目次
- 教育学部の就職は視野を狭めると後悔することも
- まずは押さえておきたい! 教育学部の就職事情
- 教育学部から一般企業に就職する学生は多い
- 教育学部だからといって一般企業への就職は不利にならない
- 教育学部卒業生の主な就職先
- ①教員(公務員)
- ②教員(塾などの一般企業)
- ③国家公務員
- ④通信教育や出版社
- ⑤コンサルティング企業
- ⑥人材サービス企業
- ⑦メーカー
- ⑧金融機関
- ⑨通信・情報企業
- 教育学部から一般企業を目指すときに押さえておきたいポイント
- 教員ではなく一般企業を目指す理由を明確にしておく
- 授業や実習の予定を踏まえて就活スケジュールを立てる
- 学部にこだわらず視野を広げて企業選びをおこなう
- 教育学部生ならではの面接で聞かれる4つの質問と回答例
- 「教育学部を志望した理由は何ですか?」
- 「どうして教員を目指さなかったのですか?」
- 「教育学部で学んだことは何ですか?」
- 「教育学部で学んだことで当社で活かせることは何ですか?」
- 一般企業への就活と教員採用試験は両立できる?
- 一般企業の選考ピークは6月、教員採用試験は7月以降なので可能
- 教員採用試験に落ちた場合は夏採用や秋採用に挑戦しよう
- 教育学部ならではの企業選びや対策を押さえて就活を成功させよう
教育学部の就職は視野を狭めると後悔することも
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。
「教育学部の学生の就職先ってどんなところがありますか? 」
「教育学部から一般企業に就職することってハードルは高いでしょうか? 」
教育学部の就活生からこのような質問を受けることがあります。一般的に教育学部の学生の進路は教員と思われがちです。しかし必ずしも教員になる学生だけでなく、一般企業に就職する学生も数多くいます。「教育学部だから」と視野を狭めてしまうと将来後悔してしまうかもしれません。
この記事では教育学部の就職事情や具体的な就職先、就活で注意すべき点を解説します。視野を広げて、さまざまな可能性を知り、実現したい進路を掴み取りましょう。
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まずは押さえておきたい! 教育学部の就職事情
教育学部の学生はどのような就活をおこなっているのでしょうか。実際に教育学部から一般企業を目指す学生はどれくらいいるのか気になるところです。また教育学部から一般企業への就職が有利なのか不利なのかも知りたいですよね。
教育学部の学生の就職事情について解説します。教員以外の進路を選ぶ学生の割合や大学ごとの違い、教育学部から一般企業へ就職することは不利になるのかなどまずは教育学部の就職事情を把握しましょう。
教育学部から一般企業に就職する学生は多い
結論からいえば、教育学部から一般企業に就職する学生は多くいます。「教育学部=教員」というイメージを持つ人も多いですが、必ずしもこのイメージが正しいとは言えません。
教育学部で得たさまざまな知識や数多くの経験を教員以外の道で活かしたいと考えることもあるでしょう。このような考えを持った学生を受け入れる業界はたくさん存在します。
教育学部から一般企業を目指す理由は必要ですが、毎年数多くの教育学部を卒業した学生が一般企業への就職を果たしています。
一般企業への就職率は大学によりけり
それでは教育学部卒業生の一般企業への就職率はどの程度でしょうか。答えは、大学によって大きく異なります。
早稲田大学の2020年度の進路状況によると、教育学部を卒業した学生のうち、教員を含む教育業界の進路に進んだのはわずか7.7%です。それ以外の多くの学生は一般企業に就職しています。
一方で文教大学の2021年3月の内定者のデータによると、教育学部を卒業した学生の8割以上が教員の道に進んでいます。
このように大学によって一般企業への就職率には差があり、大学ごとに特色が異なることが見て取れます。
教育学部だからといって一般企業への就職は不利にならない
教育学部に所属しているからといって、基本的に一般企業への就職が不利になることはありません。紹介した通り、教育学部から一般企業へ就職する学生は毎年数多くいます。
しかし、一般的には「教育学部の学生は教員になる」というイメージがあるため、一般企業を志す理由を明確に回答できなければ内定を勝ち取ることは難しいといえます。自己分析を通じて、面接官が納得のいく志望理由を準備しましょう。
ネガティブな理由では不利になることもある
基本的に教育学部だからと言って一般企業への就職が不利になることはないと言えますが、一般企業を志す理由がネガティブなものであれば不利になる可能性があります。選考で一般企業を志すネガティブな理由を伝えると、面接官の印象が悪くなってしまいますね。
本音はネガティブな理由だとしても、一般企業の選考では直接伝えないように気をつけましょう。
- 部活などもあって教員は忙しそう
- 子供、保護者との関係構築が大変そう
- 教育実習に行きたくない
- 教職課程が大変で疲れた
こちらの記事では、一般企業への就職を成功させるコツについて紹介していますよ。一般企業への就職を考えている人は、あわせて参考にしてみてくださいね。
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教育学部卒業生の主な就職先
教育学部を卒業した学生は、教員以外にどのような就職先を選ぶのでしょうか。一般業界へ就職する教育学部の学生が多いとわかりましたが、具体的にどのような業界や職種を選ぶのか気になるところです。実は教育学部の学生の進路は多岐に渡っています。
教育学部の卒業生が選ぶ主な就職先を紹介します。まだ業界や企業を絞れていない人は、どのような就職先があるのかをチェックしてみて下さい。
- 教員(公務員)
- 教員(塾などの一般企業)
- 国家公務員
- 通信教育や出版社
- コンサルティング企業
- 人材サービス企業
- メーカー
- 金融機関
- 通信・情報企業
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①教員(公務員)
一般的にイメージを持たれやすい教育学部卒業生の就職先が教員です。教育学部の卒業要件に教員免許の資格取得を設ける大学もあり、知識や資格を活かせる仕事として教員が挙げられます。教員を目指すために教育学部を選択した学生も多いでしょう。
教員と一口にいっても、大きく公立と私立で分けることができます。公立学校の教員は「地方公務員」に当てはまることが多く、教員を目指す際の主な就職先となります。
公務員は一般的に「安定した収入」「待遇面の充実」など社会的に安定しており、教育学部の学生にとって知識や資格を活かせることからも、人気の高い職種です。
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②教員(塾などの一般企業)
同じく教育学部の学生の就職先として多いのは塾などの一般企業です。塾など一般企業での教員は、公務員同様に教員として子供たちの指導に携わることができます。
また授業に集中できるのも塾の特徴の1つです。学校の教員は授業以外にも数多くの業務を担当しなくてはいけません。一方で、塾の場合は授業とその他の事務業務の担当を分けていることが多く、授業に集中できる環境があります。
またキャリアの広がりがあるのも魅力の1つです。数年間、子供たちの教育に携わった後、教材開発の企画や営業、総務などさまざまなポジションへ異動できる可能性があります。教育現場での経験、知識を活かして新たなチャレンジをすることができます。
③国家公務員
教育学部の学生の中には国家公務員を進路に選ぶ学生がいます。一人ひとりの子供に向き合うだけでなく、教育業界そのものを改革したいと志を持つ人は、文部科学省や教育委員会などで働く国家公務員がおすすめです。
また国家公務員の試験は、教員採用試験と近しい内容もあることから、教員採用と併願するケースもあります。国家公務員には「総合職」と「一般職」の2つに分類されます。前者の「総合職」はいわゆる「キャリア官僚」として政策立案や法律にかかわります。一方、「一般職」は事務などを担う専門のスペシャリストとして業務をおこないます。
④通信教育や出版社
通信教育や出版社では子供向けの本や教科書、受験対策本など教育にかかわる本や教材を提供しています。
教育にかかわる本や教材を扱う企業では、教材の開発をおこなう部署があります。教育学部で学んだ知識や経験を教材開発の仕事で活かすことができ、教材を通して教育に携われる点から教育学部の学生に人気の進路の1つとなっています。
子供たちに直接指導するだけではなく、教材を通して教育に携わりたい学生におすすめの進路です。
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⑤コンサルティング企業
コンサルティング企業と一口に言っても、さまざまな分野があります。その中で保育園や幼稚園、小学校から大学までの学校経営を対象にコンサルティングをおこなう教育業界向けのコンサルティング会社も教育学部の学生に人気のある就職先の1つです。
教育業界向けのコンサルティング会社を志望する学生は、国家公務員を志望する理由と近しく、教育現場をより良くしたいという想いを持っている学生が多いです。教育学部で学んだ知識や経験を活かし、学校経営そのものや、教育現場をよりよくするために日々の業務に取り組むことができます。
コンサルティング業界に興味のある人はこちらで志望動機のポイントを解説していますので確認してみましょう。
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⑥人材サービス企業
人材サービス業を選ぶ教育学部の学生もいます。直接教育とかかわりがなさそうに感じますが、人材サービス業界は主に「キャリア」を扱うので、「人の成長にかかわる」という点で人材サービス業界と教育業界と似ている点があります。
教育学部を志す学生の中には、「人の成長にかかわる」ことに関心を持っている学生も多いでしょう。対象が勉強ではなく、就職や転職になりますが、「人の成長にかかわる」点は似ています。
人の成長に関心のある学生は人材サービス業を選択肢の1つに加えてはいかがでしょうか。
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⑦メーカー
ものづくりを担うメーカーはさまざまな業種業態がありますが、中でも教育学部の学生に人気があるのは知育や教育にかかわるおもちゃを作るメーカーです。
特におもちゃを作るメーカーでは教育学部で得た知識や経験を活かすことができます。おもちゃメーカーにはおもちゃの開発や企画をおこなう部署があり、体系的に教育について学んできた教育学部の学生が活躍できる可能性があります。
教科書など教材以外で教育に携わりたい場合には、おもちゃを作るメーカーを選択肢に加えても良いかもしれません。
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⑧金融機関
教育学部の卒業生は金融機関を進路に選ぶ学生がいます。教員のような安定した仕事として、収入面が安定している金融機関を志望する学生が少なくありません。
メガバンクを志望する学生もいますが、教育学部の学生には地方銀行も人気です。地方銀行は地域密着型の経営が多く、住み慣れた地域で仕事ができます。転勤が少なく、希望する地域で仕事ができる点は教員に近しい部分があり、働き方が教員と地方銀行は似ています。
働き方から教員を志望する学生にとっては、金融機関でも希望する働き方を実現できる可能性があります。
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⑨通信・情報企業
一見、教育学部と通信・情報企業はつながりがないように見えます。しかし実はITを通じて教育を手がける企業が増えており、通信・情報企業を選ぶ教育学部の学生も多くいます。
近年は特にオンライン教育の需要が一気に広がりました。新しい学び方の1つとしてITを通じた教育のニーズは確実に高まっています。地方の学生は都市部に出なくてもオンラインで同等の教育を受けるチャンスを得られるようになりました。
教育とITというまだ新しい分野ですが、これから更なる成長が期待できる分野といえるでしょう。
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教育学部卒業生の就職先として、インフラ業界も人気が高い傾向があります。もともと教育に興味関心があった学生は「人の役に立ちたい」という思考をもった人が多いです。鉄道、電力、ガス、航空といった人々の生活基盤を支えるインフラ業界は、そういったやりがいを感じやすい仕事内容でしょう。
またオンライン授業の講師職も人気の職業の一つです。中でも、ITエンジニア養成スクールが注目を集めています。IT需要が高まっている現在、スクール数が急増していると同時に講師職の募集も増加しています。入社後にITの知識を身につける必要がありますが、教育に携われるうえに教材作成の企画など幅広い業務経験を積むことができるのも特徴です。与えられた仕事をこなすだけでなく、事業を生み出す「0→1」を経験したいという人にはぴったりですね。
もちろんITエンジニア養成スクールに限らず、語学スクールなどほかの分野での講師職もありますので、自分が興味をもてる分野に携わるのも良いですね。
社内の教育に携わることも1つの選択肢
または業界や職種にかかわわず、「人を育てる」役職、スーパーバイザーや社内の研修担当などであれば、人に合わせたコミュニケーション方法など、教育学部での学びを実践する場があります。各業界ごとのサービスに沿わせて就職先を選ぶのではなく、社内の教育面に目を向けて就職先を選ぶこともできるのではないでしょうか。
教育学部から一般企業を目指すときに押さえておきたいポイント
一般企業では、教育学部の学生は教員を目指すのが一般的と考える人も多くいます。また教育学部の学生は教育実習に参加する人も多く、スケジュールの調整で注意が必要です。
そのため、教育学部から一般企業を目指すときにはいくつか押さえておくべき注意点があります。事前に準備することで十分に対応可能ですので、これから解説するポイントを押さえてくださいね。
企業の中でも教育業界を志している人は、こちらの記事で志望動機の書き方も確認しましょう。
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教育業界の志望動機を作成するときは、2方向から成長への貢献を伝えることが大切です。今回は教育業界のトレンドや求められるスキルを紹介していくとともに、キャリアアドバイザー監修のもと教育業界の志望動機の構成を例文付きで解説していきます。
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教員ではなく一般企業を目指す理由を明確にしておく
教育学部から一般企業を目指すときには、まず第一に一般企業を志望する理由を明確にしましょう。
あなたの履歴書を見て、「教育学部なのに教員にならないのはなぜか」と気になる面接官も多いでしょう。気になった点を面接の場で質問してくるので、面接官に納得、共感してもらう理由を持つ必要があります。
一般企業に就職し、何をしたいのかを明確に伝えることが大切です。
- どうして教員ではなく志望企業で働きたいのか
- 志望する企業でどのように成長したいのか
- どのような仕事にチャレンジしたいのか
- 教育学部の経験をどのように活かしたいか
上記の項目を面接官にしっかりと伝えられるように、十分に棚卸しをしてみましょう。
こちらの記事では志望動機の考え方について解説しているので、そこから一般企業を志す理由を探してみることもおすすめです。
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教員を否定しない
一般企業を目指す理由を考えるときに注意したいのは、教員を否定しないことです。
面接官に理由を問われたときに「教員は大変」や「学ぶことに疲れた」など教員をネガティブに表現するのは控えて、前向きな理由を伝えましょう。
仮に本音だとしても、「教員をやりたくない」という理由では面接官の納得を得るのは難しいです。面接官によっては「仕事で大変なことがあったら、すぐに辞めてしまうのではないか」とマイナスの評価をする可能性もあります。
キャリア
アドバイザー
教員を否定することは、教員として活躍する人たちを否定することにつながりかねませんので、控えるようにしましょう。
授業や実習の予定を踏まえて就活スケジュールを立てる
教育学部に所属して就活をおこなう際に押さえておきたいのがスケジュールです。具体的に教育実習のスケジュールを見越して、就活のスケジュールを立てていきましょう。
教育学部では、教育実習の参加を必須にしているところが多いです。教育実習に参加しているときは、教育実習に専念する必要があり、仮に第一志望の面接と重なっても日程の調整が難しいといえます。
そのため、教育実習のスケジュールと被らない日程で就活を進めていかなくてはいけません。あらかじめ企業にて定めている選考スケジュールと教育実習の日程が被ってしまう場合には、選考段階で志望企業に報告し、選考スケジュールを調整してくれるか相談してみても良いでしょう。
就活と教育実習の一般的なスケジュール
所属する大学によって異なりますが、教育実習は原則4年生で実施します。時期は5〜6月が多く、中には9月以降に実施するケースもあります。実習期間は2〜3週間ほどが一般的です。
一方、就活の一般的なスケジュールは3月~6月にかけてエントリーや選考が始まってきます。
キャリア
アドバイザー
教育実習のスケジュールは、ちょうど就活のエントリーや選考と重複する可能性がありますので、スケジュールの調整ミスで志望する企業の選考に参加できないとならないよう、事前にスケジュールを把握して、綿密に予定を立てましょう。
就活スケジュールや必要な対策についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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学部にこだわらず視野を広げて企業選びをおこなう
教育学部に所属しているからといって、必ずしも教育にかかわる業界や職種に就職しなくてはいけないわけではありません。教育に限らず、自分の興味関心のある分野は何かを考え、会社説明会などへ積極的に参加してみましょう。
チャレンジしたい業界や職種が見つかったら、大学生活で経験したことや学んだことを活かせるかどうか考えてみましょう。勉学を通じて学んだこと以外にも部活やサークル、アルバイトなどの経験から活かせることが見つかるかもしれません。
企業選びには軸が大切です。就活の軸の見つけ方はこちらで確認してください。
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教育学部から一般企業を目指す際に特に重要なのは、志望動機を明確にしておくことです。教育学部の学生がエントリーした際、多くの企業は「なぜ教師にならないのか」「教育実習が大変で挫折したのか」といったネガティブな印象を抱きやすい傾向にあります。
この部分を払拭することが何よりも重要となるため「なぜ教師にならずに一般企業を選ぶのか」といった理由を明確にすることが求められます。ネガティブな印象を払拭できなければ「飽き性」「ストレス耐性がない」など、よりマイナスな印象を抱かれてしまう可能性もあるため注意が必要です。
教育関連の仕事にこだわらず視野を広げることも大切
また、学部に捉われずに広い視野で企業選びをおこなうことも重要です。教育学部に限らず、大学で習ったことの大半は企業で使わないのが実情です。技術職など専門性ありきの仕事もありますが、文系の職種だと専門性は求められないことがほとんどです。
しかし、教育学部の学生は授業に費やした時間が多いからか「教育にかかわらなければ」という考えに捉われてしまっている人が多い印象です。大学で習得したことにとらわれず、心から携わりたいと思える仕事を選んだ方が、社会人になってからいきいきと過ごすことができますよ。
教育学部生ならではの面接で聞かれる4つの質問と回答例
面接に挑むにあたって大切なことは想定質問に対して対策をしておくことです。特に教育学部生ならではの質問については、対策は必須となります。
ここからは教育学部生ならではの面接で聞かれる4つの質問と回答例を解説していきますね。
教育学部に限らず面接で頻出する質問についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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面接の質問に対する回答内容を事前に考えておこう こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。就活生から 「面接でどんな質問がされるかわからない」 「ぶっつけ本番で質問に答えるとヤバいですか?」 といった声を多く聞きます。 […]
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「教育学部を志望した理由は何ですか?」
この質問はあなたの人柄や考えを知りたいという理由から聞いています。大学の進路選びは大きな決断であり、今までの生き方が大きく反映されています。
高校生までにどのような経験をしてきたのか、その経験からどのような理由で教育学部を志望したのかを聞くことでパーソナリティを深く知ることができます。
改めて自分がどのような理由で教育学部を選んだのか、今までの経験を踏まえて回答できるように準備しておきましょう。
回答例
私が教育学部を志望した理由は、母が自宅で公文式の先生をしていて、子供の成長に興味を持ったからです。勉強が苦手な生徒を教えるときに叱らず丁寧に教える献身的な母の姿を見て、母のような教育者になりたいと思ったのがきっかけでした。
勉強嫌いな子にも寄り添い、一緒に問題を解くなど生徒に寄り添う指導を見て、私も子供たちの成長を支えたいと考え、教育学部に入学しました。
キャリア
アドバイザー
エピソードを交えて教育学部を志望した理由を説明することで、面接官は人柄や考え方を知ることができます。単に志望した理由のみを答えるのではなく、なぜそう感じたか背景まで伝えるようにしましょう。
「どうして教員を目指さなかったのですか?」
この質問の背景には、あなたの考えや価値観を知ろうとするだけでなく「教員への未練はないのか」「入社後に教員を希望することはないのか」と一般企業を志望する覚悟を確認する場合もあります。
教員への未練や将来教員へ挑戦したい気持ちがあると、面接官に早期退職の懸念を持たれるかもしれません。逆に教員を目指さない明確な理由が伝われば、長く活躍してくれると評価されるでしょう。
回答例
私は父の姿を見て漠然と教員に憧れを抱いていましたが、大学に入り教育について学ぶなかで、教員以外にも教育に携わる方法があることを知りました。
振り返ると、教育全体を良くしていきたいと口にする父の姿に憧れを持っており、生徒に指導する教員に憧れていたわけではありませんでした。教育業界全体を良くしたいと考えており、今は教員という選択は考えていません。
キャリア
アドバイザー
なぜ教員でないかが経験や考えからロジカルに説明されており、納得感を持てる内容です。最後に教員という選択肢は考えていないと言い切ることで面接官の印象に残すこともできています。
「教育学部で学んだことは何ですか?」
この質問の背景は教育学部で学んだことを確認することで、学校の勉強への向き合い方や学んだことをどのように仕事へ活かせると考えているのかを確認しています。
特に教育学部で学んだことから持った課題を踏まえて、その企業を志望するようになったきっかけとつなげていくとアピールしやすいと言えるでしょう。
回答例
教育実習を通して実際の教育現場に伺った際、日本の教育体制はまだまだアナログで、効率化できる余地が十分にあることを学びました。教育現場にはITが導入されていないことが多く、手書きでテストを作ったり、授業の資料を作ったりしている現状を知りました。
より良い教育をするためには先生たちが授業に集中できる環境を作る必要があるのではと考えるようになりました。教育全体をより効率化したいと考え貴社を志望しています。
キャリア
アドバイザー
教育学部で学んだ内容が間接的に教員ではなく、一般企業を志望する理由に結びついています。面接官に納得感を与える内容で、一般企業への志望度をアピールできています。
「教育学部で学んだことで当社で活かせることは何ですか?」
この質問を通じて、面接官は入社後にどのような活躍をしてくれるかを知りたいと考えています。学生にとってはアピールのチャンスでもあるので、十分に自己分析をおこない、面接官に伝えましょう。
面接官は大学での学びの活かし方をどう考えているのかを把握することで、自社にとって採用する価値のある学生かどうかを見極めています。
回答例
私は教育学部で、どのように生徒と接すれば前向きに勉強に取り組んでくれるかを学びました。御社では、大学時代の学びを活かし、プロジェクトでかかわる方や同僚の方と前向きになるコミュニケーションを取り、高い成果を出していきます。
前向きに取り組むことで一人ひとりの能力を最大限発揮できることを教育学部で学んだので、仕事でもかかわる人の能力を発揮できるコミュニケーションをしていきます。
キャリア
アドバイザー
入社後にどのような成果に結びつけるかまで具体的に伝えており、説得力のある内容です。学んだことと活かせることが論理的で、面接官が期待を持てる回答になっています。
一般企業への就活と教員採用試験は両立できる?
就職活動の段階で、まだ教員と一般企業のどちらにしようか決めきれないという学生もいると思います。就職活動を進める中で進路を決めたい場合、一般企業への就活と教員採用試験は両立できるのでしょうか。
結論から言えば、両立は可能です。ただし、スケジュールを誤るとチャンスを失ってしまう恐れがあります。一般企業への就活と教員採用試験を両立するためのポイントを解説します。ポイントを押さえて、納得のいく進路で就活を終えられるようにしましょう。
一般企業の選考ピークは6月、教員採用試験は7月以降なので可能
キャリアアドバイザー
結論から言えば、一般企業への就活と教員採用試験の両立は可能です!
一般企業の就活スケジュールは、大学4年生の6月が選考のピークになります。大学4年生の5月まではESの作成や企業研究、説明会への参加が中心です。中にはこの時期に選考を実施する企業がありますが、大手企業などは6月からの選考となります。
教員採用試験のスケジュールは、7〜9月にかけて試験を実施する団体がほとんどです。願書の受付は3月下旬から4月にかけて始まります。
このようなスケジュールのため、一般企業の選考日と教員採用試験の試験日が重複することはほとんどありません。そのため、一般企業への就活と教員採用試験の両立は可能といえます。
ただし、教育実習のスケジュールは一般企業の選考ピークと被る
教育学部の学生にとって注意したいのは、教育実習のスケジュールでしょう。すでにお伝えした通り、教育実習は学校によって異なりますが、主に大学4年生の5〜6月に実施されることが大半です。そのため、一般企業へのES提出期限や選考日と重なってしまう可能性があります。
一般企業の選考がピークになる時期と教育実習をおこなう時期が重複してしまうため、スケジュール調整が重要になることは覚えておきましょう。
教員採用試験に落ちた場合は夏採用や秋採用に挑戦しよう
教員試験の結果はおおよそ大学4年生の10月に発表されます。試験後に手応えがいまいちだったり、結果が不採用となった場合は切り替えて一般企業の夏採用や秋採用に挑戦しましょう。
一般企業の採用は春採用といわれる6月からの選考に集中していますが、採用予定人数を採用できなかった場合などは夏採用や秋採用をおこなうことがあります。春採用に比べ採用人数は限られており、狭き門になることが多いですが、可能性がある限りチャレンジしてみましょう。
また一部の企業では通年採用をおこなっている企業もあります。教員採用試験で不採用であっても諦めずに一般企業での就職を目指しましょう。
夏採用についてはこちらを確認してください。
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教育学部ならではの企業選びや対策を押さえて就活を成功させよう
教育学部の学生の進路は教員以外にも一般企業のさまざまな業界があります。教育学部で培った経験や知識をアピールすることで、一般企業でも高評価を目指すことが可能です。
そのためには業界や企業選び、選考への対策、そして教育実習や教員採用試験と並行して就活をおこなうスケジュール立てが求められます。就活も学校もスケジュールを上手に調整しながら、あなたに合った就職先を見つけましょう。
キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
教育学部から一般企業に入社する人の中には「教育の場に立つ前に、一般的な社会経験を積んでおきたい」と考えている人もいます。つまり、将来的には教員を目指すものの、より理想的な教員に近づくために会社員としてのキャリアをまず歩むという選択肢です。
実際に、学生のうちから上記のような明確なキャリアビジョンをもって一般企業に就職した人もいれば、一般企業に長く勤めるつもりで入社したものの、やはり教育にかかわりたいと中途で教員を志す人もいます。
このように、教育学部の出身だからといって必ず教員を目指さなければいけないことはありませんし、教員以外の一般企業への就職先も数多く存在します。しかし「なぜ教員ではなくこの企業なのか」という志望動機やキャリアビジョンは強く求められる傾向にありますので、明確に自分の言葉で説明することが重要です。この対策さえ押さえれば、就職先の選択肢はたくさんありますよ。