のシステム部門が独立したSI企業です。親会社や特定の企業のソリューション提案やシステム開発を得意とします。顧客の幅は限られますが、その分専門的な知識や技術を身につけられます。
代表的なユーザー系SI企業には、以下2つの企業があります。
野村総合研究所
野村総合研究所は、野村證券から独立した企業です。「コンサルティング」「金融ITソリューション」「産業ソリューション」「IT基盤サービス」の4つの事業を展開しています。
野村総合研究所の主力事業は「金融ITソリューション」です。証券会社や資産運用会社、保険会社、銀行などにソリューションを提供しています。親会社である野村證券が顧客であるため、4つの事業部の中で最も高い売上高を上げています。
野村総合研究所の求める人物像は、挑戦し続ける強い意思を持つ人材です。さらに目まぐるしく変化する社会への興味や深く探求する好奇心も必要だと考えています。
伊藤忠テクノソリューションズ
伊藤忠テクノソリューションズは、伊藤忠商事の子会社です。顧客のニーズに適したITシステムの開発やインフラ基盤の構築を主軸事業としています。
伊藤忠テクノソリューションズの強みは、さまざまな業界の課題解決ができる「対応力」です。顧客の業界の動向やニーズを素早くキャッチし、適切な提案に長けています。特に通信業界や金融業界、物流業界、製造業界に大手企業の顧客を持っています。
伊藤忠テクノソリューションズの求める人物像は、新しいトレンドや技術を吸収し、常識や既成概念にとらわれないアイデアを出していく「知的好奇心」を持つ人材です。さらに自律と協調を持ち、周囲を巻き込める人物を必要としています。
独立系
独立系とは、SI企業として設立した企業を指します。メーカー系やユーザー系SI企業は、親会社のシステム開発部門が独立して設立した企業ですが、独立系は最初からSI企業として誕生しました。メーカー系やユーザー系より小規模な企業が多いですが、幅広い分野の顧客を持ち、さまざまな経験を積めるメリットがあります。
代表的な独立系SI企業には、以下3つの企業があります。
大塚商会
大塚商会は、企業に対してITソリューションを提供する独立系SI企業です。大塚商会と聞くとCMでおなじみの「たのめーる」を想像する人も多いでしょう。たのめーるは法人向けオフィス用品通販や介護用通販のため、SI事業のイメージとはリンクしないかもしれませんね。
大塚商会の主力事業はSI事業なのです。IT機器やシステムの提案まで一貫しておこなう「システムインテグレーション事業部」と導入後の保守運用を支援する「サービス&サポート事業部」の2つの事業部で顧客の課題解決に取り組んでいます。
大塚商会では、主体的に成長や自己実現を追い求める人を求めています。求める人物像は企業のミッションステートメントにも深く関係しており、なくてはならないマインドです。
TIS
TISは創業50年以上の歴史を持つ独立系総合ITサービス企業です。金融や製造、流通、通信業界など幅広い業界にITサービスを提供しています。
特にクレジットカードの基幹システム開発においては、国内市場シェア約50%、ブランドデビッドカードのサービス提供・システム開発では国内市場シェア約80%を誇っています。非接触型決済サービスは近年需要が高まっており、今後の成長にも期待できるでしょう。
TISの求める人物像は、想いを形にする意志と行動力を持つ人材です。社員一人ひとりが型や枠を超えて活躍するのを期待しています。
NTTデータ
NTTデータは、NTTの社外向けのSI事業をおこなっていた部門が独立してできた企業のため、外資系、メーカー系、ユーザー系、独立系のどの分野にも属していません。
NTTデータは旧電電公社から生まれた企業のため、公共・社会事業、官公庁向けのソリューション提供を強みとしています。さらに法人ソリューション分野では製造業や流通業、サービス業などの産業向けソリューションに強みを持っています。
近年は海外展開を積極的におこなっており、海外売上高は28%にまで成長しているのです。今後もグローバル展開を軸に急速に成長していくと見込まれます。
NTTデータでは、「行導力」「変革力」「共創力」を持つ人材を求めています。社会のために自律的に考え行動する力や最新技術を用いて変化を起こす力、仲間と目標を創り上げる力。どれも欠かせない能力です。
SI業界の選考で差をつけるポイント
SI業界は慢性的な人材不足が課題となっており、各社で背極的な採用活動がおこなわれています。しかし、誰でも採用されるというわけではありません。特にSI業界の新卒採用では大手企業への人気が高く、採用されるのは狭き門といえるでしょう。
次はSI業界の選考で差をつけるポイントについて詳しく解説します。
IT業界の専門知識を身につけるために情報収集をおこなう
SI業界の選考で差をつけるためには、専門知識を身につけるために情報収集をおこないましょう。基本的に新卒採用の選考では、あまり専門知識を求められません。しかし、SI業界を深く理解するために専門知識が必要なこともあります。
たとえば「SI」という言葉も専門用語ですよね。他にも「SE」やこれまでに解説した「メーカー系」や「独立系」といった言葉も専門知識のひとつです。
志望動機や入社後の目標などを伝えるためにも専門知識は必要です。自分の気持ちを正しく伝えるためにも、日頃から情報収集をおこないましょう。
ITパスポートの取得を目指してITの専門知識を身に付けるのもおすすめです。
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プログラミングスキルを身につける
多くのSI企業は文系や情報学部以外の理系学生も採用対象としています。選考時点でプログラミングスキルを求められないケースもありますが、スキルを持っていて損はないでしょう。新卒採用ではプログラミングスキルを持っていない学生も多いため、強力なアピールポイントにもなります。
目指す企業が決まっている場合は、長期インターンシップに参加するのもおすすめです。実務経験を積むことで、より実践的なスキルが得られます。
他にもプログラミングスクールに通ったり、独学で勉強したりする方法もあります。プログラムを勉強する際は、目指す企業で活かせる言語を選ぶようにしましょう。
インターンシップに参加する
インターンに参加するのも選考を有利にするポイントです。企業によっては給与をもらいながらインターンに参加できるプログラムもあります。インターンでは企業の雰囲気や仕事内容の理解を深めるだけでなく、プログラミングの勉強にもなるでしょう。
しかし、人気企業のインターンに参加するためには、選考試験をパスしなければなりません。IT業界や希望する企業の知識がまったくない状態で試験をパスするのは難しいでしょう。インターンの試験を受ける際は、本試験と同じくらいの気持ちで準備することが大切です。
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キャリアアドバイザーコメント津田 祥矢プロフィールをみる
既述の通り、業界特有の用語を使って質問をされることも多いので、少しでも業界に関心がある場合には、言葉の定義を明らかにさせて面接時に慌てないようにしておきましょう。
このほかにも、選考を受ける際には論理的に話す力や物事を具体的に説明する力をつけられるといいでしょう。SI業界の仕事は、自分たちの持つ専門知識を相手にわかりやすく伝えて納得をしてもらうことです。そのため、就職活動の段階から、面接官がイメージできるくらいまで学生が取り組んできたことや考え方を伝えることができると好印象になるでしょう。
論理的と聞くとどうしても苦手意識を持つ人が多いのですが、まずは「いつ」「どこで」「なぜ」「何をしたのか」などの事実を説明する練習から始めてみてください。頭の中で考えるのではなく声に出すことで整理をして、本番に備えてみてくださいね。
SI業界の志望動機のポイント
SI業界で働くイメージはついたでしょうか。SI業界で働くビジョンが描けても、志望動機に落とし込むのは難しいですよね。企業に入社したい熱意だけを書いてもうまく伝わりません。相手に伝わる志望動機にするためには「Why・What・How」を押さえて書いてみましょう。
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なぜSI業界のSEなのか明確にする
企業が志望動機で最も注目しているのは「Why」の部分です。「なぜ」の裏には学生のモチベーションの高さが隠されています。入社後、成果をあげるためにはモチベーションが大切です。どんなに能力が高くてもモチベーションが低ければ成果を上げるのは難しいでしょう。
高いモチベーションを持っていれば、ずば抜けて高い能力がなくても努力したり、吸収したりできます。新卒採用においてモチベーションはとても重要なポイントなのです。
SEの仕事はSI業界でなくてもたくさんあります。その中で、なぜSI業界のSEを志望しているのか明確に紐解いてみましょう。
なぜその会社なのかを明確にする
「なぜSI業界のSEを志望するのか」を明確にしたら、次は「なぜその会社なのか」を明らかにしましょう。SI業界にはさまざまな企業があります。誰もが知るような企業からスタートアップのベンチャー企業まで実に幅広いのです。
「給与がいい」「大手に憧れて」だけでは志望動機としては薄いでしょう。志望動機を明確にするためには、できるだけ具体的な言葉を使うことが大切です。“こそあど言葉”は内容を薄めてしまうため、具体的な事例や数字などを織り交ぜると伝わりやすくなります。
さらに「What(何をしたいか)」についても深堀りしていきましょう。ただし、志望動機ではWhyの重要度が高いため、Whatはサラッと触れる程度で構いません。
その企業でどう貢献できるかを説明する
志望動機の最後は「How(どのように)」で締めましょう。中途採用であれば前職の経験や実績をアピールする場面ですが、新卒採用では実務経験がない人がほとんどですよね。
アルバイトやサークル活動、ボランティアなど学生時代に経験したことを、具体的なエピソードと一緒にアピールしましょう。成果があるものは具体的な成果を書くと効果的にアピールできます。
ただし、輝かしい成果を書くだけでは意味がありません。これまでの経験がどのように入社後活かせるのかリンクさせることが大切です。入社後の活躍をイメージしながら具体的に書きましょう。
SI業界の志望動機例
SI業界の志望動機のポイントをつかめたら、志望動機を書いてみましょう。志望動機を書く際は、 「Why・What・How」を明確にするよう注意してくださいね。
しかし、いざ志望動機を書こうとしても何を書いていいかわからないときもありますよね。次はSI業界の志望動機例を解説します。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
スキルを活かして貢献したい
プログラミングやIT知識を持っている場合、スキルをアピールするのもいいでしょう。情報系を専攻していない場合、ほとんどの学生はITスキルを持っていません。他の学生との差別化を図るチャンスです。具体的なエピソードを入れ、入社後の活躍をイメージしやすくしましょう。
例文
貴社ではさまざまな業界のシステム開発を請け負っており、貴社であれば業界の枠にとらわれることなく、幅広い分野で活躍できると思い貴社を志望しました。
就職活動をしている中でSI業界に興味を持ち、独学でプログラミングの基礎を勉強しています。自分が書いたコードで正確に動作したときは達成感を得ました。今後はSEやプログラマーとして最先端技術にかかわっていきたいと思っています。
入社後も、継続的にプログラミングの勉強を続け貴社の発展に役立ちたいと考えています。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
キャリア
アドバイザー
IT分野のスキルを持っている場合は、志望動機でアピールしましょう。まだ勉強段階でも、モチベーションが高い印象を与えられます。
強みを活かして貢献したい
SI業界で求められるのは専門知識だけではありません。顧客とやり取りをする機会も多く、コミュニケーション力や柔軟な適応力なども求められます。他にも論理的思考やリーダーシップなどのアピールポイントになるでしょう。具体的なエピソードと一緒にアピールしてみましょう。
例文
貴社ではチームワークを重視し、メンバーと意見を交わす機会を大切にしているとうかがいました。私は強みでもあるマネジメント能力を活かすために貴社を志望しました。
私が副部長を務めているサッカーサークルでは、メンバーが能動的に取り組めるよう練習メニューを全員で話し合って決めています。私は副部長として意見をまとめ、メニュー作りをおこなってきました。現状に満足せず、常にブラッシュアップして実際の技術と結びつくよう心掛けています。
貴社に入社した際は、積極的に意見やアイデアを発信し、周りを巻き込みながら目標達成ができる人材を目指していきたいです。
キャリア
アドバイザー
強みはIT分野に関係している必要はありません。コミュニケーション力やマネジメント能力なども立派な強みです。
会社のサービス開発に携わりたい
志望企業のサービスに注目するのもいいでしょう。企業が持つサービスにはそれぞれ特色があります。他社と差別化を図るポイントになるため、志望動機に盛り込みやすいです。
サービスに触れる際は、きちんと利用したうえで志望動機に活かしましょう。ただ「知っているだけ」「見たことがあるだけ」では薄いファンの感想になってしまいます。
例文
私は「○○」のようなアプリ開発に携わりたいと思い、貴社を志望しました。
貴社が運営している女性向けアプリ「○○」を利用しており、特に△△のコンテンツが非常に便利でよく活用しています。私がSEを目指すようになったのは、私も女性の生活が豊かになるアプリを開発したいと思ったからです。
入社後は専門技術を身につけ、時代やニーズの変化をキャッチしながらユーザーに喜ばれるアプリを開発したいと考えています。
キャリア
アドバイザー
単なるファンで終わってしまうのはもったいない! 普段から利用しているからこそ、サービスの展開や将来についても触れてみましょう。
過去のエピソードからSI業界で働きたい
IT業界やSI業界にまつわる過去のエピソードを志望動機に盛り込むのもおすすめです。具体的なエピソードはその人の人となりや性格を知るうえでとても重要なポイントです。エピソードはだらだら書かず、伝わりやすいよう簡潔にまとめましょう。
例文
私はさまざま業界のシステム開発を通じて、より利便性の高い社会の実現を目指すために貴社を志望しました。
私は○○というバンドが好きで、ファンサイトを立ち上げて日々情報発信をしています。最初は記事を投稿するだけで精一杯でしたが、サイト構築を学び、ユーザーが見やすいようにレイアウトを工夫するようになりました。試行錯誤を繰り返すことでより利便性が高まり、ユーザーに喜ばれることに喜びを感じ、システム構築に興味を持つようになりました。
貴社に入社した際は、常にユーザーが求めることを大切にし、社会に必要とされる技術発信を大切にしていきたいです。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
キャリア
アドバイザー
思い出話にならないように、過去のエピソードから学んだことや気づきを取り入れましょう。
大規模なシステム開発に携わりたい
大規模なシステム開発に携われるのはSI業界の魅力のひとつでもあります。たとえば開発したシステムによって企業全体の課題解決につながったり、人々の生活を変えたりすることもあるでしょう。近年はIT技術の進化によって、これまでの常識がひっくり返るようなプロジェクトに携われるチャンスがたくさんあります。
どんなシステム開発に携わり、どのように活躍したいか具体的に書いてみましょう。
例文
私は貴社の主軸事業である物流業界向けの大規模なシステム開発に参加し、ITで人々の便利な暮らしを支えたいと考え、貴社を志望しました。
近年ではネット販売が新しいライフラインとなり、より円滑な物流が求められています。貴社の○○といった技術を使えばより便利で安心できる生活を創造できると考えています。
貴社に入社した際は、物流業界に付随する倉庫やエネルギーの分野に関するシステム開発にも携わり、広い視点で新しいライフラインを作り上げていきたいと考えています。
キャリア
アドバイザー
「大規模なシステム開発に携わりたい」だけでは単なるファンになってしまいます。携わることでやり遂げたいことや得たいものなどにも触れましょう。
業界研究を深めてSI業界に就職しよう!
「SI業界は難しそう」と不安を抱えている学生もいるかもしれませんが、文系や情報学部以外の理系出身者でも挑戦しやすい業界です。顧客の課題をヒアリングし、最適なシステムを提案するSIの仕事ではさまざまな業界のプロジェクトを経験できます。ITスキルや専門知識が身につきやすく、プログラミングの経験がなくてもキャリアアップを目指せるでしょう。
SI業界を目指すためには、きちんと業界研究をすることが大切です。業界研究は企業選びだけでなく、志望動機を考える際にも役立ちます。業界研究を深め、SI業界に就職しましょう。
キャリアアドバイザーコメント上原 正嵩プロフィールをみる
就活のなかで、上流工程や下流工程という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。工場で物を作る人と、お客様に販売をする人を分けるときに使うことが多いので、製造業などで耳にする単語かもしれません。
しかし、この言葉はIT業界にも当てはまります。ネットワークの基盤を構築することに携わる仕事と、アプリの開発など消費者に近い立場の商品に携わる仕事では業務の進め方も少しずつ異なります。そして、ソフトウェアをお客様に提供するためには、大元のネットワークを取り扱う会社と密に連携をしなければいけないなど、一社だけが独立して何かを進めることができないこともあります。
そのため、下請けとのやりとりだけではなく、業界の川上から川下まで一体となってサービスが届くというイメージも持てるようにしておきましょう。