目次
- 志望動機の書き出しで自分への見え方が変わる! 自分の強い意思を最初に示そう
- 志望動機の書き出しを考えるうえで気を付けるべきこと
- 企業が見ているポイントを意識する
- 伝えたい志望動機の「結論」を書く
- 一言で伝える
- 例文付きで解説! パターン別の志望動機の書き出し6選!
- ①興味・関心を押し出すパターン
- ②自分の強みを押し出すパターン
- ③将来の展望や夢を押し出すパターン
- 志望動機は「最も押し出したい動機」から書き出して面接官の心をつかむ!
- 就活の軸との照らしあわせが重要! 最も押し出したい動機を定める3ステップ
- ステップ①働くうえで大切にしたい価値観を導き出す
- ステップ②志望企業の特徴や採用情報を把握する
- ステップ③就活の軸と企業の情報から最も強調したい動機を定める
- これだけは避けよう! 志望動機で避けるべき4つの書き出し方
- ①文字数が多い
- ②抽象的すぎる
- ③働くことに後ろ向きな内容になっている
- ④志望動機全体から内容が浮いている
- 志望動機の書き出しに関して学生からよくある質問に回答!
- 志望動機の書き出しはなぜ重要なのですか?
- 志望動機の書き出しで印象に残す方法を教えてください。
- 志望動機の書き出しは印象を決める重要な要素! オンリーワンの熱意で選考突破しよう
志望動機の書き出しで自分への見え方が変わる! 自分の強い意思を最初に示そう
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生からよく、
「志望動機の書き出し方ってどうすれば良いですか?」
「印象に残るような志望動機の書き出しを教えてほしいです。」
という質問や相談を受けます。
志望動機では、書き出しによって残る印象が大きく変わります。そのため最初に採用担当者の心をつかむには、書き出しを工夫して自分の強い意思をしっかりと示すことが大事です。
この記事では、志望動機の書き出しで企業が何を見ているかや書き出しの重要性、採用担当者の心をつかむポイントを解説します。具体的にどのように採用担当者の心をつかむのかについても解説するので、志望動機の書き出しを考える際の参考にしてくださいね。
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志望動機の書き出しを考えるうえで気を付けるべきこと


就活生

キャリアアドバイザー
実は、書き出しこそが一番大事なんですよ。なぜなら、最初の一文で読み手の興味を引けるかどうかが決まるからです。コツさえ押さえれば、印象に残る志望動機になりますよ。
志望動機の書き出しは、ただ「御社に興味があります」と書くだけではもったいない部分です。企業が求めている視点と、自分の伝えたい熱意や軸をうまく重ねることで、「読まれる志望動機」の土台ができます。
ここからは、書き出しを考える際に意識したい3つのポイントを解説します。
企業が見ているポイントを意識する
企業が「この人はうちで活躍してくれそうだ」と思えるような内容にするためには、企業が志望動機を通じて何を見ているかを意識することが重要です。
- 志望度の高さ:本当にこの企業で働きたいという強い思いが伝わるかどうか
- 自社とのマッチ度:企業の理念や仕事内容と応募者の価値観・志向が合っているか
- ポテンシャル:今後成長し、活躍してくれる可能性があるか
- 考え方や価値観:その人が大切にしている考え方や行動の軸が、企業文化と合うか

キャリアアドバイザー
これらのポイントを意識したうえで、自分の経験や思いを織り交ぜた志望動機にすると、より説得力が増しますよ。
伝えたい志望動機の「結論」を書く
志望動機全体で伝えたい主張が一目でわかるように、書き出しには「結論」を書くのが鉄則です。志望動機で企業が知りたいと思っているのは「なぜ自社を志望しているのか」であるため、これを最初に伝えるようにしましょう。
結論から伝えることは、ビジネスにおいては忙しい相手の時間をむやみに奪わないための基本的なマナーです。相手に話をわかりやすく伝える方法にPREP法というのがありますが、ここでも結論を一番最初に伝えることとされています。
結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)という4つの展開でわかりやすく内容を伝えるためのテクニック
採用担当者は多くの志望動機に目を通すため、何が言いたいのか最後まで読まないとわからない志望動機を見るのは大変だと感じます。採用担当者の負担を減らしフラットな気持ちで読んでもらうためにも、わかりやすく結論から伝えることを心掛けましょう。

キャリアアドバイザー
先に結論を伝えることは、その後の内容を理解しやすくする効果もあります。志望動機全体を伝わりやすくするためにも、結論から書き出すことは忘れないようにしましょう。
一言で伝える
書き出しで志望動機の結論を伝えられているとしても、あまりに長く遠回しな文章だと理解されづらくなってしまうため、基本的には一言で伝えるように意識しましょう。
採用担当者は忙しいため、一度で理解できないとストレスを感じてしまう可能性があります。読み返さないとわからないような長い文章を避けるために、以下のポイントを意識して作成してみてください。
- 修飾語を付けすぎない
- 修飾する言葉同士が離れすぎない
- 言いたいことを一つに絞る
- 同じ言葉を何度も使わない

キャリアアドバイザー
一言で伝えられているか確かめるには、実際に声に出して読んでみるとわかりやすいです。途中でつまづく部分がないかチェックしてみてくださいね。
キャリアアドバイザーは実際にこうアドバイスしています!書き出しは「一言」で伝えることが重要
一言で言い切ることを意識すれば短文になる
志望動機は文字数を指定されることも多いですが、何文字を指定されたとしても「書き出しを一言で伝える」という鉄則は守るようにしましょう。
書き出しでは志望動機の結論を書きますが、文字数が多くなると結局伝えたいことが何なのかわかりづらくなるうえ、読みづらい文章になります。採用担当者も人間なので、志望動機の最初の一文を読み、その志望動機を深く読み込むか、軽く読み流してしまおうか、無意識に選別することも多いです。
もし書き出しが長くなってしまった場合は、短い表現に変更できないか考えてみてください。たとえば「粘り強く最後まであきらめない」といった表現は「忍耐力がある」と言い換えることができます。言い換えられる表現が思いつかなくても、使っている単語の類語を調べれば、いくつかヒントを得られるかもしれません。
書き出しは一言で言い切ることを意識すると、自然と短くなります。回りくどさをなくし、スマートな印象の志望動機になるように意識して作ってみてくださいね。
例文付きで解説! パターン別の志望動機の書き出し6選!

就活生
志望動機の書き出しにどのようなパターンがあるのか知っておき、自分が作成するときの参考にしたいのですが、教えていただけますか?

キャリアアドバイザー
わかりました! 書き出しのパターンを知っておくと、企業ごとに自分の最も押し出したい動機が変わったときに対応しやすいですよね。ぜひ把握しておきましょう。
最も押し出したい動機は人それぞれ異なるかと思いますが、ここでは大きくジャンル分けした6パターンを紹介します。例文付きで紹介していくので、自分に合った書き方を見つけて活用してみてくださいね。
キャリアアドバイザーは実際にこうアドバイスしています!「書き出し」より「内容」重視
「もったいない書き出し」には注意しよう
そもそもですが、志望動機は書き出しよりも内容のほうが重要なものです。とはいえ、選考においては書き出しで印象を悪くしてしまうことは避けたいですよね。そういうときは「もったいない書き出し」をしないように意識してみましょう。
「これはもったいない」と採用担当者が感じる可能性のある書き方として、「貴社の〇〇という職種に惹かれたため」というように、職種への興味だけを伝えるものが挙げられます。企業そのものへの志望度よりも職種へのこだわりが強すぎると見なされ、「その職種であれば良いなら、必ずしも自社である必要はない」とマイナスな印象を残してしまいます。
職種の魅力を伝えたいなら、まずはじめに企業やそこで働く人への憧れや魅力を語るようにしましょう。その企業ならではの魅力を語ることで「本当に自社に入りたいんだな」と評価してもらえる可能性が高まりますよ。
①興味・関心を押し出すパターン
企業や業界に対する純粋な「興味」や「関心の高さ」を強調したいときには、以下の書き出しがおすすめです。
- 「貴社の〇〇に特に魅力を感じているため志望いたします」
- 「貴社の〇〇という社風に惹かれたため志望いたします」
これらの書き出しは就活生ならではの素直な気持ちや新鮮な視点が伝わりやすいため、特に新卒で社会人としての具体的なスキルや実績がない人にも向いています。
また、企業としても「自社に強く惹かれている人材」と出会いたいと考えているため、熱意が感じられる書き出しはプラスに働きます。

キャリアアドバイザー
ただし、「なんとなく興味がある」「知名度があるから」といった漠然とした理由では、説得力に欠けてしまうため注意が必要です。自分の体験や価値観と結びつけて書けると、より印象的になりますよ。
「貴社の〇〇に特に魅力を感じているため志望いたします」
自分の将来像や成し遂げたいことよりも、志望企業ならではの特徴に強烈な魅力があり、それが最も強い動機になっている場合は、こちらの形式を使うと熱意を伝えやすいです。
志望動機を伝える形式としてはとてもシンプルであり、ダイレクトに熱意を示すことができます。一方で、ありきたりな動機であると「うちの会社以外でも言えそうな動機だな」「あまりうちの会社のことを調べてきてないのかな」などと思われかねません。
そのため、志望企業に魅力を感じる部分を見つけただけで終わらずに、競合他社が同じことをしていないかを必ず確認してから、取り上げるようにしましょう。
私は貴社の「最先端のファッションを生み出し、提案し、届け続ける」という理念と、それを創業時から実現し続けている姿に特に魅力を感じ、志望いたします。

キャリアアドバイザー
企業理念を取り上げることで、企業ならではの社風や方向性への共感を示せており、実績も組み合わせることで企業研究を深くしていることへの説得力を持たせられています。
こちらの記事では、アパレル業界の志望動機を魅力的にするコツを解説しているので、ファッション系の職業に興味がある人はぜひ参考にしてみてください。
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「貴社の〇〇という職種に惹かれたため志望いたします」
ある特定の職種に就きたいという強い思いをもって就活をしている人は、職種に惹かれたことを押し出してみるのもおすすめです。
職種を取り上げる際は、ほかの企業でもその職種に就ける場合もあるため、企業ならではの特徴やポイント、もしくは実体験とのつながりなどを述べると説得力が増します。長くなる場合は書き出しで伝えなくても良いので、志望動機のどこかで述べましょう。
また、新卒は総合職での採用も多く、配属先は入社後に振り分けられる場合もよくあります。そのため、入社後に希望の職種にすぐ就けるのかはしっかり確認しておいてくださいね。
私は3年前に貴社の店舗で受けた接客で人生が大きく変わった経験があり、貴社の店舗販売員という職種に強く惹かれたため、志望いたします。

キャリアアドバイザー
志望企業の職種への志望理由について、自分の大きな経験を交えて伝えることで印象に残りやすくなっています。また簡潔に伝えられており、核となる部分を伝えつつも続きを読んでみたくなる構成になっていて引き込まれますね。
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②自分の強みを押し出すパターン
これまでの経験や自分の性格をもとにした「強み」をアピールしたいときには、以下の書き出しがおすすめです。
- 「私の〇〇の強みが貴社で最大限に活かせると思い志望いたします」
- 「私の〇〇という強みを活かし貴社の〇〇に貢献したいと考え志望いたします」
このパターンは、自己分析がしっかりできている人や、これまでの経験を通じて「これが自分の武器だ」と言えるものがある人に向いています。
企業側としては、採用した人材が「活躍できるか」「社風や職務とマッチするか」を見極めることが重要視されています。そのため、単に自分の強みを語るのではなく、「だからこそ御社で活かせると考えます」と入社後のイメージと明確に結びつけることが重要です。
強みは「協調性」や「計画性」など性格的なものでも、「営業経験」や「プログラミングスキル」など実務に直結するものでも構いません。ただし、企業や職種に合わせて強みを選び、それがなぜ活かせるかまで示すようにしましょう。
自分の強みを把握できていない場合には、まずは自己分析から取り組みましょう。以下に役立つフレームワークに関する記事をまとめましたので、あわせてチェックしてみてください。
マインドマップ:
実例付き|マインドマップで自己分析を進めるための3ステップ
自分史:
簡単3ステップ! 自分史を使った自己分析で説得力をアップしよう
モチベーショングラフ:
テンプレ付き! モチベーショングラフの作り方と就活活用法を大公開
自己分析ノート:
自己分析ノートの活用術を伝授! 基本の作り方から徹底解説
「私の〇〇の強みが貴社で最大限に活かせると思い志望いたします」
自分が身に付けているスキルや力、強みを活かした仕事に就きたいと考えている人は、書き出しで最も押し出したい動機として伝えるのもおすすめです。
この形式の良い点は、志望動機を伝えつつ自分の強みも同時にアピールできることです。これにより、企業側に志望度の高さだけではなく、活躍できる人材かどうかもイメージさせやすくなるといえます。
ただし、聞かれているのはあくまで志望動機であるため、自己PRのように過度にアピールしないように注意してくださいね。
学生時代の文化祭実行委員として培った企画・運営力が、貴社のイベント企画・運営の仕事に最大限活かせると思い、貴社を志望いたします。

キャリアアドバイザー
培った強みと志望企業の仕事内容に関連性があり、再現性の高さが伝わってきます。また、どうやって培ったかも簡潔に述べられているので、書き出しの時点である程度想像できることも読みやすさにつながっていますね。
「私の〇〇という強みを活かし貴社の〇〇に貢献したいと考え志望いたします」
自分の強みを起点に、「貴社の〇〇に貢献したい」という目的をセットで伝えることで、主体性や仕事への前向きな姿勢をアピールできる表現です。
このパターンは「ただ活かせる」だけでなく、「貢献したい」という意志も含まれるため、より積極的な印象を残すことができます。企業の課題や事業内容に対する理解があることを前提として書くと、より響く志望動機になります。
私の粘り強く最後までやり抜く姿勢という強みを活かし、貴社の顧客サポート部門で継続的な顧客満足向上に貢献したいと考え、志望いたしました。

キャリアアドバイザー
単に「強みがある」だけではなく、「それをどう役立てたいか」という視点を入れることで、働く意欲や成長意欲が伝わりやすくなっています。企業が求める人物像に合っていれば、非常に好印象な書き方です。
③将来の展望や夢を押し出すパターン
自分の将来像や社会に対するビジョンが明確な場合は、その「夢」や「展望」を起点に志望動機を語るのが効果的です。
- 「将来〇〇のような人材になりたいと考え貴社を志望いたします」
- 「〇〇は私の使命だと考えており、それを成し遂げられる貴社を志望いたします」
このパターンは、目指す姿が明確であるほど説得力が増し、企業にとっても「長く活躍してくれそう」「成長意欲がある人材だ」とポジティブな印象につながりやすいのが特徴です。
企業の事業や方向性と、自分が実現したいことが重なっていれば、非常に強い志望動機になります。ただし、理想論に終始せず、夢の実現のために「なぜその企業なのか」「どう行動していくつもりか」を必ず盛り込みましょう。
将来の夢や目標に関する質問への対策には、以下の記事が参考になりますよ。
「将来の展望」は面接の重要質問! 社会人像を明確化する4ステップ
将来の目標で面接官をうならせる回答一覧|評価ポイントも解説
例文12選|「将来の夢」を聞かれたときの効果的な答え方4ステップ
「将来〇〇のような人材になりたいと考え貴社を志望いたします」
自分の将来像が明確にあり、キャリアビジョンを志望動機とつなげて押し出したい場合は、この形式を使うと伝わりやすいです。
この時、志望企業で働いても実現できそうにないビジョンを掲げてしまうと「なぜ自社なんだろう」と疑問を持たれてしまうので注意してください。
志望動機を作成する前に志望企業のキャリアパスや今後の経営計画を把握しておき、それらをふまえたうえでポイントを伝えるようにしましょう。
私は将来、日本の技術力を海外に伝えることのできる人材になりたいと考え、日本の職人が一つひとつ手作りで仕上げた高品質な家具を多く輸出している貴社を志望いたします。

キャリアアドバイザー
書き出しで、将来どのような人材を目指しているかのゴール地点と、志望企業との関連性を端的に表せています。企業への志望動機と将来像に一貫性のある結論になっており良いですね。
こちらの記事では、キャリアビジョンの立て方のコツや具体例を解説しています。キャリアビジョンについて理解を深めたい人はぜひ参考にしてみてください。
関連記事
キャリアビジョン例11選|例文から選考で刺さるビジョンを作成!
就活においてキャリアビジョンを考える際は、例を参考にするのも方法の1つです。この記事では例だけでなく、キャリアビジョンの考え方についてもキャリアアドバイザーが詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください
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「〇〇は私の使命だと考えており、それを成し遂げられる貴社を志望いたします」
仕事内容や成し遂げたいことに「自分がやるべきことだ」と使命感を感じている場合は、この形式だと志望動機として伝えやすいです。
そもそも、仕事をする前から使命を感じるほどの強い思いがあることは貴重ですし、熱意を伝えやすくなります。ただし、その使命を志望企業で果たせそうかというのがポイントです。ここに説得力がないと、企業への志望動機としては成り立ちません。
使命感とその企業でなくてはならない理由をリンクさせて、強い思いを伝えてくださいね。
日本食のおいしさを海外に広めることは私の使命だと考えており、各地の名産をセレクトして海外向けに販売している貴社でならそれが成し遂げられると考え、志望いたします。

キャリアアドバイザー
使命だと感じている内容を簡潔に示せており、何をしたいのかがわかりやすいです。また、企業の特徴と成し遂げたいことがしっかりと結び付いているため、説得力がある志望動機の書き出しになっていますね。
こちらの記事では食品業界の志望動機の書き方について解説しているので、作成する際にはあわせてチェックしてみてください。
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キャリアアドバイザーは実際にこうアドバイスしています!「将来の展望や夢を押し出す」や「自分の強みを押し出す」書き出しがおすすめ
あくまで企業への興味関心を伝えよう
これまでの内容で紹介されている書き出しはすべておすすめですが、「将来の展望や夢を押し出すパターン」や「自分の強みを押し出すパターン」は非常に良いと思います。特に⑥の「〇〇は私の使命だと考えており、それを成し遂げられる貴社を志望します」という書き出しは非常に目を引きますね。
一つ注意してほしいのが、「興味関心を押し出すパターン」です。この内容で私自身が書き出しを作成するなら、「〇〇が好きだから」という面を押し出すのではなく、「〇〇を作り出した貴社に特に魅力を感じているため〜」という、会社への興味を示す書き方を選びます。これは最もシンプルでわかりやすいからです。
「貴社の〇〇という職種に惹かれたため〜」という書き出しも、限定的な印象を与える可能性があるため注意が必要です。「なぜその企業のその職種に惹かれているのか」というオリジナルの理由を添えるなど、表現を工夫するようにしてください。
志望動機は「最も押し出したい動機」から書き出して面接官の心をつかむ!

就活生
志望動機でいくつも伝えたいことがあった場合はどうしたら良いのでしょうか?

キャリアアドバイザー
たしかに、志望度が高い企業ほど伝えたいことは多くなりますよね。ただし、その場合でも、書き出しでは最も伝えたい主張だけに絞ることが重要ですよ。
志望動機が多くあること自体は良いことです。しかし書き出しでは、自分が最も押し出したいと思っている動機のみを伝えるようにしましょう。
多くの動機を盛り込もうとすると、一言では伝えるのは難しくなるだけでなく、文章も長くなりやすいです。そうすると読みづらくなるうえ、最も伝えたい動機が埋もれてしまい、熱意が伝わり切らなくなってしまう可能性もあります。
採用担当者の心をつかむ志望動機は、自分の最も主張したい動機に熱量があり、その動機が企業の方向性とマッチしていることが特徴です。
志望動機の書き出しを考える際は、量ではなく質を優先して自分の意思をしっかり伝えきりましょう。

キャリアアドバイザー
この後、最も押し出したい動機の定め方を解説するので、まだ定まっていない人はぜひ参考にしながら書き出しを考えてみてくださいね。
就活の軸との照らしあわせが重要! 最も押し出したい動機を定める3ステップ


就活生
志望動機の書き出しでは、伝える内容を最も押し出したい動機だけに絞ることが大切なんですね。具体的にどうすれば絞れるのか教えてほしいです。

キャリアアドバイザー
わかりました! 最も押し出したい動機は手順を踏むことで定まりやすくなるので、具体的にどうやるのかを一緒に確認していきましょう。
最も押し出したい動機は、自分が最も伝えたい主張であることはもちろんですが、企業の視点も取り入れることで納得感のあるものになります。この点をふまえて、ステップ形式で最も押し出したい動機の定め方を解説するので、ぜひ実践してみてください。
ステップ①働くうえで大切にしたい価値観を導き出す
まずは、志望企業のことは一度横に置いておき、自分だけと向き合いましょう。自分の過去や今の気持ちをもとにして、就活全体をとおして大事な価値観、つまり「就活の軸」を導き出していきます。
就活の軸とは、どの企業にも共通して自分が就職先を選ぶ際に最も重視したい価値観のことを指します。そのため、一時的な感情や企業の一部の魅力に左右されず、自分の本質的な志望理由を見つけることが大切です。
以下の方法を参考にしながら、就職先を選ぶ際に最も大事にしたいものを明らかにしてみましょう。
- 幼少期や子どものころの自分が直感的に好きだったことや、自然と没頭してしまったことは何か考えてみる
- 日常生活を振り返って、いつも大切にしている価値観から仕事にもつながりそうな価値観を導き出してみる
- 今の自分が直近でやりたいと思っている仕事に共通している要素を抜き出して、一つの価値観にまとめてみる
- 未来を想像したときに「これだけは失いたくない」や「これだけは成し遂げていたい」ことから、そこまでに何が必要か考えてみる

キャリアアドバイザー
この工程を怠ると企業の価値観に過度に自分を合わせてしまい、取り繕った志望動機になってしまう可能性があります。内定はできても入社後にミスマッチを起こしやすくなるため、自分だけの大切な価値観は先に明確にしておいてくださいね。
こちらの記事では就活の軸についてさらに詳しく解説しているので、就活の軸がなかなか定まらずに悩んでいる人はあわせてチェックしてみましょう。
就活の軸の見つけ方11選! 企業選びの基準を作って効率化しよう
【100選】就活の軸を一覧で紹介! 企業にも刺さる軸の選び方とは
ステップ②志望企業の特徴や採用情報を把握する
就活での自分の根幹となる価値観が明確になったら、次は視点を企業に移して、志望企業の特徴や採用情報を把握していきます。
自分がその企業に応募したいと思った理由が必ずあるはずなので、企業の特徴や採用情報を見ながら、率直に自分が入社したいと思ったポイントを洗い出しましょう。この際に、ほかの企業にはない志望企業独自の魅力とリンクさせて考えられると、志望動機に説得力を持たせやすくなります。
具体的には、以下の方法を試してみてください。
- 競合他社や今選考中の企業の特徴を比較し、ほかの企業にはない魅力を導き出す
- 自分が企業に共感した考え方や理念とリンクする企業活動をピックアップする
- 志望企業が今後目指している未来に共感した部分を抜き出す
また、この作業をやるときには、以下の情報を参考にするとスムーズに進みますよ。
- 企業サイトに掲載の企業理念や事業内容、中期経営計画、IR情報
- 競合他社との関係性がわかる業界地図
- 経営陣のインタビュー記事やメディアでの配信情報
この段階で、志望企業ならでは魅力で共感した部分をピックアップしておくことで、後々就活の軸に沿った志望動機を定めやすくなります。「なぜその部分に共感するのか」の理由を考えながら進めてみてください。
以下には、企業研究を深める方法や志望動機に活かす方法について解説している記事をまとめています。気になる人は参考にしてみてくださいね。
就活の成功は企業研究が鍵! コツを押さえた6ステップで内定獲得へ
実は簡単なIRの見方を紹介|最低限見るべき4項目とは
例文6選|志望動機で企業理念を盛り込む方法と失敗パターンを解説
ステップ③就活の軸と企業の情報から最も強調したい動機を定める
最後に、ステップ①②で明らかにしてきた「就活の軸」と「共感した志望企業独自の魅力」を照らし合わせながら、志望動機として最も押し出したい動機を定めていきます。
最も押し出したい動機は、就活の軸の要素だけだとひとりよがりになり、志望企業独自の魅力だけだとただ企業の魅力を語るだけになってしまいます。だからこそ、両方がリンクする動機を見つけて、説得力があり企業側にも響く動機を見つけることが重要です。
具体的には、以下を参考にして自分に合うやり方を実践してみてください。
- 志望企業に魅力を感じた点の理由を深掘り、就活の軸との共通点を動機にする
- 自分が成し遂げたいことが明確な場合は、企業の事業や仕事内容がどのように役立つのかを考えてリンクさせてみる
- 必ず就きたい職種がある場合は、志望企業ならではの働き方に着目して動機にする

キャリアアドバイザー
上記の導き出し方は一例です。志望企業に入社したいと思った強い動機であれば問題ないので、自分なりのやり方で志望動機をブラッシュアップしてくださいね。
キャリアアドバイザーが読み解く!志望動機は必ず「自分の言葉」で表現しよう
企業の言葉を自分なりに解釈しよう
もっとも押し出したい動機を定めるためには、自分の就活の軸と企業の情報を照らし合わせることが重要です。しかし、実際に志望動機を作成する際は、採用ページや会社説明会で使われている文言をそのまま使用するのは避けましょう。「自分の意思で考えておらず、志望度が低いのではないか」とマイナスな印象を持たれてしまう可能性があります。
重要なのは、企業が使っている文言を、自分なりに解釈して自分の言葉で表現することです。企業が大切にしている価値観をなぜ魅力に感じたのか、そしてその価値観を自分なりにどうやって解釈したのか、といった部分を企業に伝えることを意識しましょう。
企業が使っている表現を自分の言葉に置き換えることで、ほかの学生との差別化につながり、企業に志望度が高いと感じてもらいやすくなりますよ。
これだけは避けよう! 志望動機で避けるべき4つの書き出し方


就活生
文言の例を教えてもらったおかげで、自分で志望動機の書き出しを作成する際のイメージが湧いてきました。自分で作成するときのために、避けるべきことについても知っておきたいです。

キャリアアドバイザー
たしかに避けるべき書き出しを知っておくことで、自分で作成したときにチェックしやすいですね。NG例を取り上げながらポイントを解説していくので、頭に入れておきましょう。
書き出しは採用担当者の印象に残りやすい分、これから紹介する注意点を押さえないと良くない印象が残ってしまう可能性があります。採用担当者の気持ちになって考えながら確認してくださいね。
①文字数が多い
書き出しは一目で何が伝えたいことなのか理解できるように、なるべく端的に一言で表現するのが基本です。文字数が多いと読み取らなければならないことが多く、理解しづらくなってしまうかもしれません。
よく見られるのが、伝えたいことがたくさんあり多くの内容を一文に詰め込んでしまう場合です。これでは、何が最も伝えたいことなのかわかりにくくなってしまいます。
また、正しく伝わらないことを恐れて過度に説明を補足することも、文字数が多くなってしまう原因です。詳細は結論の後で説明できるので、書き出しは簡潔にまとめることを意識しましょう。
私は将来文具を通じて人々の学習や仕事を下支えすることで日本全体を発展させるための役に立ちたいと考え、「日本の未来を、描く・創る」という信念を掲げて日々高品質で画期的な文具を発明している貴社とともにこの夢を実現したいと思い、貴社を志望しています。

キャリアアドバイザー
理由付けが多いことや、書き出しの時点で細かく説明しようとしてしまい、文字数が多くなってしまっています。もう少し要素を減らして、伝えたいことを一つに絞れると良いですね。
こちらの記事では文房具メーカーの就活の進め方などを解説しています。業界の特徴についても紹介しているので、興味がある人はぜひ参考にしてみてください。
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②抽象的すぎる
最初から具体的に説明しようとして文字数が多くなることは避けたいですが、反対に伝えたいことが抽象的すぎると熱意や志望動機が伝わりにくくなってしまいます。
内容が抽象的だとほかの企業でも言える内容になってしまったり、浅い志望動機になりかねません。たとえば以下のようなものは、採用担当者の印象に残りにくいです。
私は食品業界に興味があり企業を調べるなかで、貴社のいくつかの事業に興味を持ったので志望しています。

キャリアアドバイザー
食品業界の企業なら志望企業でなくても言えてしまいそうな理由であることや、どの事業に興味を持ったのかが明確になっていないことなど、抽象的な表現になってしまっています。端的に伝えることを意識しつつも、印象に残るように具体的に伝えましょう。
食品業界の志望動機については、以下で詳しく解説しています。興味がある人はチェックしてみてくださいね。
食品業界の志望動機は個性が重要! 深掘りのコツを例文付きで解説
食品製造の志望動機は「食が好き」だけではNG! 例文付きで解説
③働くことに後ろ向きな内容になっている
書き出しに書く最も押し出したい動機が働くことに対して後ろ向きな内容だと、企業側に「入社しても能動的に自分から仕事をしてくれないのではないか」と思われかねません。
たとえば、自分が学べることが多いというような自分主体の理由や、福利厚生が充実しているなどの仕事そのもの以外への強い動機などが書き出しで書かれていると、働くことに後ろ向きな内容だと受け取られる可能性が高いです。
最初に働く意欲があまり高くないと思われてしまうと、続きを読まずに選考の合格・不合格を判断されてしまう可能性もあるので、注意しましょう。
貴社は残業が少ないうえ、家賃補助やジムの会費割引など福利厚生が充実していて、私にとってとても働きやすい会社だと考え、志望いたします。

キャリアアドバイザー
働きやすい環境が整っていることは良いことですが、最も押し出したい動機として書き出しで書くには、働くことに消極的だと思われかねない内容です。仕事の内実や自分のキャリアに紐づく内容など、働くことに前向きな動機のほうが望ましいですね。
④志望動機全体から内容が浮いている
書き出しで述べた内容と志望動機全体の内容につながりがなく、書き出しだけ浮いた印象を持たれる書き方は、全文を読んでも結局何が言いたいのかわかりにくいと思われてしまいます。
志望動機の書き出しでは「結論」を述べるため、その後の文章ではなぜその結論に至ったのかの理由や背景を伝えて、説得力を持たせることが必要です。その際、各要素に一貫性がないと「本当に思っていることなのかな」と、違和感を持たれてしまうかもしれません。
<結論>
私はまだ世の中に広める余地のある貴社の商品の売上をアップさせることで、営業職としてNo.1といわれる存在になりたいと思い、貴社を志望いたします。
<結論の根拠・具体例>
私は身体が弱かったため、病気にかかりやすく入退院を繰り返すことも多い幼少期を過ごしました。そのようななかで、友人のすすめから貴社の〇〇という健康食品を食べ続けたところ、病気になる回数を減らすことができました。ホームページで、貴社はさまざまな地域に出向き、人の免疫を保持・向上させる原材料を集めていると拝見しました。このような原料にこだわって食品を開発されている貴社の技術力に強く魅力を感じています。
<展望>
私はこのように魅力ある貴社の商品を扱う貴社に身を置き、人々の安心と健康を守れる存在になりたいと考えています。

キャリアアドバイザー
書き出しでは「営業職としてNo.1になりたい」という目標を掲げていますが、具体例は企業の技術力をメインに押し出しています。また、展望も営業職の目標からずれた内容になっており、志望動機全体に統一感がなく説得力に欠ける可能性があるので、注意したいですね。
こちらでは、営業職の志望動機作成のコツを解説しているので、営業職を志望している人はあわせてチェックしてみてくださいね。
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志望動機の書き出しに関して学生からよくある質問に回答!
志望動機の書き出しを考えるなかで迷うことや疑問に思うこともありますよね。ここでは、志望動機の書き出しに関して学生からよくある質問にキャリアアドバイザーが回答していくので、ぜひ参考にしてください。
志望動機の書き出しはなぜ重要なのですか?
志望動機の書き出しは、その後の印象や評価を大きく左右する重要な要素です。
まず、書き出しで最後まで読もうかをこの時点で判断されることも多いです。企業は一日に多くのエントリーシートや履歴書を確認するため、志望動機を読むことだけに時間を割けません。そのため、書き出しを見て続きを読もうか判断するのです。
また、最初の印象は人の記憶に強く残りやすいことから、書き出しの印象が志望動機全体の印象に影響することもあります。
さらに、志望動機だけでなく、志望動機を書いた自分の第一印象にも影響することもあります。たとえば、長く読みづらい文章だと簡潔に伝えることができない人なのかなと思われる場合もあります。反対にすっきりと簡潔にまとめられていれば、良い印象を残すことができるかもしれません。
志望動機の書き出しはあらゆる面で自分の印象を左右すると認識しておいてくださいね。
志望動機の書き出しで印象に残す方法を教えてください。
志望動機の書き出しで印象に残すためには、自分が「最も押し出したい」と思う動機を書き出しで示すことが重要です。
もしかしたら、多くの志望動機がある場合もあるかもしれませんが、書き出しに多くの動機を盛り込もうとすると、簡潔に伝えることが難しくなってしまいます。そうすると文章が読みづらくなり、最も伝えたい動機が埋もれてしまいかねません。
志望動機の書き出しは、まずは読みやすく内容が頭にスムーズに入ってくる文章であることが重要です。そして、その動機が熱意が伝わる内容であれば興味を持たれやすくなります。
そのため、書き出しを考えるときには、自分の熱意を簡潔にシンプルに伝えるように意識しましょう。
志望動機の書き出しは印象を決める重要な要素! オンリーワンの熱意で選考突破しよう
志望動機のなかでも、書き出しは採用担当者が最初に読み始める部分です。そのため、書き出し次第で志望動機全体、さらには自分の印象が決まってしまう重要な要素だと言えます。
いくら志望動機全体の内容が良くても、書き出しが読みづらかったり伝わりにくいものだと、良くない印象が残ってしまいかねません。また、ありきたりなものだと良い印象も残せないでしょう。
そのため、志望動機の書き出しは、オリジナルの言葉で自分だけの熱意を最初からしっかり示すことが大切になります。書き出しで説得力のある動機と志望度の高さを示して、選考を突破しましょう。
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志望動機って、最初の書き出しがすごく難しくて……。何から書き始めれば良いのか、毎回悩んでしまうんです。